97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
大相撲三月場所総括 大相撲の神様はドラマを用意していた。
初日、7日目、中日、9日目と、二週連続で大阪遠征した大相撲三月場所もいよいよ終盤。さすがに最後の週は遠征予定を入れていない。

13日目金曜日は、できれば速攻で帰宅して録画をチェックしたかったのだが、どうでもよいような仕事上の宴会予定が入っている。浮世の義理を果たすためには仕方ないので参加。帰宅まで情報遮断するつもりであったが、会食中に「大相撲どうなった」などという話題が出て、皆スマホをいじりだしたので「こらアカン」と大相撲アプリで結果をチェック。

なんと稀勢の里は日馬富士に負けている。しかも、動画を見ると土俵下に落ちた後、立ち上がれず胸を押さえて痛みに悶絶状態。元々痛がる様子などまったく見せない力士が苦悶しているというのは深刻な怪我に違いない。これは心配だ。

帰宅してからもう一度NHK中継の録画をチェック。どうも激痛は土俵上で日馬富士を小手に振った時からあったようだ。土俵下に落ちた後は普通に起き上がろうとしていたが、「アレ?腕が動かない」といった顔で胸に手をやった途端にとんでもない激痛が走り「痛ててて!」と悶絶したような状況。

一夜明けた土曜日、もはや休場かと覚悟していたが、なんと稀勢の里は強行出場するとニュースが。本当に大丈夫か。

稀勢の里は15年間の相撲人生で、本場所を休場したのは1日しかない。場所前のインタビューでも辛かった事を聞かれて、「本場所を1日休んだこと」と答えた力士。15歳で入門して、相撲の事しか知らない、そんな真面目で愚直な男に「出場できるか」と聞いたら「出る」と言うに決まっている。「止めるのも師匠の仕事だぜ」と言いたいが、この逸材を育て上げた真の師匠、元横綱隆の里の鳴戸親方は既に泉下に眠っている。

しかしひょっとして隆の里は、今頃草葉の陰で、大願成就してついに横綱に昇進した愛弟子が、無理を押しても出場するという決断に、「そうだ、それでこそ横綱だ」と微笑んで頷いているのだろうか。

いずれにせよ、泣いても笑っても本場所は後二日間だけ。対戦相手も既に決まっている。出場を決めたなら後先はもう考えず、ドーンとぶちかましてゆくしかない。亡き師匠のご加護だってあるだろう。稀勢の里よ、頑張れ!

14日目の横綱土俵入り、稀勢の里が入場すると会場は怒涛の歓声と拍手が嵐のよう。なんとしてでも責任を果たそうとする新横綱の姿に胸が熱くなる。テーピングは肩から左腕まで。心配していた大胸筋の断裂ではないようだ。土俵入りで手は高く揚がるものの、いつもバチーンと大きな音で勢いよく打つ柏手は、おそるおそるといった状態で手を合わせるのみ。やはり腕に痛みがあるのだ。

対戦は結びで鶴竜と。鶴竜も大怪我した相手では相撲を取りづらかっただろう。稀勢の里に右で顔を張られながらも、右でのおっつけやはず押しなどの左を稀勢の里の左を攻める狙うエグい技は使わず、スッと二本差して淡々と寄り切った。稀勢の里の左肩にあまり負担無いように勝とうとしていた印象。土俵際でも力を抜いて身体が土俵の下に落ちないよう、取り口が心優しかった印象。しかし、稀勢の里の怪我は酷く、まったく相撲にはならなかったのは、予想していたこととはいえ衝撃的。

十四日目には、もうひとつ、結果的に今場所の優勝の行方を左右した重要な一番があった。8勝5敗。五月場所で大関復帰するにはもう後一番も負けられない琴奨菊に対して、照ノ富士が立合い大きく変化して、琴奨を転がした一番。

観客席はどよめき、怒号が飛んだ。大阪の客は大一番での変化が嫌いだ。優勝インタビューで「変化して勝って嬉しいんか!」と怒号が飛んで白鵬を泣かせたのも昨年の大阪場所。NHKのTV中継はあまり野次が聞こえないように音声を調整しているのではと思うが、次の一番を取った日馬富士が「照ノ富士への野次が酷くて集中できなかった」と述べており、そのせいか可哀想に玉鷲に負けてしまった。騒然とした会場の雰囲気がよく分かる話。

照ノ富士はこの琴奨菊戦で観客を敵に回し、千秋楽の会場でも、怒涛の如き応援は全て稀勢の里に向けられたように思えた。四面楚歌の気分だったことだろう。

千秋楽朝のニュースで稽古場に下りた稀勢の里の写真が掲載されたが、左腕には青黒いアザが。、左上腕二頭筋の部分的な断裂か。だとすると左で廻しを引きつけるのは無理だ。厳しいなあ。

TV観戦していたが、こんなに心が浮き立たない千秋楽もあまり例が無い。昨日の相撲からみると、稀勢の里は照ノ富士の寄りに、呆気なく土俵を割って照ノ富士が優勝。そして優勝インタビューでは昨日の相撲を忘れていない観客の怒号や野次が飛んでウンザリさせられるのではと思っていたから。

12連勝して優勝が射程に入ってきた新横綱が13日目に大怪我。大相撲の神様も実に残酷な事をなさる。そう思っていたのだが、まさかあんな結末が用意されていたとは。大相撲の神様、誠に申し訳ございませんでした(笑)

土俵入りの時から稀勢の里は実に落ち着いた表情。やれることを全力でやりきるしかないと心に決めていたのだろう。反面、照ノ富士は表情に精彩が無かった。やはり昨日の琴奨菊に引導を渡した一番の変化で、会場から厳しい罵倒を浴びせ掛けられた影響もあっただろう。千秋楽の会場は照ノ富士にはオールアウェイの雰囲気。

本割の一番は、稀勢の里が左に大きく動いて照ノ富士の動きを組み止め、痛む左をなんとかこじ入れようとしつつ、最後は寄って来た照ノ富士を右に回って突き落とし。後退しない圧力があった。

優勝決定戦の一番も稀勢の里は落ち着いていた。むしろ照ノ富士のほうが居心地が悪い不安そうな表情。

勿論稀勢の里の左は入らない。両差しになって出て来る照ノ富士に対して体勢を入れ替えて捨て身の右からの小手投げ。右しか使えない状態では他に技の出しようはなかったが、これが見事に決まる。この二連勝には呆気にとられ、そして胸が熱くなった。何かが憑依したかのような鬼神の如き相撲。

新横綱の優勝は、1995年の貴乃花以来22年ぶり。如何に難しいかが分かる。先場所後の横綱昇進は甘い判断ではなかった。稀勢の里が真の横綱であることを日本全国に見せつけた涙の優勝。素晴らし過ぎるほどの達成であった。稀勢の里おめでとう!


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大相撲三月場所、九日目観戦日記
大相撲三月場所九日目を観戦。観戦後には帰京しなければばらない。ホテルをチェックアウトして荷物はいったんコインロッカーに。なんばグランド花月のあたりをブラブラして飯でも食ってから会場入りするかと思ったのだが、休日とあって近辺はごった返している。会場で弁当買うことにしてエディオンアリーナ入り。

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会場はまだガラガラ。しかし売店の弁当はもう売り切れ寸前であった。

大阪場所の溜席に座る維持会員達の会名は「東西会」と言うらしいんだけど、それで会員席が東西に集中して居るのだろうか。正面は会員の座布団無し、向こう正面は赤房下のごく数席だ。ここは、どの場所でも、目立ちたがり屋が好んで座る場所だけどねえ。

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大阪場所は学校からの卒業シーズンでもあるので、就職場所と呼ばれ前相撲から始める新弟子が多い。本日は新序二番出世披露。未経験者が多いと思うが、中には立派な体格の若者も。兄弟子や親方の化粧回しを借りて。怪我が付き物の厳しい世界だが、船出した若人達に幸多かれと祈る。

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今場所は元高見盛の振分親方が、病欠の親方の代打ちで審判席に座って居るのも話題。「何で俺が」と言う引き摺り出され感満々の情けない顔で審判席に座っている。下の写真は帰京後に録画から取ったもの。NHKの放送でも話題だったようだが、本日、二番出世披露後の審判交代で審判長席に座ったので場内がちょっとどよめいた

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初審判長の本日は、3回も物言いがあり、何度も場内アナウンスをする羽目に。2回目は何とかこなしたものの、1回目と3回目は後半何を言ってるのか分からなくなり、会場から、「高見盛頑張れ?!」と言う暖かい声援が飛ぶ。これは今日一番の見ものであった。面白かったなあ(笑)

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三度目の物言い後の場内アナウンス。後半で頭が真っ白になり、「あっ、あっ、とっ、とっ」と絶句した後、「取り直しといたします」とだけようやく絞り出した後、「何でこんな事に」と激しく反省する元高見盛、振分親方をNHK中継の画像から。

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幕下筆頭、貴源治が勝って関取を決める所を観たかったのだが力真に敗北。十両も小柳が負けて優勝争いは混沌としてきた。

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この日の栃煌山の対戦相手は、ご当地の徳勝龍。徳勝龍へのちびっ子の声援が多く、大人気なく「栃煌山、頑張れ?!」と何度も怒鳴っていたら声が枯れたw そのあとはエコモードで。

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打ち出し後に新大阪まで。新幹線の車中で、なんば高島屋で買った鰻弁当。蒸していない関西風鰻もたまに食すると美味い

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大相撲アプリでこの日の取組を振り返りながら帰京。

これは昨日帰京してから見た相撲中継録画の稀勢の里だが、やはりどこかまだ平常心じゃないところがあるのではと感じるなあ(笑) もっとも順調に勝ち進んでいるので、案外大丈夫なんだろうけれども。新横綱で優勝して、甘い昇進だったという評判を吹き飛ばしてもらいたい。

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大相撲三月場所、中日観戦日記
日曜の朝はホテルの部屋で焼け跡状態で目覚める。よくちゃんと戻って来てチェックインしたことだ。ちっとも覚えてないや(笑)しかし忘れ物などもなく一応帰って来た時はまだ大丈夫だったようだ。

本日は椅子SS席を取っている。ちょっと早目にホテルを出て、なんば駅まで行き、地下街直結の「なんなんタウン」の串カツ屋に入る。初日に来た際、エディオンアリーナ館内の売店で弁当頼んだのだが、あまり感心した出来ではなく、先に腹ごしらえしてから場所入りしようという算段。食べログで早く開いている串カツ屋を調べておいたのだ。

入店すると、まだ朝の10時半なるも焼酎水割を飲んでいる爺さまがカウンタに突っ伏している(笑)その後、この爺さまは復活して店のお姉さんと馬券の話など。カウンタに座るなり、店のお姉さんが「飲み物は?」と聞くので生ビールを所望。その後にやって来るオッサン連中はみんな(おそらく馬券場に行く前の)常連で、お姉さんは、「おはよう! 瓶ビールだよね」などと常連の好みを皆覚えているかのようだ。昭和歌謡が流れる店で朝から串カツで一杯。大阪は楽しい場所ですなあ(笑)

最初の串カツ盛り合わせは、串カツ、玉ねぎ、うずら、鰯、海老。ラードと思しい香ばしい脂でカラっと揚がっている。白菜の漬物もアテに。その後で、芋焼酎水割りを所望すると焼酎が徳利一杯に供され、水も別の入れ物にドーンと。自分で勝手にお替り作ってねという趣向。大阪は楽しい場所ですなあ(笑)

串カツは追加で、イカ、キス、蓮根など。サクサク香ばしいカツを食して勘定は2000円とちょっと。ちゃんと全部ついているか確認してしまった。また来なければ。

しかし本日の目的はここではない。エディオンアリーナで開催されている大相撲三月場所中日観戦。

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椅子席は東の4列目、正面寄り。割と角度があって土俵の取り組みも見やすい。

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幕下上位の取り組みまでは大分間があるので入口で力士の入り待ちなど。前のオッサンは背が高く写真を撮る時にやたらに肘を横に張るので後ろは大迷惑だw

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栃煌山がのっそりと。

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宇良もやってきた。この入口は相撲維持会員、東西会員とたまり席の客席入場口、再入場口も兼ねているので大混雑。全員鉢巻絞めた、北播磨の大応援軍団が入場していった。

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そしてご当人の取組。あの大応援団は何処にと思ったら。

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向う正面椅子席に大軍団が控えていたのだった。ご当地の声援というのは心温まる良いものだ。

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栃煌山土俵入り。この日はちゃんと勝ち星を伸ばした。

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稀勢の里の威風堂々たる土俵入り。絞めてみるまで、こんなに綱が似合うとは思わなかった。

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稀勢の里は松鳳山を押し切るかと思ったら二本差されて逆襲され、ちょっとバタバタしたが土俵を割るような気配なし。最後は、バサーと投げ捨てるような感じで松鳳山を土俵に這わせる。

この日は琴奨菊も勝ったし横綱大関安泰。

打ち出し後、どこかで食事してホテルまで戻るかと、なんば周辺を探すが、お好み焼き屋、うどん屋と次々に満席で蹴られる。仕方ないのでホテルに戻ってホテル内の和食」「弁慶」で夕食。寿司カウンタに座るのも面倒臭いので、上握り盛り合わせ「御堂筋」なるものを注文し、グラスビールと芋焼酎水割りを一杯。土曜に飲み過ぎたのでちょっと控えめに。

大相撲三月場所、七日目観戦日記
先週の金曜日は仕事関連の会食。なんだかんだで話込んで結構帰宅が遅くなった。

翌日の土曜日、大相撲三月場所観戦の為に大阪に移動。

大丸東京駅地下、ミート矢澤で「フィレステーキ弁当」なるものを。これが弁当かと目が飛び出る値段。話のタネに一度食したかったのであるが、決して悪くないものの値段は張るし、一度試したらもういいかなあという印象。

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車内で更に缶チューハイ飲んでほろ酔い気分で新大阪で下車。降りた直後のエスカレータは皆左側に立っているが、御堂筋線に乗り換えるとエスカレータは大阪式に全員右側に立つ。東西の違いが面白い。

心斎橋で一旦下車し、ホテルに荷物を預けてエディオンアリーナまで。この体育館は中にコインロッカー無く大きな荷物を持ち込むと大変なのだ。でも持ち込んでる客をたまに観るのが不思議。あれはどこに置いているんだろうなあ(笑)

今回は会社の相撲好きが確保したマス席を一席融通してもらっている。エディオンアリーナは土俵が近くなかなか迫力あり。しかし飲んで騒いで観戦して、打ち出し後は、更に飲みに繰り出し酩酊してホテルに戻ったから、肝心の土俵の事はあんまり覚えて無いんだよなあ←あかんがな。

隠岐の海が余計な頑張りで栃煌山を破ったのだけは覚えている。稀勢の里も高安も全勝を維持。勢は応援したけど敗北してしまった。

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花道にも近くなかなか迫力ある席であった。

大相撲三月場所 初日観戦写真日記 その2
大相撲三月場所初日を観戦したので、写真日記その2。

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大露羅を見ると、その巨体に、つい写真撮ってしまうなあ。

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オペラグラスで見ていると、元高見盛の振分親方が西の審判席に。心細そうな、「なんちゅう顔してんねん」という風情だったので記録のためパチリと。高見盛は相変わらず面白いなあ(笑)

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十両土俵入り。新十両、石橋改め朝乃山は富山出身。地元から贈られた鰤の化粧廻し。昨年春場所に三段目最下位格付け出しでデビューして1年で関取。そして高砂部屋の部屋頭にという大出世。先場所のどすこいFM放送でアナウンサーが「富山の人間山脈というらしいですよ」と語ると解説の親方が、「人間山脈言うたら、アンドレ・ザ・ジャイアントでしょう。人間山脈はちょっと大げさですよ」と熱心に否定していたのを思い出した(笑)

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小柳も今場所から髷が結えるように。まだまだ出世するだろう。早く幕内に上がって暴れてもらいたい。大学相撲出身は身体も基礎はほぼ出来上がっており相撲も巧いが、力士として肉体的な力が伸びて行くのはせいぜい25歳前後くらいまで。年齢的に残された時間は、実はそんなに長くないかもしれない。

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協会ご挨拶は4横綱が揃って壮観である。

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新横綱稀勢の里、本場所での初土俵入り。綱を締めてみると、この威風堂々たる体躯は、やはり横綱にこそ相応しかったのだという思いを新たにする。せり上がりは4回くらいとちょっと早い気がするが、慣れてくればだんだんと落ち着いてくるだろうか。もっとも北の湖なんかはずっとせっかちなせり上がりだったよなあ。

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天皇賜杯返還。

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優勝旗返還。

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花道を帰る顔は何故か仏頂面ですな(笑)

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新横綱の本場所初取組とあってご祝儀の懸賞がたくさん。結びの一番よりも多かった。

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稀勢の里の塩撒きは、何時もながら美しい。

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新横綱初日は豪風を押し出して横綱初勝利。稀勢の里の本場所での初土俵入りと初勝利をこの眼で観れて、実によかった。大阪までわざわざ来た甲斐があったというものだ。

大相撲三月場所 初日観戦写真日記 その1
先週土曜日は、歌舞伎座昼の部の後、一路東京へ。前泊して、日曜は大相撲三月場所初日に。稀勢の里の本場所初土俵入りと初勝利をこの目で観るのが目的。

ホテルは新大阪付近だったので御堂筋戦でなんばまで。去年だって来たのだが、地下を歩いているとエディオンアリーナに向かう出口が分からなくなった。もう一度案内板に戻ろうと思ったところ、三人組のお相撲さんに遭遇。あ、彼らについて行けばよいやと後ろから同行。無事に体育館到着。

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1年ぶりの大阪場所。懐かしいね。

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入り口門の後ろ歴代横綱の掲示板には稀勢の里の名前も燦然と輝く。

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本日は東京から持ってきた天皇賜杯と優勝旗の返還式も行われる。

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取組表を見ると、新横綱初日とあって、ご祝儀で懸賞は稀勢の里の方が結びの白鵬よりずっと多い。新入幕の宇良にも異例の10本かかっている。まあご当地のご祝儀ということだろうけれども。遠藤は新入幕の時から大人気。懸賞が多過ぎて、先輩力士の反感を書い、発奮した相手がことごとく賞金目当てに馬鹿力出して来たから苦戦したと言う説があるのだが、宇良が潰れないように願いたい(笑)

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椅子席Sだが土俵までの距離は短く、席の傾斜が随分とついているので前の観客が「前ノメラー」でもあまり気にならないのが良いところ。ただ席は座布団がくくられているものの、体育館のプラスティック製で、両隣に男性が来るともう身動きできないほど。また国技館は相撲女子も多いが、どうしてか、大阪場所は早く来る汚いオッサン連中が多い。早く来て、全体としては空いているのに、自分の席の両隣だけ既にオッサンが座っていると、なんだかガックリくるが、この日はそんな事なかった。

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10時半頃入ったのでまず腹ごしらえ。売店で「横綱弁当」なるものを。三段重の立派なもの。ただ、内容的には弁当だし、まあそこそこかな。そして椅子席で食べるには向いていない(笑) 隣が空いていたからよかったが。

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本日も当然ながら満員御礼が出た。協会ご挨拶、優勝杯返還、横綱土俵入りなどの取組中の写真は、写真日記その2で。

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この日は、稀勢の里は盤石の相撲で横綱初戦を飾り目出度い。宇良も勝利。しかし、白鵬、日馬富士が敗れるという波乱あり。春場所は意外に荒れないという説もあるが、この場所は既に初日から荒れる気配。

打出しの後、新大阪まで戻り、一路帰京へと。忙しいが面白い週末だった。

歌舞伎座、「三月大歌舞伎」昼の部を
土曜日は歌舞伎座で「三月大歌舞伎」昼の部を観劇。

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ここしか取れなかったが、席は若干前過ぎたかな。

歌舞伎座では開演前に売店でスパークリングワインを一杯やる習慣。ただ本日は飲み疲れもあり生ビールにしようと思案しつつ店頭へ。しかし注文する前に既に売店の美人のおねいさんがスパークリングワインを注ぐ態勢に入っている。「あ、あ、スパークリングワイン」と初志貫徹しない情けない注文w 寿司屋でも、今日は飲むまいと思っても、「常温ですね」と酒が自動的に出て来る。覚えてもらうと言う事は、自由が制限されることでもあるんだなあ。

まず真山青果作の新歌舞伎「明君行状記(めいくんぎょうじょうき)」。歌舞伎座では16年前に同じ梅玉主演で出ているが、久々の公演。

亀三郎も大奮闘。梅玉の池田光政は、陽明学者として学問ばかりの大人しい高潔の士という雰囲気で出るのかと思ったら、割とくだけた感じのざっくばらんな殿様。しかし人間の大きさがあり、若い者の血気に逸り過ぎた自分への疑念を爽やかに受けとめて、見事な裁きで放り投げるという機知と教養溢れる人物の豪快さを存分に見せる。

真山青果の新歌舞伎らしい、火を吐くような台詞の休みない応酬が特徴的。梅玉は人物としてはしっかり成立していたが、台詞が多いためか結構トチっていた。口跡が明瞭であるため逆にトチリが目立つとも言える。吉右衛門ならムニャムニャ言って切り抜けるし、幸四郎なら妙な声色でごまかすと思うけれども(笑)

ただ、座組みとしては、横綱大関が居ない相撲の巡業のような地味さが感じられるもの。まあ、こればかりはあれこれ配役の都合があるだろうから仕方ないか。

関係無いが、最近は鶏爺さんの大向こうを聞いてない気がする。顔も知らないが、聞こえないとなると元気なんだろうかと気になるな。

30分の幕間がここで。花篭で「さくら御膳」。

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次の演目は、「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)」より、渡海屋・大物浦の段。いわゆる「碇知盛」。渡海屋銀平実は新中納言知盛を仁左衛門。源義経を梅玉。この人はやはり義経役に座りが良い。女房お柳実は典侍の局が時蔵。典侍の局になってからが実に高貴な雰囲気が出てよろしい。安徳帝は、去年の染五郎「碇知盛」でも当時まだ武田タケルだった市川右近が演じていたっけ。

昨年の歌舞伎座の染五郎でも観たが、仁左衛門は生まれついての立ち役というか、知盛は大きく輪郭がクッキリしており圧巻の迫力。演出としては物語が分かりやすい。義太夫狂言で分かりやすいのが良いかどうかはまた難しい問題かもしれないが。

うちの主人は天候観るのが得意でと女房が語る部分は、義経主従を騙してこれから嵐になろうとする日に出港させ、それに乗じて船を襲う算段であったという部分は、今回初めて理解した。なぜか染五郎の時は分からなかったな。イヤホンガイドが教えてくれなかったからか(笑)

渡海屋奥座敷、注進に来た家来たちが伝える戦の劣勢と、沖の船から明かりが次々と消えて行くのを見て、知盛の奇襲が失敗した事を知り、平家の女官達が驚愕し慄いて泣く場面は、歌舞伎の様式的な美に満ちて印象的に成立している。

西国に落ち延びる義経の船が嵐に会い、平家の亡霊のせいだと言われた噂。戯作者はここに、史実では、壇ノ浦で平家滅亡と共に死んだ平知盛と安徳帝が実は生き延びていたと言う虚構を巧みに持ち込んだ。

復讐の鬼となった知盛は、最後には父清盛の悪行を振り返り、昨日の敵は今日の味方と、安徳亭を義経に託し納得して死んでゆくのだが、壇ノ浦で平家を滅ぼした大殊勲の義経さえも、今や頼朝と不仲になり落ち延びる身。運命の輪が巡る歴史の無常の中に、虚構を見事に挿入した悲劇。

切りの演目は、十世坂東三津五郎三回忌追善狂言。

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「神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり)」 いわゆる「どんつく」

舞踊劇だが全面に出て狂言回しの役をする、荷持どんつくを三津五郎の長男巳之助。親方鶴太夫を松緑。どちらも踊りの流派の家元であるから、舞踊は流暢であるが、神楽というのは歌舞伎の舞踊とはまた違って結構大変なのでは。。海老蔵は、夜の助六だけだと誤解していたが、この「どんつく」にも、大して見せ場ないものの、若旦那役で出演。「助六」は夜の部切りであるが、これがあるから昼の興業にも来なければならない。人気あるからと楽してサボらず、役者として精勤せよとの松竹のメッセージであろうか(笑)。

松緑が毬を使った大道芸を見せるのだが、この日は調子が悪かったか、「アレ?」っとやたらに毬を落として、逆に観客が沸く。あれはしかし確かに本職の大道芸人でも無いのだから難しいだろうなあw

彌十郎、團蔵、時蔵、魁春、彦三郎、菊五郎、尾上右近。大御所も花形も、「どんつくどんつくどんつくどんつくどどんがどん」とみんな楽しそうに賑やかに踊って面白かったのだが、床机に座って出番を待つ時の肝心の巳之助は、あんまり楽しそうではなかったのが少しだけ気になった。親父の面影でも脳裏をよぎっただろうか。江戸の風俗を偲ぶ舞踊劇。

打出し後、地下のロッカーから荷物を出して東京駅まで。大丸地下で弁当を買って新大阪行きの新幹線に乗り込む。大阪エディオン・アリーナで開催される大相撲三月場所初日の観戦が翌日に控えているのだった。忙しい(笑)

「新橋鶴八分店」訪問
月曜日に訪問した「新橋鶴八」のブログをアップしたら、それを読んだらしい「分店」の五十嵐親方から携帯にメッセージが来た。翌日の木曜日、空いてるかどうかSMSで聞いてみると「空いてます。空いてます」と返事が返ってきたので6時に予約。

考えてみると、「新橋鶴八 分店」に来るのは今年になって初めて。すっとぼけて、今年来るのは何回目だっけと聞いてみると、自分のブログ見たら分かるじゃないですか。今年に入って初めてですよ、と。よく確認しているなあ(笑)「おまかせにすると全部出し終わるまで3時間もかかるダメな寿司屋だから見限ったんだよ」と冗談を。しかし1月は相撲観戦、2月は仕事が忙しく、寿司屋通いそのものが減っているのは事実なのだった。

本日は、大常連O氏はいない。予約は金曜だと云うので、居たら帰るよと事前に告げておいたのだが、本日はウソはついてなかったようだ。ここでO氏と「新橋鶴八」について驚愕の情報を五十嵐親方から聞いたのだが、武士の情けでここには書かないでおいてあげよう(笑)

月曜に本店に来た時、分店が休んでいたので、つぶれたかとビックリしたよと冗談言うと、確定申告で税理士と打ち合わせだったとのこと。潰れるどころか、儲かって笑いが止まらないんだなあと聞くと、五十嵐親方はエヘヘと笑う。やはり儲かっているのだなあ(笑)商売繁盛で結構な話。月曜に休んだ代わりに19日の日曜は営業するから来てくださいというのだが、19日は大阪で大相撲大阪場所中日観戦予定なのだった。

まず冷酒を貰って初めてもらう。お通しは平貝を軽く付け焼きにして。

白身はヒラメに鯛。色物でシマアジも。トリ貝はまだ薄いので入れてないのだとか。アワビも始まるのは来月辺りからか。

一番奥、O氏の指定席に座って、親方とあれこれと雑談しながら。食べログに、「しみづ」と値段は同じだが「味が雑」だと書いてたレビュアーがいたよなあと聞くと、「あれは女性の写真貼ってますが男ですよ。書いてる文章読んでも、ちょっとおかしいですよ」と親方が反論。まあ確かにそうだ。結構どこの店に行っても嫌われるタイプだよな、きっと(笑)

つまみはまずヒラメから。金目鯛は蒸し物で。食べログに、甘鯛が出たと書いてあるレビューがあったが、あれは金目鯛だという。ここに来ると飲み過ぎるので、いつも食べた物を覚えてないんだよと文句を言ってたので、最後に勘定する時、優しいバイトの女性が食べた物を書いたメモを手渡してくれた。ということで、食べた物は写真参照。

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疲れたのでタクシー帰宅。


「新橋鶴八」訪問。
月曜は早めに仕事をたたむ目途がついたので夕方に「新橋鶴八」に電話。「新橋鶴八最後の弟子」君が出て、しばし調べてるようだったので、ははあ、ほぼ満席なんだなと思ったが、「7時までならご用意できます」とのこと。滞在時間が短いのは望むところなので、じゃあ早目に入るよと返事して、会社を出てすぐに入店。

ニュー新橋ビル二階に上がると「分店」は珍しく本日お休みのようだ。本店に入店すると大常連O氏用の座布団は敷かれていない。「新橋鶴八最後の弟子」君に尋ねると、O氏は最近、分店に入り浸りでほとんど本店には来ないとのこと。やはりこれからは本店だけに来るほうが安全だな(笑)

「今日は時間切っちゃってすいませんね」と言う石丸親方に、分店は今日臨時休業だねと訊くと、「そうらしいですね、でもこっちには何も言わないから分からないんですよ」と。弟子君によると、大常連O氏と一緒に「新ばし 久」に行ってるんではと言うのだが「久」は月曜お休みじゃなかったっけ。まあ、どこか食べ歩いているのかもしれない。

カウンタには既に2組ほどお客さんがいて、一組は年寄り2名で既に酩酊中。早いな(笑)本日は7時から満席とのことで補助椅子も入っている。

冷酒を頼んで、まずヒラメから。お通しは、大葉とコハダを刻んでゴマを散らした小鉢。これがなかなか旨い。滞在時間短いので早目早目に頼まないと。もっとも石丸親方も気を使って、優先的に注文聞いてくれるからストレス無し。

次に塩蒸し。種札を見ていると、白身はブリがもう季節外れで終わり。ヒラメの他にはシマアジ、カンパチが置いてあった。

店には次々とお客が入店。大繁盛。予約無し飛び込みの2名客が来て「1時間で食べるから」と頼んでいたが、満席で断られる。まあ、町場の寿司屋は別として、江戸前の名店であるからやはり事前に電話一本入れたほうが良いのでは。確かに入り口脇の小上がりテーブルも、すぐ後から予約客2名が来て、奥の座敷にも客が入り完全に満席。

つまみは、サバ。浅めの〆で甘味がとろりと。漬け込みのハマグリ。

握りはいつも通り。中トロ2は上品な脂が美味い。コハダはネットリとした旨味が素晴らしく、ここのふっくらした米の甘味がある酢飯と実によく合う。酢飯を包み込むアナゴは、鶴八伝来のトロトロ。ハマグリのおつゆが出て、最後には〆でカンピョウ巻。何時もの物が何時ものように美味い。伝来の江戸前仕事を楽しんで、満ち足りた気分でタクシー帰宅。

歌舞伎座三月大歌舞伎、夜の部
土曜日の夜は、歌舞伎座三月大歌舞伎夜の部に。

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昼の部の終了が遅いこともあるが、夜の部はほぼ満席で、入口はごった返している。

最初の演目は、「双蝶々曲輪日記 引窓(ひきまど)」。人形浄瑠璃から歌舞伎化された狂言だが、その八段目。二段目「角力場」は前にも歌舞伎座で観た。

相撲取りの濡髪長五郎は「角力場」にも登場していたが、今回は彌十郎が演じる。役者が大柄であるから、相撲取り姿がよく似あう。義理立てから止むなく人を殺めてお尋ね者となり、今生の別れに昔、養子に行かされて別れた実の母親を訪ねてくる。そして、その母は再婚し、相手の先妻の子である南方十次兵衛(幸四郎)が村の役人に取り立てられ、濡髪長五郎を捜索しているという状況。

実の息子を逃がしたい、しかし昔の忠孝の常識では義理の息子こそ立てねばならない。板ばさみになった母親の葛藤。そして、義理の母親の苦しい心を察知して、濡髪を逃がしてやろうとする十次兵衛の思いやりが、引き窓を小道具に交錯する。派手な動きは無く、主役が引き立っているとは言い難いが、台詞劇としてなかなか印象的に成立している。十次兵衛の女房役魁春が、義理の母親を立てなければという心情に溢れる。

ここで15分の幕間を経て、「けいせい浜真砂(けいせいはまのまさご)」

石川五右衛門を主人公にした歌舞伎狂言も多いが、主人公を女に変えた女五右衛門物、長編の「けいせい浜真砂」から「南禅寺山門の場」だけを上演。

上演わずか10分。浅黄幕が切り落とされると豪華な山門。藤十郎は煌びやかな衣装が見所。あとは山門がせり上がり、仁左衛門が出て来て、それで幕となる。上演わずか10分。藤十郎はこの10分の為だけの歌舞伎座出演。贅沢なもんですな(笑) 仁左衛門は、昼の部が「義経千本桜」で終わった後、この10分の為にだけ、「どんつく」、昼と夜の入れ替え、「引窓」と、3時間以上も待っていることになるのだから、歌舞伎役者も大変だ。海老蔵は、夜の部「助六」出演のみで、夕方に歌舞伎座入る前までは子供と朝飯食べたり歯医者行ったりメンテに行ったり、ブログをせっせと更新する余裕すらあるみたいだけど。

ここで30分の幕間。三階花篭にて「さくら御膳」を。ホタルイカや飯蛸、桜餅など春の彩り。

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さて、最後の演目は、本日夜の部メイン、「河東節開曲三百年記念」と銘打った、「歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」

河東節は、成田屋が主演する「助六」の伴奏にしか使われない江戸発祥の三味線浄瑠璃。今では素人の旦那衆や奥方がやっており、助六が上映される時は、その時だけの「名取」となり、歌舞伎座の舞台でも交代で勤めるのだとか。確かに看板には当日の出演者が。「ぼたん」とあるのは海老蔵の妹。

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筋書きには当月の出演者一覧があり、大勢名前が挙がっているが、「ナイルさん」というのは、歌舞伎座向かいの「ナイル・レストラン」オーナーじゃないかな。

裃姿の右團次が口上を。この最初の口上も、成田屋が上演する助六にしかない伝統ある所縁の演出。

絢爛豪華な吉原を背景に、粋で洒脱で鉄火で女にモテモテ。江戸っ子の理想を体現したような花川戸助六が、「どうだ格好いいだろう」と大見得を切って舞台で活躍する。昔の江戸で人気であった曽我兄弟の設定も重ねて。

「出端(では)」と呼ばれる助六の登場は、幕が開いてから45分ほど経ってから。そして花道で延々と15分程、花川戸助六の男伊達と格好良さをたっぷりと舞台一面に振りまく。土曜は、西の桟敷と花道の間、いわゆる「ドブ」の4列目だったので、花道はもう手が届くほど。助六登場は実に迫力あり。ただ、意休さんやくわんぺらは遠かったが。

海老蔵にとっては何度も演じた助六。成田屋の御曹司に生まれなければ、若いうちから助六を主演することはまずなかろう。成田屋の成田屋による成田屋のための、当代の團十郎、あるいは海老蔵が劇の中心に屹立する煌びやかな一大プレゼンテーション。演者も多く、だからこそ、そんなに度々演じられる演目ではない。

海老蔵は、時として良い歌舞伎役者だとは思わない面もあるのだが、この花川戸助六に関しては、鼻筋がスッと通った見事な男伊達で台詞にもまったく上滑るような癖も無く、劇場全体を手の内に睥睨して、寸分の隙もなく煌めいている。成田屋の当代や御曹司が一番映えるように考えられた伝来の演目なのだから当然といえば当然か。

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江戸の昔、一日千両の金が動く場所というのは、歌舞伎と魚河岸、それに吉原くらいとイヤホンガイドで。お互いの世界は深い付き合いがあり、「助六」がかかる時は、今でも江戸紫の鉢巻を魚河岸の旦那衆から貰う仕来りに。さすがに最近は吉原も、江戸の昔ほどの一大遊興地ではなくなったから、こちらからは唐傘などは贈られないのだろう。もっとも浅草界隈の旦那衆とは、平成中村座や襲名のお練りなどもあり、今でも歌舞伎界とは結構付き合いがあるのだろうが。

江戸情緒に溢れた傾城達の揃い踏みが賑やか。華やかに次々登場。髭の意休は、元々ニンに合った左團次が手慣れた体で演じる。しかし、あれは床几に座ってずっと背を伸ばして役の大きさを見せねばならず、結構大変な役だ。

女形大役の三浦屋揚巻は雀右衛門が初役で。悪態の初音は、普段はおっとり上品な大夫でそんな事は決して言わないのだが、愛する間夫をけなされ、意を決して悪口をきくという風情が良い。ただ品格はあって立派に成立しているが、匂い立つような艶やかな色香には、ほんのちょっと欠けるか。まあこれは役者の個性というものかもしれないけれども。くわんぺら大王は達者な歌六。

福山かつぎの巳之助、国侍や奴、通人の股くぐりや楽屋落ちを散りばめたお笑い部分も、白酒売新兵衛を演じる御大菊五郎の和事風味もあって実に和やかに成立している。普通の狂言というよりも、一大祝祭としての成田屋宗家の「家の芸」。今度「助六」が歌舞伎座でかかるのは、海老蔵の團十郎襲名披露興行だろうか。 観れる内に観ておこうと、日曜の夜も「助六」だけ観に行ってしまった(笑)

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