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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
令和元年、大相撲秋場所初日写真日記
大相撲秋場所、初日を両国国技館に観戦に。台風は接近しつつあるのだが、朝の間はまだまだ晴れている。

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板番付の横には大関豪栄道の幟が。今場所はカド番だが頑張ってもらいたいね。

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木戸から国技館内までは既に雨用に臨時のテントが設置されている。

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向こう正面の壁面には今回除幕される優勝額が。朝乃山と鶴竜。

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二階の大関パネルからは貴景勝が消えている。今場所10勝して戻れるか。そして、栃ノ心と豪栄道はカド番。高安は今場所休場で来場所がカド番。大関の地位を守るのは大変だ(笑)

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今場所の椎茸はきちんと表を見せて詰めてあるなあ。場所によって詰め方が違うようだ。

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今場所限りで無くなる可能性のある栃ノ心弁当を。おかずが充実しており名作なのだが、なんとか8勝して弁当を残してほしいなあ。貴景勝弁当は5月場所たった一場所で姿を消してしまった。今場所10勝を上げての復活に期待。

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この日は台風が来る前のカンカン照りで、とても長時間外で入待ちは出来ない。矢後どんに水戸龍。

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栃煌山は真面目なので何時も場所入りは早い。三役だった時だって、幕内でも一番早い部類で歩いて入ってくる。相変わらずの仏頂面だが、今場所は幕尻。勝ち越して十両陥落は回避してほしいね。

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初日は役力士が土俵に上がって協会ご挨拶。この時は、白鵬が二日目から休場するとは知る由もなく。


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鶴竜による天皇賜杯と優勝旗返還。優勝額の除幕式も。

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貴景勝は大栄翔と激しい相撲でいなされる場面もあったが、右膝も大丈夫のようで、体勢を立て直して大栄翔を撃破。かなり調子は戻っていると印象づける一番。しかし栃ノ心はまったく良い所なく逸ノ城に敗れる。だいぶ暗雲が漂うスタート。まあ、しかしまだ初日。これからどうなるかは誰にも分からない。

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英国出張写真日記
お盆休みに入る前に、急なUK出張が入っていた。日本に帰国してそのままお盆休みに突入したので、8月は半月くらい本社には出なかった事になる。まあ随時メールは取っていたけれども。一応、今更ながら、記録のために写真日記など。

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往路12時間もかかるので、ビジネスクラスで行かないと死んでしまいますな(笑) 行き先はLHRから1時間程度のOxford。LondonやCambridgeは2度行った事があるのだが、今回は初めての場所。大学があって有名な場所ではある。

機内映画で「トールキン 旅のはじまり」を、なんとなく選択して観ていると、「指輪物語」のこの作者の青春を巡る物語の背景はオックスフォード大学なのであった。訪問前に参考になるなあ(笑) 映画は、その後、「アリータ:バトル・エンジェル」。実写とCGが違和感ありつつも奇妙な説得力を持って融合して成立している。

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シャンペンを飲んでいるとアミューズが。

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基本的には機内食では和食は選択しないようにしている。ある程度以上のものを提供するハードルが、洋食より和食のほうが厳しいのではないかと思うから。勿論、日本人にとって。外国人なら和食を選択して何の問題も無いだろうけれども。

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メインはフィレステーキを選択。脂身少なくてよろしい。芋と人参の付け合せはスキップ。日本を昼前に出発して、12時間乗ってLHR到着が午後4時。その日も会食があるし、やはり寝ておかないと次の日から仕事に差し支えるので、赤ワインをもう一杯飲んでから一眠り。

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フライトは若干早めに到着。LHRは随分前に来た時よりも綺麗になっている印象。しかし、ANAが到着するゲートは以前同様に、入国審査まで遠い遠い。8月からUKのパスポートコントロールが変わり、日本を含む8ヶ国は入国カードを記入する必要無く、しかもUK国民と同じラインに並んで、無人のゲートにICパスポートを読み込ませればそれで入国審査終了とのこと。これは素晴らしい。昔は長くかかったよなあ。

入国審査を終えて税関も通過。リモの運転手が待っているはずなのだが、ゾロゾロいる運転手が持つプレートを順々にチェックしても私の名前無し。最後のほうにいる運転手のプレートには「Tokyo」と書いてある。まさか私の迎えだと困るので、「あのさ、これは日本の都市の名前で、お前が待っている客の名前じゃないよ」と教えてやると、運転手は「?」と携帯をチェックして、「Oh! His name is Yamazaki!」とか言っている。なんともアンポンタンだね(笑) いずれにせよ私の運転手じゃない。結局、リモの会社に電話すると、ちょうど駐車場に着いた所とのことで、2分くらいしたらやって来た。やれやれ。

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LHRから来るまで1時間。Oxfordの町に到着。ホテルにチェックイン。フロントが「ファースト・フロアでよいか」と聞くので「別に構わんよ」と答えたが、部屋を探して行くと2階なのであった。欧州では1階は「グランド・フロア」なんだな、そういえば。

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全世界のACアウトレット対応のデバイス「サスコム」を保有しているにも関わらず、スッカラカンに忘れていたが、英国のACアウトレットは日本や米国とはまったく形が違うのであった。ロシア出張の時も「サスコム」忘れていったなあ。

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到着した夜は、向こうに駐在している日本人と会食の予定だったが、時間前にOxfordの町をちょっとだけブラブラ。いかにも中世から続く大学町。 様々な国から来ていると学生と思しい若者も町には多数。日本人はあまり居ないのだとか。我が国はどんどん国際的に没落していっているのかもしれない。雅子皇后陛下が通われたというカレッジも。

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翌日は、一日中、英国人と打ち合わせ。実に疲れた。その後で英国人たちとパブでビール飲んで、フィッシュ・アンド・チップス。これがやたら大量で全部は食べ切れなかった。イギリス田舎の雰囲気は実に良いよなあ。

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Oxfordで二泊して、朝にチェックアウト。それからオフィスで午後3時まで、また英国人たちと打ち合わせ。そして空港に向かうのであった。実にバタバタした出張だったなあ。

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昔に2度ほど来たのだが、ヒースロー空港は随分きれいになった印象。

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スター・アライアンスのラウンジで。結構時間があったので、ジン・トニックを3杯も飲んだら結構酔っ払った。しかし仕事の報告書は、随時まとめており、空港までのリモの中でも書いて、速報で本社に送りつけた。後はのんびり飲んで帰国するだけだ(笑)

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羽田に帰着したのは、明日からお盆休みという前日の夕刻。既にロンドンから報告書第一報はメールで送ってあり、別に本社に出社するにも及ばないので、そのまま夏休みに突入したのであった。
歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」初日昼の部
先週の日曜、歌舞伎座の「九月秀山祭」初日の昼の部を見物。さすがに9月になってちょっとは涼しくなった。

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最初の演目は、「極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)」。実際に町奴の大侠客が武士の館で殺されたという史実に基づく演目。様々な作者が書いており「極付」は最後に出た「決定版」の意。

幕開きは劇中劇。江戸古式の荒事が演じられているのだが、見物の侍と町奴にもめ事が起き、仲裁に町奴の頭、幡随院長兵衛が実際の歌舞伎座の客席から颯爽と登場する。この場で生じた侍との遺恨が後に祟る。

武士の館に誘われたのは罠に決まってはいるが、行かなければ臆病者が逃げたと言われる。男伊達の面子をかけて敢えて死地に赴く幡随院長兵衛が見所。幸四郎は初役。器用に破綻なく成立していると思うが、3000人の町奴を束ねる大立者の豪胆さや押し出しにはちょっと欠ける雰囲気。まあ、初日であり、これから良くなる。芝翫がやると、ただ顔が大きいだけでそれらしく見えるのだけどなあ。役者は顔が大きいと得だ。

敵役の旗本、水野十郎左衛門は松緑。以前に菊五郎が演じた時の水野は、単なる悪党ではなく、武士としての胆力も鷹揚さも兼ね備えた男。しかし旗本としての立場があり、町人にコケにされては黙っていられない。こちらも侍の面子を立てるために幡随院長兵衛を殺すことになるのだが、止めを刺しながら「殺すには惜しい」と呟くところに、男を知る男の大きさを見せた。

しかし今回、悪く言えば松緑の印象は若干薄い。良く言えば、白塗りの松緑には無機的に不気味な雰囲気があり、ちょっと怜悧でホラーな、静かな凄みがあるとも言える。菊五郎には無い、ある種の狂気がそこには潜んでいる。

亀蔵は明瞭な口跡で印象的。雀右衛門演じる女房お時も、夫に従い立てながらも、行かせたくない本心が垣間見え、実に上手いものである。ただこの座組では一人だけ重い感じがする。

30分の幕間は、花篭食堂で「芝居御膳」。

次の演目は所作事の、目出度い「お祭り」。初日だけあって大向こうが大勢来場して実に賑やかな幕開き。おなじみ「待っていたとはありがてえ」と、梅玉が気分をよくした祭礼の日の鳶の頭に扮して踊る。全体にこの人は、なんでも鷹揚に機嫌良く見える所が結構である。

魁春も熟練の踊り手であるが、梅枝が同座してまったく違和感の無い健闘で華があったのに感心。梅玉が太鼓を打つ演出があるのだが、意外にリズム感が悪く、これはまあご愛敬。鳴り物が本職じゃないものなあ(笑)

そして最後の演目は、三世中村歌六 百回忌追善狂言と銘打って、「伊賀越道中双六 沼津(ぬまづ)」

呉服屋十兵衛に吉右衛門、雲助平作に歌六、平作娘お米に雀右衛門という盤石の播磨屋軍団。そして、荷持安兵衛に又五郎が出て、旅人に息子の歌昇、そしてそのまた息子の小川綜真が倅役で初お目見えという、まさしく三世歌六の百回忌追善に相応しい座組。さぞや草葉の陰で喜んでいるだろう。

劇中で追善の口上あり。さすがの播磨屋軍団も初日であり、ちょっとグダグダしたが、大向こうの掛け声も盛大で、なんとなしに乗り切る。舞台に戻っても、やはり初日だからか吉右衛門も若干台詞にアーウー感あり。何度も演じた演目でも、やはり稽古で覚えなおしているのだなあ。

初お目見え小川綜真は花道で台詞があるのだが、客が居るのにビックリしたのか、客席に顔を向けず父親にしがみついて話しかけるように台詞を。まあ幼児だから大変ですな。

「沼津」はもともと実に良く出来た芝居。駄賃稼ぎに荷物持たせてくれと持ちかけてくる雲助平作の歌六と滑稽なやり取りで客席を歩いて笑わせる所から入り、その娘と会い、呉服屋十兵衛があばら家に泊めてもらう所から、既に悲劇の萌芽が始まる。

雀右衛門お米のクドキが可憐に映えて、歌六の親父の人情味、雲助平作が実の父であると気付いた吉衛門十兵衛の思い入れも胸に響く。最後は暗闇の千本松原での、親子の情と義がせめぎ合う悲劇。円熟の名優揃いで実に見応えがあった

「秀山祭」初日ではあったが、一階客席後方には空きが目立つ。上には大向こうは沢山いた。私は一階前列であったが、隣の男性はどの演目も、ずっと居眠りしている。チケットの値段で言うと1万円分くらいは寝ていたのではないか。左斜め前の婆さんもそうだ。いったい何しに歌舞伎座一階に来たのかと思うが、興味ないチケットを貰ったのでもあろうか(笑)



「新ばし 笹田」訪問。
先週金曜日は「新ばし笹田」。今週初めに電話すると金曜日が空いていた。

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入店すると、まだ他のお客さんなし。笹田氏や女将さんと夏休みの事など雑談。お盆休み後の商売は若干スローだったのだが、悪天候が続いた事もあり、魚がなかなか揃わず、かえって良かったかもとのこと。

そういえば笹田氏の師匠である「京味」の旦那は、一月くらい前に先日お亡くなりになったそうで、その話など。近親葬は済ませたが、別途大きなホテルでお別れの会をやるのだとか。著名人も随分と訪問していた超有名店だっただけに、準備は大変だろう。

まずお酒は、伯楽星純米吟醸。ふっくらと米の甘味を感じるが爽やかな後口。

京唐辛子の焼き浸し。万願寺唐辛子の産地ではないが、同じ種なのだとか。サゴシ(鰆の小さいの)と鱧照り焼きの押し寿司。江戸前の酢飯とは若干味付けが違うのだが、米の甘味が感じられて美味い。

イワシの梅煮。小ぶりのイワシなのだが丸々と太っている。ネットリと脂が乗り旨味も実に濃い。骨もまったく気にならないほど柔らかい身。こんな鰯があるんだな。「與兵衛」で出る鰯にも似ている。

大変な不漁と言われる今年の秋刀魚について聞くと、「止めときなよ」と仲卸に言われたが、試しに買ってまかないで食べてみたらやっぱり駄目だったとか。この店では一汁三菜には出ないが、時折、最後の食事のおかずの一品で出たりする。

定番の壬生菜と油揚げの煮物。出汁の風味も胡麻の香りもよい。何時もながら、この店に来たなとホッとする味。きぬかつぎは塩を添えて。小粒だがネットリした芋の実りの濃厚な旨味。もう秋だなあ。

今年は松茸はまだだとの事。最初に市場に来たのは小指くらいの一本で1万円。馬鹿らしいので買わなかったと。

お酒は、伯楽星、純米吟醸を継続。和食にはよく合う。

お造りは、淡路の鯛、伊豆大島天然シマアジ、皮目焼き霜のカツオ。ここの鯛は旨味があり何時も感心する。江戸前の寿司屋では関西の鯛はあまり珍重しないのだが、ここで付き合っている仲卸は親父が鯛が好きで、常に良い鯛を置いてあるとの事。シマアジの、天然独特プルンとした舌触りと品の良い脂の旨味。カツオは塩を振ってから皮目を焼き霜に。皮目が香ばしく背の部分に旨味あり。脂十分の腹身の部分も一切れ添えてあり、これまた脂の濃厚さが旨い。

お椀は、鱧に、新玉ねぎ、九条ネギを合わせて。新玉ねぎは旨味も歯ごたえも薄いが、逆に鱧とお椀にするとサラッと合う気がする。混然となった鱧と野菜の旨味を受け止める出汁の深さも素晴らしい。

焼き物は、鮎一夜干しと宍道湖天然鰻付焼き。鮎は全盛期だった6月から7月のものを一夜干しにしてから冷凍してあるものと思うが、パリッと皮目が焼かれた身を口にすると、天然の鮎にしかないあの清冽な川苔の香りが口中一杯に。素晴らしく良く出来ている。カラスミを保存する強力な冷凍庫があるからかな(笑)

そして宍道湖の鰻は、皮目はパリパリ脂の乗った身はふっくら、タレはすっきりの甘辛。ここで鰻を食した記憶は無いが、笹田氏によると、宍道湖の良い物がある時しか仕入れないとの事。江戸前のように蒸していないが、皮目は30分近く焼いて小骨を焼き切る。鰻屋の鰻とは違う旨さを堪能。枝豆も添えて。

煮物は、冬瓜と合鴨の治部煮。冬の瓜と書くが夏の食材。しかし柔らかく出汁を含んでトロトロに仕上がっている。岩手産の合鴨も野趣のある肉の旨味が濃厚。

ここで食事。何時も通り、お新香、わさび漬、ちりめん山椒、赤出汁が出るが、今回は新イクラ醤油漬けも。炊飯土釜で炊き立てのご飯にかけると実に旨い。お替りは香ばしいお焦げも添えて。

最後はほうじ茶が煎茶に代わり、冷製の白玉ぜんざい。豆の旨味をしっかり残した抑制の効いた甘味がいつもながら良い。何時もながら満ち足りた気分。笹田ご夫妻の見送りを受けて帰路に。



歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」第三部、第二部。
仙台から帰った翌日の今週火曜日、夜は「新橋鶴八」で軽く一杯やって6時ちょっと過ぎに勘定。「八月納涼歌舞伎」第三部見物に歌舞伎座へ。新橋駅からタクシーに乗ると歌舞伎座前までスイスイ。ドライバーは女性だったが「新橋駅から一度も信号に引っかからずに来ました」と。偶然が重なるとあるんだなあ。入場してもまだ開演まで15分あり。余裕の到着。

第三部は「新版 雪之丞変化(しんぱん ゆきのじょうへんげ)」。昭和の舞台やTVで人気を博した原作の時代小説は、以前に歌舞伎化されているのだが、今回、玉三郎が演出と脚本を改めて上演。

スクリーンが頻繁に出て、映像と芝居が交互に連鎖して物語を紡いで行く。しかし映像のほうは、それほどまでの効果は無かったかな。中車自慢の顔芸を歌舞伎座にドアップで流す効果はあったけれども。中車は映像も含めて5役を演じるのだが、ちょっと一本調子な気が。映像の多様はしかし、ちょっと歌舞伎風ではないかもしれない。

立役としての七之助と中車が、舞台上の設定では玉三郎よりも先輩で格上の役者だという演出は、なかなか本人達にはやりづらくて大変だったのでは。

歌舞伎の人気女形が、両親を冤罪で殺された恨みを晴らす。七之助が男役で演じていると、時として勘三郎の面影がよぎる。横顔と声の質がやはり似ている。勘九郎も勿論似ているのだが。やはりDNAだねえ。

敵討ちが果たされた後の虚無感。そして舞台の最後は綺羅びやかな「元禄花見踊」に。これは、ちあきなおみの「喝采」ラストを思い出した。

何時ものように幕が開く
降りそそぐライトのその中
それでも私は今日も恋の歌うたってる

何があろうと眩いライトの下で観客の望む幻影を演じざるをえない芸能者の悲しくも美しい宿命を描いた一幕。

翌日もまた「八月納涼歌舞伎」第一部。各部とも違う日を取ったが、八月納涼は三部制で時間が短く、一日通しはしんどくとも2部位は通して2日で観劇でも良いかもしれない。

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最初の演目は「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」

七之助は甥達を従えて初役で政岡。玉三郎に習ったと筋書に。女形屈指の大役であるが、きちんと無難に演じている印象なのは、やはり役者としての勘が良いのだろう。

前席にやたら座高が高く、髪型が正方形のオバさんがおり、「まま炊き」部分は、屏風も窯も七之助が演じる一角が、頭でまったく見えなかった。まあ見えてもお茶事の作法など分からない(笑) 昔、六世歌右衛門が、他の女形の公演に「まま炊きはやらないように」と邪魔したという話があるらしいが、あの部分は結構冗長。お茶の心得がある人以外には訴求する要素がないので、あまり要らないのではなどと思ってしまう。

傾斜のある二階席、三階席だと「前ノメラー」が問題なのだが、一階席では、座高が極端に高い人が前に居ると困る。近年、学校の身体測定で座高は測らないようになったらしいが、身長の成長と相関が無いとか。確かに婆さんなのにやたら座高が高い人も居る。こればかりは運不運がある。

幸四郎は「先代萩」で八汐と仁木弾正の二役。憎まれ役の八汐は立役が演じるのが普通だが、仁木弾正も二役というのは納涼歌舞伎ならではの配役か。幸四郎は2つ目の「百物語」でも舞踊を。二部の「弥次喜多」では主役で出ずっぱりの活躍。第三部も出たかったかもしれないが、中車に5役もやられては演ずる役が無かったのかもしれない(笑)


歌舞伎座前に「新橋鶴八」、急いで訪問
大相撲仙台巡業見物の仙台から戻った次の日の火曜日。夜は「八月納涼歌舞伎」第三部観劇の予定。前週に「新橋鶴八」に連絡を取るとこの日の早い時間が空いているというので予約してあった。

歌舞伎は6時半開演なので、「新橋鶴八」5時に入店して、6時10分には出ないといけない。5時2分前位に入店。まだ他のお客はなし。「しみづ」なら時間だけ告げれば、その通りきっちりおまかせでやってくれるのだが、この店は万事のんびりしているので、こちらでコントロールしないと時間通りにゆかない(笑)

随時こちらから注文して進行を急かしながら。まず冷酒「酔鯨」純米。日本酒は眠くなるので、次からは焼酎水割りに切り替え。お通しは新イカのゲソ。あとで握って貰わなくては。今日は河岸が営業しているが明日から店はお休みで土曜日は開けるとか。

まず白身を注文。カレイ。次は塩蒸しを注文。

某常連客氏が予約の電話しても出ないとボヤいていた事に関して、神保町「鶴八」の石丸親方が「私が電話しても出ませんよ」と言った事を伝えると、五十嵐親方は「出ない事ありませんよ。親方からの電話は履歴に残ってませんよ」と反論。とんでもない弟子だと話が盛り上がったんだがなあ(笑)一人で仕込みをしているから電話が取れない時間もあるということらしいが。しかし一人でやってる店だって電話は普通出るけどねえ(笑)

「しみづ」の錦木が辞めたとの話を聞く。そういえば前回訪問の時も居なかったな。この業界も人の出入りが激しい。この店も募集しても弟子は来ないとか。

漬け込みのシャコもつまみで所望。ここまでは自分で頼んで急かせたが、カツオが出てくる。腹の身。皮目を焼き霜に。もっちりした旨味あり。生姜醤油で。

前に「しみづ」に居たのが水天宮に出した店を知っているか聞くと、早川光の番組を見たという。「あれは破門されたんじゃないですか。変わった奴だったなあ」と。私自身は彼と殆ど口をきいたことが無いが、馴染みの客が来ると、親方を差し置いて勝手に自分からあれこれ話かけて盛り上がり、店の雰囲気を壊していたしなあ。まあよくわからんけども(笑)

注文を忘れていたら、新イクラが出てきた。そうかもう出ているのだ。ただ粒はまだ小さく旨味は軽い。この辺りで握りに。早く終わらせねばならないので(笑)、こちらも自分から注文。

まず昆布〆を1貫。昆布の旨味が染み込んだネットリした身肉。酢飯は米の旨味が残るフックラしたもの。実に結構である。これで親方が電話に出て予約が取れて、1時間ちょっと位でおまかせが終わったらもっと通うがなあ(笑)

次は新イカを注文。一杯丸づけの大きさ。淡い甘みが口中で酢飯に溶ける。雑味がまったく無いのが良い。味わいの点ではコハダ新子よりも新イカのほうが旨いかもしれない。

珍しくイワシがあったので次に頼もうと思っていたら、コハダが勝手に出される(笑)まあ何時も食すけれどもねえ。この後は何時ものアナゴ。干瓢巻を半分だけ。お茶を貰ってさて勘定だ。五十嵐親方の見送りを受けて店を出たのは6時5分くらいかな。歌舞伎が終わったら戻ってきて、飲みに行きましょうよ、というのだが、それは疲れるので丁重にお断り。

都営浅草線新橋駅から東銀座に行く予定だったが、新橋駅でタクシー客待ちあり。これに乗ると歌舞伎座前まで殆ど信号待ち無く乗りつけて、悠々と6時15分の到着であった。

19年8月、大相撲仙台場所、写真日記
2019年8月11日、大相撲仙台巡業のチケットを取ったので、前日に仙台入り。備忘のために写真日記を。

東北新幹線のチケットは忘れていて出発の10日前に取ったのだが、朝から午前中は満席。午後もずっと満席で取れるのは4時過ぎの、しかも時間のかかる、やまびこ号のチケットのみ。移動の土曜日がお盆休みの初日だったのを忘れていた。お盆休みの移動を過小評価していたなあ。東京駅もゴッタ返していた。

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仙台到着はもう夜。この週末の仙台は東京よりも4度くらい気温が低く快適。ホテルにチェックインしてから夕食に。

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「味の牛たん喜助」で牛たんを食したのであった。牛たんはあまりご飯が欲しくならず単品で酒の肴にも好適で摂取する炭水化物が減るのも良い。

翌日は7時半頃にタクシーで出発。巡業の行われるカメイアリーナ仙台に。結構年季のいった建物。会場10分前に到着するも入場を待つ長蛇の列。入場が始まってもなかなか列が進まないと思ったら、この日は入場したら既に左右に力士がおり、自動的に握手会をしてから入場するという段取りなのであった。開場直後は、霧馬山と明瀬山というちょっと地味なコンビ(笑)

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入場して早速土俵たまり席で幕下の稽古を見物。既に幕内力士も顔を出している。これがこの日の割。

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大関栃ノ心はこの日から巡業に復帰。9月場所はカド番だから、そろそろ復帰して体調を整えないと。栃煌山はいつも後輩の指導に熱心で、この日も幕下の申し合いも良く見ており「休むな!」「下から下から!」「膝を曲げて!」など叱咤激励。碧山も負けじとあれこれ言うのだが、こちらは何言ってるか分からない(笑)

この日の栃煌山は、左目が腫れ上がって絆創膏貼っており、土俵入りは行なったが割からは外れており、ちょっと心配。

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先場所が新十両だった琴ノ若は、関取としての初巡業。勝手が分からないのか、どうにも居場所が無いような感じで土俵周りをウロウロ。栃ノ心と玉鷲が会話中に挨拶に行くも気づいてもらえずヘドモドしていたら、玉鷲が気づいて会話の中に入れてくれた。こうやって段々関取の中でも顔になって行くのだなあ。

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眼はどうしたの?と栃煌山を冷やかしに来た千代大龍。土俵入りでも痛々しい。稽古で頭が眼の上にぶち当たったのかな。

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春日野三人衆がなごやかに談笑。親方が巡業部長で土俵下で稽古を見ており、稽古にも力が入るだろう。

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栃煌山と逸ノ城。

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逸ノ城が幕下の申し合いに付き合って胸を出す。前傾姿勢になるとまず押されない。暫く押させてから、ちぎっては突き落としの無敵。幕内では寄られて腰が伸び自分からヨロヨロ土俵を割ることもあるのに、番付が違うとこうも実力が違うんだな。

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この日の鶴竜は、稽古に姿を現すも、土俵に上がることはなかった。ベテランだけにマイペースの調整。

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四股を踏む遠藤の後ろには何時もの永谷園タオル。

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向こう正面には巡業帯同の親方衆。元高見盛の振分親方も土俵下に。

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栃ノ心も関取衆の稽古で胸を出す。これから急ピッチの調整が続くのだろう。

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十両土俵入りでは勢が霧馬山の手を取って観客に手を振らせるサービス。勢は土俵に上がったが左足のスネ部分はまだ色が変わっている。ずっと前から炎症を起こしているとの事だったが、大丈夫か。来場所は十両の下位で負け越すと幕下陥落もありうる。正念場となるだろう。

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栃煌山は土俵入りには参加するも割には入らず。眼は大丈夫かな。

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白鵬は稽古には顔を出さなかったが、土俵入りを務め、結びの一番にも登場。

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照強は巡業でも盛大な塩撒き。巡業の塩は湿気ているせいか、小さなダマが含まれており、本場所より飛ぶ印象。正面一列のお客に大分かかっていた。

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炎鵬は巡業でも大人気。土俵に上がると大きな歓声が上がる。

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北勝富士は正代を寄り切り。正代は負けた後、怒って相手を睨みつけるフリをするという、巡業での持ちネタを披露。

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これより三役の揃い踏み。大関が栃ノ心一人というのが寂しい。

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立呼び出し拓郎の呼び上げ。結びの一番、横綱同士の対決は白鵬が呆気なく寄り切り。お互いに怪我しないのが優先。鶴竜は古傷の右足首が万全ではないのでは。

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弓取り式は、結びの一番で勝った力士の代わりに行うというが、確かに勝ち名乗りを授ける形式で弓を行司が渡しているのだった。巡業観戦はなかなか面白かった。溜り席の2列めだったが前列3人が来ないというラッキーもあって見やすかった。一列目には結構空席あり、多分主催者がバラ撒いた招待チケットじゃないかな。

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3時に打ち出し。地下鉄で仙台駅に戻り、ホテルで一休みしてから、夕食は「利久」でまた牛タン。厚切りだが肉汁も旨味も十分。

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次の日は雨。観光するのは止めて昼前に駅に。駅の寿司屋横丁で握りなど食す。のんびりと帰京。




歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」第二部、弥次喜多
8月8日にUKへの出張から帰国して、その夜はこんこんと眠って疲れを取った後、9日は、歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」第二部。この日が初日であった。

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幸四郎、猿之助の「弥次喜多」も、八月納涼歌舞伎の目玉となって、はや4年目。

最初は紗の幕に今まで3回のダイジェストが映像で流れる。それが終わると、屋根の上で寝ている弥次郎兵衛と喜多八の場面になり、今までの「弥次喜多」は全て夢であり、再び二人がお伊勢参りを決意するという幕開き。

今までの「弥次喜多」は、ラスベガスに吹っ飛んでいったり、歌舞伎座での殺人事件を解決したり、地獄にまで旅をしたりしたが、今回は、歌舞伎の世界に若干回帰してきた。

「鈴ヶ森」、「一本刀土俵入」、「滝の白糸」、「女殺油地獄」などの歌舞伎名作の舞台が随所で場面設定に取り入れられている。

演出の趣向としては、幸四郎、猿之助の二役の早変わり。水芸。巳之助のカツラ吹っ飛び。中車のカマキリ先生。七之助の「いだてん」ネタ。本水での大立ち回り。最後の宙乗りと大変に忙しいが、観客は大いに笑い、沸く。

染五郎、團子も4度目の「弥次喜多」だが立派に成長してきた。幸四郎との親子ネタの後、染五郎の美少年ぶりは親父のおかげと幸四郎が得意になると、猿之助が團子に「お前は親父は駄目だが、爺様が偉い」と中車Disをぶち込むなど、台詞も仲間内の楽屋ネタ満載で観客は大笑い。

歌舞伎名作の本歌取りや楽屋落ちについては、コアな歌舞伎ファンは眉をひそめるのかもしれないが、本職の歌舞伎役者が本気でやっているのであるから、観客としては大笑いするしか仕方ないのであった。

宙乗り前の台詞では、今回が最後の「弥次喜多」のような雰囲気も。宙乗りで幸四郎が何度も身体をグリングリン回転させるのは役者の身体能力を示して驚異的であるが、空に舞い上がって行く形としては、流石に熟練の猿之助の形がきまっている。

打ち出しは時間割より押して5時50分頃。どこに行くあてもないので、銀座松屋の「乾山」にフラッと入って一杯。〆張鶴冷酒。つまみで、コチ、シマアジ、アジ、石垣貝、サザエ壷焼き、鰻くりから焼など。握りは数貫に中トロ細巻。お酒3杯。種、仕事、酢飯、どれも特筆すべき所は無いが、「しみづ」「鶴八」よりも勘定が高い不思議。


禁煙記念日
8月8日は禁煙記念日。

禁煙したのが2001年だったから、丸18年だ。

禁煙を始めたその日の夜が飲み会でどうなることやと思ったが、その日は飲みつつも1本も吸わず、それ以来、1本も吸わずに来れた。自分を褒めてやりたい(笑)



銀座「鮨 み富」訪問。
土曜日の夜は、銀座「鮨 み富」。当日の午後に電話したら席が空いているというので入店。入店するとちょうど一組いたお客が帰るところ。あとはカウンタ私一人。6時過ぎから満席になるとのこと。

前回来た時には気付かなかったが、窓の外に店名の看板が出ている。結構目立って良いとのこと。

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まずお酒は四国の「美丈夫」純米吟醸。爽やかな口当たりの酒。

夕方早い時間は誰もお客が居ないので、三橋親方とあれこれ雑談しながら。店を構えてほぼ1年。商売も軌道に乗り、豊洲の仕入先とも良い物を引ける関係が確立してきたようで結構な事である。

つまみをお好みで切ってもらう。まずホシガレイ。この日〆たばかりとのこと。活かった身肉に濃い旨味あり。シマアジも上質。アワビ塩蒸しは肝添えで。大原産とのこと。紀伊産も入れた事があるが、煮上がりの香りが違うという。

アジもつまみで。ふっくらした身。生姜醤油で。石垣貝。江戸前では置いてある店は少ないが、昔は結構使っていたらしいとのこと。現在は岩手の産。クリーミーな甘みと微かな酸味が旨い。

この辺りでお茶を貰って握りに。

ホシガレイ昆布〆は厚めの切りつけ。昆布の旨味が効いている。コハダ新子は3枚丸づけ。5枚づけよりも身は厚くなったが、まだコハダ本来の身肉の味はしない。季節の走りの清涼感だけを楽しむ種。

スミイカもすでに新子が出ている。1匹丸づけで1貫。パキパキした食感は無いが仄かで癖の無い甘味あり。新子ではコハダよりも旨いとのことで親方と意見一致(笑)イワシの酢〆も新富ゆずりの光り物。アナゴも一貫。最後はこれまたこの店独特の甘辛いカンピョウ巻で〆。