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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
銀座「鮨 み富」訪問。

先週土曜日は歌舞伎座「二月大歌舞伎」第一部を二回目の見物。最初に見た「十種香」が印象薄かったので、本当はそんな事ないよなと思って再びトライ。

前回は、門之助にちょっと気を取られたが、そもそも門之助のしどころはあまりなく、あまり注目する必要はない。上手と下手の女形の対比に注目すればよかったのであった。骨太な竹本の語りと、魁春の八重垣姫、孝太郎の濡衣に集中すると、これが実に味わい深い。深窓の赤姫の激しい恋慕、恥じらい、情念と落胆を描き出す歌舞伎の芸の凄み。濡衣も姫とは違う大人の女の落ち着きが印象的。そして最後のアンハッピー・エンド。

次の演目「泥棒と若殿」も、松緑も巳之助が実に印象的。二度目に見ても感動は薄れない。幕が降りても客席から長い拍手が。ただ売り切れの二部、三部と比べると客が実に少なかったのが残念。いつか再演あるとよいな。

ということで、この日は土曜日の12時50分に打ち出しなので「鮨 み富」を1時から予約してあった。歌舞伎座を出た時はもう1時3分前位で、ちょっと終演が押したかな。

なんだかんだで緊急事態宣言下で外食はちょっと控えており、この店も今年に入って初訪問。親方もサービスの女性もマスク装着。入店して手洗い手指消毒。席に着くと紙製のマスクケースが渡される。隣の客との間隔は最低限一席空けてある。なんとなく安堵してカウンタに座れるなあ。

お酒は親方がお勧めの瓶を何本か並べてくれる。春の酒のラインアップ。最初は北光正宗の春仕込純米吟醸。口当たりは爽やかだが米の旨味がふっくらとしている。次に長野の酒、桜の花麹で醸したという「積善」。スッキリと切れがある酒。

昨今の景気を聞くと、やはりコロナ影響はあるものの、昼から通しでやっているので、その点はお客が分散して減少が少ないのではとのこと。今日は歌舞伎座帰りだと言うと「そうそう、昨日も歌舞伎の次の部の合間に来店されたお客さんがいましたよ」と。「新富寿し」も昼から夜まで通しでやっていたので、歌舞伎役者も結構来たとの話を前に聞いた。

お通しはホタルイカ。まだまだこれからだが、既に脂が乗ってきた。お好みでつまみを切ってもらう。まずヒラメ。旨味あり。ブリは腹の身。もうそろそろ終盤か。平貝もつあみで。シマアジ。もうトリ貝があるというので注文。兵庫で上がったと。これから肉厚になっていく走りだが、もう既にトリ貝の香りあり。カツオは太平洋で取れた初鰹。もう取れるんだなあ。寿司種もだんだんと春の気配に。

親方から「新富寿し」に最近工事が入って前の造作を壊しているとの話を聞く。あの長いカウンタは削れば再生できるし値打ちものだと思うが、捨てるとしたらもったいないな。居抜きでやるのはちょっと難しいか。

「新富」は自社所有だったから気にせずやれただろうが、銀座5丁目の一等地の路面店。家賃を払ってあの店を営業できるのは、ある程度客単価が高い店でないと駄目だろう。間口は狭くて奥行きがある。長いカウンタの後ろには個室もある。寿司、鉄板焼、カウンタ和食、天ぷら、フレンチやイタリアン。どんなテナントが入るか、なかなか興味深いと雑談。

この辺りで握りに。ヒラメ昆布〆、サヨリ、中トロ、コハダ、ハマグリ、カンピョウ巻など。〆もの煮物は古式を残す甘味あり。お酒飲んだ後では小ぶりのこの店の寿司もまた好ましい。なんだかんだ喋って結構長居してしまった。昼歌舞伎と昼酒で酔っ払って、タクシー帰宅の後、昼寝したら夕方だった(笑)

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歌舞伎座「二月大歌舞伎」、二部、三部を見た。
2月の13日は、歌舞伎座の「二月大歌舞伎」二部と三部を見物。

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前の週に見た第一部の客席は、残念ながらガラガラだったが、第二部はニザ玉、第三部は十七世中村勘三郎三十三回忌追善。チケット販売時から一階中央前列は全て空き無し。

一階でかろうじて空いていたのが桟敷席のみ。コロナ前なら二人で座って弁当も運ばれ、飲食できる席だが、コロナ禍では座れるのは1名、飲食禁止とあっては、あまり人気が無い。しかし感染予防の観点からは、前後に客はいないし左右も椅子席よりも距離があり、なかなか快適。そして客席は、前後左右を開けながらもほぼ満席。

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第二部最初の演目は、四世鶴屋南北作「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」 土手のお六。2018年3月の歌舞伎座でもニザ玉で見た事あり。

今回も、お六を玉三郎、その連れ合いの悪役、鬼門の喜兵衛を仁左衛門が演じる。

土手のお六は「悪婆」と呼ばれる鉄火な女の悪役。仁左衛門の悪役は凄みと色気があるが、軽妙さも兼ね備えて、二人共あちこちで笑いを誘う演出。策略を凝らして大店を強請るが、歌舞伎では大体、ゆすりたかりは上手く行かない。

最初のうちは勇ましいが、形勢が段々と悪くなって口数が少なくなるお六がコミカルで面白い。さすがに鬼門の喜兵衛もやり込められて負け惜しみ。最後は軽妙な掛け合いで両者が駕籠をアラヨっと担いで花道を去る。気楽に見物できる演目。大店の場では、寺嶋眞秀が小僧で出演。幕間では両親がロビーに居た。

次の「神田祭」も18年3月と同じ、仁左衛門と玉三郎の舞踊。粋な鳶の頭と恋仲の芸者が、目出度い祭りを背景に連れ舞いを見せる。もともと初演時に二人用に振りがつけられたというが、手慣れたもので、まるで本当にキスするんじゃないかというほどデレデレいちゃいちゃの仲の良さを粋な舞踊で表現。最後は花道でもいちゃついた後、「どうも失礼しました」と交代で客席に挨拶してご機嫌で去る。客席は大いに沸いた。

二部の終演と三部の開演には1時間半の間あり。早めの夕食を鰻屋で。アサリのしぐれ煮、鰻の酢の物で一杯。締めは鰻丼。

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第三部の開演は5時半。第三部もA2、A3ブロックは一席も空いておらず、また一階桟敷席で。

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第三部は、十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言。最初の演目は「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)」 袖萩祭文

男と出奔して落ちぶれ果て盲目の瞽女になった娘が、父親が切腹を賜る危機にある事を知る。親に一目会いたい、孫娘に会わせたいと、勘当された家に最後に会いに来る。しかし武士の忠義を通す父親は会う訳にゆかない。封建時代の道理が親子の情愛を引き裂く悲劇。

七之助は袖萩を初演で演じる。見巧者の爺様に言わせるとおそらく、あれこれ芸に足りない所があるのだろうが、例えば雀右衛門と比べて単純に優れているのは七之助が痩せている事。女形が肥えていては、役の哀れさがあまり出ない。先代雀右衛門は、年取ってからも太らないよう節制していたそうであるが。

勘九郎の次男、長三郎は娘お君をなかなか頑張って演じる。歌舞伎での子役のテンプレートは、子役の演技力に依存せずに通用するよう出来上がっているのだが、それでも以前よりずっとしっかりしている。子供が大きくなるのは本当にあっという間だ。勘九郎も出演。追善らしく、芝翫、歌六、東蔵、梅玉と重厚な脇役陣が花を添える。

次の演目は、河竹黙阿弥作「連獅子(れんじし)」

勘九郎と長男の勘太郎が親子の獅子を演じる。十七世勘三郎は子息の十八世勘三郎と度々この演目を務めたが、十八世も子息の勘九郎、七之助と演じている。中村屋の伝統は孫の代へと受け継がれた。

勘太郎の9歳は、歌舞伎座で子獅子を演じた年齢として最年少だそうである。しかし、足を踏む音にも力強い若さが溢れ、親獅子との息もピッタリ。体力も必要だが、しっかりした舞踊で最後まで踊りきってあっぱれ。中村屋の血だねえ。




二月歌舞伎座、「二月大歌舞伎」第一部を見た。
2月最初の土曜日は、歌舞伎座で「二月大歌舞伎」第一部。

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最初に演目が発表されてから、緊急事態宣言を受けて、打ち出しを8時前にする事に変更。第一部の開演は、普段よりも繰り上がって10時半に変更。ちょっと早い。そして終演が12:50。歌舞伎座内では感染予防の観点から飲食禁止だから、昼食の時間がちょっと中途半端になってしまうのがなあ。

最初の演目は「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」 十種香

第一部の観客席、2階3階、桟敷席は殆ど無人。A1ブロックも客無し。1階一等席の後ろ半分もほぼ無人。全体として半分も埋まっていなかったのでは。翌週に第二部、第三部と続けて観劇したが、こちらは感染予防で間引いた座席とはいえ、一階二階三階は、ほぼ埋まっていた。

二部はニザ玉、三部は中村屋兄弟の十七世勘三郎追善であるのに対して、第一部の最初が、魁春、門之助、孝太郎というのはちょっと地味過ぎたか。劇場の座席は後に取って置いて売る訳に行かないから、空きならそのまま機会損失が確定する。客を呼べる役者の配分は、コロナ禍の三部制では余計に難しいかもしれない。

「十種香」の八重垣姫は、女形「三姫」のひとつで中村魁春が勤める。八重垣姫が香を焚いて勝頼の掛け軸に向かい香を焚き回向する最初の出。

席はA3ブロックの前方、下手寄りだったので八重垣姫が上手の部屋で後ろを向いていると、あんまり見えない。義太夫を聞きながら、正面でじっとしている門之助をただ見る事になる。この武田勝頼は白塗りの二枚目で、元々、何をするでもない役というか、余計な事はやってはいけないと教わるらしいが、見ていてどうも眠くなっていけない。

魁春が舞台中央に出てきてからは、歌右衛門の型をそのまま伝えた古風な赤姫の姿は熟練の芸を感じさせるもの。錦之助の長尾謙信が現れてからは、舞台はドタバタと雰囲気が変わり、姫の恋心を蹴散らして、悪い方向に進んで行くのだった。

ここで15分の幕間。しかし売店でもソフトドリンクしか売っていないし、する事ないなあ(笑)

次の演目は、山本周五郎作、「泥棒と若殿(どろぼうとわかとの)」。山本周五郎の短編小説を昭和43年に歌舞伎化したもの。

松緑は平成19年に十世坂東三津五郎とのコンビで初演。年齢から言うと松緑が若殿だが、反対の方が面白いと三津五郎の意見で松緑が泥棒役に。松緑にとっては思い入れの深い演目で、再演の話があったものの三津五郎以外では気乗りせず断っていたのだが、今回三津五郎の長男、巳之助を若殿役に得て、思い出の演目を再演。新歌舞伎であるが、これが実に面白かった。

藩の跡目争いに巻き込まれ、荒れ果てた御殿で見捨てられたように暮らしている若殿の所に、深夜、泥棒が入ってくる。有り金を出せと泥棒は凄むが、金も食料も何も無い。死を待つだけだという若殿に、疑心暗鬼で家探しするも本当に何も無いのが泥棒は、この若殿の境遇を憐れんで、人足寄場に働きに行き、前金を貰って食料を買い込んで若殿に飯を食わせてやる。そんな事から始まった二人の奇妙な同居生活。

泥棒といっても、運命に翻弄されて、若殿のボロ屋敷に入ったのが初めて。悲惨な生い立ちながら、実は心優しく一本気な男を松緑が演じて実に印象的。ニンにあるんだね。巳之助も若殿役にはまっている。三津五郎の面影が時折よぎるのも親子だなあと感慨あり。

藩の跡継ぎに決まり、その運命を受け入れる若殿と、働いて真っ当な人間になった泥棒、桜散る最後の別れも印象的。幕が降りても客席から長い拍手。もっと観客が入っていればよかったのになあ。



一月の歌舞伎座「壽初春大歌舞伎」第一部を見た。
正月1月5日に歌舞伎座の壽初春大歌舞伎、第一部を観劇。すっかり歌舞伎日記更新が滞っていたが、もう2月大歌舞伎が始まっているよねえ。備忘のため記録を。

歌舞伎座は、感染対策が徹底しており、ロビーでも場内でも観客はほぼ無言。まあ、ルール守らない傍若無人のオバちゃんは何処にでもいる。しかしそんなには目立たないか。場内での飲食も無し。1月からは3部制になって、各部の上演時間が少し長くなった。

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5日に第一部を。歌舞伎座の中も正月の気分。

最初の演目は、「壽浅草柱建(ことほぎてはながたつどうはしらだて)」。例年は行われる正月の浅草公会堂での花形歌舞伎はコロナ禍で中止。しかし、歌舞伎座公演の一幕に、花形が集う浅草歌舞伎が戻ってきた。外題に「浅草」を入れて「はながたつどう」と読ませるのが歌舞伎の粋。

綺羅星の如くに歌舞伎の若手花形が、歌舞伎の様式美満載の、目出度い曽我物の舞台に並ぶ。曽我物は江戸の昔から正月に繰り返し演じられ、歌舞伎特有の役柄が出て、最後はハッピーエンドとなる、歌舞伎美に満ち溢れた一種の完成されたテンプレート。人間国宝の大看板が円熟の技芸を見せなくとも、演技のどこがどうのこうのとケチつける必要もなく、十分に歌舞伎を見たなという一幕として成立するのが面白い。

松也が曽我五郎、隼人が曽我十郎、巳之助の朝比奈は印象的。米吉の大磯の虎、莟玉の化粧坂少将、鶴松の喜瀬川亀鶴も、萎びた爺さんが芸の力で演じるよりも若々しくて良い。新悟の舞鶴、歌昇の工藤左衛門は流石に風格というか、一日の長ある印象かな。

二幕目は、「猿翁十種の内 悪太郎(あくたろう)

狂言を題材にして、二世猿之助に当て書きされた台本で歌舞伎として初演された、澤瀉屋家の芸。勿論、猿之助が悪太郎。最初の花道の出から、酔っ払ったフラフラで出てくる。酔態で踊ったり演技するのは難しいと思うが、上手くこなして面白かった。泥酔した者が薙刀とか振り回すと怖いなあ(笑)

酔い覚めが始まって「ウェ~っ」とえづきながらも、そのまま寝ていたら良いのに起き上がって周りに散々迷惑をかける。酔っぱらいは、どうしようもないなと、自らも酒飲みの感慨。まあしかし、気楽に笑える一幕。

一月の歌舞伎座「壽初春大歌舞伎」第二部を見た。
一月には、歌舞伎座で、壽初春大歌舞伎を、正月1月4日に第二部、1月5日に第一部と観劇。非常事態宣言などあって、すっかり歌舞伎日記更新を忘れているうちに、歌舞伎座では二月大歌舞伎の初日が開いてしまった。備忘のため記録を。

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第三部も6日にチケットは取っていたのだが、若干微熱があってキャンセルに。体調はその後は問題なかったが、やはり年末年始の飲み過ぎが原因だったのか。もっとも第三部はNHKの元旦歌舞伎座生放送で放映されており、TVで見れたのでまあいいか(笑)

歌舞伎座は市松模様に前後左右の席が空き、観客はマスク着用で入場時に検温に手指消毒。ロビーや客席内では飲食禁止で会話も控えるよう案内がある。12月までは4部制で一幕は1時間程度であったが、1月からは3部制で若干上映時間が若干伸びた。しかし緊急事態宣言を受けて1月11日以降は第三部の開始を早めて8時までに全ての興行が終わるような時間割に調整となったようだ。

4日は第二部。

最初の演目は、「坂田藤十郎を偲んで」と添え書きがある「夕霧名残の正月(ゆうぎりなごりのしょうがつ)」由縁の月。

大店の放蕩息子が勘当され、落ちぶれ果てて紙子の衣装で昔、散々遊んだ遊郭を訪ねてくるというのは、上方和事の典型的な役であるが、この話では身を持ち崩すほど入れあげた夕霧は病を得て既に亡くなっている。藤屋伊左衛門が懐かしい遊郭に上がり、ふとウトウトする間に夕霧の霊が現れるという狂言。

この作品から派生する「夕霧物」の伊左衛門は、代々の坂田藤十郎の当たり役。今回は先代藤十郎の長男鴈治郎、そして夕霧を次男の扇雀が演じるという追悼の演目。どちらにも藤十郎の面影がある。

夕霧の死に目にも会えなかった伊左衛門が、49日の日に店に現れ形見の打掛の前で思いにふける。背景が桜に変わり、在りし日の夕霧が夢幻の如く姿を現す。この夕霧が実に儚くも美しい。伊左衛門も、実に人の良いあかんたれの哀れを体現してよい。自分が落ちぶれ果てる間に、愛する女が死んでいたと言うのは、どんな気分のものだろうと、それが胸を打つ。

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幕間に、3階に行ってみると、かなり前にから一つだけ空いて気になっていた「往年の名優」コーナーの最後の空きスペースに、坂田藤十郎の写真が収まっているのを見てなんだか妙な納得。12月はまだ空きスペースだったのだが、今月は藤十郎を偲ぶ演目もあって切りが良いのか。今後、大幹部にお迎えが来たら「もう歌舞伎座に写真飾る所が無いんだよ!コノヤロー!」と追い返してほしいものである。

第二部次の演目は「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)祇園一力茶屋の場」

幕が開いて、斧九太夫や侍達が出た後に舞台に出る吉右衛門の大星由良之助は、既に書状を持っており、雀右衛門の遊女おかるが二階からその手紙を見てしまうシーン。上演時間が限られているからだと思うが、最初の部分を随分と端折っている。

由良之助が遊女たちと目隠しをして遊興に耽っている場面、「討ち入りはいつか」と酔いつぶれた由良之助に侍が問いただすが、討ち入りなどしないと否定する場面、息子の大星力弥が花道から秘密の手紙を持ってくる場面などがバッサリ。まあ、皆もう見てるでしょうという事かな。

ただ前のほうが無いと斧九太夫が家臣ではあるが裏切り者であり、だから床下に潜んで由良之助の様子を窺っているのだと言う事がちょっと分かりづらいかな。もっとも歌舞伎は様式化されているから、顔つきと態度を見ただけで「あっ!こいつは悪い奴っちゃ」と分かるのが良いところ。

吉右衛門はこの後何日かして体調不良で休演になるのだが、この日は声も出ており、侍の度量と艶、そして手紙を見たおかるを殺さねばならぬという胆力と相手にかける哀れみや愛嬌、そして最後は九太夫を切り捨てるカタルシスまで堂々たる演技。雀右衛門のおかるも、家族や勘平への思いを丹念に描いて印象的に成立している。梅玉の寺岡平右衛門も、独特の品よく機嫌良い持ち味を活かしながらの実のある演技で、雀右衛門とのやりとりも深みがあった。時間的には短かったが、古今の名作を名優が演じる安定した一幕。



年末年始の「新ばし しみづ」訪問記
もう何年も、年末と寿司収めと新年の寿司始めは、「新ばし しみづ」に行く事にしている。コロナ禍の中ではあるが、一人で訪問して横のお客さんと会話する訳でもない。滞在時間も1時間ちょっとであるし、既に予約もしてある。という訳で年末年始に訪問したのだが、記録をすっかり忘れていた。3週間以上経ってしまったが、とりあえず備忘の為に覚えている事のみ記録。

しかし、今年になって夜に外食したのは3日の「しみづ」と15日の「笹田」のみ。コロナ禍ですっかり生活が変わってしまった。

12月29日は、今年最後の「新ばし しみづ」。大分前に予約してあったのだが、年末にかけてコロナ感染者がじわじわと増えている状況で、外出するのはちょっと気持ち悪いが、贔屓の店も応援せざるをえないしなあ。

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時間通りに入店。カウンタは程なく満席。大声で喋る客がいないのが助かる。常温のお酒を頼むと自動的に始まる。お通しはなめこおろし。

ヒラメは旨味十分。サヨリは細切りにして生姜醤油で合える。爽やかな香りが結構。サバは脂が乗った分厚い身をしっかりと〆てある。旨味が濃厚。

牡蠣は火を通さず塩で漬けたのみ。濃厚な牡蠣の旨味。白子ポン酢は鮮烈なポン酢が白子の濃厚な味を引き立てる。赤貝もつまみで。ブリ切身照り焼きは辛子を添えてる。北寄貝紐の串焼きは火を通した貝の旨味。ウニもつまみで貰ってお酒終了。お茶に切り替えて握りは何時もの通り。中トロ、コハダ、アナゴ各2貫。最後はカンピョウ巻。2020年最後の寿司であった。

「しみづ」に行った年末からずっと外出していなかったが、新年3日目は、新年の「新ばし しみづ」初訪問。このご時世に外食はどうかとも思ったが、年賀営業には長年通っているし、既に大分前に予約してある。

烏森神社に初詣して夕方入店。

清水親方が、デンマークに行った元弟子の摩宙君から手紙が届いてますと渡してくれた。懐かしいな。昨年の正月、最後に店で会った時に渡した餞別のお礼と近況。義理固い奴である。デンマークでもコロナ禍で、予定していたように寿司を握る事はできていないらしいが、結婚して奥さんも連れて行ってデンマークで幸せなんだと清水親方が解説。またいつか再会したいものである。

新年営業は、カウンタに全員揃った所で、お屠蘇代わりの発泡日本酒を頂いて、「本年もよろしくお願いします」と挨拶してスタート。店内は静かに喋るご常連ばかりでストレス無し。

乾杯の一杯の後は、常温の日本酒を。まず、毎年定例だが、明石の焼き穴子の茶碗蒸しが供される。関西風。焼き穴子はとても旨い出汁が出る。白味噌の雑煮に入れても旨い。この後は何時もと同様につまみが出る。私は握りは決まった貫数しか食さないので、他のお客さんとはつまみの出る品数とタイミングも微妙に変えて供される。こういう所が長く通った店でおまかせにするメリットだなあ。

ヒラメは上質な脂の乗り。スミイカは細かく包丁を入れて。蛸は歯応えあるが旨味が凝縮している。サヨリは細切りで生姜醤油で合える。サバは強めの〆だが脂が乗って旨味が濃い。

カスゴは酢で締めた白身の旨味。赤貝と青柳。毎年思うが、正月3日なのによく鮨種が揃うものである。ブリの切り身照焼は辛子を添えて。

ここで最後の酒肴が数品、皿盛りで出される。供し方が正月風で結構。塩漬け牡蠣、漬け込みのシャコ、子持ち昆布、ウニ、あん肝、カラスミ炙り薄餅添えなど。濃厚な旨味のあん肝や、自家製カラスミ炙りは毎年正月に供される一品。結構酒が進んでほろ酔いになってきた。

この辺りでつまみ終了。握りはいつも通り。中トロ2、コハダ2、アナゴは塩とツメ各1。最後はカンピョウ巻半分で〆。強めの赤酢の酢飯が鮨種の旨さを引き立てている。何時もと変わらぬしみづの鮨。ほぼ1時間半で終了。

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年賀の手ぬぐいを貰って、タクシー帰宅。


「新ばし 笹田」訪問。
金曜日は、「新ばし 笹田」。緊急事態宣言下ではあるが、昨年中に予約は入れてあり、席間も広い。1名で訪問する分には大丈夫だろうと判断。

入店時間を5時半に早めてもらう。時間通りに到着してまず手指消毒。カウンタにも席ごとに消毒液が置いてある。笹田氏も奥さんも弟子の「海老蔵」もマスク着用。先月はマスクしてなかったじゃないと聞いてみると、お客さんからマスクしてくれと言われたとのこと。まあ、それはお客のほうが正しい(笑) 「しみづ」はまだ全員マスクしてないけどねえ(笑)

緊急事態宣言の影響を聞くと、1月に入って仕事上の会食はキャンセル続出したのだが、昔からの個人のお客さんの予約が入って支えてもらってますとのこと。きちんと常連がついている店は強いね。しかし市場の方は閑散として、早仕舞いする仲卸も多いとのこと。

とりあえずカウンタは私一人で貸し切り状態。30分後に女性2名客が入ったが、お酒なし、離れた所で小声で喋るのみ。他のお客さんはまだ大分後の入店らしい。開始時間を早めて正解。

醸し人九平次純米大吟醸を貰って始めてもらう。

まず小さな器で白味噌味の雑煮。丸餅で海老芋が入る。濃厚な旨味。関東の松の内は7日までだが、関西は15日まで。奥さんに年末年始を聞くと、初詣以外はどこにも行っていないと。まあこのご時世ではねえ。

「笹田の海老蔵」に兄貴の事を聞くと、「鮨竹」も緊急事態宣言下で8時までの営業となり、帰宅が早くなって睡眠時間が長く取れると喜んでいる由。

香箱蟹は終了だが、小さな器でズワイガニと味噌が供される。カニは冬の至福だ。次に供されたのはフグ。フグの身、皮、白子の切り身に白菜と芽ネギをあしらってポン酢で。そして次はフグの白子焼き。ちょっとフグ屋に行った気分。フグもまた冬の至福だなあ。壬生菜と油揚げの煮物でホッとして、先付け終了。お酒をお代わり。

お造りは、淡路の鯛、氷見のメジマグロ、天然のホタテ。鯛はいつも通り旨味が濃い。メジマグロは脂の乗った部分だが、癖がなく爽やかな旨味。ホタテは塩で食するとほんのりした甘みが際立つ。どれも良質。

食べ終えると器の底に「壽」の字が。正月用に新調したのか笹田氏に聞くと、何年も前に買ったのだが、使わずにしまってあって、今回色々箱を開けて整理していたら見つけたと。秋に出された塗りの器も素晴らしかったが、器が好きですぐに注文してしまうのだが、忘れた頃に届くので、ついついそのまま倉庫にしまったままというのが沢山あるらしい。

お椀は鯛にゅうめん。上品な旨味たっぷりの出汁に溶け崩れた鯛の身とにゅうめんの相性が素晴らしい。丼一杯でも食えるなあ。まあ過ぎたるは及ばざるが如しであるが。この器もなかなか目出度い派手な柄で面白い、

焼き物は、太刀魚の塩焼き。冬場の脂が良く乗っているが、繊細で上品な旨味。身肉も柔らかく口中で溶け崩れるかのよう。煮物は海老芋と京菊菜の炊合せ。こっくりと出汁を含んで炊き上がった海老芋は、ネットリした旨味が何ともいえず旨い。京菊菜は風味が強くよいアクセントに。

ここでほうじ茶が出て食事に。炊飯土鍋で炊きあがったばかりのご飯。ちりめん山椒、お新香、わさび漬、牛肉時雨煮、赤出汁を添えて。ご飯はお焦げを入れてもらってお代わり。煎茶が出て、定番の白玉あずきの甘味。

この辺りで隣のカウンタに二人組が入店してきたが、こちらはもう店を出る直前。リスクを感じずに食事ができて実によかった。冬の旨味に溢れた食材で、いつもと変わらない真摯な「笹田」の味を堪能。笹田氏と奥さんの見送りを受けて店を後にした。


歌舞伎座、「十二月大歌舞伎」
十二月の歌舞伎座、「十二月大歌舞伎」は、第二部、第三部、第四部を観劇したのだが、記録をすっかり忘れていた。備忘の為に簡単な記録を。

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第二部は、「心中月夜星野屋(しんじゅうつきよのほしのや)」

古典落語の「星野屋」から平成30年に七之助、中車コンビで新作歌舞伎化された舞台の再演。新作の再演としてはなかなか早い。

芸者上がりのおたかとその旦那の、騙し騙されの軽妙な笑いが満載の気楽な演目。今回は母親お熊に猿弥を配して、時事ネタや楽屋落ちが満載。笑いの頻度が更に上がった。中車は最後の花道で「半沢直樹」の「Death!」ネタも披露。実に面白かったが50分のこの演目だけで歌舞伎座を去るのは、なんだか歌舞伎を見た気がしないのだよなあ。まあコロナ禍ではやむなし。

第三部は、近松門左衛門 作 「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」。いわゆる「吃又(どもまた)」。差別用語なので最近はPCの関連からは筋書きなどには使われないようだが、舞台のセリフには「吃り」がガンガン出てくる。まあ昔の台本がそうなっていてはしかたないのだが。

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この日は一階桟敷席を取ってみた。左右とも間隔があるし、前後には人が居ないし、後ろの扉は換気の為に空いているし、感染リスクの面では大変快適な席であった。

「吃又」で記憶に残っているのは吉右衛門。言いたい事が満足に喋れない悔しさに、自分の指を噛み切らんばかりの憤激が心を打った。今回の舞台では、勘九郎が又平を演じる。真面目で律儀な性格だが、弟弟子に抜かれたのは自分の吃りのせいであると悲嘆に暮れる。しかし冷淡に見える師匠は、自らの筆の力量こそが問題なのだと言外に諭しているのだった。

序幕で出てくる虎を筆で書き消すエピソードや、手水鉢の裏にこの世の名残に描いた自画像が石を通り抜けて反対側に現れるなど、オカルト風な演出も興味深い。言葉が不自由な夫の分まで喋りまくる女房のおとくは猿之助。口八丁だが夫を思う心情に溢れて印象的に成立していた。土佐修理之助は鶴松。狩野雅楽之助が團子。

第四部は、「日本振袖始」。玉三郎の岩長姫は妖艶かつ不気味な美しさ。八岐大蛇の群舞は迫力あり。この月の序盤は、玉三郎がコロナ感染した歌舞伎役者の濃厚接触者と判定されたため休演。素盞嗚尊を演じる予定であった菊之助が、序盤は玉三郎の代役で岩長姫。8日からは素盞嗚尊。歌舞伎の代役というのも大変なものだと感心するが、この両方の役を出来る者はなかなか居ないだろうなあ。


「新ばし しみづ」訪問。
土曜日は「新ばし しみづ」訪問。

2週間前に電話したがあいにく満席。しかし先週になって清水親方から「金曜、土曜は空いています」と携帯にSMSあり。土曜日を予約したのだった。今年の冬は、忘年会や仕事上の会食が皆無で助かる。GoToトラベルやGoToイートで知らない場所や店に行く気はさらさらないけれど、馴染みの店をたまには一人で訪問して応援したいものである。

開店の5時半ちょうどに到着するとカウンタには既に先客3名。7席なので普段より1席抜いてあるのかな。手指消毒用アルコールを置いてないのは分かっていたので入店前に自分のアルコールティッシュで消毒。

お酒は常温で。お通しはなめこおろし。何も言わずともつまみが出て始まる。清水親方のメガネ姿は初めて見たが、老眼なんだという。細かい所が見えないと仕込みに触るから職人にとって目は大事。

まずヒラメ。上質の脂。細かく包丁を入れたスミイカ、タコは塩で。旨味あり。

〆ものでサバ。ネットリ脂が載っている。他のお客さんは何故か殆ど親方と会話しないので、自然と私だけが清水親方と、歌舞伎の事や大相撲、新橋鶴八の事など雑談する事になる。このご時勢では、できるだけ静かな声で短い会話をするように気を使うな。私としては喋らずに黙って食べても良いのだが、親方も気を使って話かけてくるから会話する事になる。

豊洲でコロナ感染者が多数出た事について聞くと、「あんなもん大丈夫ですよ」と清水親方。「感染と陽性は違うんですよ」と誰から教えてもらったか意気軒昂であったが、今回の新型コロナは、症状が出ていなくても他者に感染させる事が知られており、その点には注意が必要だと思うけれどもなあ(笑)

カスゴもつまみで。牡蠣は塩で味付けしたもの。旨味あり。赤貝は分厚く立派な身。産地は関西。閖上は最近、貝毒が発生して入って来ないとか。鰆は軽く炙って供する。

白子ポン酢は鮮烈な味のポン酢に白子の旨味が溶ける。北寄貝の柱と紐に串を打った炙り。七味唐辛子と供する。ウニもつまみで。シャコ爪が珍しく出た。シャコ本体は小樽から入る立派なものだが、爪を割って身を出すのは弟子の仕事だとか。結構手がかかって大変だろう。漬込みのハマグリもつまみで貰って、お酒終了。この日は結構つまみが多かった気が。

お茶を貰って握りに。マグロは部位を変えて2貫。最初は筋間を剥がした身かな。しっとりした肉質。旨味もある。コハダも2貫。しっかり締めた身肉がここの強めの酢飯と実によく合う。アナゴは塩とツメと1貫ずつ。最後はカンピョウ巻半分で締め。

年末と新年の予約を入れてから勘定を。「しみづ」を出てから久しぶりに「P.M.9」に。まずマティーニを一杯。バーテンダーM氏と雑談。今年はM氏も帰省を止めるのだという。私も年末年始は帰省取りやめの予定。検索すると、飛行機もいつもの年末よりも空席が多いように思える。普通、プレミア席から売り切れるのだが、結構まだ空きがあった。

もう一杯飲むかと、シングルモルト「厚岸(あっけし)」を貰う。数年前に北海道で創業した蒸溜所で、まだ限定的な所にしか出荷していないとのこと。アイラ・モルトのようなピート臭があるが、それほど強くはなく、澄んでふっくらした香りと芳醇な旨さ。度数はちょっと高い。これは美味いな。なかなか珍しいものを飲ませてもらった。


「新ばし 笹田」訪問。
先週火曜日は「新ばし 笹田」。

入店してまず手指消毒。先客はカウンタ奥に一組。すでに結構料理は進んでいる模様。席間は十分空いており、カウンタには消毒用アルコールスプレイが置かれている。後で部屋で会食があるらしい。笹田氏に景気を聞くと、やはり仕事上の会食は昨今のコロナの状況からキャンセルが発生しているのだが、個人のお客さんの予約が替わりに入ってなんとかなっているとのこと。結構な話である。

お酒は、「醸し人九平次」純米大吟醸。澄んだ爽やかな口当たり。料理に触らない。

まず、フグ白子の茶碗蒸し。冬場は温かいもので始まると嬉しい。濃厚な旨味。

「笹田の海老蔵」に兄貴は「鮨竹」で頑張ってるのか聞くと、来年3月で上がる予定だという。先日、兄貴が一人で握る特別営業の日は、お客さんに連れて行ってもらってハプニング入店して、初めて兄貴の握りを食したとか。向こうもビックリしてましたとのこと。よい記念になったろう。

香箱蟹。松葉ガニ雄も身肉と蟹味噌も別皿で添えて。香箱は内子と外子、蟹味噌がさながら宝石箱のよう。松葉ガニの身肉も旨味が濃い。

豊洲市場でコロナ感染者が大勢出たことについて笹田氏に尋ねると、気持ち悪いからあまり長居しないようにしているとの事。元々密閉して温度をコントロールしている事が売りの建物なのだが、最近は換気の為に開けてある扉などがあちこちあるとのこと。仲卸の店内スペースも限られているし、密も生じる場所があるのだろうか。

ナガスクジラの尾の身。本マグロよりも濃厚だが牛肉のような癖はない素晴らしい旨味。しかし業者によると、来年以降、ナガスクジラの入荷予定は明確では無いとの事。海外で捕鯨したものを日本に輸入しているらしいが。尾の身のしぐれ煮も別皿で。これがまた旨味が深くて酒が進む。

常に出される壬生菜と油揚げの煮物は、いつものホッとする味。普通のおばんざいにもある一品だが、引いた出汁の素材への含めかたなど、丹念な仕事は素人では到底できない。

お造りは、スマガツオに鯛。明石の鯛はいつも通り旨味が濃い。スマカツオの身の色は明るく、マグロのトロの如し。スマガツオは主として西日本で穫れる、カツオとマグロの間のような魚。カツオよりもマグロ寄りの旨味が濃い。

お椀は鯛にゅうめん。身肉が散った鯛の出汁が上品で素晴らしい。温かいにゅうめんもふっくらと出汁を含んで、これまた冬の夜の至福。

仕込まれたカラスミを見せてもらう。今年は入荷が少なかったが質は揃っていると笹田氏。年末年始用に、小さめの明るい色のを一つ予約取り置きにしてもらう。また年末に取りに来なければ。

焼き物はアナゴの白焼き。煮ずに皮目をパリッと遠火で焼き上げて小骨を焼き切る。江戸前のトロトロの煮アナゴもうまいが、関西は焼きアナゴが有名。皮目は香ばしく身の旨味が凝縮している。

煮物は海老芋と春菊。海老芋というのは、普通の芋にはないようなネットリした旨味がある。塩辛を貰ってお酒終了。

この辺りで焙じ茶が出て食事に。お新香、わさび漬、ちりめん山椒、牛肉時雨煮、赤出汁を添えて炊飯土釜で炊きたてのご飯を。お焦げを入れて軽くお代わりも。ツヤツヤと香り高いご飯は何時もながら旨い。最後は煎茶が出て、何時も通り、冷製の白玉ぜんざい。

気を衒ったメニューは無いが、素材をしっかりと活かす真面目で丹精な仕事ぶりが全ての料理に反映されている。「笹田」の何時もながらの美味を堪能した夜。