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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
銀座 鮨 「み富」訪問。
水曜日はふと思いついて午後に電話してみると席が取れるという。銀座「鮨 み冨」で一杯。時間があったので、新橋から銀座方面にブラブラ歩いて行くと、街は中国人だらけ。ここは日本だっけ(笑)

入店すると、カウンタにはまだ誰も居ない。いつもの窓際席に。ここのつけ台の色が一番最初に変わりつつある感じ。親方によると、割と窓際を選ぶお客さんも多いとか。飲みながら街角を見下ろすのも結構良い。晴海通り沿い「竹葉亭」の二階座敷窓際に座って、冷酒飲みながら、車や人の流れをぼんやり眺める夏の夕暮れなんてのも、実に良いものなあ。

今日はあと一組お客さんがあるだけで静かだとの事。しかしポツポツ先の予約の電話が入って来ている。

お勧めの春酒、千葉の「OCEAN99」特別純米。軽い飲み口、微かに炭酸が含まれて爽やかで食事に触らない。

三橋親方と豊洲市場の事などあれこれ雑談しながら、お好みでつまみを少しずつ。

まずマコカレイ。上品な旨味。シマアジも貰う。カツオは生姜醤油で。かなり大きな個体。爽やかな香り。、ミル貝はまな板に叩きつけるとキュルキュルと丸まってしまう活かり具合。紐は炙ってスダチを添える。ミルの紐は炙ると甘味と香りが増す。

トリ貝も随分と肉厚になってきた。漬込みのハマグリもつまみで。この辺りでお茶に切り替えて、握り。タイ昆布〆、カスゴ、マグロ漬け、中トロ、アジ酢〆、イワシ、アナゴ、カンピョウ巻。本日は静かで三橋親方とあれこれ雑談して面白かった

ゴールデンウィークは、豊洲市場の営業日を見ながら営業するとのこと。10連休とメディアは騒ぐが、魚市場が10連休する訳にも行かない。寿司屋も10連休したら売上激減で大変だろう。仕入れの状況を見ながら結構営業するはず。

5月1日は新天皇の一般参賀に上京する人が多いのではなどと話したが、後で確認すると即位の礼は5月1日だが一般参賀は5月4日らしい。まあ確かに即位当日はあれこれ儀式もあろうし、参賀に出てくる時間なんてないよねえ。宮内庁のページでは、お出ましは6回あるが、混雑の場合皇居前広場から正門まで二時間以上かかる場合があるとか。まあ到底行けるものではありませんな。お年寄りは倒れるんじゃないかなあ。

GWは実は何の予定も入っていない。寿司屋巡りでもするか(笑)



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歌舞伎座 「四月大歌舞伎」昼の部
先週の日曜日は、歌舞伎座「四月大歌舞伎」、昼の部。個人的には平成最後の歌舞伎鑑賞である。

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最初に二階に上がって階下を見ると、確かに両花道が設置されている。前回、夜の部に来た時は迂闊ながら、最後の演目まで上手に仮花道が設置されている事に気づかなかった。

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最初の演目は、新作の歌舞伎、「平成代名残絵巻(おさまるみよなごりのえまき)」

平成最後の歌舞伎座公演とあって、天皇御代変わりを寿ぐ祝祭舞踊。栄華を誇る平清盛亭から、清水寺。桜が舞う豪華で煌びやかな演出。まあ筋立て自体は気にすることもない気楽なもの。

福助はおそらくまだ右半身がうまく使えない様子で、左手以外は動きのない役。歩けるのだろうかと心配になるが、結構台詞も多いのに、声はなかなか立派に朗々と響く。劇中では、新元号「令和」を織り込んだ台詞も。

福助息子の児太郎が立役で、遮那王を演じる。女形の声の高さと違う部分もあるのだろうが、声がちょっとガラガラ。風邪でも引いたか。巳之助は平知盛。声がよく通って立派な武者。いわゆる碇知盛で有名な役。

源氏の白旗、平家の赤旗がそれぞれに両花道に分かれ、定式幕が閉まった後の両花道幕外の引っ込み。巳之助と児太郎がそれぞれ六法を踏んで、さらばさらばと立ち去って行く。派手で実に目出度い。しかしさほど仔細に見るべき所もない演目。

30分の幕間。

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先だっての夜の部よりも客が入っているが、まだ割と空いている。そういえば一階席にも空席が所々で目立った印象。海鮮重など。

次の演目は、「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)」。いわゆる「野崎村」だが、前の段の「座摩社」が出るのは40年ぶりとか。

お染久松物語を背景に、田舎娘の成就しない悲恋を描く。

「座摩社」については、この場があると、野崎村に訪ねてくるお染が唐突ではなく、久松の深い関係も事前によく分かる。単純に久松との祝言を喜んでいる久作娘お光を見た時点で、「ああこの恋は成就しないんだ」と感じる事ができ、お光の「嬉しかったはたった半時」に至る悲嘆が実に身に染みる。

ただ、この「座摩社」の段は、お染めに横恋慕する手代小助が前面に出た上方喜劇仕立て。手代小助を又五郎が大仰に、かつ達者に演じるものの、客席はまったく沸かない。たまたまこの日の客だけかもしれないが、悪く言うと又五郎は「スベっていた」。又五郎にしたら「なんで笑わねえんだ、このヤロー」と思っているかもしれないが、松竹新喜劇のような上方お笑いの風味がちょっと無いのだよなあ。

時蔵のお光は、祝言を告げられた純朴な歓喜、自分よりずっと裕福そうな町娘への少女ならではの素直な嫉妬など、若々しく演じて芸の力を感じる。久松を思い切った後の悲しく殊勝な姿から、大詰めで二人を分別ある女の如く礼儀正しく見送った後、純朴な田舎娘に戻って親父の胸に泣き崩れるまで、鮮やかに印象的。

前に七之助がお光をやった時は、今までの人生で大根は一度も切った事が無いのではないかという手つきであったが、さすがに時蔵は、大根をサクサクと難なく刻んで行き、家事を一所懸命にこなしている田舎娘らしさを表現したのも手練れの役者。女形は何でもできなければいけませんな。

雀右衛門のお染については、クドキの場面など流石の芸の力で印象的ではあったが、娘役をやるにはちょっと肥え過ぎであるようにいつも思えるのだが。歌六の百姓久作は、初役なのだそうだが、娘を思いやり、お染久松に別れてくれと嘆願する、情愛深い親父を演じて心を打つ好演。

優柔不断な色男の風情は、久松を演じる錦之助のニンにまさにある。結局この人が全ての揉め事の原因になっているのだが、白塗りの色男は常にどこかケロっとしているのだった。色男というものは、大概そういうもんなんだなあ(笑) 大詰めで、物事を丸く収めにやってくる、油屋後家役、秀太郎もまさに本役の風格あり。

切りの回り舞台による、久作家の表から川沿い土手への場面転換は、実に歌舞伎らしく印象的。両花道を使って、水路と土手で、お染久松が別々に戻って行く。

この日、大向こうは、微かに鶏爺さんの声が聞こえたような、あるいは錯覚だったような。全般に少ない。一階からは殆ど無いのが実に結構である。

次の短い舞踊劇は、坂田藤十郎米寿記念と銘打った、「寿栄藤末廣(さかえことほぐふじのすえひろ)」、「鶴亀」。

坂田藤十郎は今年の12月に米寿になるのだそうで、記念の祝祭舞踊。本年1月に、大阪松竹座で初演されてこれが二度目。話の種に見れてよかった。

藤十郎の女帝は開幕、舞台中央のせり上がりから登場。よく言えば春風駘蕩、ゆったりと品格のある舞踊。悪く言うと、「あっ、動いている動いている」と、ちょっとパンダを見るような感慨。しかし米寿でまだ歌舞伎座の舞台に立つのは立派。役者は一生現役ですな。

猿之助が亀、息子の鴈治郎が鶴で目出度い祝祭の舞踊。壱太郎、児太郎、米吉など花形の女形も煌いて美しい。藤十郎の息子、孫の三代が同座した目出度い舞台。

最後の演目は、「御存 鈴ヶ森 (ごぞんじすずがもり)」

江戸の人気者であった白井権八と幡随院長兵衛が出会う場面を描いた有名な一幕物。 「だんまり」の滑稽な立ち回りもよく出来ている。この場で飛脚を演じた又五郎は、結構ウケていた。

そして大詰は、人生を左右することになる男2人の運命的な出会い。菊五郎は若々しく怜悧な剣の達人で、堂々たる侠客、幡随院長兵衛役、吉右衛門の台詞が朗々と響く。歌舞伎の大看板二人がガップリ四つに組んで、大相撲で言うなら千秋楽の横綱同士の結びの一番の如し。これこそ歌舞伎の醍醐味。実に見ごたえがあった。


「新橋鶴八」訪問。

先週の金曜日は「新橋鶴八」。ちょっと前に入れる日が無いか、携帯にメッセージ送っておいたのだが返事が無い。空きが無いのかと思っていたら、木曜になって、「明日6時に予約承りました」」と五十嵐親方から返事があった。どうせ、大常連O氏が来る日に合わせたなと思ったが、なかなか予約も取れないので、当日に一応入店。6時前なのに、一番奥には、やはり大常連O氏が既にトグロを巻いているのだった。

しかしお会いするのは結構久しぶり。この前「食べログ」の「新橋鶴八」のレビューで、「常連の方がいたので店の雰囲気が居酒屋だった」と書かれていたのはOさんの事じゃないですか? などとご挨拶。親方によると違うというのだが、本当かな(笑)

冷酒を貰って始めてもらう。別におまかせでとは言っていないのだが、いつも店のペースで勝手に出してくるのが困る所なんだけどなあ。お通しはホタルイカ。この時期どこで食しても旨い。

しばらくして右隣に来られたお客さんは、以前にもここでお会いした事あり。大阪に居た時はこのブログの寿司日記をずっと読んで頂いていた由。O氏も入れてあれこれ五十嵐親方と雑談しつつ。やはり雰囲気は居酒屋みたいになる(笑)私自身は、寿司屋で常連面をして親方に話し続けて、他の客の迷惑になるのが嫌いだから、「しみづ」や「鶴八」ではなるべくおとなしくしているけれども、この店で横にO氏がいてはねえ(笑)

まずカレイ。縁側も。ヒラメとは違う軽やかな脂。旨味もあり。茹で上がったばかりの大振りなタコ。切り付けるとまだ水分が出てくる。本当はもう少しおいて蒸したほうが良いのだろうが、実に香りが良い。茹で上げを食すると、冷蔵庫に一度入ったタコは食いたくなくなるほど。

カツオは、腹の部分と背の部分と。生姜醤油で。まだ九州の産とか。春先らしい軽い脂に爽やかな風味。アナゴの一夜干し塩焼きは、この時期煮るよりも、酒のつまみに好適。漬け込みのシャコも貰う。カツブシという卵持ちを好む人もいるが、私はこの日のような卵無しが好きだなあ。酒盗が少し最後に出て、つまみ終了。

日本酒は2杯飲んだが、O氏がまだ飲んでるので、焼酎水割りに切り替え。ここからおまかせの握りに。

カレイ昆布〆は昆布が染みて、カレイの旨味が引き立つ。米の甘味を残したフックラした酢飯も具合が良い。アジも肉厚で脂が乗る。サヨリはそろそろ季節終わりではと思うが、肉厚で立派な身に旨味が乗る。コハダも既にかなり大きいが片身をつけてスッと真ん中に切れ目を。肉厚でネットリした鶴八伝来の旨さ。中トロも1貫。最後は漬け込みのハマグリで〆。「鶴八」伝来の仕事はきちんとここに残っている。酔っ払ったので、O氏のカラオケへの誘いを断って、タクシー帰宅。

そういえば、五十嵐親方が、ブログに書いて誉めてほしい事を、なんだか言っていた記憶はあるのだが、隣に大常連O氏がいて、長い時間、余計な話ばかりしていると酔っ払ってしまうので、ハテ、何の話をしていたかスッカリ忘れてしまった。何だっけな。今だって十分誉めているのだが。

「しみづ」で1時間ちょいの滞在だと、何が出たか、何をしゃべったかクリアに覚えているのだが、この店でO氏がいると飲み過ぎるので食したものさえ、貰ったメモを見ないと何も思い出せないのだった(笑)

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歌舞伎座「四月大歌舞伎」、夜の部
先週土曜日は、歌舞伎座「三月大歌舞伎」夜の部。

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駅からブラブラ歩いてセブンイレブンに寄ったら、横の公園で桜が満開。まだまだ咲いているが、この週末までかな。

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最初の演目は、仁左衛門の、「源平布引滝 実盛物語(さねもりものがたり)」

仁左衛門はこのところ歌舞伎座出演が続くが、毎月良い。人死にのある、ある意味暗い話でもあるのだが、この「実盛」では、最初から最後まで、仁左衛門は、颯爽と明るく背筋の伸びた主人公の実盛を演じる。

寺嶋眞秀が子役、太郎吉役で大活躍。三味線に乗る台詞も立派にこなす。歌舞伎は一種の男系相続だが、音羽屋の血筋といえば血筋であり、人気が出たらどうなるんだろう。「サワコの朝」で母親の寺島しのぶは、「父親が歌舞伎役者ではなく、御曹司ではないので」と語っていたが、歌舞伎が大好きらしい。

歌六の瀬尾は初役なのだそうだが、赤っ面の憎らしい押し出しと、「戻り」の孫を思う祖父との慈愛が両方くっきりとした輪郭で描かれ、実に堂々たるもの。上手い役者は何をやっても達者だ。松之助と斎入も、しっかりと脇を固める。

源氏の白旗を絶対に守り抜くと握りしめた小万の手に、切り落とされた際に霊魂が宿り、死体に繋ぐと小万が反魂する。実盛は、自分がいずれ討たれる遠い未来を幻視して、その時には老人になっているが、間違わないように髪を染めて戦場に出ようと語る。子供ではなく手が生まれたというエピソードも含めて、全体に流れる不思議なオカルトじみた雰囲気が独特。

最後は仁左衛門が、これまた颯爽と馬で去ってゆくのも後味よろしいですな。

一階席前方に居たのだが、やたらにイキった声で、役者の出と入り、見得のたびに声を掛ける男がすぐ後ろに居たので、大変にウザかった。大向うは幕見か3階でやってもらいたい。一階席で後ろから声が掛かるとは予想していないので、結構気に障る。しかも、時々屋号間違えていたと思うけど。なんなんだ(笑) 仁左衛門の時は他にも一階席で声掛ける客多し。不思議なり。

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幕間は三階の「花篭」で芝居御膳。ホタルイカ、タケノコ、タラの芽、鰆、桜豆腐など、春の彩り満載。しかし、この日は「花篭」ガラガラ。客席はまあまあ埋まっていたと思ったが。団体の客がいないのか。

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そういえば、この前、こんなA4のハガキが松竹から届いていた。4月はチケット売上が芳しくないのか。昼も夜も大看板が出ているのだけどねえ。

二番目の演目は、「猿翁十種の内 黒塚(くろづか)」

猿之助の「黒塚」は以前にも歌舞伎座で見た。猿之助は、粋な江戸の鉄火な女も似合うが、この婆さんの役も、なんだかよく似合う。基本的に女形の人なのかも。鬼婆は、隈取をした一種のケレン味のある変身であるが、これまた印象的。

ロシア舞踊を先代の猿之助が取り入れたという幻想的な舞踊が美しい。

しかし人をさんざん殺した鬼婆も、仏のお慈悲で助かると言われて喜んだ後で、ケロっと裏切られては、それはまあ激怒するだろうなあと同情もする物語。阿闍梨役の錦之助がまた、ケロっとしている(笑) まあ、この人の持ち味であるが。念仏で調伏されてさすがの鬼婆も、最後に大見得を切って、しかし一巻の終わり。

最後の演目が、「二人夕霧(ににんゆうぎり)」

「廓文章」、いわゆる「吉田屋」の後日談。初代の夕霧が亡くなり、二代目の夕霧を身請けして、伊左衛門が昔取った杵柄で、「傾城買指南所」を開きながら食い詰めた生活をしているところに、なんと亡くなったはずの初代が現れる。

上方和事、伊左衛門を鴈治郎が演じる。気楽に見れる「吉田屋」のパロディだが、魁春が、若き傾城にちゃんと見えるのに感心。お酒が回っていたからかな。しかし、孝太郎は若き傾城にはあまり見えなかった(笑) やはり芸の底力か。 魁春も既に70歳と思うが、雀右衛門ほど肥えておらず、首のや手の動きと、顎から首にかけての線が綺麗なのが効いていると思う。

そして、めでたしめでたしの大団円。この「二人夕霧」のラストで、今回の公演で両花道が設置されていた事に気づく。いや~、気づかなかった。夜の部では、仮花道は「二人夕霧」で、最後のらちもない場面で一瞬使われるだけだから、メインはきっと昼の部なんだな。


打ち出しは9時近くと、結構遅い。いささか疲れたので、帰宅は歌舞伎座横で捕まえたタクシーで。

タクシーに乗ると、運転手が「今、中目黒まで行って来たんですが、人が多くて大変でした」と。目黒川の花見客が大混雑だったらしい。今年は「花に嵐」が無く、開花した後で寒くなったので開花が長く続いた。しかし目黒近辺に住んでる人は花の季節は群衆で大迷惑だろう。

このタクシー運転手の説によると、花見の人出で外国人観光客が多いのは、目黒と上野だが、千鳥ヶ淵は外国人が少ないのだとか。まだ外国人にはあまり有名ではないのかな。そういえば、前の週に桜を見に行った浅草の隅田川公園も、 宴会をやってるのは日本人だが、歩いているのは外国人だらけ。着物を来た中国人観光客も大勢いた。インバウンド向けの貸衣装屋があるんだな。

そろそろ移転1年。神保町「鶴八」訪問。
火曜の夜は、神保町「鶴八」。夕方電話すると「鶴八最後の弟子」が出て、「久しぶりですねえ」と。そんなに空いたかと後で調べると、前回は1月末。まあ、久しぶりか(笑)

席は空いていたので仕事帰りに早速入店。カウンタはまだ先客一組のみ。親方と相撲談義など。先場所、14日目と千秋楽に大阪遠征した話をすると、「鶴八最後の弟子」が「三本締めやったんですか?」と聞いてきた。

いやいや、現場で優勝インタビューを寿ぐ雰囲気の最中、白鵬が「では、皆さん、三本で締めましょうか」と言ったら、それは皆やるでしょう(笑) ただ、最後の出世力士手打ち式まで来て、館内放送で三本締めが告げられると、「あれ? さっきやってしまったじゃないか。白鵬しょうがねえなあ」とは思った(笑) 石丸親方は初代貴乃花と同年という、古くからの相撲好きなので「万歳でも注意を受けたのに、あれはちょっと」と渋い顔であった。

まず菊正の冷酒。お通しは蛍イカ。

つまみはまずカレイから切ってもらう。かなり大きな個体。「もう美味いのが出てるんですよ」と親方。ヒラメとは違って脂ぎっていないカラっとした爽やかな旨さがある。

塩蒸しも香りよし。アジもふっくらした身肉に爽やかな旨さ。トリ貝はもう大きくなりましたかと聞くと、「もう旨いですよ」と。大きいので1枚分でと切られたトリ貝は、実に肉厚で果実を思わせる甘い酸味あり。漬込みのハマグリもつまみで。

つまみを頼みつつお酒のグラスを重ねて、親方やら女将さんとあれこれ雑談。

店のほうは、途中で入ってきたお客さんの名前が予約帳と違うということでちょっとドタバタ。「新橋鶴八」を継いだ元分店を予約したお客さんが間違えて入ってきたようだ。ニュー新橋ビルで、お互いの店が近かった時はよくあったが、神保町と新橋で間違うというのは珍しいか。

そうかと思うと隣のお客さんは、本家「新橋鶴八」が分店に暖簾を譲って神保町に移転した事を長く知らず、閉店となっているのでびっくりして調べて、神保町まで辿り着いた由。間違う人いれば辿り着く人あり。Life goes on(笑)。

ニュー新橋ビル、前の「新橋鶴八」の場所は、居抜きで新しいテナントが入ったらしい。寿司屋だが昼はラーメンを出しているという怪情報あり。一日二期作の寿司屋なのかな。覗きに行きたいが、あそこはうかつに近づくと中国マッサージのおねえちゃんが近づいてきて面倒臭いからなあ(笑)

「鶴八」は、GW中も豊洲市場の休市日以外は営業するとのこと。 「きっと暇だからドンドン来てください」と親方。そんな話をしていると親方はカレンダーを見て、「来週、4月9日が、ここ神保町に戻ってきて1周年の日なんですよ」と。1年は早いものだなあとしみじみ。去年、私が来たのが4月10日。移転開業2日目に訪問した記録が過去ログにも上がっている。

元号の話や桜の話も盛り上がったが、たいがいの所でお茶を貰って握りに。中トロはなかなか旨い脂が乗っている。コハダは、まだ大丈夫だとのこと。ネットリと〆た独特のもの。アナゴは煮汁をかけて軽く炙って供する。これも鶴八独特の仕事。最後はカンピョウ巻で〆。「鶴八」伝来の味をのんびり楽しんで、神保町駅から家路に。






「新ばし しみづ」訪問。
先週の土曜日は「新ばし しみづ」。

当日思い立って昼前に電話してみたら、「しみづの錦木」が出て、5時半なら大丈夫だという。「錦木」は随分と電話の受け答えもしっかりしてきた。しかし当日電話で入れるのは、実に珍しい。

という訳で週末だが新橋まで出て時間通りに入店。カウンタにはあと2席空きあり。これもまた珍しい。ワイン飲む客無し。これも結構珍しいぞ(笑)

まず常温の酒を頼むと、後は自動的につまみから始まる。お通しのしらすおろしは、それだけで酒肴の一品になるような山盛り。

ヒラメは脂が乗って旨味が濃い。タコも歯ざわりと香りよし。蒸し牡蠣は直前に火を入れている。養殖の牡蠣がというが海の地味十分。なんでも何処かの品評会で一等を取ったのだとか。牡蠣も色々と品種がある。

アジの身はふっくらして脂はくどくなく爽やかな香り。これから段々と脂が増してくる。 カツオは即席のヅケにして、叩いたネギを添える。背の身。叩いたネギは、小笹寿しでも使っていた薬味だが、何故叩くとニンニクのような香りになるのだろう。まあ「葷酒山門に入るを許さず」の「葷」というのは、ニンニク、ネギ、生姜の事だと読んだから、仲間なんですな。

赤貝、ミル貝、青柳と春らしい貝の三点。 ミルは切り付けて置くとクルクル丸まってくるような鮮度。逆に寿司には握りづらいのでは。昔、中野坂上にあった頃の某有名寿司店で、生のトリ貝を握ったのだが、握った後で手のひらの上で「ポン」とやって出すと活きが良すぎてトリ貝がクルクルと丸まって握りから剥がれて、貝がつけ台に落ちたなんてあったな(笑) 活きが良いのも程度問題か。

白魚とホタルイカのオリーブオイル温製。オリーブオイルは、何かのコンテストで賞を取ってから売れるようになった南米産とか。フランスパンにつけて食べても旨いだろうなあ。しかし寿司屋であるからフランスパンは無いのであった。

珍しくナマコが。素晴らしい美味という食材ではないのだが、ネットリ、シッカリした歯応えと、オツな風味がある。中国に輸出するため暴力団が一生懸命密漁していると、「サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う」で読んだ。アワビやウナギのシラスも、密漁で金になるものには全て暴力団が寄ってくる。困ったもんだな。

ヤリイカ煮はツメを添えて。漬け込みのハマグリ。ウニ。この日は結構つまみを食した。

清水親方からは、「最多来店記録F氏」がよろしく言っていたとの伝言。このところ、週に2~3回来訪していると。 そういえば、しばらくお会いしてないね。久々に復帰した摩宙君に会いに来ているとは、「P.M.9」バーテンダー氏の弁であったが。

ここからお茶に切り替えて握り。親方によると、当日でも空いている時は空いている由。Webで空き状況を更新してくれると助かるんだが、「そんなこと私がやるはずないでしょ(笑)」との事であった(笑) 

マグロは紀州で揚がったとか。実にしっとりした肉質で旨味がある。 コハダは九州産。この季節、産卵で脂が抜けてくるとこの店の厳しい〆には向かなくなる。しかしまだ肉厚で脂を持っているのがあるので大丈夫との由。 穴子は塩とツメ。 鶴八伝来の仕事。
最後はカンピョウ巻を半分だけ。「しみづ」の仕事を堪能した。

勘定を済ませて見送りに出てきた弟子の摩宙君と話をすると、北欧に店を出す所から話があって、ビザを取ってそちらで働くために近いうちに海外雄飛するのだとか。頑張ってもらいたいものである。



歌舞伎座「三月大歌舞伎」、昼の部。
もう先々週になってしまったが、土曜日は朝4時半起きでゴルフ。早めに終わって東関道でスイスイ帰宅と思っていたら、事故渋滞に遭遇。トラック2台を含む玉突きで乗用車が大破。現場を通りかかった時に、丁度、救急車のストレッチャーで首を固定され苦悶の表情で運ばれる若者を目撃。大怪我でなければよいが。交通事故は嫌だねえ。やはり車間距離取るのが一番と思うが。

この日は大相撲大阪場所7日目。幕内の相撲は余裕で生中継を見れると思っていたが、渋滞のせいで結局録画観戦に。

でもって日曜日は、歌舞伎座「三月大歌舞伎」昼の部。

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最初の演目は、「女鳴神(おんななるかみ)」

歌舞伎十八番の「鳴神」。この主人公を女形に変えたもの。歌舞伎座では27年ぶりの上演とのことで、実に珍しいものを見た。歌舞伎は長い歴史があるから、古い作品には立役を女形に変えた趣向が結構あるようだ。前に見た「女暫」も面白かったなあ。

オリジナルは女の色香に惑って法力を失ってしまう鳴神上人の話だが、「女鳴神」は、美男子にメロメロになった尼さんの話。鳴神尼が孝太郎。雲野絶間之助が鴈治郎。

口移しで水を飲ませたり、酒に酔ってしどけなく身を任せたり、大変エロティックに演出されている。ただ、鴈治郎はデップリ太って、鳴神尼がメロメロになるような美男子に見えないのが難点だなあ。このあたりは美男美女の配役で見たかった。押し戻しの場面、鴈治郎二役の佐久間玄蕃盛政もは二役で演じる。荒事風味は薄いが、恰幅がよく目出度く成立。孝太郎も鬼女の隈取りした後半のほうが見栄えがずっと良い気がする。

二番目の演目は舞踊、「傀儡師(かいらいし)」

傀儡師とは人形遣いの事のようだが、八百屋お七や船弁慶などの人形芝居を次々に踊り分けるというのだが、舞踊にはまったく素養が無いもので、イヤホンガイドの解説を聞いても舞踊のどこが何を表しているのかサッパリ分からないのであった。しかし24分も一人で踊り続けるのだから、歌舞伎役者の体力には驚かされる。

最後の演目は、近松門左衛門作、「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」

傾城も反魂香も出て来ないが、「傾城反魂香」というのがいかにも歌舞伎。通称「吃又」。序幕として近江国高嶋館の場、館外竹藪の場が出るのが澤瀉屋流なのだとか。これが出ると後半の虎をかき消すシーンやら、救出に向かって手柄を立てるエピソードにつながる。

米吉演じる銀杏の前が、元信への想いを遂げるためにちょっとしたトリックを仕掛けるのだが、米吉がなかなか可愛く成立している。ふすまに血で書かれた虎が実体化して出てくる場面は、馬と同じ要領で人がぬいぐるみに入っているのだが、猿弥との立ち回りで見せる虎としての動きがなかなか面白い。しかし土佐将監閑居の場で出てくる虎の首とまったく違うというのは、小道具の都合なのだろうが、通しで出しているのにどうか。

この演目は、三代猿之助四十八撰のひとつ。以前、吉右衛門で見たが、今回は白鸚が浮世又平。なんでも初役で演じてから30年近く経っての再演。最近は、長年やってなかった役を選んで精力的に演じている印象。やりなれた本役でなければ大変だろうが、新しい挑戦。

得意の弁舌で旦那をたてようとする、健気でしっかり者の女房おとくを猿之助が演じる。この辺りも猿之助は達者なもの。この女房が後ろにしっかりいる事で、又平の哀しみが引き立つ。。

吉右衛門の又平には、吃音の自分へのどうしようもない、屈折した憤激みたいなものが色濃く感じられたが、白鸚の又平は、吃音の具合が割と軽い感じがあって、感情表現もちょっとサラサラしている印象。勿論、悲しみは全ての演技に通じる基調低音となって舞台全編に。

手水鉢の裏に描いた自画像が前面ににじみ出てくる「抜けた!」の場面は、海外の持つ呪術的な力を印象的に表した有名な一場面。

彌十郎の土佐将監光信は、又平の願いを次々に退けながら、年功や手柄を立てる事が重要なのではなく、絵筆の技芸こそが大事なのだと厳しくも優しく見守る師匠を印象的に演じた。








歌舞伎座「三月大歌舞伎」、夜の部
土曜日は歌舞伎座「三月大歌舞伎」夜の部。仁左衛門の「盛綱陣屋」に高麗屋、澤瀉屋の「弁天娘女男白浪」。子役では中村屋の貫太郎、音羽屋の眞秀も出演。

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最初は仁左衛門の、近江源氏先陣館、「盛綱陣屋」。人形浄瑠璃由来の時代物。

イヤホンガイドは、モデルになった徳川の時代や背景としての大阪夏の陣や、それに関わる実在の人物を熱心に解説するのだが、必ずしも史実の通りの物語ではないし、逆に物語の興を削ぐような気もするのだが。兄と弟が違う主君に仕えて敵と味方に分かれているという設定だけ理解しておけば、舞台を見るには十分。

敵方である盛綱の弟、知将高綱の一子小四郎が生け捕りにされた所から物語は始まる。左團次の和田兵衛秀盛は花道から派手な登場で貫禄十分。大詰めでもまた威風堂々の登場で、盛綱といずれ戦場で会おう、「さらばさらば」とやるおいしい役だ。

盛綱の主君である北条時政は、小四郎を利用しようとしているが、実子を助けようと弟の高綱が寝返っては、弟の忠義が立たず武将の家としての面目も立たない。秀太郎演じる母親の微妙に、小四郎に自害するよう説得してくれ盛綱が説く場面は、人間の自然な情愛に対立する「武士の世の忠義」に否応なしに従わねばならない、戦国の人間の悲劇を印象的に描く。クライマックスの首実検についてもまた然り。

自らの主君、北條時政が、弟高綱の首を持って陣屋に現れる。首実検で(歌舞伎の首実検はみんなそうだが)他人の首と知った時の驚きと訝しさ。弟の智謀を思い出して、「そうか、策略を仕掛けおったわい」という得心。しかしふと横を見ると高綱の一子小四郎が腹を切り死にかけている。これは一体、という狼狽から、自らの子供を犠牲にして偽首を本物だと思わせる高綱の計画を判じる。ここまで弟がやるのであれば、自分も主君を欺かねばならないと決めた覚悟。

ここまでの息を飲む心の様々な動きを、主君の疑心の目を背中に抱えながら、仁左衛門が圧巻の無言劇で見せる。映画で言えばクライマックスのワンショット撮影のような場面。「盛綱陣屋」は以前、芝翫で観た首実検は、あんまり印象に残っていないのだが。

高綱一子小四郎は台詞の多い大役だが、中村勘太郎が実に立派に演じた。盛綱一子小三郎のほうは音羽屋の眞秀。子役の健気さを見る舞台でもある。微妙の秀太郎も良い。

高綱の首であったかと喜んで、褒美として与えた鎧櫃に、実は間者が潜んでいたという奸計の大詰めも、容易に人を信じない北条時政の狸ぶりを示す印象深いエピソード。狸時政は歌六が堂々たる風格。

ここで幕間。芝居御膳。空豆、白魚、イイダコ。もう弁当のあちこちに春の雰囲気あり。

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次の舞踊劇は、「雷船頭(かみなりせんどう)」

奇数日は猿之助が女船頭。猿之助は、艶っぽい江戸の女を演じるのも得意だ。大川端が舞台。空がいきなり掻き曇って雨になると、空から雷神が落ちてきたという想定で、女船頭と雷が、二人で軽妙に踊る。偶数日は幸四郎が立ち役で船頭を演じるらしい。まあ両方観たいというほどのものでもないか。


最後の演目は、河竹黙阿弥作、「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」

浜松屋店先の名場面の後は、すぐ勢揃いで恰好良く終わる。

この日は奇数日で、弁天小僧は幸四郎、南郷力丸が猿弥。偶数日は、弁天小僧が猿之助、南郷力丸が幸四郎。幸四郎が弁天小僧というのも珍しいし、猿之助の弁天小僧も一度は見てみたいものだが、いかんいかん、3月は大相撲大阪場所もあって遠征するので、夜の部を二度見る余裕はないのだった。危うく松竹の策略にはまる所であった。

浜松屋の場。男だと見破られた後の弁天小僧の有名な啖呵。花道でどちらが荷物を持つかで揉める「坊主代わり」も気楽で面白い場面。

日本駄右衛門は白鸚が貫禄で務めるが、他の白波五人衆は若い世代。花道の渡り台詞、勢揃いの立ち回りも美しく派手。ストーリー無しでも気楽に楽しめる、歌舞伎のお約束と様式美に満ちた一幕。

銀座、「鮨 み富」訪問。
金曜日は、ふと思い立って夕方に銀座「鮨 み富」に電話。7時半から次の予約が入っているとの事であったが、では早めに入店するという事で。

早めの時間に入ると、カウンタはまだ誰もお客さんなし。

季節のお勧め、鳥取の酒 月山の純米吟醸を頼んで、親方とあれこれ雑談しながら、まず刺身を切ってもらう。この店ではおまかせではなく、「銀座新富寿し」の頃の流儀でお好みで頼む事にしている。

まず、佐島の鯛。皮目を湯引きしてあり、皮目に旨味が濃く残る。小柱は、海苔を散らして供する。小柱は海苔と良く合うから軍艦でも美味いが。

この週の前半は結構暇だったとのこと。本日は金曜日であるから暇だったら困る(笑) ただ、「銀砂新富寿し」はカウンタが長かったから、フラッと行っても入れなかった事はなかったよねえと親方と話すると、「僕もお客さん断った記憶ないですねえ」と。その点では何時でも入れる良い店であった。

最近でもまだ、「銀座 新富寿し」がどうなったのか探し続けて、ネットでこの店に行き当たり訪ねてくる昔のお客さんが居るのだとか。ネットで検索できれば意外にこの店に辿り着けるのだが。

ミル貝もつまみで。小ぶりではあるが身はキュルキュルと縮んで新鮮。貝柱とヒモは炙って別に供される。この辺りで、他のお客さんもそろそろ入店してきた。

平貝もつまみで。サヨリもカンヌキに近い立派なもの。ただ、もうそろそろ卵を持つので終わりかな。カツオは、新富時代からほぼ通年で置いてあるとのこと。

トリ貝は、豊洲仲卸に聞くと、この前入れたら身が小さくてまだ全然ダメだったと。ま早いか。この店は去年の夏から独立したから、まだ仲卸との仕入れ関係も1年経っていない。しかし、店に客が付くにつれ、寿司種はどんどんと質が上がっている気がする。

この辺りでお茶を貰って握りに。

まず昆布〆。カスゴ。アジ酢〆。コハダ。漬け込みのハマグリ。穴子。

握りは小ぶり。酢飯はスッキリした味で、寿司種の仕事も「新富寿し」の時よりちょっと甘味が控えめになっているような気がするが、この辺りはこれからも微調整が続くのだろう。

最後に貰ったカンピョウ巻は、「新富寿し」と同じ伝来の技で甘辛の味が実に濃い。「鶴八」系のカンピョウも、街場の普通の店より相当濃いが、「新富」のほうがおそらくもっと古い味を伝えているのだろう。しかし、これに慣れると癖になる。親方によると来たお客さんの8割か9割は最後に頼むのだと。

カンピョウを仕込んでいる大きなボリ容器も見たが、修行先の「新富寿し」よりずっと席数の少ないこの店のほうが、カンピョウが沢山はけるとのこと。まあ商売繁盛で結構ですな。






 
久々に「新ばし しみづ」訪問。
木曜の夜は「新ばし しみづ」。なんだかんだでちょっと間隔が空いてしまった。当日の朝に電話したら一席空いていた。

会社を出たが、入店時間にはまだ30分ある。

時間調整に「P.M.9」で、バーテンダーM氏と雑談しながら一杯。扉を出たら3歩で「しみづ」なので時間ギリギリまで粘っていたら、突然、「しみづの錦木」が「P.M.9」のドアを開けて顔を出し、「お席が準備できました」と言うのでビックリ。

ここで時間をつぶしているなんて伝えてないのに良く分かったなあ。開店直後が満席で、席が取れたのがいつも入店する時間よりも若干遅かったので、おそらく「P.M.9」で時間を潰しているだろうと、清水親方が読んだのだろうが、この気配りが素晴らしい(笑) 

入店するとつけ場には、随分と長く休んでいた弟子の摩宙君が復活している。バーテンダーのM氏から既に聞いてはいたが、元気そうで良かったね。

お酒は常温で。いつも通り、何も頼まずともつまみから。

ヒラメは、淡麗で上品な旨味あり。スミイカ、タコ。火を通した殻付きの牡蠣は実に立派な身。暖かいうちに供されて冬場には良い。

サヨリの細作りは香りが良い。サバはしっかり〆てあるが塩気は「新橋鶴八」よりもまろやか。脂の旨味あり。

小柱、青柳、ミル貝と貝が続くとそろそろ春の訪れを感じる。漬け込みのハマグリも。シラウオとホタルイカの温製オリーブ油和えも、この季節の定番。ウニも貰ってつまみ終了。

握りはいつも通り。中トロ、コハダ、アナゴ各2。最後はカンピョウ巻。硬めに炊かれて塩も酢も強い独特の赤酢の酢飯に負けない寿司種の力。久々に「しみづ」の寿司を堪能した。