97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「新ばし しみづ」訪問。
木曜の夜は、「新ばし しみづ」。昼過ぎに電話して予約。6時に入店するとカウンタは私の席以外既に一杯。大盛況だ。

11月は出張もあり、前後がバタバタ。大相撲九州場所遠征もあり、博多では寿司屋に行ったが、東京での寿司屋通いはほとんどお休み。「しみづ」訪問も、ちょっと間が空いてほぼ1か月ぶりか。

最盛期は「しみづ」だけでも年に50回は訪問していたが、最近はすっかりペースが落ちてしまった。他の寿司屋訪問回数も同様。清水親方に、最多来店記録F氏の近況を聞くに、最近は月に何度かの訪問とのこと。1年で200回以上訪問して「ミスター・エブリディ」と呼ばれた頃の面影は何処に。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢の如し。たけき者も遂には滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ、か(笑)

もっとも店は忙しく、そんな感慨に長くひたる暇などないのだった(笑)

お酒は常温で。お通しはなめこおろし。何も言わずともいつも通りつまみから始まる。

最初はヒラメ。上品な旨みあり。タコは実に立派。歯応えがあり、噛みしめると旨みと甲殻類を思わせる香りが身肉の奥に潜んでいる。

マグロの剥き身に海苔を振った一品。煮切りで味がついている。マグロのコクは海苔とよく合う。今はもう無い築地「つかさ」でもマグロに海苔をかけたつまみが時折供されたよなあ。最後の中トロ鉄火細巻も素晴らしかったっけ。

赤貝は爽やかな香り。青柳。ブリはヅケにした切り身を炙り、辛子を添えて。脂は乗っているが旨みが勝りくどくはない。サバは強めに〆てあるが脂があり甘味がネットリと乗る。サヨリは細切り。爽やかな香り。

漬け込みのハマグリ。スミイカは実に肉厚だが細切りにして。赤ウニもつまみで。お酒は二本目をフィニッシュ。このあたりでお茶を貰って握りに。

まずマグロは赤身、そして中トロ。シットリ柔らかく溶け崩れるような質感。特徴的な赤酢強めの酢飯に、マグロのコクが溶け崩れる。強く〆た肉厚のコハダも酢飯との相性が素晴らしい。シマアジも一貫。この季節には珍しいが、今年はシマアジが九州から四国にかけてたくさん上がり続けているのだとか。海水温の上昇の関係か、海の中の様子が普段と違うのか。南海トラフと関係あると怖いが、底魚じゃないものなあ。

アナゴは塩とツメで1貫ずつ。フックラした身肉が口中で溶け崩れる。最後はカンピョウ巻半分。これまた酢飯の味が良く分かって〆に最高。満ち足りた気分で店を出て、P.M.9には寄らずにタクシー帰宅。

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大相撲九州場所観戦写真日記
先週の祝日に、大相撲九州場所十一日目を観戦に九州遠征したので、備忘の写真日記など。1週間のアメリカ出張から帰国したのがその前の土曜。月曜火曜と仕事で、火曜の夜に飛行機で九州入りという結構厳しい日程だが、九州場所はこの祝日しか訪問予定が立てられず、しかもチケット大相撲で争奪戦に参戦したら、なんと溜席が取れたという事もあって1泊の強行軍で九州往復。

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前泊はANAクラウンプラザ。何時に場所入りしようかと思案したが、前日までの中継で見るにNHK BS放送開始の1時頃でも、溜席は人がほとんど座っていない。飲食禁止でもあるから、とりあえず外で昼を済ませてから場所入りしようかと中州川端まで。博多座の前を通りかかると、海老蔵の石川五右衛門が公演中。この時初めて、なぜ前週の相撲中継で海老蔵が息子連れで大相撲観戦していたのか分かった。歌舞伎座には毎月行くが、九州での歌舞伎公演はチェックしてないからなあ。

博多座脇「たつみ寿司」で一杯やって握りのセットを。薬味を多用する創作系の寿司だが、結構面白い。

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ブラブラ歩いて福岡国際センターまで。中洲川端の駅からすぐだ。お茶子さんに座布団まで案内してもらう。ちゃんと番号が定位置に振られている。心づけ替わりにパンフレット買ってお釣りを進呈。

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溜席は4列目で土俵が近く迫力あり。力士のぶつかる音や突き押しの音、息遣い、土俵下に転落した時のズシンという衝撃音など、やはり近くでなければ味わえない臨場感。溜会の席は座布団の色が違い、会員の名前が表示されている。座布団下は開けられるようになっており、履物と小さな荷物入れになっているとは知らなかった。両国国技館もそうなのかな。なにしろ溜席に座るのは初めてであるからして全てが珍しい(笑)

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まだ三段目の取り組みであったから溜席はガラガラ。最初にシールをくれて、これを胸につけろと。チケット持ってない客の侵入を防ぐためかな。確かに両国で椅子席から見ていても、早い時間に土俵に近い溜席に座っているのは大抵実はそこのチケット持ってない観客で、混雑する頃になると違う人が座っている。まあ、ガラガラな時はうるさくないんですな。

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土俵に近いと、巨大な大露羅が更にデカく見える。ど迫力だ(笑)

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常幸龍、無傷の6勝目も見れてよかった。常幸龍は今場所三段目優勝。膝の大怪我から手術を経て、ようやく復活ののろしである。初場所も頑張れ。

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土俵入りも溜まりに入ってくる力士も、まさに眼前で実に迫力あり。飲食禁止であるから、お酒も途中で飲まないので相撲観戦に集中できてよい。本来はカメラ、携帯も禁止と書いてはあるのだが、前の席の外国人が一眼レフでカシャカシャやってるので、私も取り組み前ならよかろうとiPhone7 Plusで(笑) まあ最前列には報道のカメラマンが座ってデカいカメラ構えてるのだけどねえ。

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この日は豪栄道は勝ったし、稀勢の里も鶴竜を撃破してなかなか良かった。

しかし眼前で繰り広げられる圧巻の取り組みに感心しているうちにあっと言う間に弓取式。溜りで見る相撲は実に素晴らしかった。機会あればまた溜りで観戦したいものだが、取れないんだよねえ。来年初場所のチケット発売も今週末。またネットでの叩き合いでチケット争奪戦なのだが、椅子A席取るのがやっとじゃないかな。

アメリカ西海岸出張写真日記
先週の日曜からアメリカに出張していた。備忘の写真日記など。

(NEX遅延)

日曜は大相撲九州場所の初日なのだがフライトが成田午後5時発なので観れないのが残念。東京駅でNEXに乗り込こむ。車内は荷物の置き場もないほど特に外国人の客でごった返している。席につこうとすると車内放送あり。総武線かどこかで人身事故があり成田エクスプレスも出発が延期に。どれだけ遅れるかは分からないと。よりによってこんな時に困るよなあ。

放送では日暮里に移動して京成スカイライナー利用を勧めているのだが、大荷物だし乗り換え乗り換えは大変だ。面倒臭いので、駅外に出てタクシー利用することに。こちらのほうはスイスイと。成田のチェックインもスムース。セキュリテイも空いていたが、ANAのラウンジは大混雑。

(LAXへ)

LAXへの機内では、オンデマンドで、「ゴーストバスターズ」、「インデペンデンス・ディ・リサージェンス」を観たが、あんまり感心しない出来。「シン・ゴジラ」があったので、もう何度目かになるのだが、再鑑賞。英語字幕はおいついていないが、それでもほぼ意味が取れて理解可能。

(LA到着)

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今回最初の訪問はLAXから。イミグレは、まずオンラインのキオスク端末でパスポートを読み、ESTAの有効性を確認し、顔写真と指紋取るところまで自動化されている。しかし同じ時間に中国と韓国からのフライトが到着しているので、これが大勢で端末に群がって大変な混雑。困るよねえ。空港を出るとカンカン照り、気温も高くまるで夏の如し。日曜夕方に日本を出てアメリカの日曜朝に到着。

今回最初の訪問地はLAXから車で北上した所。シリコンバレーもそうだが、両脇の遠くに山並みが見えると、みんな「Valley」ということになる。

この付近に土地勘はないけれども、同じ州内だし、サンフランシスコ・ベイエリアと何処か共通したカリフォルニアらしさがある。中西部とはまた違う。

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ホテルにチェックインしてしばし休憩。NFLやFOX NEWSは、日本のCS放送では流れていないので懐かしくも興味深く目にした。FOX NEWよりもCNNの見解のほうに同意するが、しかしTVのニュースだけ観ると、FOX NEWSのほうが日本人には分かりやすい。ちょうど顕微鏡で斜めに光を当てるとモノの表面がよく観察できるように、バイアスがかかっているからじゃないかな(笑)

この後は、日曜でもあり、現地の社員と時差ボケ解消にハーフラウンドだけゴルフを。日焼けが気になるほどの日差しで、半袖で何も問題ない暑いくらいの気候。手入れの行き届いた実に綺麗なコース、アンジュレーションのあるベント・グリーン。スコアは悪かったが駐在時代を思い出して懐かしかった。

(サンタモニカ地区のイタリアン)

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日曜夜は大勢で近くのブラジル料理の店に。月曜は会議と施設見学などで一日の日程消化。

その夜は社内弁護士が昔から通っているという、サンタモニカ地区にあるイタリアンレストランで会食。アメリカ人にホストしてもらうと、面倒無くてよいよなあ。昔から知っているというウエイターは、もうこの店で30年以上働いているのだとか。各自、セコンドのメインだけ決めて、後は弁護士にまかせてお勧めの前菜を盛り合わせてもらう。

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冷製の前菜、温かい前菜、パスタと取り合わせて皿に盛られてくる。パスタの具合はアメリカにしては珍しく、歯応えのあるアルデンテに。ミートソースは牛、豚、ダックの合挽きなんだとか。実に濃厚。どれも美味かった。ワインも全部弁護士におまかせで、こんな楽な事は無い(笑)

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メインはこれまたこの店のスペシャリテとしてお勧めされたオーソブッコ。いわゆる仔牛すね肉の煮込み。肉もしつこい脂は無く旨味十分。骨も一緒に煮込まれており、この髄がまたゼラチン質に富んだトロトロで、添えられた小さなフォークでほじくって食べるのだがこれが実に旨いのだった。

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追加したトリュフのパスタは官能的な香りが素晴らしい。メリケン人がいると最後には必ずデザートという事になる。カノーリとジェラート。「ゴッドファーザー」に、カノーリを使った名シーンが出て来るのだが、あれこれ弁護士と雑談して面白かった。

(PDXへ)

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今回の出張は移動が何回もあり、朝がやたら早いのだが、まあ時差があるから大丈夫(笑) LAX-PDXはアラスカ航空。一連の旅程に入れて予約すると、予約当日に全て発券しなければいけないと日本の旅行代理店が云うので、これだけ自分でネット予約。全部自分で予約するほうが楽と言えば楽だが。

アラスカ航空のチェックインカウンタはキオスク・カウンタで自動化されており、日本のパスポートを読み取らせるとチェックインは直ぐに完了。バゲージにつけるタグも出て来て、それを付けて荷物はバゲージ・ドロップへ行けと画面に出る。バゲージ・ドロップはすぐ横のカウンタ。

一応、一人係員がいるのだが、ボーディング・パスとIDを照合したら、コンベアに荷物置けという。置くと、「違う違う、反対だ」というのでまたひっくり返す。今度は、「そこの端末取ってタグを読み込んで」と云う。荷物に自分で付けたタグのバーコードを自分でピッと読み取ると、「画面に出た情報を見て、間違いなかったらOKボタンを押して」と云う。名前も行き先も間違いないのでOKボタンを押すと、コンベアが動いて荷物は奥に。「はい、これで終わりです」と云うのだが、荷物預けるラゲージ料金を25ドル取って、タグつけたりコンベアに載せるのは全部客のほう。代行料金を25ドル貰いたいくらいだよなあ(笑) まあ確かに省力化が進んでおり料金は安いけどねえ。

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ポートランドはやはり緯度が高いなという空。LAは夏だったが急に寒くなった。東海岸を思わせるような緑多き都市。ここでまた会議と見学が一日。

(SFOベイエリア)

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次の日もまた早朝からの移動でSFOに。着陸前には懐かしきサンマテオ・ブリッジが見えてくる。

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勿論、CAでもスーパームーン。

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SFベイエリアは懐かしい涼しい風と青き空。ここで丸2日の会議。朝から夜まで基本的にずっと英語で会話というのは、別に辛くわないけれどもやはり頭の芯のほうが疲れてくる。

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帰路は金曜の昼前にSJCーNRT。SJCはアメリカ国内の移動ではよく使った小さな空港だが、ANAの国際線が就航して日本人客が目立つ。ラウンジにも日本語新聞が置いてある。

しかしラウンジの大きさに比べて、日本人客ばかりがやたらに多く、搭乗時間が近づくにつれごった返してくるし、トイレも並ぶような状況。これだったらSFOのUAラウンジのほうが広くてずっとよいかもなあ。

もっともB787はなかなか快適で、帰路は、「君の名は。」、「後妻業の女」など、邦画を観てウトウトしていると成田に着いていたのだった。







「スポットライト 世紀のスクープ」 DVD。
「スポットライト 世紀のスクープ」をAmazonで購入。暫く観る時間が無かったのだが、本日鑑賞。

以前、劇場で観て大層感心して、過去ログに、「スポットライト 世紀のスクープ」を観たを書いたことがある。

ピューリッツァー賞に輝いたボストン・グローブ紙の調査報道チームの実話を映画化。ボストンの街を舞台に、カトリック教会神父による子供たちへの性的虐待が多発していること、枢機卿を含む教会がこれをひたすら隠蔽していることを白日の元に晒し大きなセンセーションを引き起こした。

深刻で重たいテーマを扱うのだが、重厚な演技派が脇役に至るまで揃い、実に見ごたえあり。真実を巡る緊迫した追求の応酬と攻防の虚実。ボストンという古い街と、カトリックという古い宗教を背景に、重厚なドラマが見事に成立。

新聞記者達も正義の鉄槌を振り下ろした正義の味方とだけ描かれているのではない。何かがおかしいと思いながら結果的に見過ごしてきた邪悪。マイケル・キートン演じる主人公の心中に去来する苦い後悔。

エンドロールのクレジットには撮影監督に、マサノブ・タカヤナギと日本人名が出るのを発見。添付の資料を読むとやはり日本人で東北大学卒業後渡米してアメリカで撮影監督になったのだとか。日本人のグローバル進出も着実に進んでおりますな。


歌舞伎座、「吉例顔見世大歌舞伎」、夜の部。
土曜日は、歌舞伎座、吉例顔見世大歌舞伎、夜の部。

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先月に続いて成駒屋親子襲名披露公演を兼ねる。顔見世と襲名披露が重なって狂言立てが忙しく、昼の部は4時終了で夜の部が4時半開演。入れ替えはごった返している。夜の部終演予定が9時20分だから長いね。

最初の演目は、「元禄忠臣蔵(げんろくちゅうしんぐら)」、御浜御殿綱豊卿。

赤穂浪士討ち入りのを題材に真山青果が昭和初期に書いた「活歴」物。最後の段である「仙石屋敷」、「大石最後の一日」は以前に観た。

「御浜御殿」は幕が開くと御殿女中による綱引き。実に派手で陽気な演出。仁左衛門は、武士の本懐が忘れられつつある元禄の世で、しかしそれでもなお武士の義に生きようとする懐の深い殿様を堂々たる風格で大きく演じて実に印象的。赤穂浪士に深く心を寄せ、討ち入りをやり遂げさせてやろうという本心を隠しながらも、浪士の一員、染五郎演じる富森助右衛門の本心を探るギリギリの鍔迫り合いのようなやり取りが素晴らしい。染五郎は荒事「毛抜」の弾正よりもこちらの役のほうがずっと合っていると思うなあ。

家名再興の嘆願と敵討ちが相容れないという矛盾。武士としての志を最後まで追求する事こそ武士の本懐だという述懐。真山青果の名台詞が印象的に場面場面で突き刺さる。武士としての義に生きよと助右衛門の軽挙妄動を諭し、何事もなかったかのように能の舞台に出てゆく仁左衛門の素晴らしい風格。静かな桜満開の能舞台を背景にした幕切れも印象的だった。

次の「口上」は、大幹部勢揃いで成駒屋襲名を寿ぐ。今月は菊五郎が居ないので、皆、大人しいかと思ったら、鴈治郎が「芝翫さんとは公私共に仲良くさせて頂いておりますが、私(し)のほうを語りますとわたしにも火の粉が掛かって参りますので」とか、左團次が「芝翫さんは元気に浮名を流せてうらやましい。この20年、私が男女の仲で浮名を流して居ないのは、全て私の不徳の致すところです」など、結構楽屋落ちのくすぐり満載。何を言われても神妙な顔で息子たちと列座しなけれなならない新芝翫の心中は如何ばかりか。歌舞伎の先輩や仲間たちはみんな面白くも楽しいなあ(笑)

染五郎は大分声が荒れていたが、「今回襲名する成駒屋さんよりも多い五演目に出ております」と頑張りをアピール。仁左衛門は、「先程の演目で喋りすぎましたので、きちんとした口上のご挨拶は1月の大阪松竹座で。皆様とお会いするのを楽しみにしております」と関西歌舞伎興行を宣伝。襲名も全国回るからなあ。松竹座にも遠征するか(笑)

30分の幕間は三階花篭で「襲名御膳」を。随分と混んでいる。

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次の演目は、時代物の名作、「盛綱陣屋(もりつなじんや)」

興味深く観た。襲名披露で思い入れのある演目だといえ、二ヶ月続けて陣屋というのはちょっと狂言立てとして単調かな。元橋之助は顔が大きく、押出しもよく、最初の出などは良いのだが、演技になるとあまり大きさを感じないところあり。やはり台詞廻しかなあ。

顔を赤く塗った幸四郎の和田兵衛は、なかなか大きくも豪快で、今回初めて、吉右衛門とやはり兄弟だから似ているなあと妙な感慨を感じた。子役尾上左近は良く健闘。豪華な座組でないとなかなか成立しない狂言だが、あまり豪華過ぎても襲名披露の主役が霞む。今回の新芝翫は、まあ頑張ったのでは。

「芝翫奴」は橋之助の元気な踊り。11月の公演中、三兄弟が前半、中盤、後半と分担して踊るのだとか。前半は長男橋之助の担当。足の筋肉など見ると歌舞伎役者がいかに舞踊で足腰を鍛えているかよく分かる。

打ち出しは9時20分過ぎ。やはり歌舞伎座から出ると時間かかったなあという気がする。遠方から来る見物は大変だろう。


歌舞伎座、「吉例顔見世大歌舞伎」、昼の部
木曜の祝日は、歌舞伎座、「吉例顔見世大歌舞伎」昼の部。

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成駒屋親子4人の襲名披露が先月に続き、二ヶ月連続で看板にも。夜の部には口上も行われるが、この日の夜の部はカード会社の貸し切りとなっているようだ。

中村橋之助改め 八代目 中村芝翫
中村国生改め 四代目中村橋之助     
中村宗生改め 三代目中村福之助
中村宜生改め 四代目中村歌之助  

祝幕は先月とまた変わり、派手で前衛的なデザイン。

最初の演目は能由来の祝祭舞踊。「四季三葉草(しきさんばそう)」。翁が五穀豊穣を祈って踊るのが縁起良く目出度いという趣向。 梅玉の翁、扇雀、鴈治郎も軽やかに祝祭を踊る。

二番目の演目は、「歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)」

江戸荒事を染五郎が主演で。おおらかな主人公が派手に繰り広げる、歌舞伎の様式美に満ちた分かりやすい勧善懲悪の物語。主人公の粂寺弾正毛抜は染五郎が初役。染五郎は、初の弁慶役程には力が入っていないが、しかしこの狂言の粂寺弾正は、力を入れて頑張る役ではない。自然で大きくおおらかなニンや柄を見せる役であり、逆に染五郎には弁慶よりも難しい気もする。松也、梅枝、廣太郎、児太郎など花形が勢揃いで。

昼の幕間は、三階花篭、花車膳でビールを一杯。

「祝勢揃壽連獅子(せいぞろいことぶきれんじし)」は、襲名披露狂言として、成駒屋親子が踊る連獅子。新たに作られた間狂言では、文殊菩薩として人間国宝、藤十郎がセリから有難くも登場。もはや拝むしかない(笑)萬太郎、尾上右近が小坊主、梅玉と仁左衛門が豪華に付き合う。

舞踊の最後、見所の毛振りでは芝翫も元気であったが、三兄弟のうち一番上手側で踊る一人(福太郎かな?)が明らかに一人だけテンポが遅れる。カツラの具合が悪かったのか、あるいは体調不良か。元気盛りの若者であるはずなのに、ちょっと気になった。

25分と長い幕間の後、最後の演目は河竹黙阿弥の「盲長屋梅加賀鳶(かがとび)」

幸四郎で一度観たことがあるが、秀太郎、梅玉、左團次など前回と同じ配役で、気楽な世話物。花道に勢揃いした鳶連中のつらねは、歌舞伎ならではの様式美に満ちた派手で豪華な趣向。

悪人だが憎めないところもある道元を幸四郎が軽妙に演じて間然とする所が無い。最後はだんまりの捕物の後、チョンパの終わり。

気楽に演じる面白い世話物が最後というのは気楽に観れてよいが、襲名披露と吉例顔見世が重なっており、狂言立ては豪華なるも、流石に詰め込み過ぎの感あり。本日は夜の部に行くのだが、これもちょっと終了が遅いよねえ。

「新ばし しみづ」訪問。
金曜日の夜は「新ばし しみづ」で寿司。昼前に電話して席を確保したが、本日は満席な様子。潜り込めてラッキーだったな。

白鷹の常温を貰って始めてもらう。本来ならば築地市場が移転している最中だった訳で、寿司屋に来るのは不思議な気分。清水親方も、そういえば移転の週でしたねえと。小池百合子は落とし所を考えずに大問題にしたが、吊るすべき責任者を確定したから、案外解決を早急に図るかもしれない。

何時も通りおまかせでつまみから出て来る。ヒラメは上品な脂。タコはしっかりした歯応えで旨味あり。スミイカはもう随分と肉厚。細切りにして。塩で食すと甘みが引きたつ。

戻りカツオは辛子醤油で。ネットリした旨味。サバもだんだんと寒に入って旨味が増してきた。漬け込みのシャコはふっくらと柔らかい。赤貝、青柳と貝類も。ブリはヅケにしてあり、煮切りを塗って軽く炙り、辛子を添える。これまた寒の旨味。

お銚子が小さめなので3本目に突入(笑)。最近飲み過ぎだなあ。シマアジ、漬け込みのハマグリ、ウニとイクラ盛り合わせと酒の肴に。このあたりでいつも通りお茶を貰って握りに。

マグロは脂の具合を変えて2貫。シットリした身肉に旨味が乗る。酢飯にも良く合うが、確かに若干以前より軽くなったかも。コハダは何時もながら強めの〆。キスを一貫。酢飯の具合がよく分かって旨い。アナゴは塩とツメで1貫ずつ。これまた鶴八伝来のトロトロ具合。コハダと穴子は寿司の根幹ですな。最後はカンピョウ巻を半分貰って終了。滞在は、1時間10分程度か。この程度のペースが一番快適だ。

女将さんの見送りを受けてそのまま久しぶりの「P.M.9」に。カウンタはまだ誰もいない。バーテンダーM氏と久闊を叙してあれこれ雑談しながらまず、何時ものドライ・マティーニを。最多来店記録F氏は、この所長く顔を見せていないとの事。常連が急に来なくなるような事が、最近結構気になるようになってきた。店も客も結局のところ無常ですからなあ。

その後、シングル・モルトを一杯貰ったが、一見の口うるさそうなオッサンが来て、あの瓶を見せろあっちは何だとあれこれウンチクが喧しそうなので勘定してもらって退散。カウンタで酒やグルメのウンチクを喧しく語る客は大嫌いだ。

「P.M.9」を出ると、また「しみづ」の女将さんに遭遇。再度の見送り受けて烏森神社界隈を去り、新橋駅からタクシー帰宅。

 
「新橋鶴八分店」訪問。
火曜日は会社を出てから「新ばし しみづ」に電話するも満席。「新橋鶴八分店」に電話すると空いているとの事で早速入店。しかしカウンタ一番奥の席には座布団が敷いてある。アッ! 大常連O氏の来訪日だったのか。それにしてもこの店に来ると会いすぎる気がする。

加賀鳶冷酒を貰って始めてもらう。マグロのなめろうがお通しで。赤身にちょっとだけトロを混ぜ、味噌と一緒に叩いたのだとか。マグロ独特ののコクあり。

ヒラメは分厚く切りつけて旨味あり。そのうちに大常連O氏が登場。「久しぶりに珍客じゃないか」などと宣うので、あれこれ雑談の相手をする羽目に。

次に頼んだブリも爽やかな旨味。サバも頼んだっけ。

しかしO氏が来た後は、五十嵐親方はこっちの注文を聞かず、何時でも長居する大常連O氏のペースに合わせてダラダラと出すので、待っているうちに酒が進み、何が出てきたか綺麗さっぱり忘れた。握りも果たして何か食したっけ。店を出たのはもう9時近かったように記憶するが。

せっかく金払ってるのに何を食したか忘れてしまうとは、なんとも無駄な話だなあ(笑)やはり寿司屋は1時間ちょっとくらいでサッと出るのが一番良い気がする。


「エクス・マキナ」をDVDで。
以前、週刊誌の映画評で見て気になっていたブルーレイがAmazonから届いたので早速観賞。



「エクス・マキナ」

しかしパッケージをよく見るとヒスパニック版。あれ? 再度Amazonで調べると、DVDも同梱された日本版は11月18日の発売なのだそうで、間違えて発注したのか。しかしこのブルーレイはリージョンフリーで日本語字幕も選択でき、鑑賞には何も不都合無し。そもそも映画の日本公開が遅れた為に並行輸入されたもののようだ。

検索エンジンのトップ企業であるブルーブック社で働く若きプログラマ、ケイレブ・スミスは社内公募に当選し、巨万の富を得た天才にして会社の創業者であるネイサンのコロラド山中にある隠された豪邸に招かれる。そこで彼を待っていたのは、ネイサンが開発中の女性型アンドロイド「エヴァ」であり、ケイレブはエヴァに対して対面での「チューリング・テスト」を実験として行ってくれという奇妙な申し出を受ける。

チューリング・テストとは、その対象が人間と区別がつかないAI(人工知能)と呼べるかどうかを確認するテスト。ガラス越しに美しいアンドロイドと対話するうちに、ケイレブは次第にこのアンドロイドに惹かれてゆく。

登場人物は実に少なく、物語は、AI(人工知能)との奇妙な交流が、テンションに満ちた密室の心理劇として描かれ、サスペンスにあふれたSFスリラーとして展開してゆく。そして最後に訪れる、息を呑むどんでん返しと破局。随所に散りばめられたAIと人間の自意識を巡る衒学的なやり取りも印象的だし、CGを使ったアンドロイドの描写も実によく出来ている。アカデミー視覚効果賞は伊達ではない。

ケイレブ役の俳優はいかにもオタク風。これが、特に後半の展開に至って大変効果的なキャスティング。闇を感じさせる天才、不可解な登場人物であるネイサンの人物造形も印象的。独特のアクがある中南米系の顔立ちに見覚えがあると思ったら、ドライヴ の、スタンダード役だったのであった。あの映画も実によかったなあ。DVDは手元にあるのでまた見直さないと。
(過去ログの感想はこちらに。)

題名は、ギリシャ語由来のラテン語成句「デウス・エクス・マキナ」から来ている。ギリシャ悲劇に登場する、「機械仕掛けで登場する神」、"god from the machine"の意。「デウス」が除かれているから「From the machine」となるが、成句を知っていると、機械仕掛けの、神でも人間でもない存在として描かれるAI(人工知能)が暗示的に思い起こされる実に印象的な題名。

次第に深まってゆく物語のテンション。テストの対象は一体どちらか。AIと対峙する自分は果たして人間なのかという、フィリップ・K・ディックを思い起こさせる疑念。地球上のあらゆる情報を収集する神の如き検索エンジンとAI(人工知能)との関係。小品ではあるが、実に印象的な作品として成立している。


西大島「與兵衛」、一人で貸し切り営業の夜
日曜の夜は、久々に西大島「與兵衛」。7時ちょうどに到着するとカウンタはまだ私のみ。あと2席セットされているが、取りあえず私一人で始まる。今日は静かだねと問うと、親方は「與兵衛も、もうお終いです」とすかさず冗談を。

親方や女将さんと、豊洲の市場移転の話などしながら。本当なら来週が引っ越しだったのに大混乱。

お酒はまず「澤屋まつもと 大吟醸原酒 うるとら純米大吟醸」。爽やかな口当たり、静かで清冽な旨み。外が寒かったのでチェイサーにお茶を(笑)

まず牡蠣のスープ。わさびを溶かし小口ネギを散らす。実に芳醇で濃厚な旨み。お通しの皿。海老頭ヅケ、ホタテ煮浸し、漬け込みシャコ、イカ耳とゲソのヅケ、牡蠣煮浸し、中トロ炙りヅケ。お酒は「十四代 本丸」「醸し人九平次」とお代わり。

携帯の番号を聞かれたので答えると、奥さんが台帳見て合ってるわねえと。前日に電話して、土曜が一杯だから日曜と言われたのだが、その直後に当日キャンセルが出て、ひょっとして早いほうがよいかと携帯に返信するも、「パケット通信中です」とか何かのアナウンスが流れて電話が通じなかったと親方が。自宅にいる時のiPhone7 Plusは自宅にいる時はずっとWiFiに接続しているのだが、時にそんな事もあるのかね。電話として機能しない時間があると困るけどな。

この日は結局最後まで他の客が来ずに貸し切り状態。もしも他の予約が全く無かったとしたら、私一人の為に営業させてちょっと申し訳なかったなあ。

他のお客さんがいないので、親方と奥さんといい調子であれこれ雑談しながら。山梨から毎月何度も来訪していたが、突然に来なくなった大常連M氏の話やら、閉めてしまった築地「鮨つかさ」の話なども親方と。しかし世の中に常なるものは無い。私だって急に倒れたらそれで通っている店とはおさらば。花に嵐のたとえもあるぞ、サヨナラだけが人生だ、か。

M氏は東京に出てくるたび、「與兵衛」以外にも行きつけの天婦羅屋やフレンチを回っていたのだが、天婦羅屋では店に置いてあった自分専用のぐい呑みを「しばらく来れなくなるから」と3年前の年末に持ち帰り、それきりなのだとか。その日は特に体調悪そうだったと天麩羅屋から後で鈴木親方が聞いた由。ただ同じ夜に来た「與兵衛」では普段と変わらず、「来年もよろしく」と挨拶して帰って行き、それきりで時間が経ち、携帯に電話しても、「既に番号が使われていない」となるのだと。

握りは、まず赤身ヅケ。固めに炊きあげられた酢飯は砂糖を使っておらずさっぱりして、種が一緒に溶け崩れる。イカは軽くヅケにしてある。ヒラメの甘酢はアサツキを、胡麻ヅケは一味をかませて。細巻海老は甘酢に潜らせ、オボロと共に。シマアジもここのスペシャル。ヅケにした身の皮目を香ばしく焼き霜にして握る。これもまた素晴らしい。北寄貝はここでしか食したことのない旨味と甘味。

キスはサッパリした脂に旨みが軽やかに乗って食感良し。もう少ししたら冬のこの店のスペシャル、身肉真っ白く脂の乗った三陸のサヨリが出てくるのだとか。これがまた美味いのだ。コハダはネットリした〆。サバは脂よりも旨みと甘味が勝る〆具合。最後はこれは脂が乗ってますよとイワシを。削ぎ切りにした3枚の身は脂がまさに蜜蝋のように固まって舌の上でネットリと溶ける。供する順番について親方に確認すると、やはり脂が軽いほうから段々と脂が濃くなるように選んでいるとのこと。そうだよなあ。

ハマグリは深いコクを感じる古式を残すツメと共に。爽煮風に白く煮上げた肉厚でフックラしたアナゴもここ独特。ツメともよく合って旨い。最後は玉子焼きをつまみで貰って〆。

7時に入店して8時10分には勘定。カウンタが他の客で満席で、親方のジョークにあちこちで掛け合いしていると終了が9時過ぎる場合もあるのだが、この店でたまにはこんな短い時間の滞在も実に良い。與兵衛にしかない唯一無二の寿司を堪能した。

勘定を済ませて帰りの挨拶をすると、「そういえば、どこに勤めてるかも聞いたことなかったよねえ」と親方に言われて、「Mさんみたいに急に来なくなるかもよ」と冗談を返しつつ、折角なので会社の名刺を。もしも急に来なくなったら、会社に電話してもらえば生存確認はできるはず(笑)まあ個人の携帯の番号も知ってるのだからそっちに掛けて貰えればよいのだが。

名刺の名前を見て「與兵衛」の女将さんが、「え! 長男なんだ。すっかり次男だと思っていた」と。私自身は典型的な長男性格だと思うのだが、いったいなんでそんな印象が(笑)

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昨夜頂いた「與兵衛」の名刺。トラウマと間違う人が多くて困るのだが、トラウムとはドイツ語で「夢」を意味するのだと親方。一人で貸し切り状態だった店を満ち足りた気分と共に出て、ホロ酔いでタクシー帰宅。