97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「新ばし しみづ」訪問。
水曜夜は実に久々、「新ばし しみづ」に。前日に今週来週の空きがあるか電話したら翌日が空いていたのだった。

6時に予約したが、前の予定が早めに終わったので5時50分頃入店。しかしもう既にカウンタには4組5名が居て、握りも終盤、お吸い物が出てる人もいる。一体何時から来店してるのでしょうな。

お酒は冷たいのを所望。お通しはしらすおろし。このしらすが立派で上手い。

奥に立つ弟子の「しみづの錦木」君は、しばらく見ないうちに随分体重を増量したような。本人はあせって「太ってません」と云うのだが、鶴八伝統の体型になってきた気がするなあ。ちゃんこの味が染みてきたんだな(笑)

つけ場入り口側に立つ職人は弟子ではなく、もう一本立ちしており手伝いに来て貰っているだけなので、鶴八体型じゃないんですよとの清水親方解説。

何も言わずともつまみが切られてくる。

カレイはまるでヒラメの如くネットリ脂が乗って旨味が濃い。今月から解禁のアワビは明るいびわ色。海の滋味深し。

カツオはネットリ、モッチリ。薬味醤油で。青葉の時期の江戸を舞台にした歌舞伎「髪結新三」の初鰹は、きっとこんな味だったろう。

トリ貝は甘み十分。そろそろ終わりかと聞くと、舞鶴のトリ貝はこれからどんどん出るのだとか。ただ、ここ数年は大きな個体が無かった由。ここの貝は海底を整備して種貝を撒いている蓄養と聞くが、貝の場合、魚の養殖の如く餌を撒く訳ではない。自然の貝と同じ餌で育つ訳だ。海流やら海水温やらの変化が生育に影響するのだろうか。

アジも身肉が厚く旨味あり。漬け込みのシャコ。お酒もお代わり。ホタルイカのオリーブオイル漬けが。これはイタリアン・バルの一品みたいで旨い。ホタルイカもそろそろ終盤か。

親方が予約の二人客がまだ来ないなと弟子に予約を確認。10分程遅れると電話があったが、もう45分経っていると。次の予約が入ってたりすると困るよねえ。

すると扉が開いてその予約客登場。しかしなんと何も悪びれずに1人だと言う。親方もグッと堪えて飲み物を聞くとお茶でと。おまかせで握ってくれとのこと。しかしこの客はなんと、「僕はなま物が駄目なので火が通したものだけで」とのたまう。

清水親方は流石に憮然として、「それではうちは無理ですよ。どうかお引取りください」と。客は「少しでも火が入ってたら大丈夫なんですけど」とちょっとだけ抵抗したが、やがておとなしく席を立つ。わざわざ寿司屋に予約して入ってきて、なま物駄目って、とんだ珍客がいるなあ。外国人ではなく日本人である。

「せめて予約の時に言ってくれてたら考える事もできますけど、座っていきなり言われたら仕事できないですよ。寿司屋はなま物ばっかりなんですから」と清水親方。まあその通り。しかも、30分以上遅れてきて、2名が1名になって、なま物駄目だというのだものなあ。

その客が去った後、カウンタに残った客と親方で、あの客はいったい何だったのか議論。隣のお客さんによると、「すきやばし次郎」でもカウンタに座り、「なま物は食べられません」と言った客が居たらしいとのこと。

反対側のお客さんの推理では、「何かの罰ゲームで、無理やりやらされているのでは」と。舞台に選ばれた店は大迷惑(笑)確かに入店して来た時から、どうも挙動不審な所があった。割と若い男性だったと思ったが。

私の推理は、「あれはミシュランの調査員で、わざと無理難題言って店の対応を見ているのでは」というものだったのだが、「ンな事ないですよ」と清水親方に一蹴される(笑)

店の電話が鳴ると「おっ、さっきの客の逆襲じゃないか」とか、店中の客が和気藹々で盛り上がって面白かった。時には珍客の来訪も良いものだ。

つまみの続きは、漬け込みのハマグリ。ウニは二種盛りで。最後に何かもう一品所望すると、親方はしばし考えていたが、カラスミを出してくれた。酒に合うね。

この辺りでお茶を貰い握りに。マグロはシットリと旨味あり。塩も酢も厳しく効いたこの店の強い酢飯によく合う。コハダは大きめのものの片身づけと、小さめの個体の片身を二枚重ねたものと。コハダの〆も酢が効いて酢飯との相性が良い。穴子もトロトロに煮あがっている。塩とツメで。最後は干瓢巻を半分。実に充実。

久々に「しみづ」の寿司を堪能。勘定を済ませて外に出ると、女将さんが「今日は騒がしくてすみません」と。いやいや、偶にはあんな珍客が居て盛り上がるのも面白い(笑)

雨が強くなってきたので新橋からタクシー帰宅。



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「新橋鶴八」(元分店)訪問
先週水曜日の夕方、珍しく「新ばし しみづ」から携帯に「本日空いております!」とメッセージあり。急なキャンセルでも出たかな(笑) しかし既にこの日は予定が入っており断念したのだった。

次の木曜日、朝。「分店」が取れた「新橋鶴八」に、今夜空いているかメッセージを送ってみると「今、築地なので後で連絡します」と。昼前にメッセージが来て7時までならとのこと。長居するつもりは無いので、さっさと出してくれれば望むところである。

時間が限られているので何時もより早めに入店。

五十嵐親方が「ブログが炎上してましたね」と笑う。何言ってるんだ、炎上なんかしてないよ(笑) 変なコメントがちょっと付いただけじゃないか。それだって考えてみれば、貴方が喋った「鶴八」が出て行った事情なるものを、聞いた通り書いただけなんだ。そっちの責任だと思うがなあ(笑)

お酒は純米吟醸。銘柄は失念。お酒は最近各種置きだしたのだが、あまり有名な銘柄ではないので記憶に残らない。お通しは鯛の酒盗。

まず白身は鯛とカレイ。鯛は皮目に旨みあり。カレイは大きな個体。ヒラメを思わせるようなネットリした旨み。

アワビ塩蒸しは、房総と三陸産を食べ比べ。房総は身肉の色も明るくクリーミーな旨さがあるが、三陸産はちょっと野趣があるというか、身肉の色も若干濃く、仄かに磯臭い風味がある。この店ではなるべく房総の物を入れるようにしている由。マダカの大きいものも素晴らしいが値段もまた張るのだね。

トリ貝は本年出荷順調だったがそろそろ名残の時期に。まだジューシーで肉厚。アジは鹿児島だという。身は厚くネットリと全身に脂が乗って実に旨い。昔はアジをコハダの替わりに強めに酢〆にしたものだし、最近、「すきやばし」でも酢で〆たアジを出していると聞くから、やってみたらどうかと提案。鶴八流では皮を剥く前に酢をくぐらせるけれど、漬けないのだよね。以前、築地の「つかさ」で夏場によく食した酢〆のアジは旨かったなあ。

カツオは炙った皮目が香ばしく身肉にも上品な脂が乗っている。生姜醤油で食すると旨し。

隣には、大常連O氏。もっともこの日は7時までに退散と決まっているので、長々と付きあわされる事が無いのが助かる。これからこの店には当日予約だけにしよう(笑)

先日訪問した「神保町」の事など。偶には顔出してやるかなどと強がりを言っている(笑)。まあ仲直りしたほうが良いと思うけどねえ。新装開店ラッシュもそのうち引くだろうから、6月にまた訪問するか。

今週、ここに何時も連れて来るアメリカ人弁護士が来日したのだが、今回は新顔のベジタリアンの同僚を帯同。卵と牛乳のみOKだという。事前に「新橋鶴八」でベジタリアン・メニューあるか聞かれたのだが、江戸前寿司屋の玉子は小柱のすり身が入っている。ベジタリアンに食せる物というと、かっぱ巻き、紫蘇巻き、カンピョウ巻くらいだものなあ。

この辺りで握りに。

昼が満席で忙しかったとのことで、握る直前に飯台を出して来て、奥で酢飯を切っている。数分で出来上がったので、永谷園の「すし太郎」使っているのか聞くと「これがキチンと修行した腕なんですよ」と五十嵐親方は威張る。「しみづ」で聞くと、「すし太郎」使ってますと冗談返してくるけれどもねえ(笑)

握りのほうは、イカ、昆布〆、コハダ、ハマグリ、アナゴ。 切ったばかりの酢飯はまだ酢が落ち着いていないかと思ったが、いつも通り固めに炊き上げ、米の旨みが一粒一粒感じられる旨い酢飯である。「すし太郎」凄いな(笑) 

イカも白身昆布〆も、この店の薫り高い酢飯の美味さを堪能できる種。ネットリした肉厚のコハダも鶴八伝来の技。煮物も良い。最後に海苔巻きを半分。鉄火巻なんて要らないなあ(笑)

他所の鉄火巻きを見ていると、赤味からトロまでのグラデーションがイマイチ鮮やかではない。まあ確かにマグロは厳しい時期である。

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最後に本日食したもののメモを貰ったが、アジを書き忘れている。パーマンなんか書く暇あったら、付け忘れを無くしたほうがよいと思うがなあ(笑)

実に久々、西大島「輿兵衛」訪問。
土曜の夜は西大島「輿兵衛」。午後は日比谷で映画を觀ており、予約した事をすっかり忘れて、銀座辺りで飯でも食って帰るかと考えていたところ、Googleカレンダーの通知がiPhoneに表示されて、ああそうだったと思いだしたのであった。危ない所だったなあ。

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西大島に夜7時ちょっと前に到着。実にご無沙汰しましたと親方、女将さんに御挨拶。今年は初めての訪問だから随分と間が空いてしまった。しかし親方は、「そんなに来てなかったっけ」との反応。ドッペルゲンガーでも来ていたのかな(笑)

日曜日は貸し切りの予約が入っているということで土曜に予約したが、この日の客は私を入れて3組。カウンタはゆったりと。まず本日の大吟醸を一杯。本日は「美丈夫」。

あれこれ昨今の寿司話など。金沢の「めくみ」については良く知っているらしい。神保町の鶴八の話も良く知っていた。結構噂になるんだなあ(笑)

まずお通しの一皿。海老頭ヅケ、白イカのゲソヅケ、マグロ赤身のヅケ、漬込みのシャコ、ホタテ煮浸し。どれも酒に良く合う。お酒のお代わりは、醸し人九平次。親方が、九平次がパリ、クリヨンに採用されパーティーに出張して握りを披露した事など思い出話を。スイートの部屋が4日間無償で提供されたのだそうで、気前良い物ですな。

本日は珍しくニシンが入っているとの事。

適当な所で握りに。お酒は「十四代本丸」を貰って、その後はお茶に切り替え。

マグロ中トロヅケ、カレイ甘酢ヅケは一味と浅葱を噛ませて。夏の香り大変に結構な白身。酢飯はスッキリと硬めに米の旨味を残して仕上げられている。カレイの胡麻醤油ヅケは濃厚な旨味。

白いかのヅケ。ヅケにして皮目を炙ったシマアジは香ばしい旨味のこの店のスペシャル技。海老は甘酢に潜らせおぼろを挟んで握る古式の仕事。トリ貝
昨年は良い物がなかったが、今年は比較的入るのだと。甘酢に潜らせた北寄貝も他の店では出会えない甘味あり。

ここからこの店名物の光り物連続で。最近は、良いキスが入らないとの事。まずカスゴ。ふっくらとした身肉の旨味。コハダも軽めの締めだが身肉の旨味あり。アジは濃厚な脂が乗り、強めに締められて旨味が凝縮している。ニシンもびっしりと脂が乗り、脂が蜜蝋のように固まって噛み締めると酢飯と共に口中で溶け去って行く。

ハマグリには、濃厚ながらくどくない旨味のツメ。アナゴは白醤油で炊かれて、爽煮のように思えるが実に濃厚な旨味でトロトロ。これまたどこにも無い輿兵衛だけの穴子だ。最後は玉子を貰って締め。

勘定を済ませると女将さんに「一つだけ残っていた」と「與兵衛」がいつもお年賀に使う手拭いを戴く。一応なんとか本年もご縁が繋がったという安堵感と良い気分あり。また通わないと。與兵衛だけにしかない仕事を堪能して、気分良く夜道を帰る。

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「分店」改め「新橋鶴八」訪問。
木曜日の夜は、「分店」が名前から取れたニュー新橋ビルの「新橋鶴八」に。石丸親方の「新橋鶴八」本店は、さらにその大親方、諸岡親方が開いた神保町「鶴八」を継ぐために神保町に移転してしまった。なかなかややこしいな(笑)

ショートメッセージで空きを確認すると、5時半から7時までならとのこと。仕事を早上がりして、まず5時過ぎに「P.M.9」に。

神保町「鶴八」に、この店で選んでもらったスコッチを引っ越し祝いに持参したら、石丸親方が「三好君が選んでくれたんですか」と喜んでいた話を伝えに。初めて入った「鶴八」の店内の事などカウンタで喋っていると、窓の外から声が。開店前の清水親方が扉から顔を出して「「鶴八」に行って頂けたんですね。どうもありがとうございます」と笑う。師匠は弟子を心配し、弟子は師匠を心配する。新橋鶴八一門の結束。

5時半に入店すると既に先客あり。話を聞いていると随分寿司に詳しそうな女性であったが、後で聞くと某料理雑誌の編集をしている人なのだとか。

五十嵐親方と、暖簾が変わった事や、訪問した神保町「鶴八」の事など。なんで店名を「ニュー新橋鶴八」にしなかったのかと問うと「そんなの嫌ですよ」と。せっかく考えてあげたのに失礼な(笑)「新橋鶴八」にしても、本当は兄弟子の「しみづ」が継ぐべきではなかったのかと問うと「だって全然仕事が違うじゃないですか」と。まあどちらが近いかというと此方ではあるけれども。

お酒はまず新潟の純米吟醸「謙信」を所望。爽やかな酸味の後にすっと米の甘さが抜けて行く。お通しは酒盗。まず白身はカレイ。身の活かり具合は本日の締め。大きな個体を仕入れるので熟成するというが、本店のように当日締めたのをブツブツ切って食するのが好きだなあ。

カツオはネットリした旨さ。歌舞伎の世話物「髪結新三」で初鰹を食して大家が「まるで餅のようだ」と云う場面があるが、江戸の初夏を思い出した。もう房総のほうにも上がるらしい。

シャコは立派な大きさ。伝来の漬込み仕事。トリ貝も段々と肉厚に。独特の軽い酸味と甘味。次にまた白身が出て、カンパチかと思ったらイサキであった。イサキは昔々勝どきの今は無い某寿司屋で食したが、それ以来だろうか。

ここからは握りに。昆布〆、マグロ赤身ヅケ、コハダ、ハマグリ、アナゴと。米の甘みを感じるスッキリした硬めの酢飯が素晴らしい。幾分香ばしい香りがするのも独特なところ。

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この日の食べたものメモはドラえもん入り(笑)

ということで、一週間で、「新ばし しみづ」。「新橋鶴八」改め神保町の「鶴八」。「新橋鶴八分店」改め、ニュー新橋の新「新橋鶴八」と巡ったことに。暖簾も新しい「新橋鶴八」に。電光看板も分店が取れて「新橋鶴八」になっているのだが、これは本店がそのまま置いて行ったので、五十嵐親方が勝手にかっぱらって来て付け替えた由。

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運命の輪は巡る。神保町「鶴八」訪問。
火曜日は神保町の「鶴八」に。「新橋鶴八」石丸親方が自分の店を閉め、寿司屋人生の集大成として、自分を寿司職人として鍛え上げてくれた師匠である師岡師匠の築いた店の暖簾を、最後に引き継ぐ事となったのだ。

この承継の話を聞いたのは年明けに「新橋鶴八」を訪問した時。その前から、田島という人が後を継いだ「鶴八」が12月で閉店するとネットで見て、石丸親方に神保町の「鶴八」も閉店らしいねと聞くと「いや、多分来年もやってますよ。また行ってみてくださいよ」と妙な事を言うのであった(笑)後で「しみづ」に聞いた話では、12月頃になって急に本人が継ぐと言い出して、弟子もビックリしたとの事であったが。

新年になって訪問した時に、「もうご存知でしょうが」と貰ったのがこの案内状。

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それから何度かニュー新橋ビルを訪問したが、3月に神保町「鶴八」の訪問予約を入れておいたのだった。この火曜日が開店2日目。

「新橋鶴八開店30周年の夜」でも書いたが、私が寿司屋巡りをしたいなと思った原点とも言うべき本が「神田鶴八鮨ばなし」。しかし実際に懐に余裕が出来て寿司屋巡りをするようになった時には師岡親方は既に引退。、「しみづ」、「新橋鶴八」と、弟子筋をさかのぼるような形で「鶴八」系の店に行くようになったが、不思議と代替わりした「鶴八」には行こうと思わなかった。

当日は、「P.M.9」に寄って軽く一杯やり、用意して貰った店へのお祝いを引き取って内幸町の駅に。都営三田線の神保町駅から2ブロックほど。こんな所に店があるのかと思うビルの間の細い道を曲がると「鶴八」と小さな看板が光っている。

狭い間口の引き戸を開けると、カウンタには先客一組。石丸親方が笑顔で「いらっしゃい。どうぞ、私の眼の前に」と奥から三席目を指さす。尊敬する親方にそう大歓待されると、なんだか感激かつ恐縮する。

開店お祝いに「P.M.9」で手配したスコッチの「ウスケバ」を持参した事を告げると「ああ、三好君が選んでくれたんですか」と石丸親方が相好を崩す。スッキリした味わいのブレンデッド・ウィスキーで、いつも石丸親方が飲んでいるのだそうである。

まず菊正の冷酒を所望。お通しはホタルイカ。やはりこの店に入るのは初めてなので、あちこち物珍しく見まわしてしまう(笑)店は間口は狭いが縦に長い長方形かと思っていたら、割と矩形で、石丸親方によるとひし形なのだとか。つけ台は新調したのですかと訊くと、前の物がボロボロになっていたので削ったのだと。素材がヒノキだからまた白木の目地がきちんと出るようだ。

すぐ後から、カウンタ奥の席に女性連れで入って来たのは、「鮨に生きる男たち」や、「鮨12ヶ月」の著作もある、鶴八系の古い常連、作家の早瀬圭一氏であった。「新橋鶴八」でも、「鶴八30周年パーティー」でもお目にかかった事がある。

他にもお客さんが次々と。カウンタは7席。前の店を知る人は、中が明るくなったと。客席側は壁も明るい色に変えて、電球はLEDにしたせいもあるのだろう。ただつけ場は、穴子を煮る引き笊や酢飯を切る飯台が壁に掛かっており、古くなったステンレスの洗い場と蛍光灯とちょっとレトロな昭和の感じが残る。

元々は小上がりだったという部分も小さな椅子席に。石丸親方は、昔の修業時代、兄弟子とこの小上がりでずっと寝泊りしていたんですよと懐かしそうに語る。

「新橋鶴八最後の弟子」君もちゃんと居てワサビをつけてくれたので「連れてきて貰って良かったな」と冗談を言うと「お暇を出されずにすみました」と(笑)

女将さんとバイトの女性が3名位か。小さな店だが結構人手多し。二階の部屋も椅子席で8名入るとの事なので、まあ人は必要だよね。

種札は前の店の物も正面にあるが、親方によると「これは偽物」という事で、カウンタからつけ場を見て右側上に前の「新橋鶴八」から持ってきた種札が新たに付けられている。若干長さが足らずに切り落としたが、種札の数は「新橋鶴八」のほうがずっと多いとの由。

早瀬氏は結構なお年だと思うが、ワインボトルを自分で持って来て、親方と、「この店はつけ場の床が低く、客席とも近いので、親方の顔が近くて威圧感あるな」など、結構憎まれ口を叩いて和気藹々とやっている。

お酒は菊正の冷酒を貰ったが、今度の店では他にもラインアップあるらしい。お通しはホタルイカ。カレイ、塩蒸し、シマアジ、アジ、ハマグリなど貰い、握りはニュー新橋ビルにあった時通り。しかし、つけ場には昭和の雰囲気を残しつつ、客席側の内装は新しく、つけ台も新しく削って、雰囲気の良い店。女将さん以下サービスの人数も多いので実に居心地がよい。

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寿司屋遍歴の最後に、戻るべくして、実は今まで来ていない此処に戻って来たのだ。これは、ある意味運命なのだと思う場所。「神田鶴八鮨ばなし」の場所だ。

神保町駅からすぐなので、これからもまた通わないと。



久々に「新ばし しみづ」。
先週の日曜日、お昼に実に久々に「新ばし しみづ」。

その前、金曜の夜には「P.M.9」で一杯。 久しく「しみづ」に行ってないとバーテンダーM氏と雑談して、帰宅しようと外に出ると「久」の親方にバッタリ。やはり行かねばならんなと土曜日に「しみづ」に電話。清水親方が電話に出る。日曜日が空いているか尋ねると、夜は法事があって営業お休みなんですと済まなさそうに。しかし昼なら1時から大丈夫だというのでお昼に予約。

1時丁度に入店。既に入れ替わりで1時からと思しい客が左右に。実に久々に来たのでなんだか懐かしい気さえする。入り口に立つのは新しいお弟子さん。前に入ると聞いてはいたが。昼ではあるけれども、常温のお酒を貰って始めてもらう。

おまかせのつまみから。ヒラメは上品な脂。熟成して柔らかい旨味あり。アオリイカは皮目に細かく包丁を入れてネットリした甘味。甘海老昆布〆は甘海老を並べて朧昆布で挟んで〆た上品な酒の肴。サヨリは細切り生姜醤油。アジも既に結構な肉厚に。

「新橋鶴八」神保町移転の事や、分店の名前から分店が取れた事など清水親方と。清水親方も「新橋鶴八」を襲名したがっていたはずだが、割と恬淡としたもの。分店も暖簾が変わってムードが変わりましたねと。神保町は明日からですよと。なんでも前日の土曜日には、店でレセプションをやってで大親方など読んでお披露目したとの事。

ここから貝類。トリ貝、赤貝は立派な肉厚、青柳も。漬込みのハマグリ、ウニなど貰ってつまみ終了。お茶に切り替えてそろそろ握ってもらう。

まずマグロは赤身。そして中トロ。どちらも熟成が進み、肉質なシットリして柔らかく、ここの強い酢飯にもピッタリ合う。コハダは相変わらず酢の効いた厳しい〆。この店独特。生臭さと水分は飛んでコハダの旨味だけが身肉に。噛み締めると鼻から喉の奥にツーンとするような鮮烈な酢の香りあり。これはこれで癖になる。アナゴは塩とツメと1貫ずつ。トロトロの煮上がり具合が良い。最後はカンピョウ巻きを半分貰って〆。久々の「しみづ」寿司を堪能した。

新橋鶴八分店訪問。
書き忘れていたので、遅ればせながら更新。

3月13日の火曜日に「新橋鶴八分店」訪問。当日の午後、ショートメッセージを入れると空いているとのこと。

入店するとカウンタ一番奥に案内される。右隣に大常連O氏用の座布団が。その更に右横には既に常連らしいお客が座っており、五十嵐親方と喋っている。O氏と知り合いなのだろう。顔広いからなあ(笑)

お通しはホタルイカ。もうそんな季節か。まず日本酒。お酒は新潟の謙信だっけか。ふくよかな丸みがあり、軽い甘みがすっと舌の上を抜けてゆく。二杯目に加賀鳶に変更。

白身はヒラメとカレイ。もうそろそろ種替わりの時期。トリ貝。まだ薄い。ただ独特の風味あり。ヒラメの卵の煮付けが出てくる。もうこんな大きな卵を抱いていますから身の脂が落ちてくるのだと。

サクラマスのカマ塩焼き。上品な脂が乗っている。つまみにはもう少し塩を効かせてもよいかなというと、「自分でかけてください」というのだが、身を焼いた後で塩を振っても駄目なのよ(笑)骨が多いねと言うと、「だって元々捨てる部分ですから」だと(笑)

身のほうはどうするのかと尋ねると、寄生虫がいる事があるので一旦冷凍してから、今度は解凍して寿司種にするらしい。サクラマスなんて珍しい。確かにこの時期は魚が少ない。「しみづ」でも使ってますよと言うのだが、記憶にないなあ。

サヨリ、サバもつまみで。シャコ、ヤリイカ煮付けも貰う。

種札にはコハダ無し。アナゴも今日は5本しか仕入れられなかったのだとか。季節の変わり目は仕入れも大変なようだ。なかったと。

この辺りで握りに。中トロ、ブリ、ハマグリ、アナゴ。

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何時ものように最後に食べたもののメモを貰ったのだが、ブリとハマの間に「人」と書いてある。ハテ? これは一体なんだっけ? メモを貰った時に尋ねて一度納得した記憶があるのだが、家に戻ったら忘れてしまった(笑) 隣にO氏がいると余計な事ばかりしゃべることになるので、寿司に集中できないのだった。


「新橋鶴八」訪問。
日々急な寒暖差もあり、体調はイマイチなのだが、金曜の夜は「新橋鶴八」に電話。今月でニュー新橋ビルでの営業が終わってしまうから、暇があったら行かないと。

女将さんが出て、7時までならと言うので定時後に早速入店。サッと飲んで食べて帰るのは望むところ。寿司屋でダラダラ居座るのは野暮な客だ。「分店」の場合は店の仕事が遅いので仕方ないけれども(笑)

いつも通り菊正の冷酒。お通しはスミイカのゲソ。「時間大丈夫ですか」と石丸親方は気を使ってくれるが、弟子もいるし仕事も早いので大丈夫。今月でこの場所は閉店なので最後の客で大繁盛。

つまみ最初の白身は何時も通り注文しなくとも切られてくる。その日に仕入れたものを切って出す。熟成とは無縁の昭和の仕事だが、煮切りではない上質な醤油で食すると、何とも言えず素材の旨さを感じる。

塩蒸しもつまみで。これは旬の素材というより、鶴八流の仕事の巧さを味わう寿司種。サバは噛むごとに、脂の甘さが舌の上でとろける。前回は無かった鳥貝が種札にあり他のお客さんも頼んでいたので注文。今年はまだ大きいものが無いとのことだったが、特有のフルーツのような甘酸っぱい風味あり。

漬込みのハマグリもつまみで。肝臓に良い気がするなあ(笑)

神保町移転の状況を尋ねると、店の改装は「新橋鶴八最後の弟子」君が本日見に行って来たとの事。建物全体に年季が入っているからか、大工は色々大変だったと語っていたとの由。しかし4月9日に開店。新しい電話番号は既に決まっているが、まだ電話機を設置できないので公開できないとのこと。当面は、今の店の転送サービスで繋がるようだ。

折角なので4月移転後の予約も入れておいた。そもそも寿司に興味を持ったのは、神保町の「神田鶴八鮨ばなし」を読んでから。「新橋鶴八30周年」で、引退した諸岡親方とも実際にお会いする事が出来たのだが、神保町の店そのものは一度も訪問した事が無い。通い慣れた「新橋鶴八」が神保町に戻り、訪問できる事になるとは、なんとなく感無量。

神保町での営業を聞くと、時間は今までと一緒。しかし日曜と水曜が休日だと。河岸が休市の時はやはり営業したくないとのこと。「私もようやく週休2日ですよ」と親方が笑った。日本酒も菊正だけでなく、何か他の物も置くかと検討中とのこと。ずいぶん前、どこかの本で「寿司より嵩い酒は置きたくない」と石丸親方が語っているのを読んだが、寿司屋は料亭や飲み屋ではないので、これはこれで真っ当な話。菊正は寿司に障らない、ごく普通の酒である所が良かったとの事であるが。

さて、そろそろ握ってもらわないと。いつも通り、中トロ、コハダ、アナゴ、カンピョウ巻。安定の美味さ。神保町にも行くけれど、移転する前にもう一度くらい行けるだろうか。



「新橋鶴八分店」訪問。
先週木曜日は仕事も早く終る予定だったので、夜はどこかで飲んで帰るかと、朝方にショートメッセージを「新橋鶴八分店」に送る。しばらくして返事があり「空いている」との事。珍しいな。仕事帰りに入店。

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先週木曜日は仕事も早く終る予定だったので、夜はどこかで飲んで帰るかと、朝方にショートメッセージを「新橋鶴八分店」に送る。しばらくして返事があり「空いている」との事。珍しいな。仕事帰りに入店。

暖簾をくぐると、「この前のブログの題名で、店名を間違えていたじゃないですか」と五十嵐親方が笑う。そうそう、この前アップした本店の訪問記録の題名が、何故か自動変換のミスで「分店」となっており、翌日気づいて修正したのだが、よく見ている。「惰性で書いてるんでしょう」と言われたが、まあ最近はそうかもなあ(笑)

カウンタ一番奥には座布団が置いてあり、大常連O氏が来訪する予定。なんでこう予定が重なるのかね。もっともO氏も最近はすっかり酒が弱くなって、カラオケにも誘わないから大丈夫ですよと。まあ人間誰しも衰えますな(笑)

注文する前から加賀鳶の冷酒が出て来て、お通しのイカの塩辛で一杯やっているうちに程なくO氏が登場。食べたものはこのメモの通り。

最近は、何も注文せずとも勝手に出て来る。立て込むと出て来るのが遅いので困る(笑)

まずヒラメ。2キロ超というが立派な身。身のテクスチャも味も、本店よりも熟成感あり。「縁側がやたらに大きいな」と感想を述べると「ブログでまた悪口書くつもりでしょう」と警戒する。縁側も若者にはよいけれど、最近では脂が過ぎる気がするよなあ。

アナゴの一夜干し炙って。香ばしい風味とシットリした脂の旨味。サバはネットリして甘味あり。サヨリは何故か若干塩が立っている気がしたが、肉厚で旨味があるのでこれで結構。

O氏とあれこれ雑談していると反対側に座ったお客さんが話かけてきて、大阪に居る頃、このブログを読んで分店の様子を把握していたのだと。ちょっとはお役に立てて何より(笑)

小柱の串焼きとサヨリの皮を炙った串でさらに一杯。ミル貝は軽く炙ってもらう。なんでも「新橋鶴八」の暖簾は既に発注したと。まだ正式に跡目が決まってないと思うけどに大丈夫か。「しみづ」が聞いたら怒るぞ(笑)とはいえ、いつ電話しても連日の満員であるから、実は私も今年に入って「しみづ」には一度も行っていないのだった。

焼酎の水割りを飲んで居たのだが、この辺りで握りに。ヒラメ昆布〆、マグロ赤身ヅケ、コハダ、ハマグリ、アナゴ、カンピョウ巻。五十嵐親方がくれたメモには、もう一品書いてあるのだが字が解読できない(笑) アナゴの後、〆はカンピョウ巻だったはず。その間に何か食したっけ。ウニも鉄火巻もここではまず頼まないけどねえ。

そんなに飲んで無いと思ったが、傘を忘れて帰った所を見ると、やはりお酒が回っていたのかもしれない。翌日の会社帰りに取りに行って、飲まずに帰宅。


「新橋鶴八」訪問。
先週金曜日は「新橋鶴八」。夕方に電話したので既に予約は立て込んでおり、しばし内部で検討の時間があったが(笑)早い時間なら大丈夫とのこと。しかし神保町に移転したら、当日電話して早めに入店なんてする事は難しくなるかね。

菊正の冷酒を貰い、お通しは湯通ししたスミイカゲソ。

石丸親方に移転の進捗を聞くと、「店の改築のほうは休みに見にゆく程度だから、あんまり分かりませんねえ」と。ただこちらの店は3月30日で閉店。年季の入ったつけ台も、冷蔵庫も、内装ごと居抜きで置いて行く契約なのだそうである。次も寿司屋が入るかね。

3月までも結構予約が入っており、既に神保町に行った4月以降の予約も入っているのだとか。「顔見世興行みたいなもんですよ」と石丸親方。今の電話番号は地域が違うので持って行けない。前の「鶴八」の番号ではなく、新たに変えるのだとか。取材も受けず、グルメサイトなどにも掲載拒否して、隠れ家のような店にしようかと。

つまみはまずヒラメ。大ぶりの個体を熟成せずに活かった身を切りつけるこの店の白身は、甘い煮切りではなく爽やかな普通の醤油によく合う。塩蒸しもつまみで。蝦夷アワビだが大きな物。他のお客の注文も立て続けに入ったので、遅い時間のお客に塩蒸しを何時も頼む常連が居ないかチェックしている。勿論、良い物から使い、ネタが切れたら札を返すのがここの流儀なのだが、注文すると分かっている常連にはやはり取り置きを考えているのだよなあ。

ブリ。噛み心地の良い新鮮な身に、くどくない脂。まだ海水温が低いので大丈夫、だが3月になるとそろそろ終わりか。つまみで漬込みのシャコも。

この辺りで握りに。まず中トロ。米の滋味が染み染みとした固めの酢飯が結構。コハダも何時もながらネットリとした旨味あり。アナゴも何時もの鶴八流。この店で仕事を施した種を食すると、産地がどうとか旬がどうとかのウンチクはどうでも良くなる。何時もの物が何時ものように旨い。いぶし銀のような江戸前仕事だ。最後はこれまたいつもの干瓢巻。

そういえば4月になっての予約をするのを忘れたな。今度訪問する際には忘れないようにしないと(笑)




「新橋鶴八分店」訪問
金曜日は「新橋鶴八分店」で一杯。ちょっと前から予約してあった。本日は大常連O氏はおらず、一番奥の席に。新潟の純米大吟醸を。鯛の酒盗がお通し。

「新橋鶴八」は3月31日まで営業とのこと。隣のお客は本店の古い客らしく、最終日は手伝いに行くのだと。ほお。まあ私はそこまでの太い常連じゃないからなあ(笑) 大常連O氏も最後だけくらい入れてあげれば、泣いて喜ぶと思うけど。和解を勧めたい所だけれども若輩が割って入ってもねえ。

この店の名前も「分店」が外れて、契約書から銀行口座から、「ニュー新橋鶴八」になるので、手続きが大変ですと五十嵐親方が冗談を。その名前は私が提案したので、本当に使うなら手数料払ってもらわないと(笑)

食べましたものは、最後にメモをくれたので、こちらを参照。O氏が居ないとカラオケに誘われる心配なくノンビリやれるので快適である(笑)

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つまみでは、この時期蝦夷アワビの塩蒸しがあったのが珍しい。子持ちヤリイカもそろそろ出て来たと。ただ身はどちらかというとスカスカかな。解読すると、つまみのその次はヅケ。ネットリした旨味。サバも甘味あり。タコも香りがよい。

握りでは、アナゴ、ハマグリ、コハダなど鶴八系の仕事を堪能。中国からの客がカウンタ端におり、「はまち」というので、「How much?」で、勘定の事を言ってるのではと親方に教えてあげたら、実は魚の「ハマチ」を頼んだだけであった(笑) 日本の江戸前寿司では、ハマチは養殖でどちらかというとグレードの低い魚なので、良い江戸前の店では置いていないところも多いからねと、おせっかいながら解説。というか、最初に聞き間違えたのは私なんですが。いったい何やってるんだ。ははは。

ホロ酔いでタクシー帰宅。

「新橋鶴八分店」、今年初訪問。
昨日の夜は「新橋鶴八分店」。前日夕方に、空いている夜があるかと親方の携帯にショートメッセージを入れておいたのだが、金曜朝に「本日夜は7時までなら空いております」と返信あり。早速予約。今年最初の訪問だ。

ニュー新橋ビルの2階に上がって行くと、店の前で五十嵐親方が手を振って歓迎のお出迎え。本日口開きの客となった。冷酒を注文すると酒のラインアップが増えている。持ち込みの客も多くなったので、最初からラインアップ増やしたほうが面倒無いとのこと。九平次純米大吟醸を最初に。お通しは鯛の酒盗。二杯目は加賀鳶。もう一種聞きなれない酒を飲んだが、忘れてしまった。

立て込むと遅くなるので、「早く早く」と親方を急かしてつまみから。まずヒラメ。前日〆た2キロ超とのことだが、ネットリ熟成感あり。これからは神保町に通うので、ここにも来れなくなるなあ、などと冗談を言っていると、大常連O氏が登場。

最近のO氏は、あまり体調良くなく、殆ど酒を飲まず短い時間で帰るとの事。やはり新橋の昭和スナックに、タイム・トンネル潜って頻繁に出入りしていると、時空の歪みが蓄積して身体に悪いんじゃないかな(笑)

O氏と五十嵐親方を入れて、「新橋鶴八」名跡相続一門総選挙の票読みの話題など。馬鹿話すると面白いなあ(笑)「新橋鶴八」が神保町の「鶴八」を継ぐともう「分店」ではなくなる。「ニュー新橋鶴八」に店名変えるように推奨。O氏の案は「寿司居酒屋いがらし」。こっちも良いな(笑)

ミル貝は軽く炙って。甘味が増す。シャコは実に立派なもの。久々に食したが、鶴八系独特漬込みの仕事がしっかりしてあって旨いよね。立派なタコは煮上がったばかり。まだ温かい身肉は柔らかく甲殻類を思わせる香りが良い。煮上がりすぐなので塩も付けなくても十分味がある。最後につまみでヅケを所望。ネットリした旨みあり。

時間になっても来ない客がいて、手伝いの女性が何度か電話を入れている。携帯の番号なのだが、英語のアナウンスが流れて先方が出ないとか。平気でドタキャンするこんな輩が居るから普通の客も予約が取れなくなったりする。人気店になるとドタキャンする輩も寄って来るんだよなあ。

そろそろ退散しなくてはならないのでおまかせで握りを1貫ずつ。サヨリは分厚く立派な身。爽やかな旨みが酢飯と良く合う。酢飯は水分が少なく硬めで、米の甘味と幽かに香ばしさも感じて実に美味い。中トロも旨みが酢飯に溶け崩れる。漬け込みのハマグリ。ツメが濃厚。アナゴは厳しい時期だが、鶴八伝来の仕事でトロトロに煮上がっている。コハダも1貫。最近海が荒れて不漁というが、これまた鶴八伝来、ネットリした旨み。最後にカンピョウ巻を半分だけ貰って〆。

いつもならずっとトグロを巻いて何時間も居る大常連O氏は、来週の予約を何件か入れると、なんと握りをサッと食して「じゃあな」と先に帰っていった。珍しいな。その背中に、老いてゆく男の哀愁を感じる(笑) 

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勘定を頼むと、ブログに書いてくださいと親方が食べた物のメモをくれた。後でチェックすると、つまみで最後に貰ったマグロヅケが脱落していた。サービスかな。どうも御馳走様(笑)

駅からタクシー帰宅。風邪薬を飲んでいたので酒がむやみに回って酩酊。バタンキューで就寝。

本日は国技館に相撲観戦に行くので、何時になく早めに寿司日記をアップ。しかし稀勢の里が休場してしまったし、豪栄道は既に2敗だし、優勝はやはり鶴竜かな。幕尻朝乃山奇跡の平幕優勝、大関取りに名乗りを上げる御嶽海の優勝もあり得るか。栃ノ心が突っ走ったら驚愕だけれども。



「新橋鶴八」、移転話あれこれの夜
先週木曜は、会社帰りに「新橋鶴八」。夕方に電話すると「新橋鶴八最後の弟子」君が出て、「新年おめでとうございます。本年もよろしくお願い致します」と礼儀正しい。後ろが立て込んでいるということで、早めに入店。

入店するとカウンタにはまだ誰もおらず本日一番乗りの客。奥から2番めの席に着席。

石丸親方が「もうご存知と思いますが」と店舗移転の葉書を差し出す。

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twitterで既に知っていた。このニュー新橋ビルの店を閉店し、育ててもらった恩人である師匠、諸岡親方の「鶴八」を、最後のご奉公として引き継ぐ為に、再び神保町に戻るのだとか。いくら弟子でもなかなか出来る事ではない。なんて凄い話。

最初はカウンタに私だけだったので、あれこれ移転やら今後の話やら雑談。そもそもはこの店を畳んだらマンションの一室を借りて4~5席だけの小さな会員制の店でもやると言う構想を以前にも伺った事があるのだが、今回「鶴八」引き継ぎの話は急に決まったのだと。

「新橋鶴八歳後の弟子」に、移転を機に暇を出されるのかと冗談で聞くと「いやいや、ちゃんと神保町に連れて行ってもらうんです」と言う(笑)やはり仕込みもあるので弟子が居ないと、との石丸親方コメント。

今のこの店はどうするのかと聞くと、「大家がまた別に貸すのじゃないですか」と恬淡としたものである。屋台を模した寿司屋伝統の造作であり、カウンタにも年季が入っている。勿体ない気もするけど。

神保町の店にはもう下見に行ったらしい。やる事が早いですな。36年ぶりに戻る神保町は、店界隈も結構変わっている。「鶴八」のカウンタはかなり使い込んでおり、新しく張り替える予定。二階の四畳半やトイレなども改築するのだが、工事の進捗では開店が若干遅れることもあるかもしれないらしい。

師匠の師岡親方が引退したのと、今の石丸親方が同じ年。不思議な巡り合わせ。「神田鶴八鮨ばなし」は、読んで感銘を受け、後年、寿司屋通いをするようになった私の寿司遍歴の原点だが、残念ながら師岡親方が現役の時には訪問はかなわなかった。「新橋鶴八」や「しみづ」に通うようになっていたから、代替わりした本店には一度も訪問した事が無いが、師岡親方には「新橋鶴八30周年」でお会いしてライブで本物の「鮨ばなし」を伺う事ができたのも良い思い出。結局、客としても神保町に行けることになって感無量である。

神保町から新橋にまで通っているお客はもう数人。今のニュー新橋ビルのお客さんの半分くらい来てくれれば、後は近所の人だって来るでしょうと。もっとも席数が少ないので、当日夕方電話ではちょっと難しいかもしれませんよと石丸親方。これからはちょっと早めに予約して行くか。

本店が無くなると、「分店」はどうなるのか。私の案としては「ニュー新橋鶴八」に改名したらよいと思う(笑)

この日のお通しはコハダ細切り、大葉と胡麻和え。これが妙に酒に合って旨い。冷酒を飲んで、つまみは、ヒラメ、塩蒸し、ブリ、サバ。握りはいつも通り。あれこれ移転の話などゆっくり聞けて実に面白い夜であった。





「新ばし しみづ」で本年の寿司納め
先週日曜の夜は、今年最後の「新ばし しみづ」。その前の週に、今年最後の訪問をしようと電話したのだが、この日の7時半からしか空いていないとのことで、相変わらずの大繁盛。

ちょっと早めに新橋に到着。「P.M.9」は日曜お休みかと思ったが、店の前まで行くと営業中だったので早速入店。カウンタにはお客無し。日曜はチーフバーテンダーM氏は休みだが、下の彼が一人で営業しているとのこと。まだ何も食していないので、流石にマティーニなど呑むと酔っ払ってしまう。ジン・フィズを注文。まだ手際は良いとは言えないが、ちゃんと出て来る。

大相撲問題の事など話ながら、時間つぶし。数分前に、清水親方がドアを開けて、「ご準備できました」と呼ぶのでビックリ。この店で待っていることは伝えていないのだが「しみづ」の顧客管理恐るべし。

結構遅い時間なのでカウンタは既に結構賑わっている。先輩弟子が辞めて、奥で手伝っていた、大相撲、錦木似のメガネ君が入り口近くに立つ。来春には、以前「銀座某店」で働いた後、他で修行した職人が弟子で入る予定と。

お酒を常温でもらって始めてもらう。お通しはなめこおろし。埼玉のAご夫妻は昨日来店された由。随分とお会いしていないなあ。などと考えていると、隣に、これまた実に久しぶりにお会いするI氏夫妻が。奥さんは前にここでちょっとだけ臨時で手伝いしていたのだが、I氏は実に久しぶりにお顔を拝見した。昔は、「輿兵衛」や築地「つかさ」でもよくお会いした。そんな懐かしい話など、カウンタ席でちょっとだけ。

つまみはおまかせで。ヒラメは、実にシットリと芳醇な旨味。炙ったサワラ。皮目は香ばしく、身肉には柔らかな旨味が充満している。塩わさびで。牡蠣の浅い塩辛。タコ。スミイカは細切りで。サバはしっかりした〆だが、口中に溶ける甘い脂。

例年通り、年始も2日から営業とのことだが、3日も既に満席。寿司始めは「しみづ」という訳にはゆかないか。

赤貝、漬込みのハマグリ、ウニなどもつまみで。

この辺りでお茶を貰って握りに。

マグロはシットリとして旨味あり。熟成が進んだ柔らかい身はトロトロだ。中トロでも若干赤身に近い身、やや脂のある身と変化をつけて。赤酢の酢飯は噛み締める度に寿司種と一緒に構内に溶け崩れて最後にコメの旨味が出て来る。

コハダは最初は肉厚のネットリ系。2貫目は一匹丸づけでやや身肉は薄いが、力強い酢が効いている。「しみづ」でしか出会えないパンチ力あり。合わない人には合わないだろうが、好きになるとこれが癖になる。アナゴは最初は塩で、次はツメで。カンピョウ巻は半分で〆。

神保町「鶴八」の今後については、田島氏が出た後に無くなる訳ではなく、年明けに重大発表があるのだと清水親方が(笑) 年明けカウントダウンの大晦日パーティーに同席したら、年明けと同時に発表しますよというのだが、九州に帰省しているしなあ(笑)

まあ、石丸親方も、「来年もあそこに鶴八は在るんですよ。来年は行って見てくださいよ」と不思議な事を言ってたのだが。さて。


何れにせよ、これで本年の寿司納めであった。

今年最後の「新橋鶴八」訪問。
12月の14日に「新橋鶴八」に行った事をblogに書き忘れていたので追加。twitterに書くと、もう終わったような気になって、ついblogでの更新を忘れてしまう。この日が今年最後の「新橋鶴八」訪問だったので記録をこちらにも。

当日夕方「新橋鶴八」に電話。しかし、「新橋鶴八最後の弟子」君が出て、暫くなにやら相談していたが、小上がりのテーブルしか空いてないのですと。やはりちょっとそれではなあ。残念。また今度電話するよと言う事に。

その後ちょっと離席して戻ると、スマホに「新橋鶴八」から着信履歴が。珍しいな。電話なんて貰ったのは初めてなんでは。かけ直すと、再び「最後の弟子」君が出て「あの後キャンセルが出まして席が空いたのですが、もしもよろしければ今夜如何ですか?」と。まだ今夜の止まり木を決めてなかったので、望むところ。直ぐに行くよと回答(笑) 最近、寿司屋から呼び出される事が多いなあ(笑)

仕事帰りに入店すると、石丸親方が、「すいませんね、お呼び立てしたみたいで」と。「私は古い人間なんで、師匠からも、こっちから電話してお客を呼んだりなんかするなと教わったし、普段はそんな事をしないんですけど、今日は夕方に電話頂いてすぐにキャンセルで入って席が空いたし、もしもまだ次に行く所をお決めでなかったらと電話したんですよ」と。こちらも寿司の頭になってたので、願ってもないラッキーであった(笑)

しばしキャンセル談義など。やはり結構あるとのこと。こればかりは飲食店共通の悩み。キャンセルを借りに思って、後で埋め合わせしてしようとしてくれる客もいるのだが、何が悪いのかまったく理解できない客もいる。ま、世の中色々な奴がいる。

ついでに神保町「鶴八」の閉店について聞いてみると「何処で知りました?」と。食べログに、なにやら書いてあったと内容を説明すると、「まあ、ネットは適当な事しか書いてないですからねえ」と。あの建物を処分するというのではなく、どうも別に真相があるような感じだが。

冷酒を貰って、お通しはハマグリの柱ヅケ。

まずヒラメ。肉厚で旨味がしっかりしている。塩蒸しは、蝦夷アワビだが、なかなか立派な個体。煎り付けたような鶴八流の仕事はしっかりと残っている。

サヨリは、カンヌキで随分と大きいので半分にしますかと。身肉が白くなるほど脂がしっかり乗っている。漬込みのハマグリもつまみで。これも鶴八系伝来の仕事。旨いねえ。

この辺りでお茶を貰って握りに。中トロ、コハダ、アナゴ各2。最後にカンピョウ巻。どれも何時もながら、しっかりした鶴八伝来の江戸前仕事。いぶし銀の仕事を堪能して、「では良いお年を」と挨拶して、タクシー帰宅。「新橋鶴八」もこの日が本年の最終訪問だ。

「新ばし しみづ」、久々の訪問
ずっと更新を忘れていたのだが、先月11月、慌ただしい台湾出張の前日に「新ばし しみづ」を訪問していたのだった。遅ればせながらその記録を。

木曜日の朝、携帯に「新ばし しみづ」からメッセージ着信。「いつもお断りしてすみません。本日席が空いておりますが如何ですか?」と。私も寿司屋通いが昂じて、とうとう寿司屋から呼び出しがかかるようになったか(笑)

仕事も立て込んで当日の予定がなかなか決まらず、当日夜に電話すると人気店なので満席という事が続いたので、空きがあると知らせてくれるのは願ってもないこと。翌日金曜は朝の5時起きで台湾まで出張なのだが、早めに一杯飲んで寝たほうが早起きには好都合。

早い時間に入店したが、結構席は埋まっている。結果的には満席のようだ。人気あるよねえ。

以前、入り口側にいたお弟子さんはもう居ない。3年ばかりやっていたはずだが、辞めたとのこと。親方は、いや、破門だとか言っていたが穏やかじゃないな(笑) 小体な店で、話しやすいからと弟子にばかり話かける客も悪いのだが、弟子としての態度には確かにちょっと問題があったかね。「銀座の某店に電話かけて雇ってくれと言ったらしいんですよ」と奥さんが。まあ、それもちょっとね。

ちょっと前から奥で手伝っていた、相撲の錦木関に似たメガネのお弟子さんが入り口側に立ち、奥には女将さんと助っ人で来てもらっているという男性が。江戸前の仕事は仕込みでやることが多いから大変だな。

「新ばし 笹田」で先日ニアミスした事など親方とあれこれ。秋刀魚は遊びの余技だが、美味かったなあ(笑)

お通しはなめこおろし。お酒は常温で。

いつも通りおまかせのつまみ。タイ。ヒラメ昆布締め。タコ。塩で軽く〆た牡蠣は独特の旨味。赤貝紐。青柳。小柱。ミル貝。ウニなどつまみで。

握りはいつも通り。脂の具合を変えてマグロ2、コハダ2、アナゴ2。最後はカンピョウ巻を半分。力強い赤酢の酢飯が相変わらず旨い。「しみづ」独特の江戸前仕事を堪能した。

今年最後の「新橋鶴八分店」
18日の月曜日は、会社帰りに「新橋鶴八分店」。

ちょっと前に携帯に五十嵐親方からショートメッセージがあり、年内で空いているのはこの日のみと云う事を教えてもらったので、事前に電話予約。

入店すると、予想通り大常連O氏が一番奥の席でトグロを巻いている。今日は登場が早いね。連れが来るというので一席あけて座り、のんびりと。まず冷酒。お通しは富山の白海老と鯛の酒盗。

「神保町の「鶴八」が閉店したのは知ってますか」と五十嵐親方が聞くので、「食べログ」にそんなレビューが書いてあったねと回答。「分店」が、神保町の跡地に移って営業すればよいじゃないかと云うと、なんでそんなに新橋から追い出そうとするんですかと笑う。まあ、でも師匠店のすぐ横というのも妙だものなあ。

「新橋鶴八30周年パーティー」には、「新橋鶴八」石丸親方の更に師匠の神保町「鶴八」先代、師岡親方は来ていたけれど、現「鶴八」の田島さんは来てなかったなあと記憶を辿ると、幹事をやっていたO氏が「呼んでなかったんだ」と。元々あんまり付き合いは無かったらしい。

しばらくすると大常連O氏が行きつけの、「新橋にある昭和にタイムスリップしたようなカラオケ・スナック」の年代モノのママがやってきた。私も何度かO氏に引きずられて行った事があるので、「あら、なんだ、あんたじゃないの」と言われてご挨拶。「いい時計してるわね。似合ってないから置いてきなさいよ」と。誰が置いて帰るか(笑)

店を開ける前にO氏がご馳走すると呼んだのだとか。最近は体調が持続せず、良くなったり悪くなったりだとぼやきが。まあ、タイムトンネルを抜けて、平成の世と昭和の世を行ったり来たりしていると、それは時空の歪みが蓄積して負担でしょうな(笑)

まずつまみをおまかせで。ヒラメはなかなか肉厚で上品な旨み。カツオは生姜醤油で。炙った皮目が旨みのアクセントに。牡蠣のスープ。旨いけれども、牡蠣のスープなら西大島「輿兵衛」に軍配が上がるかなあ。

アナゴ一夜干しは「新橋鶴八」ではお目にかかったことがない、ここ独自のつまみだが、皮目の香ばしい風味がよく、脂も乗って旨みが凝縮している。サバもまだ生っぽさが残る軽い〆だが、甘い脂が乗っている。、

ここでO氏の連れのスナック・ママに、別の客から「今から行く」電話が。しかし慌てる所なく、「どうせOさんのおごりだからもっと食べないと。客が早く来たら店の前で待たしときゃいいよ」と悠然と幾つも握りを追加するのであった(笑) 大盛りのウニ、イクラ、鉄火巻と豪勢に。昭和の店に戻る為には、またタイムトンネルを抜けて時空を旅しなくてはならないから、身体の負担が大変だ(笑)。

お酒は2杯だけにして、後は芋焼酎の水割りを。この店ではこれを飲むから長くなってしまう。

握りは、おまかせで勝手に出て来る(笑) ヒラメ昆布〆、サヨリ、中トロ、アナゴ、シャコ、マグロヅケ。仄かに米の旨みが残る固めの酢飯の具合は実によろしい。そういえば、ハマグリは食しなかったな。

「分店」の今年は、もう30日まで夜は一杯。来年は5日からやるとか言ってたかな。O氏と五十嵐親方に、よいお年をと挨拶して店を出る。今年は寿司納めに「新ばし しみづ」に行けるだろうか。もう予定が随分詰まっているし、しみづも予約取りづらいからなあ。

「新橋鶴八」訪問。
先週水曜日は会社帰りに「新橋鶴八」。夕方に電話すると早い時間なら空いているとのこと。

ニュー新橋ビル2階に上がり、分店の前を通ったが、カウンタは既に満席状態。商売繁盛ですな。早めに入店したのだが、「新橋鶴八」もカウンタは既に立て込んでいる。

「分店にOさんいたでしょう」と石丸親方に聞かれたが、一番奥の席だったのか、ちょっと分からなかったなあ。親方が「九州場所はどうでした」と聞くので、相撲の話など。「白鵬が待ったした日は見ましたか?」と聞かれたのだが、あれは九州入りする前日だったんだよねえ。

12月の営業は30日まで。今月は結構立て込んでいるのだとか。何時もなら最後の日は昼から夜まで通しでやるのだが、さすがに立ちっぱなしは疲れるので途中で休みの時間を取るとのこと。

お通しはマグロづけ。ネットリした旨みあり。冷酒を貰って、いつも通りまず切ってもらう。ヒラメは肉厚で旨みあり。塩蒸しは肝も添えて。しっかりした旨みに酒が進む。

ブリ。びっしりと脂が乗る腹の身だが、脂のくどさはなくサラっとした旨みで、歯ごたえもある。サバもつまみで。これも立派な身。甘い脂が口中に溶け出す。

この辺りでお茶を貰って、握りはいつも通り、中トロ、コハダ、アナゴ、各2。最後にカンピョウ巻で〆。

隣には台湾から来た客がいるのだが日本語ペラペラ。二人で一貫ずつ頼んだアナゴが、何故身表と皮表の2貫なのか質問し、今度は交代してお代わり。やはり2貫食さないと一匹丸ごとにならない種はあるんだよねえ。

何時もながらの江戸前仕事を堪能してタクシー帰宅。今年中にもう一度行けるかな。

「新橋鶴八」訪問。
火曜日は会社帰りに「新橋鶴八」で一杯。早めに入ったが、カウンタは恰幅の良いお客が一人だけ。まず菊正の冷酒を貰ってつまみから始める。お通しはスミイカのゲソ。もう結構肉厚になった。

熱燗を飲んでいた隣の恰幅良い客が、バイトの女性に「お冷」と頼むと、冷酒が出てくるという緊急事態発生(笑) 石丸親方バイトを叱る(笑) 後から入ってきた私が冷酒を頼んだので混乱したか。

まあ、意外にこの辺りは難しくて、ただ「ひや」というと元々は常温のお酒が出てくるのが定法。しかし最近は「冷酒」の意で取られることもある。「お冷」と「お」が付いただけで勿論水の意味になるのだが、最近の若い子には通じなくなっているのかな。確かに外国人に「ひや」は酒で「おひや」は何故水なんだと聞かれたら解説が難しい。

私自身は、混乱が嫌なので、どこの店でも注文する時には、「お酒を常温で」、「お酒の冷たいの」、「水をください」と言う事にしている。

白身は種札にタイとある。時折置いてあるのは知っていたが実際にお目にかかるのは今までほとんどなかったな。「佐島の鯛ですから旨いですよ」と親方。身は活かっており薄めの切りつけ。皮目は軽く火が入っているとのことで、歯ごたえ良く身肉との間にしっかりと旨みあり。

昨日、タクシーの運転手から「トランプは帝国ホテルに泊まっており回りは封鎖だらけで交通渋滞がひどかった」と聞いた事など親方と雑談していると、隣の恰幅良い客は、なんと商談で上京して帝国ホテルに宿泊中で、昨日は部屋まで100メートルばかりの間に4回も検問があり、どこに行く、誰に会う、何の話をするなど聞かれて往生したとのこと。大迷惑ですな(笑)

塩蒸し。歯応えがあり、実に旨みが濃い。ブリは脂の乗った腹身の部位をえぐるように切りつけて。噛み心地が良く、脂には癖が無く、身肉の旨みあり。トロトロに脂が乗るよりも刺身で食するなら、この辺りが程よいかもしれない。

今日も7時には満席だそうで、早めに終わるつもりが、隣のお客が結構話し好きで進行が若干遅めになったが基本的にはまったく問題なし。漬け込みのハマグリもつまみで。旨いねえ。

この辺りでお茶に切り替えて握りに。中トロ2、コハダ2、アナゴ2、カンピョウ巻は半分にしてもらった。鶴八伝来の仕事を施した種はどれもいつも通り旨い。コハダとアナゴは他店の追随を許さない揺ぎ無い仕事。米の旨みを感じるフックラした酢飯もいつもながら。「九州場所、気を付けて行ってらっしゃい」との石丸親方の挨拶を貰って、満ち足りた気分で勘定して店を出た。



西大島「輿兵衛」訪問。
昨日の土曜日は、「ブレードランナー2049」を観た後で、西大島「輿兵衛」に。台風続きで寿司屋も大変だろうけれども、先週の火曜日に予約してある。

しかしこの夜は、地下鉄が雨のせいか遅れており、7時に10分ばかり遅刻。やはり余裕持って出ないとあきませんな。カウンタはほぼ満席になる模様だが、到着済はまだ2名のみ。電車は新宿線しかアクセス無いものなあ。

取敢えず本日の大吟醸を一杯。「東一」。軽いふくよかな旨味がスッと喉に抜けて行く癖の無い酒。親方に聞くと前回の台風直撃の時はさすがにキャンセルが多く閉店したと。まあそれはそうでしょうな。土曜にしてよかった。

まず牡蠣のスープが供される。寒い時期はこのスープが至福。程なくカウンタも満席に。賑やかな女性3人組がおり、親方も調子良く飛ばしている。この店では知らない客同士でも、親方の冗談で一緒に盛り上がったりするが、時にはあまり冗談の相手しないでゆっくり飲めるのも、これはこれで結構(笑)

まず何時も通りお通しの一皿が供される。ホタテ煮浸し、海老頭ヅケ、中トロ炙りのヅケ、ヒラメ甘酢ヅケ、新イカゲソ。どれも結構。酒が進む。次は十四代本丸。ふくよかな旨味が濃い。そして握りに以降して後は、醸し人九平次。こちらは爽やかな酸味が立って、また飲み口が変わってよろしい。

適当な所で他のお客さんと同じタイミングで握りに。何時もながら固めに炊かれた酢飯は米の旨味があり、他の店には無いちょっと不思議な香ばしいような風味を感じる。炊き方の妙か、酢に違いがあるのか、あるいは合わせ方か。この辺りは企業秘密で、親方に聞いても「中毒になる薬を入れてるんです」と言われるだけだからなあ(笑)基本的には、魚の仕事とピッタリ合うような酢飯を作るのが寿司仕事だという事のようである。

握りは程のよい大きさ。ホロホロ溶け崩れるような酢飯を喜ぶ人も多いようだが、ここの店の酢飯は仕事を施した寿司種と一緒に噛み締めると口中で崩れて行く美味さ。鶴八系の酢飯にも近いが、この店にしかない寿司種仕事とのコンビネーションで、オンリーワンの魅力あり。

マグロ赤身ヅケ、艶々した新イカのヅケ。酢飯の旨味が良く分かる。ヒラメ甘酢、胡麻醤油づけは、浅葱と一味唐辛子と薬味を変えてアクセントに。ここの胡麻醤油もいつも感心する。

巻に近い大きさの海老は、甘酢に潜らせオボロをかませる古式の仕事。シマアジもこの店のスペシャリテ。炙って余計な脂を落とし、香ばしさを加えたシマアジを薄く切って薬味も噛ませて3枚つける。北寄貝は色味からして軽く湯を通してから甘味に漬けてあると思うが、これまたこの店でしかお目に掛かった事のない酸味と甘味がバランスしている。

この辺りで、これまたこの店のクライマックス。光り物が脂の薄いものから濃いものへとグラデーションをつけて供される。キスは癖のない淡い旨味。コハダはやはり寿司の為に生まれたような魚。サバは甘い脂が乗る。最後はイワシ。脂の乗った分厚いイワシを〆ると脂と旨味がまるで蜜蝋のように固まる。削ぎ切りにして3枚つけて供するが、口中でイワシの身肉と脂が酢飯と一緒に崩れてゆく至福。これも他の店でお目にかかった事は無い。

ここから煮物。ハマグリは古式を残す風味の良い煮ツメで。このツメがまた独特で旨い。アナゴは爽煮風に白醤油で煮るがパサパサではなく身が厚くトロトロに脂が乗っている。鶴八系とはまた違った、しかしこの店にしかない美味さ。最後は小柱をすり入れて焼いた卵焼きを酢飯抜きで貰って一通り。

食欲旺盛な人ならここから更に気に入ったものを再注文するお代わりタイムに突入するのだが、私は酒も飲んでいるしこの程度で満腹。勘定をして貰い、大概一番先に店を出る習慣。親方と女将さんに礼を言って店を出る。他の何処にも無い、輿兵衛だけの寿司。オンリーワンの魅力を堪能。雨は振っていたが大通りに出るとラッキーにもすぐタクシーが捕まり、心地よく帰宅。映画もよかったし寿司もよかった素晴らしき日。



「新橋鶴八」訪問。
月曜は「新橋鶴八」に。夕方電話すると、女将さんが出た。女将さんが出る時は、なぜか混雑している時が多いのだが、しばし親方と確認の上、7時半までなら大丈夫ということに。当然、まったく大丈夫である。

仕事を終えて新橋駅前まで。「分店」は扉は空いているもののまだ暖簾が掛かっていない。店内にも誰もいない様子。おかしいねと思って本店に歩くと、後ろから声が。五十嵐親方が戻って来たのであった。昼間が忙しかったので夜の始まりは遅目にしたと。一番奥には座布団が。分店に電話しなくてよかった(笑)「この前のブログはなかなか面白く書けてたじゃないですか」との由。一丁前に心温まるブログ批評をするじゃないか(笑) どうもありがとう(笑)

本店に入店するとまだ客は居ない。「時間切っちゃってすみませんね」と親方。一番奥にでも、奥から三番目でも、どちらでもどうぞと親方。「一番奥は元々大常連O氏の指定席だから止めておくよ」というと「分店に座布団しいてあったでしょう」と。ちゃんとチェック入っているのであった。

このO氏永久欠番席は、まあ長居するには落ちつくが、電話やファクスの前だし、つけ台の一番端だから、握りや刺身が若干右に置かれることになる。そんな面では、実はあんまり良い席じゃないよのだよなあ。

冷酒を頼んで、お通しはハマグリの貝柱。白身は、星カレイとヒラメと両方ありますと。ヒラメは、もうそろそろかと試しに入れたんですけどねというので、星カレイのほうを所望。肉厚の立派な身。旨みは結構濃厚。親方によると、マコカレイとヒラメのちょうど真ん中のような味がすると。確かに。

石丸親方と大相撲九月場所の話をしていると、後から隣に座った紳士が、「うちの甥っ子が三段目の優勝決定戦に出たんですよ」と述べる。そういえば、優勝は炎鵬だったですねと聞いてみると、負けた方なんですと。それは残念。炎鵬も入門以来各段全勝優勝らしいから、相手が悪かったなあ。後で調べると三段目の優勝決定戦、炎鵬の相手は満津田であった。千秋楽に優勝決定戦を見たっけなあ。世の中は狭いですな。この紳士は「宇良は、前十字靭帯断裂の大怪我ですよ」等、さすがに相撲に詳しい。

塩蒸しはもう漁は終わったとの事だが、まだ立派な物。これからは三陸の蝦夷アワビになるとの事だが、鶴八流の煎り煮にするような仕事を施すと、それはそれで味があって旨いのだ。

店は段々と賑やかになってきた。アジもつまみで。漬け込みのハマグリも貰ってお酒終了。お茶を貰って握りに。中トロ2。コハダ2。アナゴ2。最後はカンピョウ巻で〆。滞在時間は1時間ちょっとだが、不思議とゆったり落ち着く。何時もの店、何時ものしっかりした江戸前仕事。満ち足りた良い気分でタクシー帰宅。


アメリカ人4人連れて「新橋鶴八分店」に。
木曜日は仕事の飲み会があったのだが一次会終了後に「P.M.9」にちょっとだけ立ち寄り、ジン・マティーニを一杯。前の日曜、大相撲千秋楽観戦中の国技館でバーテンダーM氏と出くわしてビックリしたが、なんでも日本バーテンダー協会の福利厚生で相撲チケットの斡旋があり、それに申し込んだのだと言う。結構色んな所で団体チケット押さえているんだなあ。千秋楽の相撲は大いに楽しんだということで、それは良かった。

私自身は表彰式の後、最後の神送りの儀まで観て席を立ったのだが、彼らはもう席を立った後。しかし国技館の外に出ると「最後に御挨拶だけしようと思って」と待っていてくれたのだった。客商売の鏡ですな(笑)一次会で結構飲んでいたので、一杯だけで退散。

そして翌日の金曜日。来日するアメリカ人4人を連れて「新橋鶴八分店」訪問の予定が入っている。一人は何度もこの店に連れて来た弁護士だが、今回はその奥さんと、友人夫妻との事。当日に成田到着して汐留のホテルにチェックインしてから合流するという慌ただしい日程。

普通のアメリカ人は、陽気だが出たとこ勝負のえー加減な楽天家も多く、結構、平気で時間に遅れたりする輩も多いけれども、流石に弁護士ともなると、日本人のちょっと気が効いた会社員程度のパンクチュアリティはある(笑)ま、大丈夫だろう。

とはいえ、夕方になっても連絡無し。取敢えず会社を出て、またまた「P.M.9」で軽めのカクテルを一杯やって時間調整。前週の「分店」送別会の事などバーテンダーM氏と雑談。あまり「分店」ばかり行っていると、大常連O氏派と思われて本店に予約が入らなくなったりすると困るよなあ(笑)

しばし飲んでいると携帯にショートメッセージの着信あり。既に東京駅に到着してタクシーでホテルに向かっている所だとのこと。予約の時間には間に合いそうだ。時間を見計らって「P.M.9」を出て待ち合わせ場所のSL広場に。ところがこの日はタイミング悪く古本市が開催されており、広場中に屋台が設置され、待ち合わせには都合の悪い状況。しかし予約時間5分前には携帯に着信があり、なんとか彼らを発見して「新橋鶴八分店」にはオンタイムで入店。

弁護士のほうは、この店への来店は確かもう4回目位だから慣れたもの。しかし、この店は、普通は英語しか話せない客の予約は断っているので予約入ったのは私のおかげである旨をひと威張りして恩を売っておいた(笑)奥さんのほうは初来店だが、「今まで主人がiPhoneで撮ったこの店の寿司の写真ばかり自慢されて嫉妬してたのよ」と笑う。どうぞ本物を本日味わってください。

江戸前鮨とは何か。どんな仕事を施しているかを随分と講釈。弁護士が連れてきた友人はイタリアンのシェフだそうで、冷酒で飲んだ日本酒の味の差がきちんと分かっており好みを述べるし、ブリやシマアジなどの白身の質も、アメリカで食する物とは比較にならないと的確に言い当てる。さすがにアメリカ人ながらプロだねと感心。

まずビールで乾杯。その後は日本酒を3種類飲み比べ。

つまみの最初は立派なアワビ塩蒸し。もう房総での漁は終わり、囲ってある在庫のみ手に入るとか。アナゴ一夜干しの塩焼き、シマアジ、ブリ、ハマグリ、松茸のお椀、鮪の照り焼きなどつまみで。

この辺りで握りに。私はアメリカ人ほど食わないので所々の種を外してもらった。最初はスミイカ。もうスカッとした歯切れの良さと身の甘味あり。中トロ、コハダ、アジ、平貝は海苔を渡して。

イクラは、もう新物とは呼べず8月から出ていたのだとか。そうか、すっかり寿司屋にご無沙汰で、季節感がちょっと遅れてきたかもしれないな(笑)英語でさんざんと寿司種や鶴八の江戸前仕事を解説し、冗談にも付き合ってあれこれ盛り上がった話をしていたので、握りで何が出たかはちゃんと覚えて無いなあ

ウニと鉄火巻は親方から聞かれたが、私自身はスキップ。しかしこの日は台風の後で海が荒れたとかでウニは一種盛り。アメリカ人の弁護士は目ざとく見つけて、「今日は二種類乗ってないのか」と聞いてくる。客引きの為の餌なんだから、無理しても何時でも二種類おかないとダメじゃないか(笑)

アナゴも貰って、これは鶴八伝来の仕事なんだと解説。酢飯についても、アメリカの普通のジャパレスの酢飯とはまったく違う事も解説。しかし、イタリアンのシェフは確かにこの酢飯のテクスチュアが、アメリカの日本食で出る寿司とまったく別物である事を把握していた。これまたプロだねと感心。

握りは一通り終わったが、何か追加あるかと彼らに確認すると、最後にブリ、アジをお代わり。アメリカではこんな質の物にお目にかかったことが無いというのだが、それは確かに事実。何時もは大体私が払っているのだが、今回の勘定は弁護士が持つというのでご馳走になる事に。

英語だけで会話して、結構賑やかにやっていたので他の客には大分迷惑かけたかもしれないが、一応終了。店前で記念撮影の際には、後からカウンタに座った一人客に、シャッタ切って戴くというご親切に預かる。いったい何やってるんでしょうな我々は(笑)

「分店」で解散するつもりだったが、酒飲みの弁護士が「P.M.9」に行こうと言って聞かない。しょうがないので電話して、席が空いているのを確認してからまた舞い戻って5人で入店。女性陣は流石に疲れが出て来たようであったが、何杯か飲んだ後、「ラーメン・プレイス」に行くという弁護士に後を任せてタクシー帰宅。疲れた。


「新橋鶴八分店」、常連送別会の夜
まだ大相撲九月場所が開催中だった先週。「新橋鶴八分店」の五十嵐親方から携帯にメッセージが。

なんでも店の常連さんが転勤するので送別に飲み会をやるので、参加しないかとのこと。14日目が終わった土曜日の7時に新橋集合との事だったので、大相撲をTV観戦してから十分参加できる。

ご当人とは店で直接話はした事が無かったのだが、何度も店で顔を合わせている。大相撲で言うと、井筒三兄弟を育てた元関脇鶴ヶ峰の先代井筒親方に似ている(笑) せっかくなので参加することにした。

新橋駅SL広場に来てバイト女性と合流。ほどなく本日の主役「井筒親方」がやってきた。「分店」のカウンタでは静かな印象だったが、陽気で快活な人柄。

「分店」はまだ最後の客が居て営業中との事だったので、先に新橋の「鳥繁」に。一階はいかにも新橋らしいカウンタの焼き鳥屋だが、別の入り口から入る二階があり、こちらはテーブル中心の綺麗な店構え。

最初は3人だけだったので、井筒親方とあれこれ雑談。某地方都市に転勤されるのだが、大相撲地方場所が開催される所で私も何度も行っている。

そもそも「新橋本店」に通っていた由であるが、五十嵐親方の独立で「分店」に顔を出すようになったところ、いつもトグロを巻いている大常連O氏に捕まって、一緒にカラオケなど行くようになり、すっかり「分店」中心の客となったらしい。そういえば本店でも「最近来ないな」と心配してましたよと伝えると、転勤前に顔だけは出しておかねばとの事であった。

この所「分店」にはあまり顔を出していない。「空いていると聞いて入店すると、だいたい大常連O氏がいるからなあ」と言うと、「客席が空いた日だからOさんが居るので、満席の時はOさんも入れないんですよ」とバイト女性が。だから入店できる時はいつも居るのか(笑)

最近の予約状況を聞くと、O氏以外は全員女性客という夜がこの前あったとの事。「本店」ではまずあり得ない光景だ。ほお。

最近、「分店」では、ホテルのコンシェルジェから予約の電話がかかって来る事も多いのだが、英語しかしゃべれない客はお断りしているとの事。しかし、断っても、「おまかせで出すだけで大丈夫ですから」と熱心に押してくる場合もあるとか。この前はいきなり英語の電話が直接掛かってきたのだが、「英語しゃべれない」と言って切ったとのこと。外国人アンフレンドリーな店だなあ(笑)

この点、「新橋鶴八本店」には、英語をしゃべれるバイト女性が居た。ここのバイトは代々受け継がれており、東大や医学部の女子学生もいるとか聞いた事があったっけ。

陽気な井筒親方も一緒にあれこれ雑談していると、ほどなく大常連O氏が登場。「分店」でよく会う大常連O氏の友人氏も登場。何度かO氏に連れて行かれた、新橋のタイムトンネルをくぐって行くが如き昭和の場末のスナックを仕切る年配のママも来る予定だったのだが体調不良で不参加になったとか。タイムトンネルを潜って、平成と昭和の時空を行き来し過ぎると、やはり身体に無理が相当かかるのかもしれぬ(笑)

その後、店の営業を終えた五十嵐親方ともう一人のバイト女性も参加して、賑やかな宴会に。インスタには見事に、ウニと鉄火巻ばかり掲載されているねと言うと、「あれは客を引き付ける餌なんです」との事であったが。撒き餌ばかり売れても困ると思うのだが(笑)。

焼酎のロック飲んで喋って結構酩酊した。井筒親方の転勤地でのご活躍を祈念して散会。向こうにはあまり江戸前寿司は無いかな。

井筒親方も、通っている寿司屋に送別会をしてもらうというのは、相当な「寿司馬鹿」の位に達したと言えるのでは。そういえば、私も2回目のアメリカ赴任の前は、「新ばし しみづ」に「笹田」で送別会をしてもらい、すっかりご馳走になってしまったが、今では良い思い出である。

気に入った店に碇を下し、腰を据えた常連客になった者だけが到達できる妙な境地とでも言うか(笑)。グルメ雑誌読んで、また新しい店ができた、次はこっちだ、今度はこっちだと渡り歩いている客には結局は到達できない境地でもあるのだった。また東京に来られた時には一緒に飲みたいものだ。






「新橋鶴八」訪問。
水曜日は、日中はバタバタしていたのだが夕方になって一段落。「分店」に今夜は空いているか携帯でメッセージ送ると「明日6時にお待ちしています」と。ははん、明日大常連O氏が来るんだな。じゃあ明日は行くのを止めよう(笑)

「新橋鶴八」本店のほうに電話。お弟子さんが出てしばらく調べていたが、「7時までなら大丈夫なんですが」と。滞在時間が短いのはむしろ望むところ。

会社帰りに入店してみると、カウンタにはもう結構な数のお客が。皆始めるのが早いねえ(笑)あと数席しか空いてないのに、7時からまた満席とは、大繁盛ですな。その後からも何名かやって来たが、「分店」の客。結構、間違えて入店してくるんだよねえ。「分店」は本日団体で満席のようだ。

菊正冷酒を所望。お通しは軽く湯通ししたスミイカのゲソ。まず白身を。本日はホシカレイ。立派な身で、舌にコツンと来る旨味がマコカレイよりも濃く強い。アワビ塩蒸しは実に立派なもの。煎り付けたような香ばしい香りが独特の仕事。弾力のある身肉に深い旨味あり。

石丸親方と夏休みの事など雑談。親方は車で九州方面に行って来たとか。大旅行ですな(笑)関東から九州というのは、そういえば直行のフェリーは無いんだっけか。

アジも実に肉厚。ふっくらいした身に脂が乗る。くどくない旨味。漬け込みのハマグリもつまみで。

この辺りでお茶を所望して握りに。握りはまず中トロを2貫。コハダも2。ネットリした旨味。アナゴもトロトロ。最後はカンピョウ巻で〆。

つまみを少々切って貰って酒を3杯。ホロ酔いで何時も同じ種を握ってもらい、立て込む前に小一時間で席を立つ。何時も安定した江戸前の伝来仕事。浮世の憂さを忘れて帰宅する。実に良い店である。


「新ばし しみづ」久々に訪問。
土曜日昼前、携帯に「新ばし しみづ」から着信あり。その時は気づかず、ちょっと経ってから、何事かと思って掛け直したが、ちょうど営業時間だったからか通じない。その後何度か行き違いあったものの、再び清水親方から電話があり「この所何度も満席でしたが、今日の夜は空いてますので如何ですか」とのこと。

特段夜の予定は入れてなかったので望む所である。5時半に予約して新橋まで。店の近くまで来たが、あれ、まだ暖簾出ていないなと立ち止まると横から声をかけられた。最多来店記録F氏が居たのであった。久しぶりの遭遇。

F氏は3連続だが、本日は予約しておらず、店から電話で呼び出しかかったとのこと。そうか、予約がキャンセルとかになったのかね。

ほどなく手伝いの若い衆が暖簾を掲げたので、一緒に入店。カウンタに並んで。

お酒は冷たいのを所望。お通しは枝豆。奥にいる手伝いの若い衆は知ってますかとF氏が問うので、いや、ちゃんと覚えがありますよと。相撲の錦木が痩せたような優しい顔。黒縁メガネがまた似ている。本人はあまり嬉しそうではなかったが(笑)

そのうち錦木はメガネ掛けたまま花道を幕内土俵入りに出てきますよとF氏と雑談していると、メガネかけて土俵に上がったら規則違反かどうかの話に。すると清水親方が「審判はメガネかけて土俵に上がってるじゃないですか」と主張。まあ確かに元寺尾や元高見盛などメガネかけてるよなあ。しかし力士がメガネかけて土俵に上がったら、白鵬の張り手でメガネは吹っ飛んで壊れるだろう(笑)いったい何の話してるんだ(笑)

いつも通りつまみがおまかせで出て来る。お酒の徳利は今まであまり見たことのない黒い球形。親方は、「これは小さいので3本飲めますよ」と酒量まで既に把握されているのであった。まずカレイ。品のよい脂。タコは歯応え良し。カツオはネットリした脂。辛子醤油で。塩蒸しのアワビは立派な身を分厚くゴロンと。肝も添えて。

最多来店記録保持者F氏が、自分に出された徳利を見て、これも随分数が減ったよねと。陶器はやはり割れますからねと雑談していると、清水親方が「『割れた』というのは、見ているうちに勝手にパカっと割れるのを言うのであって、普通はありえないんですよ。全部『割った』んですよ」と解説。

弟子はいつも「割れました」と言うのだが「お前が割ったんだろ」と諭している由。しばらく「割れ」談義したが「新橋鶴八」の石丸親方は修行時代から器を殆ど割った事が無いのだという。まあ確かに一見強面だが、仕事を見ていると実に細心な所があるものなあ。女将さんが「清水は人にうるさく言うんですが、自分も随分割るんですよ」と話にオチをつけた。

漬け込みのシャコ、小柱、漬け込みのハマグリ、ウニなどもつまみで。握りはいつも通り。シットリとした中トロ、コハダ、アナゴを2貫ずつ貰って最後はカンピョウ巻を半分。一頃よりも酢飯の酢は穏やかになった気がするがそれでもまだ独自の個性あり。コハダはまだ新子で3枚づけだがしっかりと〆てある。

満ち足りた気分で勘定を済ませて「P.M.9」に移動してマティーニを一杯。バーテンダー氏とあれこれ雑談しているうちに、F氏も後から合流。「しみづ」への年間最多来店を樹立した時の正式記録を聞くと、1年に248回だという。「2X4=8」と覚えてるんですとのこと。最近はめっきり訪問回数が減ったとの事だが、この偉大な記録は将来も誰も破る事はできないだろう(笑)

また、F氏の凄いところは一度も常連ヅラをして威張らないこと。F氏の1/10も来てないような連中が、あれだこれだと偉そうにして居ても、静かに座ってたまに感想を親方に告げる程度。寿司屋というのは奥深い怖い世界でもあるなあ(笑)

私が「しみづ」に一番通った時で、年間50回位だったかな。「與兵衛」「新橋鶴八」「つかさ」なども訪問して居たから、それで精一杯。それもまた今は昔の物語で、最近はすっかり回数が減ってしまった。まあ当日では予約がいつも満席で取れないというのが大きいのだが。F氏は来店通算記録もつけて居て、昨日は「しみづ」訪問1400何十回目とか話して居たが、通算記録の方は失念。この記録もまた、白鵬の最多勝利同様、おそらく誰も破れないだろうなあ。

結構酩酊したので、まだ呑む様子のF氏に失礼して先に退店。タクシー帰宅。結構酔っ払った。





「新橋鶴八」訪問。
火曜日の夕方、「新橋鶴八」に電話。お弟子さんが出てしばらく調べていたので混んでいるなと思ったのだが、7時15分までならというのだがそれで大丈夫。分店行くと大常連O氏が必ずいて、同じペースでダラダラやられるから困るのだが、ポンポン出してくれれば1時間で飲んでつまんで握ってもらって、ストレス無く全て終わるのが私の流儀。寿司屋で長居したりその後でカラオケ行くよりも、早く帰って自分の時間持つほうがずっと良い。

会社を出て店に直行。カウンタには既に一組。ほどなく別に二組到着、奥の座敷も客が入る。盛況ですな。

お通しは新イカのゲソ。1.5センチ角程度でとても小さい。身もまだペラペラですとのこと。スミイカ本来の旨味はまだ出ていないが、癖のない仄かな甘味が口中で溶ける。季節モノだ。

白身はホシカレイ。マコカレイよりも最初にコツンと来る旨味が濃い。ヒラメに似ていると親方。確かに脂があるのだが、夏場の白身で、ヒラメよりもちょっと乾いたような脂の風味。

塩蒸しも立派なもので旨味が凝縮。アジでもつまみに頼むかと思ったら、石丸親方は「今日はサバが旨いですよ」と。回遊するサバは冬が旬だが、例えば松輪辺りの根付きのサバは夏でも旨いのだと昔この店で聞いたっけ。確かに肉厚で冬よりも脂が乗っている気がするほど。伝来の〆の技術でネットリした旨味あり。ハマグリもつまみで貰う。

余裕持って店を出るつもりなので、この辺りでスパートしてお酒を切り上げ握りに。

普段、スミイカを頼んだりしないが、季節物でもあり、最初にスミイカの新子を一貫だけ。「まだペラペラですよ」と石丸親方は笑うのだが、まあ初物ですから。2匹分つけて1貫だから相当小さい。スミイカ特有のスカッとした歯触りは無いが、淡い甘味が口中で溶けるよう。まさに走りの一貫。

後はいつも通り2貫ずつ。まず中トロ。コハダは3枚づけの新子と片身づけの大きいのを1貫ずつ。これまたネットリした鶴八伝来の仕事。アナゴは実にトロトロ。ツメも素晴らしい。最後はカンピョウ巻で〆。

夏休みは8月の11日から17日まで。18日、19日は市場も空いているので営業すると言ってたかな。江戸前伝来の技と季節の種を堪能し、いい気分でタクシー帰宅。

銀座「新富寿司」訪問
日曜日は、ひょっとして空いているかと「新ばし しみづ」に電話するも満席とのこと。以前は週末など当日でも入れた場合もあったが、最近は当日電話してもまず無理だ。手が足りないので回転を押さえているのも影響しているのか。

日曜もやっており、予約しなくても絶対に入れる店ということで、夜は「銀座新富寿司」で一杯。

カウンタに先客は一人だけだが既にお好みで握りの注文を入れているのでそんなに長居はしないだろう。八海山の冷酒を飲みつつ、つまみから。

お通しはもずく。酢が効いて爽やか。

鯛は皮目に旨味あり。シマアジは背のほうの身。煮アワビもつまみで。ここのは鶴八流の塩蒸しではなく、煮貝のような独特の濃い味付け。全体に古式を残す濃い味付けが多い。タコ、ミル貝も切って貰う。

前のお客は早々に帰り、カウンタは私一人。相手してくれるのは、小僧の頃から顔を知っている若手の職人。お茶を頼んで握ってもらいながら、あれこれ雑談。

そんなに腹も減ってないので、握りは1貫ずつ。まずヒラメ昆布締め。コハダの新子。今年の走りはキロ10万円以上したというが、この店で仕入れるのは3万円くらいになったら。最初は小さいのを使って7枚や8枚づけもするが、本日のは大きめで1匹丸づけだという。東京のコハダ新子は、元々東京のお盆、7月が過ぎてから出るというのが普通でしたからちょうど今頃の時期ですねとのこと。手間がかかり採算は勿論赤字だそうである。

酢〆のアジ、イワシも貰う。最近、アジを酢につける仕事をする所は少ないが、昔の仕事。築地の「鮨つかさ」の酢〆のアジのアジは旨かったがなあ。スミイカは新イカかどうか聞くと、まだ入れてないと。昔爺さまの職人が居た頃は、一匹500円玉くらいの新イカが置いてあったが、「コハダの新子に比べれば、まだそんなに流行ってないんじゃないすか」との事であった。

ハマグリ、穴子など貰って〆。最初に訪問したのはもう15年くらい前だが、昔からの話を職人として面白かった。つまみは結構貰ったが、中トロ頼まなかったからか、意外に勘定安いね(笑)


「新橋鶴八」訪問。
金曜の夜は「新橋鶴八」。夕方に電話すると女将さんが出て「7時半までですと大丈夫なんですが」と。ダラダラ居ないのでまったく大丈夫。退社後すぐに入店。まだカウンタはガラガラ。

「時間切っちゃってすいませんね」と親方は気を使うのだが、問題無し。金曜はちょっと遅い時間から予約が立て込むので、早い時間なら大丈夫なんですよとのこと。

お酒は菊正の冷酒を貰い、お通しは蛤の貝柱ヅケ。これは粒は小さいが旨味が深くて好きだなあ。

まずカレイ。プリプリの活かった身。煮切りではなくスッキリした醤油で食するとこれがまた旨い。塩蒸しも房総産、大きなアワビ。煎り付けたような香ばしい香りと歯応え、旨味も素晴らしい。握りでは食べた事がないのだが、つまみで貰うと酒が進む。

「相撲は名古屋ですから、行ってませんよね?」と石丸親方が問うので、「先週遠征してきたんです」と相撲談義。「新橋鶴八最後の弟子」君が、「じゃあ宇良が日馬富士に勝った時ですよね」と。その後、親方入れてひとしきり宇良の相撲談義。先場所が技能賞だったよなあ。8勝の嘉風にやるんだったら。

軽く酢を潜らせたアジは、身はふっくらとして旨味と脂が乗っている。「そういえば分店ではイワシを出していた」というと、金目やイワシを出してるらしいですねとちゃんと情報が入っている。若いお客さんも多いからだろうけれども、イワシはちょっと下品な脂で、アジにはかなわないと思いますよと。金目も底魚なんで脂がくどいから、火を通すなら良いけれど寿司にはどうかなあとの意見であった。確かにそうかもしれぬ。

漬け込みのハマグリもつまみで。肝臓に染み渡るなあ(笑) 

この辺りで握りに。まず中トロ。米の旨味を残してふっくら仕上げたこの店の酢飯とよく合う。「新子がありますよ」と親方が言うので、コハダはひとつ新子で。3枚付くらい。薄いけれども、ここの普段のコハダ通りネットリした旨味を感じるねというと「腕ですよ(笑)」と石丸親方。江戸前伝来の仕事を残すこの良き店で、親方から軽口をきいて貰えるくらいの客になれた事に、なんだか静かな感謝と達成感を感じる。

アナゴもトロトロ。時期もちょうど盛りだ。仕事も素晴らしい。鶴八系のアナゴを食すると他の店のアナゴが食えなくなる。最後はカンピョウ巻きで〆。しみじみした満足感と共にタクシー帰宅。



「新橋鶴八分店」訪問。
先週の木曜は「新橋鶴八分店」に。

空いているか当日にSMSでメッセージ入れると「8時までなら大丈夫ですと」。こちらは長居する気は元々無いのだから、出すものさえちゃんと早く出してくれればまったく問題ない(笑)

入店すると、大常連O氏がトグロを巻いている。しかし席は一番奥ではなく、手前から2番目。常連ヒエラルキーに変動があったのでは。店はテーブルにも客が入っておりほぼ満席。O氏隣の1番手前に案内される。やれやれ。最近は週に1回か2回しか来ないというが、なんで毎回会うかね。

五十嵐親方もいつもは無駄話しながらノロノロと出すのだが、さすがにこれだけ混んでいると真剣に仕事している(笑)。

お酒は加賀鳶を冷酒で。お通しは白イカに軽く火を通して醤油和えに。結構歯応えあるんだね。

食したものは、つまみでホシカレイ、塩蒸し、煮タコ、ミル貝、カツオにスマカツオ。カツオとスマカツオは産地も魚種も違うのだというが、あんまり違いが分からないな。

握りは中トロ、コハダ、イワシ、アナゴ、ハマグリを1貫ずつ。イワシを置いてあるのは珍しかったが、ネットリした脂が乗っており、なかなか旨かった。

大常連O氏は反対隣に連れが来たのでもっぱらそちらと雑談。あまり相手しないで済むから助かる(笑)。と言う訳で、早々と切り上げて、大相撲名古屋場所の録画を見るためにタクシー帰宅。


「新橋鶴八」の江戸前仕事
アカウントは作ってないので、普段インスタグラムにはアクセスしないのだが、そういえば「新橋鶴八分店」はアカウント持って写真アップしていたなと店名で検索してみると、店よりもむしろ訪問客の方が、山盛りのウニ軍艦と鉄火巻の写真ばかり、やたらにアップしているのに驚く。皆、そんなにウニと鉄火が好きなのかねえ(笑)

私自身は、「新橋鶴八」本店で、鉄火巻は一度だけ試しに食した事があるかな。「半分にしますか?」と石丸親方が尋ねるので、普通の1/2量にしてもらった。てんこ盛りのウニは多分「新橋鶴八」では今まで一度も頼んだ事がない。

「分店」ではどうかというと、自分からは頼んでないはず。ひょっとして勝手に出て来た事があるかなあ。いや、多分鉄火巻もウニも出て来た事は無いように思うけれども。どちらも食べづらい気がするし(笑)

そういえば、昔読んだ「鮨を極める (The New Fifties)」で、ウニやマグロについて「新橋鶴八」の石丸親方が語っていたなと本棚から引っ張り出してきた。

過去日記に書いたが、「新橋鶴八」で購入して石丸親方にサインしてもらった貴重本(笑)著者の早瀬圭一氏は、店でもお見かけした事があるが、年季の入った寿司食いで、神保町の「鶴八」先代、師岡親方の頃から「鶴八」に通っており、「新橋鶴八30周年パーティー」でも主賓挨拶に立っていた。

そして、この本にある石丸親方の話はこうだ。
ウニなんか箱ごと買って来て、軍艦巻きにしたご飯の上に乗っけるだけです。ですから出来るだけ沢山、山盛りに乗せます。鮨屋の手間は何もかかっていません。だからウニで儲けるなんて出来ません。

鮪もそうです。鮪を自慢する鮨屋になりたくありません。いい鮪を自分の懐具合を考えて選ぶのは当たり前です。そのかわり、穴子、小肌、蛤など手を加えたものからはちゃんと利益を頂きます。


「新ばし しみづ」は、マグロの質については若干方向転換しているようだし、太巻きの鉄火も、おそらくもう殆ど出していないはず。ウニの軍艦もごく普通の量。しかし、「分店」は、本店の基本をまだ忠実に守っていると思う。それとも、最近は大分乖離が出て来たかな。

「新橋鶴八」は、毎日築地に通って魚を仕入れ、毎日その都度仕込む。仕事を施した物だけが江戸前の真髄だという矜持が現れている親方のコメント。これを読むと、あんまりウニや鉄火巻を珍重する気にならない。「新橋鶴八」で食するべきは、サバ、コハダ、ハマグリ、アワビ塩蒸し、タコ、アナゴ、カンピョウ巻などの締めたり煮焚きした種だ。ウニや鮪を誉められても石丸親方はあんまり喜ばないはず。

それでは、仕事をした小肌や穴子が高いかというと、そんなことは無い。トロやウニなど、仕入原価が高い種よりも、むしろ仕事した種のほうがリーズナブルに食せるということが、ある意味凄い鮨屋である。「分店」も、名前を貰っているからには、全て本店譲りの仕事でやっていると思うのだが。