97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「新橋鶴八」訪問。
火曜日は会社帰りに「新橋鶴八」で一杯。早めに入ったが、カウンタは恰幅の良いお客が一人だけ。まず菊正の冷酒を貰ってつまみから始める。お通しはスミイカのゲソ。もう結構肉厚になった。

熱燗を飲んでいた隣の恰幅良い客が、バイトの女性に「お冷」と頼むと、冷酒が出てくるという緊急事態発生(笑) 石丸親方バイトを叱る(笑) 後から入ってきた私が冷酒を頼んだので混乱したか。

まあ、意外にこの辺りは難しくて、ただ「ひや」というと元々は常温のお酒が出てくるのが定法。しかし最近は「冷酒」の意で取られることもある。「お冷」と「お」が付いただけで勿論水の意味になるのだが、最近の若い子には通じなくなっているのかな。確かに外国人に「ひや」は酒で「おひや」は何故水なんだと聞かれたら解説が難しい。

私自身は、混乱が嫌なので、どこの店でも注文する時には、「お酒を常温で」、「お酒の冷たいの」、「水をください」と言う事にしている。

白身は種札にタイとある。時折置いてあるのは知っていたが実際にお目にかかるのは今までほとんどなかったな。「佐島の鯛ですから旨いですよ」と親方。身は活かっており薄めの切りつけ。皮目は軽く火が入っているとのことで、歯ごたえ良く身肉との間にしっかりと旨みあり。

昨日、タクシーの運転手から「トランプは帝国ホテルに泊まっており回りは封鎖だらけで交通渋滞がひどかった」と聞いた事など親方と雑談していると、隣の恰幅良い客は、なんと商談で上京して帝国ホテルに宿泊中で、昨日は部屋まで100メートルばかりの間に4回も検問があり、どこに行く、誰に会う、何の話をするなど聞かれて往生したとのこと。大迷惑ですな(笑)

塩蒸し。歯応えがあり、実に旨みが濃い。ブリは脂の乗った腹身の部位をえぐるように切りつけて。噛み心地が良く、脂には癖が無く、身肉の旨みあり。トロトロに脂が乗るよりも刺身で食するなら、この辺りが程よいかもしれない。

今日も7時には満席だそうで、早めに終わるつもりが、隣のお客が結構話し好きで進行が若干遅めになったが基本的にはまったく問題なし。漬け込みのハマグリもつまみで。旨いねえ。

この辺りでお茶に切り替えて握りに。中トロ2、コハダ2、アナゴ2、カンピョウ巻は半分にしてもらった。鶴八伝来の仕事を施した種はどれもいつも通り旨い。コハダとアナゴは他店の追随を許さない揺ぎ無い仕事。米の旨みを感じるフックラした酢飯もいつもながら。「九州場所、気を付けて行ってらっしゃい」との石丸親方の挨拶を貰って、満ち足りた気分で勘定して店を出た。



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西大島「輿兵衛」訪問。
昨日の土曜日は、「ブレードランナー2049」を観た後で、西大島「輿兵衛」に。台風続きで寿司屋も大変だろうけれども、先週の火曜日に予約してある。

しかしこの夜は、地下鉄が雨のせいか遅れており、7時に10分ばかり遅刻。やはり余裕持って出ないとあきませんな。カウンタはほぼ満席になる模様だが、到着済はまだ2名のみ。電車は新宿線しかアクセス無いものなあ。

取敢えず本日の大吟醸を一杯。「東一」。軽いふくよかな旨味がスッと喉に抜けて行く癖の無い酒。親方に聞くと前回の台風直撃の時はさすがにキャンセルが多く閉店したと。まあそれはそうでしょうな。土曜にしてよかった。

まず牡蠣のスープが供される。寒い時期はこのスープが至福。程なくカウンタも満席に。賑やかな女性3人組がおり、親方も調子良く飛ばしている。この店では知らない客同士でも、親方の冗談で一緒に盛り上がったりするが、時にはあまり冗談の相手しないでゆっくり飲めるのも、これはこれで結構(笑)

まず何時も通りお通しの一皿が供される。ホタテ煮浸し、海老頭ヅケ、中トロ炙りのヅケ、ヒラメ甘酢ヅケ、新イカゲソ。どれも結構。酒が進む。次は十四代本丸。ふくよかな旨味が濃い。そして握りに以降して後は、醸し人九平次。こちらは爽やかな酸味が立って、また飲み口が変わってよろしい。

適当な所で他のお客さんと同じタイミングで握りに。何時もながら固めに炊かれた酢飯は米の旨味があり、他の店には無いちょっと不思議な香ばしいような風味を感じる。炊き方の妙か、酢に違いがあるのか、あるいは合わせ方か。この辺りは企業秘密で、親方に聞いても「中毒になる薬を入れてるんです」と言われるだけだからなあ(笑)基本的には、魚の仕事とピッタリ合うような酢飯を作るのが寿司仕事だという事のようである。

握りは程のよい大きさ。ホロホロ溶け崩れるような酢飯を喜ぶ人も多いようだが、ここの店の酢飯は仕事を施した寿司種と一緒に噛み締めると口中で崩れて行く美味さ。鶴八系の酢飯にも近いが、この店にしかない寿司種仕事とのコンビネーションで、オンリーワンの魅力あり。

マグロ赤身ヅケ、艶々した新イカのヅケ。酢飯の旨味が良く分かる。ヒラメ甘酢、胡麻醤油づけは、浅葱と一味唐辛子と薬味を変えてアクセントに。ここの胡麻醤油もいつも感心する。

巻に近い大きさの海老は、甘酢に潜らせオボロをかませる古式の仕事。シマアジもこの店のスペシャリテ。炙って余計な脂を落とし、香ばしさを加えたシマアジを薄く切って薬味も噛ませて3枚つける。北寄貝は色味からして軽く湯を通してから甘味に漬けてあると思うが、これまたこの店でしかお目に掛かった事のない酸味と甘味がバランスしている。

この辺りで、これまたこの店のクライマックス。光り物が脂の薄いものから濃いものへとグラデーションをつけて供される。キスは癖のない淡い旨味。コハダはやはり寿司の為に生まれたような魚。サバは甘い脂が乗る。最後はイワシ。脂の乗った分厚いイワシを〆ると脂と旨味がまるで蜜蝋のように固まる。削ぎ切りにして3枚つけて供するが、口中でイワシの身肉と脂が酢飯と一緒に崩れてゆく至福。これも他の店でお目にかかった事は無い。

ここから煮物。ハマグリは古式を残す風味の良い煮ツメで。このツメがまた独特で旨い。アナゴは爽煮風に白醤油で煮るがパサパサではなく身が厚くトロトロに脂が乗っている。鶴八系とはまた違った、しかしこの店にしかない美味さ。最後は小柱をすり入れて焼いた卵焼きを酢飯抜きで貰って一通り。

食欲旺盛な人ならここから更に気に入ったものを再注文するお代わりタイムに突入するのだが、私は酒も飲んでいるしこの程度で満腹。勘定をして貰い、大概一番先に店を出る習慣。親方と女将さんに礼を言って店を出る。他の何処にも無い、輿兵衛だけの寿司。オンリーワンの魅力を堪能。雨は振っていたが大通りに出るとラッキーにもすぐタクシーが捕まり、心地よく帰宅。映画もよかったし寿司もよかった素晴らしき日。



「新橋鶴八」訪問。
月曜は「新橋鶴八」に。夕方電話すると、女将さんが出た。女将さんが出る時は、なぜか混雑している時が多いのだが、しばし親方と確認の上、7時半までなら大丈夫ということに。当然、まったく大丈夫である。

仕事を終えて新橋駅前まで。「分店」は扉は空いているもののまだ暖簾が掛かっていない。店内にも誰もいない様子。おかしいねと思って本店に歩くと、後ろから声が。五十嵐親方が戻って来たのであった。昼間が忙しかったので夜の始まりは遅目にしたと。一番奥には座布団が。分店に電話しなくてよかった(笑)「この前のブログはなかなか面白く書けてたじゃないですか」との由。一丁前に心温まるブログ批評をするじゃないか(笑) どうもありがとう(笑)

本店に入店するとまだ客は居ない。「時間切っちゃってすみませんね」と親方。一番奥にでも、奥から三番目でも、どちらでもどうぞと親方。「一番奥は元々大常連O氏の指定席だから止めておくよ」というと「分店に座布団しいてあったでしょう」と。ちゃんとチェック入っているのであった。

このO氏永久欠番席は、まあ長居するには落ちつくが、電話やファクスの前だし、つけ台の一番端だから、握りや刺身が若干右に置かれることになる。そんな面では、実はあんまり良い席じゃないよのだよなあ。

冷酒を頼んで、お通しはハマグリの貝柱。白身は、星カレイとヒラメと両方ありますと。ヒラメは、もうそろそろかと試しに入れたんですけどねというので、星カレイのほうを所望。肉厚の立派な身。旨みは結構濃厚。親方によると、マコカレイとヒラメのちょうど真ん中のような味がすると。確かに。

石丸親方と大相撲九月場所の話をしていると、後から隣に座った紳士が、「うちの甥っ子が三段目の優勝決定戦に出たんですよ」と述べる。そういえば、優勝は炎鵬だったですねと聞いてみると、負けた方なんですと。それは残念。炎鵬も入門以来各段全勝優勝らしいから、相手が悪かったなあ。後で調べると三段目の優勝決定戦、炎鵬の相手は満津田であった。千秋楽に優勝決定戦を見たっけなあ。世の中は狭いですな。この紳士は「宇良は、前十字靭帯断裂の大怪我ですよ」等、さすがに相撲に詳しい。

塩蒸しはもう漁は終わったとの事だが、まだ立派な物。これからは三陸の蝦夷アワビになるとの事だが、鶴八流の煎り煮にするような仕事を施すと、それはそれで味があって旨いのだ。

店は段々と賑やかになってきた。アジもつまみで。漬け込みのハマグリも貰ってお酒終了。お茶を貰って握りに。中トロ2。コハダ2。アナゴ2。最後はカンピョウ巻で〆。滞在時間は1時間ちょっとだが、不思議とゆったり落ち着く。何時もの店、何時ものしっかりした江戸前仕事。満ち足りた良い気分でタクシー帰宅。


アメリカ人4人連れて「新橋鶴八分店」に。
木曜日は仕事の飲み会があったのだが一次会終了後に「P.M.9」にちょっとだけ立ち寄り、ジン・マティーニを一杯。前の日曜、大相撲千秋楽観戦中の国技館でバーテンダーM氏と出くわしてビックリしたが、なんでも日本バーテンダー協会の福利厚生で相撲チケットの斡旋があり、それに申し込んだのだと言う。結構色んな所で団体チケット押さえているんだなあ。千秋楽の相撲は大いに楽しんだということで、それは良かった。

私自身は表彰式の後、最後の神送りの儀まで観て席を立ったのだが、彼らはもう席を立った後。しかし国技館の外に出ると「最後に御挨拶だけしようと思って」と待っていてくれたのだった。客商売の鏡ですな(笑)一次会で結構飲んでいたので、一杯だけで退散。

そして翌日の金曜日。来日するアメリカ人4人を連れて「新橋鶴八分店」訪問の予定が入っている。一人は何度もこの店に連れて来た弁護士だが、今回はその奥さんと、友人夫妻との事。当日に成田到着して汐留のホテルにチェックインしてから合流するという慌ただしい日程。

普通のアメリカ人は、陽気だが出たとこ勝負のえー加減な楽天家も多く、結構、平気で時間に遅れたりする輩も多いけれども、流石に弁護士ともなると、日本人のちょっと気が効いた会社員程度のパンクチュアリティはある(笑)ま、大丈夫だろう。

とはいえ、夕方になっても連絡無し。取敢えず会社を出て、またまた「P.M.9」で軽めのカクテルを一杯やって時間調整。前週の「分店」送別会の事などバーテンダーM氏と雑談。あまり「分店」ばかり行っていると、大常連O氏派と思われて本店に予約が入らなくなったりすると困るよなあ(笑)

しばし飲んでいると携帯にショートメッセージの着信あり。既に東京駅に到着してタクシーでホテルに向かっている所だとのこと。予約の時間には間に合いそうだ。時間を見計らって「P.M.9」を出て待ち合わせ場所のSL広場に。ところがこの日はタイミング悪く古本市が開催されており、広場中に屋台が設置され、待ち合わせには都合の悪い状況。しかし予約時間5分前には携帯に着信があり、なんとか彼らを発見して「新橋鶴八分店」にはオンタイムで入店。

弁護士のほうは、この店への来店は確かもう4回目位だから慣れたもの。しかし、この店は、普通は英語しか話せない客の予約は断っているので予約入ったのは私のおかげである旨をひと威張りして恩を売っておいた(笑)奥さんのほうは初来店だが、「今まで主人がiPhoneで撮ったこの店の寿司の写真ばかり自慢されて嫉妬してたのよ」と笑う。どうぞ本物を本日味わってください。

江戸前鮨とは何か。どんな仕事を施しているかを随分と講釈。弁護士が連れてきた友人はイタリアンのシェフだそうで、冷酒で飲んだ日本酒の味の差がきちんと分かっており好みを述べるし、ブリやシマアジなどの白身の質も、アメリカで食する物とは比較にならないと的確に言い当てる。さすがにアメリカ人ながらプロだねと感心。

まずビールで乾杯。その後は日本酒を3種類飲み比べ。

つまみの最初は立派なアワビ塩蒸し。もう房総での漁は終わり、囲ってある在庫のみ手に入るとか。アナゴ一夜干しの塩焼き、シマアジ、ブリ、ハマグリ、松茸のお椀、鮪の照り焼きなどつまみで。

この辺りで握りに。私はアメリカ人ほど食わないので所々の種を外してもらった。最初はスミイカ。もうスカッとした歯切れの良さと身の甘味あり。中トロ、コハダ、アジ、平貝は海苔を渡して。

イクラは、もう新物とは呼べず8月から出ていたのだとか。そうか、すっかり寿司屋にご無沙汰で、季節感がちょっと遅れてきたかもしれないな(笑)英語でさんざんと寿司種や鶴八の江戸前仕事を解説し、冗談にも付き合ってあれこれ盛り上がった話をしていたので、握りで何が出たかはちゃんと覚えて無いなあ

ウニと鉄火巻は親方から聞かれたが、私自身はスキップ。しかしこの日は台風の後で海が荒れたとかでウニは一種盛り。アメリカ人の弁護士は目ざとく見つけて、「今日は二種類乗ってないのか」と聞いてくる。客引きの為の餌なんだから、無理しても何時でも二種類おかないとダメじゃないか(笑)

アナゴも貰って、これは鶴八伝来の仕事なんだと解説。酢飯についても、アメリカの普通のジャパレスの酢飯とはまったく違う事も解説。しかし、イタリアンのシェフは確かにこの酢飯のテクスチュアが、アメリカの日本食で出る寿司とまったく別物である事を把握していた。これまたプロだねと感心。

握りは一通り終わったが、何か追加あるかと彼らに確認すると、最後にブリ、アジをお代わり。アメリカではこんな質の物にお目にかかったことが無いというのだが、それは確かに事実。何時もは大体私が払っているのだが、今回の勘定は弁護士が持つというのでご馳走になる事に。

英語だけで会話して、結構賑やかにやっていたので他の客には大分迷惑かけたかもしれないが、一応終了。店前で記念撮影の際には、後からカウンタに座った一人客に、シャッタ切って戴くというご親切に預かる。いったい何やってるんでしょうな我々は(笑)

「分店」で解散するつもりだったが、酒飲みの弁護士が「P.M.9」に行こうと言って聞かない。しょうがないので電話して、席が空いているのを確認してからまた舞い戻って5人で入店。女性陣は流石に疲れが出て来たようであったが、何杯か飲んだ後、「ラーメン・プレイス」に行くという弁護士に後を任せてタクシー帰宅。疲れた。


「新橋鶴八分店」、常連送別会の夜
まだ大相撲九月場所が開催中だった先週。「新橋鶴八分店」の五十嵐親方から携帯にメッセージが。

なんでも店の常連さんが転勤するので送別に飲み会をやるので、参加しないかとのこと。14日目が終わった土曜日の7時に新橋集合との事だったので、大相撲をTV観戦してから十分参加できる。

ご当人とは店で直接話はした事が無かったのだが、何度も店で顔を合わせている。大相撲で言うと、井筒三兄弟を育てた元関脇鶴ヶ峰の先代井筒親方に似ている(笑) せっかくなので参加することにした。

新橋駅SL広場に来てバイト女性と合流。ほどなく本日の主役「井筒親方」がやってきた。「分店」のカウンタでは静かな印象だったが、陽気で快活な人柄。

「分店」はまだ最後の客が居て営業中との事だったので、先に新橋の「鳥繁」に。一階はいかにも新橋らしいカウンタの焼き鳥屋だが、別の入り口から入る二階があり、こちらはテーブル中心の綺麗な店構え。

最初は3人だけだったので、井筒親方とあれこれ雑談。某地方都市に転勤されるのだが、大相撲地方場所が開催される所で私も何度も行っている。

そもそも「新橋本店」に通っていた由であるが、五十嵐親方の独立で「分店」に顔を出すようになったところ、いつもトグロを巻いている大常連O氏に捕まって、一緒にカラオケなど行くようになり、すっかり「分店」中心の客となったらしい。そういえば本店でも「最近来ないな」と心配してましたよと伝えると、転勤前に顔だけは出しておかねばとの事であった。

この所「分店」にはあまり顔を出していない。「空いていると聞いて入店すると、だいたい大常連O氏がいるからなあ」と言うと、「客席が空いた日だからOさんが居るので、満席の時はOさんも入れないんですよ」とバイト女性が。だから入店できる時はいつも居るのか(笑)

最近の予約状況を聞くと、O氏以外は全員女性客という夜がこの前あったとの事。「本店」ではまずあり得ない光景だ。ほお。

最近、「分店」では、ホテルのコンシェルジェから予約の電話がかかって来る事も多いのだが、英語しかしゃべれない客はお断りしているとの事。しかし、断っても、「おまかせで出すだけで大丈夫ですから」と熱心に押してくる場合もあるとか。この前はいきなり英語の電話が直接掛かってきたのだが、「英語しゃべれない」と言って切ったとのこと。外国人アンフレンドリーな店だなあ(笑)

この点、「新橋鶴八本店」には、英語をしゃべれるバイト女性が居た。ここのバイトは代々受け継がれており、東大や医学部の女子学生もいるとか聞いた事があったっけ。

陽気な井筒親方も一緒にあれこれ雑談していると、ほどなく大常連O氏が登場。「分店」でよく会う大常連O氏の友人氏も登場。何度かO氏に連れて行かれた、新橋のタイムトンネルをくぐって行くが如き昭和の場末のスナックを仕切る年配のママも来る予定だったのだが体調不良で不参加になったとか。タイムトンネルを潜って、平成と昭和の時空を行き来し過ぎると、やはり身体に無理が相当かかるのかもしれぬ(笑)

その後、店の営業を終えた五十嵐親方ともう一人のバイト女性も参加して、賑やかな宴会に。インスタには見事に、ウニと鉄火巻ばかり掲載されているねと言うと、「あれは客を引き付ける餌なんです」との事であったが。撒き餌ばかり売れても困ると思うのだが(笑)。

焼酎のロック飲んで喋って結構酩酊した。井筒親方の転勤地でのご活躍を祈念して散会。向こうにはあまり江戸前寿司は無いかな。

井筒親方も、通っている寿司屋に送別会をしてもらうというのは、相当な「寿司馬鹿」の位に達したと言えるのでは。そういえば、私も2回目のアメリカ赴任の前は、「新ばし しみづ」に「笹田」で送別会をしてもらい、すっかりご馳走になってしまったが、今では良い思い出である。

気に入った店に碇を下し、腰を据えた常連客になった者だけが到達できる妙な境地とでも言うか(笑)。グルメ雑誌読んで、また新しい店ができた、次はこっちだ、今度はこっちだと渡り歩いている客には結局は到達できない境地でもあるのだった。また東京に来られた時には一緒に飲みたいものだ。






「新橋鶴八」訪問。
水曜日は、日中はバタバタしていたのだが夕方になって一段落。「分店」に今夜は空いているか携帯でメッセージ送ると「明日6時にお待ちしています」と。ははん、明日大常連O氏が来るんだな。じゃあ明日は行くのを止めよう(笑)

「新橋鶴八」本店のほうに電話。お弟子さんが出てしばらく調べていたが、「7時までなら大丈夫なんですが」と。滞在時間が短いのはむしろ望むところ。

会社帰りに入店してみると、カウンタにはもう結構な数のお客が。皆始めるのが早いねえ(笑)あと数席しか空いてないのに、7時からまた満席とは、大繁盛ですな。その後からも何名かやって来たが、「分店」の客。結構、間違えて入店してくるんだよねえ。「分店」は本日団体で満席のようだ。

菊正冷酒を所望。お通しは軽く湯通ししたスミイカのゲソ。まず白身を。本日はホシカレイ。立派な身で、舌にコツンと来る旨味がマコカレイよりも濃く強い。アワビ塩蒸しは実に立派なもの。煎り付けたような香ばしい香りが独特の仕事。弾力のある身肉に深い旨味あり。

石丸親方と夏休みの事など雑談。親方は車で九州方面に行って来たとか。大旅行ですな(笑)関東から九州というのは、そういえば直行のフェリーは無いんだっけか。

アジも実に肉厚。ふっくらいした身に脂が乗る。くどくない旨味。漬け込みのハマグリもつまみで。

この辺りでお茶を所望して握りに。握りはまず中トロを2貫。コハダも2。ネットリした旨味。アナゴもトロトロ。最後はカンピョウ巻で〆。

つまみを少々切って貰って酒を3杯。ホロ酔いで何時も同じ種を握ってもらい、立て込む前に小一時間で席を立つ。何時も安定した江戸前の伝来仕事。浮世の憂さを忘れて帰宅する。実に良い店である。


「新ばし しみづ」久々に訪問。
土曜日昼前、携帯に「新ばし しみづ」から着信あり。その時は気づかず、ちょっと経ってから、何事かと思って掛け直したが、ちょうど営業時間だったからか通じない。その後何度か行き違いあったものの、再び清水親方から電話があり「この所何度も満席でしたが、今日の夜は空いてますので如何ですか」とのこと。

特段夜の予定は入れてなかったので望む所である。5時半に予約して新橋まで。店の近くまで来たが、あれ、まだ暖簾出ていないなと立ち止まると横から声をかけられた。最多来店記録F氏が居たのであった。久しぶりの遭遇。

F氏は3連続だが、本日は予約しておらず、店から電話で呼び出しかかったとのこと。そうか、予約がキャンセルとかになったのかね。

ほどなく手伝いの若い衆が暖簾を掲げたので、一緒に入店。カウンタに並んで。

お酒は冷たいのを所望。お通しは枝豆。奥にいる手伝いの若い衆は知ってますかとF氏が問うので、いや、ちゃんと覚えがありますよと。相撲の錦木が痩せたような優しい顔。黒縁メガネがまた似ている。本人はあまり嬉しそうではなかったが(笑)

そのうち錦木はメガネ掛けたまま花道を幕内土俵入りに出てきますよとF氏と雑談していると、メガネかけて土俵に上がったら規則違反かどうかの話に。すると清水親方が「審判はメガネかけて土俵に上がってるじゃないですか」と主張。まあ確かに元寺尾や元高見盛などメガネかけてるよなあ。しかし力士がメガネかけて土俵に上がったら、白鵬の張り手でメガネは吹っ飛んで壊れるだろう(笑)いったい何の話してるんだ(笑)

いつも通りつまみがおまかせで出て来る。お酒の徳利は今まであまり見たことのない黒い球形。親方は、「これは小さいので3本飲めますよ」と酒量まで既に把握されているのであった。まずカレイ。品のよい脂。タコは歯応え良し。カツオはネットリした脂。辛子醤油で。塩蒸しのアワビは立派な身を分厚くゴロンと。肝も添えて。

最多来店記録保持者F氏が、自分に出された徳利を見て、これも随分数が減ったよねと。陶器はやはり割れますからねと雑談していると、清水親方が「『割れた』というのは、見ているうちに勝手にパカっと割れるのを言うのであって、普通はありえないんですよ。全部『割った』んですよ」と解説。

弟子はいつも「割れました」と言うのだが「お前が割ったんだろ」と諭している由。しばらく「割れ」談義したが「新橋鶴八」の石丸親方は修行時代から器を殆ど割った事が無いのだという。まあ確かに一見強面だが、仕事を見ていると実に細心な所があるものなあ。女将さんが「清水は人にうるさく言うんですが、自分も随分割るんですよ」と話にオチをつけた。

漬け込みのシャコ、小柱、漬け込みのハマグリ、ウニなどもつまみで。握りはいつも通り。シットリとした中トロ、コハダ、アナゴを2貫ずつ貰って最後はカンピョウ巻を半分。一頃よりも酢飯の酢は穏やかになった気がするがそれでもまだ独自の個性あり。コハダはまだ新子で3枚づけだがしっかりと〆てある。

満ち足りた気分で勘定を済ませて「P.M.9」に移動してマティーニを一杯。バーテンダー氏とあれこれ雑談しているうちに、F氏も後から合流。「しみづ」への年間最多来店を樹立した時の正式記録を聞くと、1年に248回だという。「2X4=8」と覚えてるんですとのこと。最近はめっきり訪問回数が減ったとの事だが、この偉大な記録は将来も誰も破る事はできないだろう(笑)

また、F氏の凄いところは一度も常連ヅラをして威張らないこと。F氏の1/10も来てないような連中が、あれだこれだと偉そうにして居ても、静かに座ってたまに感想を親方に告げる程度。寿司屋というのは奥深い怖い世界でもあるなあ(笑)

私が「しみづ」に一番通った時で、年間50回位だったかな。「與兵衛」「新橋鶴八」「つかさ」なども訪問して居たから、それで精一杯。それもまた今は昔の物語で、最近はすっかり回数が減ってしまった。まあ当日では予約がいつも満席で取れないというのが大きいのだが。F氏は来店通算記録もつけて居て、昨日は「しみづ」訪問1400何十回目とか話して居たが、通算記録の方は失念。この記録もまた、白鵬の最多勝利同様、おそらく誰も破れないだろうなあ。

結構酩酊したので、まだ呑む様子のF氏に失礼して先に退店。タクシー帰宅。結構酔っ払った。





「新橋鶴八」訪問。
火曜日の夕方、「新橋鶴八」に電話。お弟子さんが出てしばらく調べていたので混んでいるなと思ったのだが、7時15分までならというのだがそれで大丈夫。分店行くと大常連O氏が必ずいて、同じペースでダラダラやられるから困るのだが、ポンポン出してくれれば1時間で飲んでつまんで握ってもらって、ストレス無く全て終わるのが私の流儀。寿司屋で長居したりその後でカラオケ行くよりも、早く帰って自分の時間持つほうがずっと良い。

会社を出て店に直行。カウンタには既に一組。ほどなく別に二組到着、奥の座敷も客が入る。盛況ですな。

お通しは新イカのゲソ。1.5センチ角程度でとても小さい。身もまだペラペラですとのこと。スミイカ本来の旨味はまだ出ていないが、癖のない仄かな甘味が口中で溶ける。季節モノだ。

白身はホシカレイ。マコカレイよりも最初にコツンと来る旨味が濃い。ヒラメに似ていると親方。確かに脂があるのだが、夏場の白身で、ヒラメよりもちょっと乾いたような脂の風味。

塩蒸しも立派なもので旨味が凝縮。アジでもつまみに頼むかと思ったら、石丸親方は「今日はサバが旨いですよ」と。回遊するサバは冬が旬だが、例えば松輪辺りの根付きのサバは夏でも旨いのだと昔この店で聞いたっけ。確かに肉厚で冬よりも脂が乗っている気がするほど。伝来の〆の技術でネットリした旨味あり。ハマグリもつまみで貰う。

余裕持って店を出るつもりなので、この辺りでスパートしてお酒を切り上げ握りに。

普段、スミイカを頼んだりしないが、季節物でもあり、最初にスミイカの新子を一貫だけ。「まだペラペラですよ」と石丸親方は笑うのだが、まあ初物ですから。2匹分つけて1貫だから相当小さい。スミイカ特有のスカッとした歯触りは無いが、淡い甘味が口中で溶けるよう。まさに走りの一貫。

後はいつも通り2貫ずつ。まず中トロ。コハダは3枚づけの新子と片身づけの大きいのを1貫ずつ。これまたネットリした鶴八伝来の仕事。アナゴは実にトロトロ。ツメも素晴らしい。最後はカンピョウ巻で〆。

夏休みは8月の11日から17日まで。18日、19日は市場も空いているので営業すると言ってたかな。江戸前伝来の技と季節の種を堪能し、いい気分でタクシー帰宅。

銀座「新富寿司」訪問
日曜日は、ひょっとして空いているかと「新ばし しみづ」に電話するも満席とのこと。以前は週末など当日でも入れた場合もあったが、最近は当日電話してもまず無理だ。手が足りないので回転を押さえているのも影響しているのか。

日曜もやっており、予約しなくても絶対に入れる店ということで、夜は「銀座新富寿司」で一杯。

カウンタに先客は一人だけだが既にお好みで握りの注文を入れているのでそんなに長居はしないだろう。八海山の冷酒を飲みつつ、つまみから。

お通しはもずく。酢が効いて爽やか。

鯛は皮目に旨味あり。シマアジは背のほうの身。煮アワビもつまみで。ここのは鶴八流の塩蒸しではなく、煮貝のような独特の濃い味付け。全体に古式を残す濃い味付けが多い。タコ、ミル貝も切って貰う。

前のお客は早々に帰り、カウンタは私一人。相手してくれるのは、小僧の頃から顔を知っている若手の職人。お茶を頼んで握ってもらいながら、あれこれ雑談。

そんなに腹も減ってないので、握りは1貫ずつ。まずヒラメ昆布締め。コハダの新子。今年の走りはキロ10万円以上したというが、この店で仕入れるのは3万円くらいになったら。最初は小さいのを使って7枚や8枚づけもするが、本日のは大きめで1匹丸づけだという。東京のコハダ新子は、元々東京のお盆、7月が過ぎてから出るというのが普通でしたからちょうど今頃の時期ですねとのこと。手間がかかり採算は勿論赤字だそうである。

酢〆のアジ、イワシも貰う。最近、アジを酢につける仕事をする所は少ないが、昔の仕事。築地の「鮨つかさ」の酢〆のアジのアジは旨かったがなあ。スミイカは新イカかどうか聞くと、まだ入れてないと。昔爺さまの職人が居た頃は、一匹500円玉くらいの新イカが置いてあったが、「コハダの新子に比べれば、まだそんなに流行ってないんじゃないすか」との事であった。

ハマグリ、穴子など貰って〆。最初に訪問したのはもう15年くらい前だが、昔からの話を職人として面白かった。つまみは結構貰ったが、中トロ頼まなかったからか、意外に勘定安いね(笑)


「新橋鶴八」訪問。
金曜の夜は「新橋鶴八」。夕方に電話すると女将さんが出て「7時半までですと大丈夫なんですが」と。ダラダラ居ないのでまったく大丈夫。退社後すぐに入店。まだカウンタはガラガラ。

「時間切っちゃってすいませんね」と親方は気を使うのだが、問題無し。金曜はちょっと遅い時間から予約が立て込むので、早い時間なら大丈夫なんですよとのこと。

お酒は菊正の冷酒を貰い、お通しは蛤の貝柱ヅケ。これは粒は小さいが旨味が深くて好きだなあ。

まずカレイ。プリプリの活かった身。煮切りではなくスッキリした醤油で食するとこれがまた旨い。塩蒸しも房総産、大きなアワビ。煎り付けたような香ばしい香りと歯応え、旨味も素晴らしい。握りでは食べた事がないのだが、つまみで貰うと酒が進む。

「相撲は名古屋ですから、行ってませんよね?」と石丸親方が問うので、「先週遠征してきたんです」と相撲談義。「新橋鶴八最後の弟子」君が、「じゃあ宇良が日馬富士に勝った時ですよね」と。その後、親方入れてひとしきり宇良の相撲談義。先場所が技能賞だったよなあ。8勝の嘉風にやるんだったら。

軽く酢を潜らせたアジは、身はふっくらとして旨味と脂が乗っている。「そういえば分店ではイワシを出していた」というと、金目やイワシを出してるらしいですねとちゃんと情報が入っている。若いお客さんも多いからだろうけれども、イワシはちょっと下品な脂で、アジにはかなわないと思いますよと。金目も底魚なんで脂がくどいから、火を通すなら良いけれど寿司にはどうかなあとの意見であった。確かにそうかもしれぬ。

漬け込みのハマグリもつまみで。肝臓に染み渡るなあ(笑) 

この辺りで握りに。まず中トロ。米の旨味を残してふっくら仕上げたこの店の酢飯とよく合う。「新子がありますよ」と親方が言うので、コハダはひとつ新子で。3枚付くらい。薄いけれども、ここの普段のコハダ通りネットリした旨味を感じるねというと「腕ですよ(笑)」と石丸親方。江戸前伝来の仕事を残すこの良き店で、親方から軽口をきいて貰えるくらいの客になれた事に、なんだか静かな感謝と達成感を感じる。

アナゴもトロトロ。時期もちょうど盛りだ。仕事も素晴らしい。鶴八系のアナゴを食すると他の店のアナゴが食えなくなる。最後はカンピョウ巻きで〆。しみじみした満足感と共にタクシー帰宅。



「新橋鶴八分店」訪問。
先週の木曜は「新橋鶴八分店」に。

空いているか当日にSMSでメッセージ入れると「8時までなら大丈夫ですと」。こちらは長居する気は元々無いのだから、出すものさえちゃんと早く出してくれればまったく問題ない(笑)

入店すると、大常連O氏がトグロを巻いている。しかし席は一番奥ではなく、手前から2番目。常連ヒエラルキーに変動があったのでは。店はテーブルにも客が入っておりほぼ満席。O氏隣の1番手前に案内される。やれやれ。最近は週に1回か2回しか来ないというが、なんで毎回会うかね。

五十嵐親方もいつもは無駄話しながらノロノロと出すのだが、さすがにこれだけ混んでいると真剣に仕事している(笑)。

お酒は加賀鳶を冷酒で。お通しは白イカに軽く火を通して醤油和えに。結構歯応えあるんだね。

食したものは、つまみでホシカレイ、塩蒸し、煮タコ、ミル貝、カツオにスマカツオ。カツオとスマカツオは産地も魚種も違うのだというが、あんまり違いが分からないな。

握りは中トロ、コハダ、イワシ、アナゴ、ハマグリを1貫ずつ。イワシを置いてあるのは珍しかったが、ネットリした脂が乗っており、なかなか旨かった。

大常連O氏は反対隣に連れが来たのでもっぱらそちらと雑談。あまり相手しないで済むから助かる(笑)。と言う訳で、早々と切り上げて、大相撲名古屋場所の録画を見るためにタクシー帰宅。


「新橋鶴八」の江戸前仕事
アカウントは作ってないので、普段インスタグラムにはアクセスしないのだが、そういえば「新橋鶴八分店」はアカウント持って写真アップしていたなと店名で検索してみると、店よりもむしろ訪問客の方が、山盛りのウニ軍艦と鉄火巻の写真ばかり、やたらにアップしているのに驚く。皆、そんなにウニと鉄火が好きなのかねえ(笑)

私自身は、「新橋鶴八」本店で、鉄火巻は一度だけ試しに食した事があるかな。「半分にしますか?」と石丸親方が尋ねるので、普通の1/2量にしてもらった。てんこ盛りのウニは多分「新橋鶴八」では今まで一度も頼んだ事がない。

「分店」ではどうかというと、自分からは頼んでないはず。ひょっとして勝手に出て来た事があるかなあ。いや、多分鉄火巻もウニも出て来た事は無いように思うけれども。どちらも食べづらい気がするし(笑)

そういえば、昔読んだ「鮨を極める (The New Fifties)」で、ウニやマグロについて「新橋鶴八」の石丸親方が語っていたなと本棚から引っ張り出してきた。

過去日記に書いたが、「新橋鶴八」で購入して石丸親方にサインしてもらった貴重本(笑)著者の早瀬圭一氏は、店でもお見かけした事があるが、年季の入った寿司食いで、神保町の「鶴八」先代、師岡親方の頃から「鶴八」に通っており、「新橋鶴八30周年パーティー」でも主賓挨拶に立っていた。

そして、この本にある石丸親方の話はこうだ。
ウニなんか箱ごと買って来て、軍艦巻きにしたご飯の上に乗っけるだけです。ですから出来るだけ沢山、山盛りに乗せます。鮨屋の手間は何もかかっていません。だからウニで儲けるなんて出来ません。

鮪もそうです。鮪を自慢する鮨屋になりたくありません。いい鮪を自分の懐具合を考えて選ぶのは当たり前です。そのかわり、穴子、小肌、蛤など手を加えたものからはちゃんと利益を頂きます。


「新ばし しみづ」は、マグロの質については若干方向転換しているようだし、太巻きの鉄火も、おそらくもう殆ど出していないはず。ウニの軍艦もごく普通の量。しかし、「分店」は、本店の基本をまだ忠実に守っていると思う。それとも、最近は大分乖離が出て来たかな。

「新橋鶴八」は、毎日築地に通って魚を仕入れ、毎日その都度仕込む。仕事を施した物だけが江戸前の真髄だという矜持が現れている親方のコメント。これを読むと、あんまりウニや鉄火巻を珍重する気にならない。「新橋鶴八」で食するべきは、サバ、コハダ、ハマグリ、アワビ塩蒸し、タコ、アナゴ、カンピョウ巻などの締めたり煮焚きした種だ。ウニや鮪を誉められても石丸親方はあんまり喜ばないはず。

それでは、仕事をした小肌や穴子が高いかというと、そんなことは無い。トロやウニなど、仕入原価が高い種よりも、むしろ仕事した種のほうがリーズナブルに食せるということが、ある意味凄い鮨屋である。「分店」も、名前を貰っているからには、全て本店譲りの仕事でやっていると思うのだが。



「新橋鶴八」訪問。
木曜の夜は「新橋鶴八」。夕方に電話するとお弟子さんが出て「大丈夫です。ご用意できます」と。

入店するとまだカウンタは空いている。最近、カウンタ一番奥は空いており、奥から二番目に通される事が多い。いつもトグロを巻いていた主が居なくなったからなあ(笑) 居なくなってみると、あの一番奥の席前は電話があり、店からもつけ台に出し辛いし、落ち着くけれどもあんまり良い場所じゃなかった(笑) もちろん、二人連れなら一番奥から詰めて、間に置けばよい訳であるが。

菊正の冷酒を貰い、お通しは蛤の柱ヅケ。いつもながらしみじみ旨い。親方の手が空いていると、お通しをつまみ冷酒を一口飲んでいる間に、白身が切られてくる。夏場の白身はカレイ。分厚い身を豪快に切り、夏場らしい爽やかな脂と旨味。

まだ立て込む前なので、親方や女将さんと雑談。九州の豪雨は局地的だったからか、熊本からは築地に魚が入っていた由。豊洲移転については「決まっちゃいましたからね」と。ただ大きな物量扱う卸しは別として、鮨屋や小体な店相手の仲卸は築地に戻って来て貰いたいと皆思ってますよと石丸親方。まあでも戻ってくるまで店やってるか分からないけど、と笑う。

夏休みはどうするんですかと聞かれてお盆休みの話。「新橋鶴八」は、11日から17日までお休みで、確か18日は営業だったかな。9月にもお休みを取るとの事。日程の話になると、親方が指示せずとも電話前で注文を書き留める役のバイトの女性が手を伸ばし、さっと柱のカレンダーをめくって見せてくれるのは実に気が利いていると感心。まあ石丸親方の教育も効いているのだろう(笑)。

次のつまみは塩蒸し。房総産、分厚い身で滋味深く香り良し。アジは軽く酢を潜らせる。身が厚くて旨味がありますよと。漬け込みのハマグリもつまみで。これも定番だが実に美味し。

白身を切りながら「なんで最近は熟成、熟成と云うんですかね。そんなの旨いかなあ」と石丸親方。白身などは身肉の蛋白質が分解して旨味の元のイノシン酸を生成するのだと聞いたことがある。ただこの店で、活かった分厚い身を、甘ったるい煮切りではなくスッキリした醤油で食する刺身の旨さ感じると、確かに熟成にあまり拘る必要もないよなと思うのだった。ただ、海で釣った直後のヒラメを刺身で食して旨い訳はない。おそらく生産者から卸を経る流通の中で、どれくらいの時間で口に入っているかも影響あるのだろう。ここの店の白身はいつもしっかりした旨味があって感心する。

ゆっくりやって頂いていいんですよ、と言われたが、まあ何時ものペース。適当な所でお茶を頼んで握りに。まず中トロ2。小肌はまだ片身づけの分厚いもの。この店の仕事独特、ネットリとした旨味あり。新子を使うのは8月になって2枚づけくらいになってからかな、とのこと。例年だいたいそうだ。確かに、ここの店の締め仕事には金魚みたいな新子は合わない。

アナゴもトロトロ、煮詰めとの相性も素晴らしい。最後はこれまたここの定番、カンピョウ巻を貰って〆。何度来てもまったく飽きない江戸前の仕事だ。



「新ばし しみづ」訪問。
火曜日は会社帰りに「新ばし しみづ」に。実に久しぶり。何度か電話したのだが、やはり当日では席が取れない。現在は手が足りないので昼の営業も土日と河岸が休みの水曜だけなのかな。

6時ちょっと前であったが既に先客二組。久々にカウンタに座って、まずお酒を注文。お通しはシラスおろし。お酒はいつもは常温だがそろそろ暑くなってきたので冷酒を。常温と燗酒は「白鷹」だが、冷酒の銘柄は伏見の「まつもと」。爽やかな飲み口。

本店、分店も行ってますかと清水親方に問われたが、分店は当日では予約が入らない時も多いし、行くと大常連O氏が何時もトグロ巻いているからねえ。清水親方は、「Oさんの顛末聞きましたか?」と笑う。直後から分店で聞きました(笑)

特に注文せずともいつも通りつまみから出て来る。

最初はマコカレイ。軽い夏の脂。ネットリしたアオリイカは細切りにして。大きなタコは歯応えがあるが、香り高く旨味が身肉から沁み出てくる。カツオは辛子醤油で。だんだんと旨味が濃くなってきた。塩蒸しは海の滋味に溢れ旨味十分。

シャコは卵ありと無しと。アジは軽く〆てあると思うが、分厚くネットリした旨味。イサキも刺身で。ここでイサキが出るのは珍しい。初夏の魚。皮目に旨味が凝縮している。シマアジも一切れ。プリンとした天然の身。

貝類は、舞鶴のトリ貝、赤貝ヒモ、ハマグリ。今年のトリ貝は出始めから不漁と聞いたが、さすがに舞鶴のものは比較的安定している。貝類は餌をやらないから養殖とは言わないかもしれないが、海の底を入れ変えたり種貝を撒いたりして管理している産地。

ウ二は、青森と九州を食べ比べ。九州の赤ウニは脂に頼らない旨味が濃い。この辺りでお茶を貰って握りに。 すっかりお酒が弱くなりました(笑)

握りは何時も通り。マグロはシットリした肉質。きめ細かい脂が入った部位。コハダは天草だと云うが、片身づけ分厚い身肉。脂も乗ってネットリした旨味。新子だとここの店のドッシリした酢飯に吹き飛ばされてしまうだろう。やはり分厚く脂の乗ったコハダでないと。アナゴは塩とツメで1貫ずつ。カンピョウを半分貰っておしまい。

久々の訪問だが、江戸前の粋としっかりした仕事が確立した、何時も変わらぬ充実ぶり。素晴らしかった。仕事の会食や会社の付き合いをもっと減らして、また通わなくては。ただちょっと早目に予約しないと席が確保できないんだよねえ。先週電話した際も、火曜日ならまだガラガラですよと言っていたが今日入店してみると、6時には満席だ。

女将さんの見送りを受けて「P.M.9」に。今日は空いている。バーテンダーM氏とあれこれ雑談しながらまずドライ・マティーニをゆるゆると一杯。ビロードのような酔いが回ってくる。

かつての「しみづ最多来店記録保持者」F氏は最近めっきり回数が減ったのだが、2週間ほど前に5日連続で来店したとか。全盛期を思わせる復活ぶり(笑)まあしかし、続かないんだよねえ。

店の常連にも移り変わりあり、ぷっつりと来なくなったお客さんもいるとか。考えてみれば私も、昔は移転前の「さわ田」や「あら輝」はしばらく足繁く通っていたが、随分前に予約取らなければいけないのが面倒になって、途中から通わなくなってしまったっけ。河岸変えただけならよいけれども、体調が悪くなって来なくなったとかだと心配だよね。

その後、日本のシングルモルトとアイラ島のシングルモルトを1杯ずつ。隣の客は「しみづ」の入店待ち。ほどなく女将さんが「空きました」と呼びに来た。彼らが出たタイミングで私も帰宅することに。烏森神社は夏の例祭。茅の輪を潜ってお参りをしてから帰宅。

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実に久々、西大島「輿兵衛」訪問
月曜の夜は仕事帰りに西大島まで出て「與兵衛」訪問。

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先週電話したら、週末は一杯との事で、平日に訪問。会社帰りにここまで来るのも実に久しぶりだが、そもそもこの店訪問が今年に入って初めて。なんだかんだで随分と空いてしまった。

実に久しぶりなので手土産持参。入店するとまだ誰もお客は居ない。女将さんに渡して「あと半年しかないですが、本年もどうぞよろしく」と挨拶。今頃そんな挨拶するとは(笑)。女将さんは下町気質の気持ちの良い人なので、そんなのいいのに~。最初の大吟醸はおごるわねと(笑)。

本日のお客は私以外にもうひと組だけのようだが、まだ来店しないので、親方、女将さんとあれこれ雑談。親方は手術をして、5月には一ヶ月ほど店を休んだのだという。それは大変でした。また来月あたりもう一度入院するというが、腹腔鏡の手術なので身体への負担はそれほど無いとのこと。

寿司屋は新規を開拓しましたかと聞かれたが、もう寿司屋の新規開拓はしていないなあ。馴染みを回るだけでも追いつかない(笑)。親方も河岸でよく会ったという築地「鮨つかさ」の話になって、「本当に店を畳んじゃったんですか?」と。河岸でも皆深い事情は知らない由。店のあった場所は改装されて別の店舗になっている。実に良い寿司屋だったが。その他にもあれこれと雑談して面白かった。

お酒はまず「本日の大吟醸」。奈良の酒。「みむろ杉」と言ったっけ。すっきり爽やかな飲み口。お酒のお替りは、ふっくらして甘い十四代本丸。

お通しの一皿は、海老頭、ゲソ、イカヅケ、ホタテ煮浸し、マグロヅケ。お酒が進む。

そろそろ握りに移行する時にお酒をお替りして九平次。こちらは爽やかな酸味を感じる酒。

握りは、まず赤身ヅケ。固めに炊きあげられた酢飯はフックラして、口中でほぐれるが種と噛みしめることで旨味が酢飯と混然一体となって口中で溶け崩れる。久しぶりだからか酢飯がやたらに旨く感じる。

そうこうするうちにもうひと組のお客さん到来。親方の冗談があれこれ冴えわたる(笑)

白イカは軽くヅケにしてある。マコカレイは、甘酢ヅケと胡麻醤油のヅケ。同じ身肉だが仕事が違うと食感と後味が違うのだった。

細巻海老は甘酢に潜らせ、オボロと共に。シマアジもここのスペシャリテ。ヅケにした身の皮目を香ばしく焼き霜にして薄く切りつけた3枚を合わせて握る。これもまた素晴らしい。北寄貝はここでしか食したことのない旨味とフレッシュな甘味。

ここから光り物に。キスは上品な身肉がホロホロと崩れる。締めたアジは脂がネットリと乗る。最後のイワシは更にこのネットリ具合がアップ。魚を塩と酢で締めて旨味を引き出す仕事にはいつも感心する。

ハマグリは深いコクを感じる古式を残すツメと共に。爽煮風に白く煮上げた肉厚でフックラしたアナゴも温かく保ったまま供される。ツメともよく合って旨い。最後は玉子焼きをつまみで貰って〆。

勘定を済ませると女将さんがいつも正月に配っているお年賀の手拭をくれる。6月に貰うとは、やはり間を空けずにもっと来ないとなあ。しかし、與兵衛にしかない唯一無二の寿司を堪能した夜。



「新橋鶴八」訪問。
先週水曜日は、「新橋鶴八」。夕方に電話すると親方が出て、「大丈夫ですよ」と。

入店するとカウンタにはもう何名かお客が。本日はそのうち満席になるのだとか。当日電話でも入れてよかった。お通しはホタルイカ。お酒は菊正の冷酒を。

まず最初の白身は頼まずとも切られて出てくる。本日の白身はカレイ。立派な身。初夏らしいあっさりした脂。塩蒸しは房総の立派なもの。

他のお客さんの注文も一段落したので、親方と相撲の話など。高安も12勝したらよかったのにと親方。まあ確かにもう一勝くらいしてもよかったよなあ。宇良も11勝したのに、なんで三賞受賞ではなかったのかとも議論。要はストイックになる必要なく、相撲人気隆盛の為の賞なので、ケチケチせず、審判部が主導してもっと積極的に活用すべきと思うが。

アジもつまみで。ハマグリも貰った。「新橋鶴八最後の弟子」は、また大分腹回りが大きくなったような。「人間が一回り大きくなりました」と自画自賛。

隣の男性二人客のうちの一人は蘊蓄が多く、この店にも結構来ているような話をしていたのだが、途中で中座。残ったもう一人はこの店が初めてらしく「何かお勧めは?」と親方に聞いて「種札に載ってるものは全部お勧めです」と返されている。面食らったらしい客を気の毒に思ったか、近くに座った常連らしい一人客の女性が「種札に下がってるもので食べたいものを、好きに何でも頼めばそれで良いんですよ」と助け船。しかし親方の「全部お勧めです」を聞いたのは久々だな(笑) 

この辺りでお茶を貰って握りに。まず中トロ。コハダは丸付け。まだ身が厚くて美味いでしょうと親方。相変わらずネットリした旨みあり。「コハダは分店と違う」とまだお客さんが言うんですよ、と。アナゴもトロトロ。最後はカンピョウ巻。米の旨みを感じる酢飯の具合もいつも通り素晴らしい。

まだ次のお客が来ないので、お茶を飲みながら石丸親方と、お互いに名前は出さないが大常連O氏の話に。「来ると5時間も居る人が来なくなって、早く帰れて良いですよ」と親方が笑う。分店で心配してO氏に寂しくないか聞いたら「寂しかなんかねえよ」と強がっていた話をすると、ガハハと笑って親方は何故かご機嫌である。

「別にこっちが拒絶してる訳ではないんですがねえ」と、とぼけて涼しい顔。でもやはり、主の如く振舞って他の客にも話しかけるので、合う人は良いが席を離してくれと言う人もいましたからねと。「分店も相手するのは大変だろうなあ」と他人事のように心配するのであったw

帰りに分店覗くとO氏は居ない。前日に来たとのこと。五十嵐親方は「本店に予約無い客がフラッと来ませんでしたか?」と尋ねる。なんでも連絡なしのキャンセルが出たらしい。しかし本店は予約した客でもう満席と言ってたし、予約無い客も入って来なかったな。

店が有名になってくると、「誰某の紹介です」と予約だけしてドタキャンする客も増える。「しみづ」はそんな客に頭にきて、当日予約のみに変えた時もあったっけ。客商売の難しさである。


「新橋鶴八」訪問。
火曜日の夜は、「新橋鶴八」。夕方電話したのだが、席は準備できますとのこと。

入店するとカウンタには先客が一人いるだけで空いている。その先客も始まるのが早かったとみえてもうお吸い物が出て、お茶を飲んで、締めの鉄火巻をハーフで頼むところ。

お通しはホタルイカ。もうシーズンは終わったかと思っていたが、まだ濃厚な旨味あり。まったく口に触るものがないのはくちばしやら骨を事前に掃除して取っているからだが、前に「分店」で聞くと結構下処理が面倒臭いとのことであったが。

石丸親方が、「あっちに座布団引いてあったでしょ」と「分店」のほうを指差して笑う。そういえば入り口の席に引いてあったな(笑)大常連O氏は本日も「分店」なのか。

GW中のはお店は5連休ほどお休みで、親方は新潟の温泉に行ったとの事。よいですなあ。「相撲は行ったんですか」と石丸親方に聞かれたので、初日の相撲の話などあれこれ雑談。「高安ってのは、熊のぬいぐるみに似てるよねえ」と。確かに似ている

冷酒を貰ってまずはつまみから。最初はカレイ。初夏にぴったりの軽めの脂。旨味あり。

後から入って来たカップルは、「初めて来るんですが、ここはおまかせとかあるんですか?」と質問。昔ならば「札の下がってるものからおっしゃってください」だけだったが、最近は、「品数をおっしゃってもらえば、こちらでお選びして出すこともできますよ」と円熟の対応である。一見客でもストレスはなかろう。

つまみで塩蒸しも。房総の立派なものだが、まだ本格解禁ではないとのこと。「カツオが旨いですよ」と親方が囁くのでカツオを注文。普通、この店でお勧めなんて言わないが、何故かカツオだけは親方が「今日はいいですよ」と呟くんだなあ(笑)

生姜醤油で。実に分厚い立派な身。まだくどい脂ではなく爽やかな香りと旨味。最近は随分と早くから出るが、歌舞伎の「髪結新三」に出て来る江戸のカツオというのは、やはり青葉のこの時期だ。

注文しようとすると、とり貝は今年は小さくてあまり良くない由。ミル貝をつまみで。こちらは実に立派な身で甘味あり。

この辺りでつまみ終了。お茶を貰って握りに。まず中トロ2。コハダは何時もながらネットリした旨味。米の旨味を残す酢飯と一体となって、他に比類がない。アナゴも何時もながら素晴らしい仕事。最後はカンピョウ巻。

勘定して店を出ると「分店」には大常連O氏がトグロを巻いている。寂しかろうとちょっとだけご機嫌伺いに顔を出すと「今日は稀勢の里危なかったな」と。帰宅して録画見るまで情報遮断してたのに、ロクでもない情報を伝えるなあ(笑)ということで二言三言交わして店を出て、タクシー帰宅。

「新橋鶴八」訪問。
今週は酒が続いていたので、金曜日は休肝日にして帰ろうかと午後からは思っていたのだが、夕方になると何時もながらちょっと心が揺らぐ(笑)一軒だけ寿司屋に電話して、満席だったら潔く真っ直ぐ帰ろうということに。まあ金曜だしどこも一杯じゃないかな。

ということで「新橋鶴橋」に電話。「最後の弟子」君が出て「少々お待ち下さい」というので、やはり満席かと思ったら「大丈夫です」と言う。やっぱり一杯やる事に。まあ、人生そういうものだなあw

時間は切られてなかったが、遅い時間から立て込むような印象だったので早目に退社して入店。扉を開けると本日最初の客。

最初に冷酒を頼んで、親方や女将さんとあれこれ雑談しつつ、電話した顛末を話すと石丸親方は「でも何時も通り日本酒は三杯飲むでしょ」と笑う。まあ結局飲んでしまうけどね。相撲の話やら、海外進出した寿司屋の話などあれこれ雑談しながら。

お通しは、細切りのコハダを叩いた大葉と合わせて胡麻を振った小鉢。握りのコハダとはまた違い、酒が進む酒肴。最初のヒラメだけは注文しなくとも切られてくる。春になったとはいえ肉厚の身にはまだ脂が乗る。今年は春の気温が低かったからかな。石丸親方によると、今年は逆に貝類があまり良くならないと言う。

塩蒸しもつまみで。房総産は5月以降か。のんびりとやっていると一人客が二組ほど。まだまだ早い時間の店は余裕あり。

トリ貝もつまみで。「ちょっとまだ身が薄いんですよね」と親方。確かに全盛になるともっとフカフカの肉厚になるが、まるで柑橘のフルーツを思わせる甘酸っぱい風味はちゃんとトリ貝。シーズンまでもうちょっとかな。

つまみでアジを追加。これは肉厚で脂も大分乗ってきた。

この辺りでお茶に切り替えて握りに移行。まず中トロ。脂の乗った部位。コハダは何時もながらネットリとした旨みが乗る肉厚のものだが、そろそろシーズンは終盤に近づいてきた。アナゴも悪い時期だとは言うが、トロトロに煮て軽く炙って脂を戻すと相変わらず美味い。ツメが濃厚なのもあるだろうか。お椀はアジのつみれ汁。これはこれで実に旨い。最後はカンピョウ巻。今日は静かだったし、のんびりと安定の江戸前仕事を堪能した。

さて帰るかと「新橋鶴八分店」の前を通りすがると、店からバイトの女性が飛び出して来て「Oさん来てますよ! どうぞどうぞ」と引っ張られる。別に大常連O氏が来ていても寄る義理は無いんだけど、見つかってしまっては仕方ないかなと店内に(笑)いつも通り一番奥の席に、大常連O氏がトグロを巻いている。

「寂しいでしょう」と冷やかし交じりに励ますと「別に寂しかないよ」と強がりを言うのが面白い。バイト女性によると「でも最初は沈み込んで、何を聞いても心ここにあらずでしたよ」と。まあ、「分店」に来れば優しく迎えてくれるんだから、居場所があってよしとしなければ(笑)

O氏は、「あんたが面白可笑しく色々ネットに書いたろ」と言うんだけど、いやいや何にもブログには書いていない。むしろ五十嵐親方が面白がって常連にあれこれ語ったんじゃないかなあ(笑)

O氏と話していると五十嵐親方が、「本店で親方に、Oさんの事を聞いてみました?」とまた面白半分でちょっかいを出す。こっちだって気を使って話さないようにしてるんだよ。巻き添え喰っても困るし(笑) まあしかしO氏も元気そうなので一安心。ちょっとだけ立ち話して失礼した。


「新橋鶴八」訪問。
火曜日は、早く帰れる目途がついたので夕方「新橋鶴八」に電話。すぐに石丸親方が出た。

親方が出る時は空いている場合多し。案の定早い時間に入れるか聞くと「勿論です!」とエラク気合が入った返事。退社してすぐに入店。カウンタには爺様の先客が一人。親方とは古い付き合いのようで結構なお年だが、冷酒を次々にお代わり。すごいね。

今日の予約は遅い時間から入っているが、早い時間は空いているとのこと。まず冷酒を貰って、お通しは平貝つけ焼き。

最初はいつも通り刺身を切ってもらう。まずヒラメ。歯応えの良い分厚い身肉に旨味が乗っている。握りの種ならば、熟成してある程度温度を戻した薄い身も酢飯に合う。しかし刺身には、ちょっと冷たい活かった身を分厚く切るやり方も実に旨いよなあ。

塩蒸しの次はアジもつまみで。分厚く立派な身はこれでないと脂が薄いのだとか。鹿児島の出水産。旨い魚は結構西から下って来る。

他にお客さんは入って来ないので、石丸親方とあれこれ雑談。相撲には行ったんですかと尋ねるので、初日と次の週の週末三連休に大阪遠征した話を。親方も相撲好きなので、あれこれと相撲談義。親方が子供の頃に九州に巡業が来て、観に行った時の素直な驚きを、「そうなんだよ!凄いんだよ!」と、一心に「新橋鶴八最後の弟子」君に語る様が面白かった。相撲人というのは、驚きを持って迎えられる異界の人なのだ。

照ノ富士14日目の変化については、やはりあれはダメだなあとお互いに同意。「外国人はいつ変化してはいけないかの機微が分からないんじゃないですかねえ」と親方。確かに、立合いの変化を是認するかどうかは、TPOに依って変わってくる。

弱い者、小さい者、年寄りは立合いで変化しても仕方ない。舞の海や安美錦が変化しても誰も文句言わない。しかしあれだけ身体が大きい大関照ノ富士が変化すると話は別。もうひとつは大一番での変化。負けたら琴奨菊の大関復帰に引導を渡す取組で変化したら、それは文句を言われる。他の条件としては、元々大阪場所の観客がガラ悪いという話など(笑)

築地での話などしていたら、親方の言うには、さすがに年を取って疲れるようになったので、来年からは日曜の他、水曜も休みにするかと。何しろ毎日河岸に行って魚を仕入れては、その日の分だけ仕込みをするという「鶴八」伝来の真面目な職人仕事は実に大変。河岸の連中には、毎日仕入れに来るなんて最近珍しいと言われる由。支店が何店舗もある大店は仕込みの後に冷凍したりしているし、鶴八系総本家の「弁天山」も仕込みは何日分かまとめてやっているとの事。しかし、愚直で真面目な職人仕事をずっと続けているのが「鶴八」系の素晴らしい魅力。勿論、無理してほしくないが、伝来の精神は「しみづ」や「分店」にしっかり引き継がれている。

つまみは、トリ貝を追加で。柑橘系を思わせる独特の甘い酸味。この貝もほとんど養殖なのだが、貝類の場合は餌を撒くわけではなく、稚貝を放して後は貝は勝手に自分で育つ。海水の環境が良くないとダメなのだ。確かに舞鶴は成功したが、他は聞きませんよねと親方。何かの成功を左右するノウハウがどこかにあるのだろうかね。

この辺りで握りに。まず中トロ。ふっくらとした酢飯は相変わらず素晴らしい。ネットリした旨味のコハダも鶴八系燻し銀の旨味。アナゴもトロトロでツメが美味し。お椀も貰い、最後はいつものカンピョウ巻で〆。

最初に一番奥に居た爺様が帰った後は、店は私一人で貸し切り状態。次の予約客が入る前に勘定を。先客の爺様は、ご本人の弁では親方より10歳上とのこと。親方に聞くと、今でも冷酒を4~5杯飲むそうである。私よりずっと年なのにもっと飲むじゃないか(笑) 地方の大きな企業の会長なのだそうであるが、偉いから元気なのか、元気だから成功したのか。ま、両方か(笑)


「新橋鶴八分店」訪問
月曜日に訪問した「新橋鶴八」のブログをアップしたら、それを読んだらしい「分店」の五十嵐親方から携帯にメッセージが来た。翌日の木曜日、空いてるかどうかSMSで聞いてみると「空いてます。空いてます」と返事が返ってきたので6時に予約。

考えてみると、「新橋鶴八 分店」に来るのは今年になって初めて。すっとぼけて、今年来るのは何回目だっけと聞いてみると、自分のブログ見たら分かるじゃないですか。今年に入って初めてですよ、と。よく確認しているなあ(笑)「おまかせにすると全部出し終わるまで3時間もかかるダメな寿司屋だから見限ったんだよ」と冗談を。しかし1月は相撲観戦、2月は仕事が忙しく、寿司屋通いそのものが減っているのは事実なのだった。

本日は、大常連O氏はいない。予約は金曜だと云うので、居たら帰るよと事前に告げておいたのだが、本日はウソはついてなかったようだ。ここでO氏と「新橋鶴八」について驚愕の情報を五十嵐親方から聞いたのだが、武士の情けでここには書かないでおいてあげよう(笑)

月曜に本店に来た時、分店が休んでいたので、つぶれたかとビックリしたよと冗談言うと、確定申告で税理士と打ち合わせだったとのこと。潰れるどころか、儲かって笑いが止まらないんだなあと聞くと、五十嵐親方はエヘヘと笑う。やはり儲かっているのだなあ(笑)商売繁盛で結構な話。月曜に休んだ代わりに19日の日曜は営業するから来てくださいというのだが、19日は大阪で大相撲大阪場所中日観戦予定なのだった。

まず冷酒を貰って初めてもらう。お通しは平貝を軽く付け焼きにして。

白身はヒラメに鯛。色物でシマアジも。トリ貝はまだ薄いので入れてないのだとか。アワビも始まるのは来月辺りからか。

一番奥、O氏の指定席に座って、親方とあれこれと雑談しながら。食べログに、「しみづ」と値段は同じだが「味が雑」だと書いてたレビュアーがいたよなあと聞くと、「あれは女性の写真貼ってますが男ですよ。書いてる文章読んでも、ちょっとおかしいですよ」と親方が反論。まあ確かにそうだ。結構どこの店に行っても嫌われるタイプだよな、きっと(笑)

つまみはまずヒラメから。金目鯛は蒸し物で。食べログに、甘鯛が出たと書いてあるレビューがあったが、あれは金目鯛だという。ここに来ると飲み過ぎるので、いつも食べた物を覚えてないんだよと文句を言ってたので、最後に勘定する時、優しいバイトの女性が食べた物を書いたメモを手渡してくれた。ということで、食べた物は写真参照。

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疲れたのでタクシー帰宅。


「新橋鶴八」訪問。
月曜は早めに仕事をたたむ目途がついたので夕方に「新橋鶴八」に電話。「新橋鶴八最後の弟子」君が出て、しばし調べてるようだったので、ははあ、ほぼ満席なんだなと思ったが、「7時までならご用意できます」とのこと。滞在時間が短いのは望むところなので、じゃあ早目に入るよと返事して、会社を出てすぐに入店。

ニュー新橋ビル二階に上がると「分店」は珍しく本日お休みのようだ。本店に入店すると大常連O氏用の座布団は敷かれていない。「新橋鶴八最後の弟子」君に尋ねると、O氏は最近、分店に入り浸りでほとんど本店には来ないとのこと。やはりこれからは本店だけに来るほうが安全だな(笑)

「今日は時間切っちゃってすいませんね」と言う石丸親方に、分店は今日臨時休業だねと訊くと、「そうらしいですね、でもこっちには何も言わないから分からないんですよ」と。弟子君によると、大常連O氏と一緒に「新ばし 久」に行ってるんではと言うのだが「久」は月曜お休みじゃなかったっけ。まあ、どこか食べ歩いているのかもしれない。

カウンタには既に2組ほどお客さんがいて、一組は年寄り2名で既に酩酊中。早いな(笑)本日は7時から満席とのことで補助椅子も入っている。

冷酒を頼んで、まずヒラメから。お通しは、大葉とコハダを刻んでゴマを散らした小鉢。これがなかなか旨い。滞在時間短いので早目早目に頼まないと。もっとも石丸親方も気を使って、優先的に注文聞いてくれるからストレス無し。

次に塩蒸し。種札を見ていると、白身はブリがもう季節外れで終わり。ヒラメの他にはシマアジ、カンパチが置いてあった。

店には次々とお客が入店。大繁盛。予約無し飛び込みの2名客が来て「1時間で食べるから」と頼んでいたが、満席で断られる。まあ、町場の寿司屋は別として、江戸前の名店であるからやはり事前に電話一本入れたほうが良いのでは。確かに入り口脇の小上がりテーブルも、すぐ後から予約客2名が来て、奥の座敷にも客が入り完全に満席。

つまみは、サバ。浅めの〆で甘味がとろりと。漬け込みのハマグリ。

握りはいつも通り。中トロ2は上品な脂が美味い。コハダはネットリとした旨味が素晴らしく、ここのふっくらした米の甘味がある酢飯と実によく合う。酢飯を包み込むアナゴは、鶴八伝来のトロトロ。ハマグリのおつゆが出て、最後には〆でカンピョウ巻。何時もの物が何時ものように美味い。伝来の江戸前仕事を楽しんで、満ち足りた気分でタクシー帰宅。

恵方巻きの日に「新ばし しみづ」訪問。
金曜日は会社帰りに「新ばし しみづ」。節分だから、皆、家で恵方巻き食しているはず。ならば巻き寿司やっていない真っ当な江戸前寿司屋は空いているのではと電話したらお弟子さんが出て大丈夫ですと。

入店してみるとカウンタは満席。金曜の夜に1席空いていたのは奇跡的だった。「ひょっとして今年初めてでしたっけ」と清水親方。その通りで1月は、仕事もバタバタしたし、大相撲観戦も4日間行ったりと、すっかり訪問をすっ飛ばしてしまった。

新人が入っているので、お弟子さんなのか聞くと、「寿司アカデミー」の生徒がバイトをしているのだとか。メガネをかけた所は大相撲の錦木に似ている。手も大きいし、もう少し体重増やすと鶴八体型で通用するのでは。← 体重関係ないっちゅうーに(笑)

いつも通り常温のお酒を貰って始めてもらう。お通しは菜の花辛子和え。

まずヒラメ。上品な脂の旨味。サヨリは細切りにして。香りが良い。蒸し牡蠣は旨味あり。赤貝はヒモを添えて。

もうタコは卵を抱き始めたのでお休みだと。サバはネットリ甘い脂。煮ヤリイカは小型だがフックラと柔らかに煮上がっている。漬け込みのハマグリ、青柳。ウニもつまみで。あん肝に奈良漬を添えた一品は冬の滋味あり。

清水親方と築地市場移転について雑談。市場の組合理事長が今度移転消極派になったので、「もう移転は無いんじゃないですか」と言うのだが。しかし都民の税金を何千億も使って、移転しなかったら使い道が。Amazonかヤマト運輸の倉庫に売ったらというのだが、とてつもなく高価な倉庫だ。オリンピックの施設にしても、選手村に使う訳にもゆかないだろうし。困った話だ。

この辺りでお茶を貰って握りに。まずカジキ。ピンクの鮮やかな身肉。この店では珍しいが、フックラとした旨味あり。しっかししたこの店の酢飯にもよく合う。カスゴを1貫。口中でホロホロと崩れる身肉の旨味あり。中トロはシットリ柔らかな旨味あり。コハダは2貫。強めの〆だがいつもながら素晴らしい。アナゴは塩とツメと1貫ずつ。

最後はいつも通りカンピョウ巻。清水親方に「カンピョウ巻ですか?」と聞かれた時に「今日は恵方巻きね」という、どうしようもない冗談を言おうと考えてたのだが、ホロ良い気分ですっかり忘れてしまった(笑)

店を出て「P.M.9」に。コートを掛けていると「しみづ」の女将さんがやってきて、「もうお年賀じゃなくなって申し訳ないんですけど」と毎年正月に配る手ぬぐいを。1月に行かなかったのは此方のせいなので申し訳なくも恐縮した。もう何年続けて貰っただろうか。

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バーテンダーM氏と相撲の話などしながら、ドライ・マティーニ。その後でタリスカーを一杯で退散。「P.M.9」を出ると、清水親方が団体客を迎え入れるところ。今日は当日予約の電話を随分と断っていたから、遅い時間までずっと満席の模様。商売繁盛で結構な話。のんびりとタクシー帰宅。


「新橋鶴八」訪問。
先週水曜は、「新橋鶴八」。夕方に電話すると女将さんが出て、しばらく話していたが大丈夫ですと。

早い時間だったが入店すると、大常連O氏が一番奥で既にトグロを巻いている。こんな時にメールよこしてくれたら「分店」に行くのになあ(笑)。まあ満席なのかもしれぬ。しかし本店では、石丸親方のコントロールが効いているから、O氏の横に座っても「分店」みたいにダラダラ3時間もかかる事は無いのだった

「初場所行ったのかい」とO氏が聞くので、石丸親方も入れて相撲談義など。場所が始まる前はイマイチ焦点の定まらない場所だと思っていたが、まさか稀勢の里が優勝して綱取り成功とはねえ。

O氏とあれこれ雑談しながら、分店の「たべログ」レビューにも「大常連のOさんが居た居ないと」か書かれて、随分人気じゃないですかと冷やかすと「それは、あんたがブログに書くからだろう」と(笑) そんな話をしていると石丸親方が「しかしお客さんもOさん見て、なんでこの人何時来ても居るんだろうと不思議に思うでしょうねえ」と笑う。まさしくその通りだよなあ(笑)

この日は次第にカウンタも埋まり、本店も盛況。当日の予約電話も何本か入るのだが、しばらく小上がりで待ってもらえるならと忙しいオペレーション。

お通しはマグロヅケ。つまみは、ヒラメ、塩蒸し、ブリ。握りは、中トロ、コハダ、アナゴ各2。最後はカンピョウ巻で〆。O氏と雑談しながらだと、普通よりちょっと余計にかかるけれども、それでも分店みたいにO氏のペースに合わせて3時間もかかるという事は無い。親方に注文したら何でもすぐに出てくるのが助かる。1時間10分程度で勘定まで。

鶴八系伝来の技を堪能して、タクシー帰宅。しかし考えてみると、今年まだ「新ばし しみづ」訪問していないな。今までこんなにまが空いたことはなかったっけ。そろそろ訪問しないとなあ。


「新橋鶴八」で本年の寿司始め
火曜日は、会社帰りに「新橋鶴八」。夕方に電話すると「新橋鶴八最後の弟子」が出て、「明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします」と実にしっかりして丁寧な挨拶。

全般に鶴八系のお弟子さんはみんな電話の受け答えがしっかりして素晴らしい。そもそものルーツ、神保町「鶴八」の諸岡親方が修行した「柳橋美家古」では、弟子が電話取る時に後ろで加藤親方が拳骨握り、粗相があるとすぐに頭をゴツンとやったと「神田鶴八鮨ばなし」に見える。「寿司屋を作るんじゃない、人間を作るんだ」という「鶴八」伝来の弟子仕込みが伺えますな。

ニュー新橋ビルに入って、エスカレータを上がり、まず「分店」に顔を出して新年の挨拶。まだ客は居ない。「年末は、来てくれなかったじゃないですか」と五十嵐親方に言われたが、忘年会続きで疲れている時に、来たら大常連O氏にカラオケに誘われて長居し深酒する事になるものなあ。今日はO氏は本店だという。なんだ、事前に教えてくれたら分店のほうに来たのに(笑)

本店に入店すると、あっ、本当だ。一番奥の席に大常連O氏が既に座り焼酎飲んでトグロを巻いている。しかし、石丸親方の計らい(笑)で一席空けて座り、O氏や親方に新年の挨拶など。本年の寿司始めである。例年は「しみづ」に三ヶ日の間には行くのだが、今回日程が合わなかった。

お通しはハマグリの柱ヅケ。旨味が濃い。冷酒を貰って飲みつつO氏と年末年始の話などしていると、ヒラメは何も言わずともつまみで切られて出て来る。何時もながら肉厚。新鮮な活かった旨味を感じる身肉。

塩蒸しもつまみで。店はまだ混んでいなかったので、築地移転の話やら、マグロ初セリの話、元号変更の話など、親方や女将さん、大常連O氏など交えてあれこれ。O氏の横には、私はほとんど面識無いものの、古参の常連氏がやってきて、その後は相手しなくてよくなって助かる(笑)

ブリはまだ脂があり、心地よい噛みごたえ。そしてサヨリ。爽やかな香り。皮は串に巻いて炙って供される。このあたりでお茶を貰って握りに移行。

まず中トロ2。ほぼトロと言うべき部位。ふっくらした酢飯の具合が実によろしい。コハダもここの名物だが、ネットリした旨味が充満。アナゴはトロトロの身に濃厚なツメ。最後はカンピョウ巻で〆。新年初寿司を堪能。

まだまだ居座る気満々の大常連O氏を置いて勘定を。O氏は横に来たこれまた古参常連氏に、彼は歌が巧いから、今度三人で一緒にカラオケ行こうと。そんな余計な輪を広げられても困るんですが(笑)

ホロ良い気分でタクシー帰宅。


「新ばし しみづ」で2016年の寿司納め。
昨年12月、仕事納めの翌日29日夜は、「新ばし しみづ」で寿司納め。

予定が確定せず、前日の夜に電話したのだが、8時からなら空いているとのことで早速予約。遅い時間の予約の場合、早めに空きが出ると何時も携帯に電話貰えるので若干早く新橋に到着。取り敢えず待つかと「P.M.9」に入店して、ジン・トニックを一杯。

バーテンダーM氏と年末の予定などあれこれ雑談。烏森口「しみづ」グループは顧客予約情報共有がしっかりしているので、私が「しみづ」に8時で予約が入っていることをM氏も把握している。

そうこうしているうちにそろそろ8時近くになったのだが、清水親方が店を出た他の常連さんを案内して「P.M.9」のドアを開けて顔を出し「ここがバーなんです」と紹介している。私には「声かけますからもうちょっとこちらでお待ちください」と。やはり結構立て込んでいるのだな。

私自身もお酒を飲むから人の事は言えないが、どんな店でも遅く入店するのは酔った客が居て好きではない。開店と同時に全員始まる場合は皆似たようなペースだから気にならないのだが、カウンタだけの店の場合、こちらが素面なのに横に長居している酔っ払いがいるという状況は好きじゃないんだなあ。

まあしかし8時ちょっと過ぎにはなんとかカウンタが空いたようで女将さんが「P.M.9」に呼びに来た。精算しようとするとバーテンダーM氏は、「いやいや、どうせ戻って来るんですから後でいいじゃないですか」と上手い事言うので、それもそうかと取り敢えず「しみづ」に。

入店するとカウンタは一席だけ空いている。年末はここだけ本当に一席だけ空いていたとの事。今年は「しみづ」で寿司納めできないかと思っていたが、前日夜に席が確保できて奇跡的であった。

お酒は常温で。お通しは、なめこおろし。

何時ものようにつまみから。ヒラメ、タコ。牡蠣は軽く熱を通して味付けしてあるが、以前出していた塩辛に近いような強い漬け具合と違う。尋ねてみると、ノロ騒ぎもあるので供し方を変えたとのこと。

サバは甘い脂が乗る。赤貝も立派なもの。ブリは照り焼きにして辛子を添える。ナマコとこのわた合え。最後はウニもつまみで貰う。

お茶に切り替えて握りに。マグロは、赤身から中トロに変わるあたりの部位。いつも通りシットリとして柔らかく旨みがあり、この店の強い酢飯とよく合う。コハダも2貫。しっかりした〆。アナゴは塩とツメと。これまた幸せを感じるトロトロ具合。最後はカンピョウ巻で〆。お酒は2本飲んだが1時間ちょっとしかかからない。

よいお年をとご挨拶して勘定を。10月から中を手伝いに来ていた、あちこちの寿司屋で同席した事のあるI氏の奥さんは今年一杯で終了との事。見送りを受けながら「また何処かの寿司屋でお会いしましょう」とご挨拶。最後にお目にかかれてよかった。で、そのまま「P.M.9」に。再び。一体何やってんだ(笑)

ドライ・マティーニを一杯。そしてアイラ島のシングル・モルトを一杯。なんだかんだで結構酩酊したので、こちらもよいお年をと挨拶して店を出て新橋からタクシー帰宅。

年末から三が日はいつも通り九州に行っており、本日帰京。普段の年は必ず3日か4日に「しみづ」にて寿司始めの予約を取っていたのだが本年は年末までバタバタして結局予約できなかった。まあ築地市場が開いて落ち着いてから訪問するかなあ。

午後に帰宅してから初詣を。

正月三日目だとまだ混んでいる。

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境内裏の横綱碑も見物。いよいよ今週末から大相撲初場所だ。新春は早いなあ。

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また「新橋鶴八」訪問。
昨日は、真っ直ぐ帰る予定であったが、よくよく考えてみると賞与の振込日であった。やはり一杯飲んで帰るかと、夕方になって場所を探し始める。久しく行ってないので「新ばし 久」に電話するも応答無し。店に電話する際は、基本的には5回程度鳴らして出なければ、立て込んでいるのだなと推察して切る事にしている。

次は「新橋鶴八分店」に電話。五十嵐親方が出たので、「dancyu」に出て盛大にやってるらしいじゃないかと雑談。7時からなら入れるというのだが、そもそも早帰りする予定だから遅すぎる。まして確認すると大常連O氏が来るという。だったら7時から道連れで10時位まで居なければならないことになってやってられないので断る(笑)

ダメ元で「新ばし しみづ」に電話するも清水親方が出て済まなそうに、「今日は6時半で一杯になっちゃうんです」と。金曜の夜にいきなり電話するとやはり場所の確保は難しい。銀座新富にするかと思ったが、気を変えて月曜にも行ったのだが「新橋鶴八」に電話。7時までなら大丈夫、ひょっとするとその後も空くかもしれないと親方が云うので早速入店。、

カウンタには他の寿司屋でも良くお会いしたK氏が。転勤したと西大島で聞いたが日帰りの出張なのだとか。親方やK氏とあれこれ雑談しつつ。結構、新規の客の電話予約が入ってくる。商売繁盛ですな(笑)

お通しはタイラギの炙り。冷酒を貰ってまずつまみを。ヒラメは肉厚で上品な旨味。塩蒸し。ブリ。サヨリは半分にしますかと言われたが、なかなか肉厚で美味そうだったので1本丸々。脂がよく乗っているが爽やかな香り。皮は炙って供されるのだがこれまた酒の肴に旨い。

この辺りで握りに。たまには変わったものを注文しようと思うが、いざ注文すると、やはり食べ慣れた物ばかりになる。中トロ2は脂が乗り切って、トロの部位。コハダは何時もながらネットリと。アナゴもトロトロに。最後はやはりカンピョウ巻。何時もの物が何時ものように旨い、これに勝る幸せがあろうか。満ち足りた気分でタクシー帰宅。

「新橋鶴八」訪問。
月曜日の夕方、「新橋鶴八」に電話。お弟子さんが出て7時までならと。早く帰れるのは望むところ。早速入店。

石丸親方は、「時間切っちゃってすみませんねえ」というのだが、「分店」で大常連O氏の道連れで3時間も居る事を考えたら、早く帰れるのは嬉しい限り。「分店に座布団引いてあったでしょ」と言うのだが、入口からちらっと中を窺ったものの、既に他にお客さんが居て確認できなかった。今日はO氏は分店のシフトなのだという。

「どうぞ気にせず、どんどん注文してくださいよ」と言われたが、まあ普通だって1時間ちょっとしかいないから、いつものペースで大丈夫か。

冷酒を注文。お通しはマグロ漬け。つまみの最初は白身と決めているので、ヒラメは注文せずとも切られてくる。石丸親方によると「分店は最近「Danchu」に掲載されて忙しそうなので本当に良かったですよ」と。実に弟子思いの師匠ですな。

しかし、最近、ここ本店のほうでも新しいお客さんが多い気がするねと聞くと石丸親方は、「それはね、最近「食べログ」見て来る人が多いんですよ」と。点数が3.7くらいと、高すぎず低すぎずちょうどよいのだと解説。 「あまり高得点の店も敷居が高いから、うちくらいの点数がちょうどいいんだよなあ」と横のバイト女性に同意を求めると、「そうです」と回答があってなんとなく御満悦であった。

しかし「食べログ」からは売り込みの営業電話があり、金払ったら検索の最初のほうに出てくるようにするとかなんとか言われたものの、そこまで宣伝は必要無いと断った由。まあこの店は常連も多いから、別に「食べログ」で宣伝しなくともねえ。

つまみは、その後、塩蒸し。濃厚な旨味。ブリはビッシリ脂が乗った腹の身だが、歯応え良く爽やかな旨味。鯖もネットリと脂が乗る。

この辺りでお茶を貰って握りに。

まず中トロ2。肉厚のコハダは脂がネットリと旨味に転じたいつもの素晴らしい仕事。アナゴは軽く炙るが、崩れんばかりにトロトロ。ツメもコクが良い。吸い物椀が出て、最後に〆でカンピョウ巻。酢飯は何時もながらフックラと米の甘味あり。

鶴八系伝来、いぶし銀の如きどっしりした仕事を堪能。実に旨かった。ホロ良い加減でタクシー帰宅。

「新ばし しみづ」訪問。
木曜の夜は、「新ばし しみづ」。昼過ぎに電話して予約。6時に入店するとカウンタは私の席以外既に一杯。大盛況だ。

11月は出張もあり、前後がバタバタ。大相撲九州場所遠征もあり、博多では寿司屋に行ったが、東京での寿司屋通いはほとんどお休み。「しみづ」訪問も、ちょっと間が空いてほぼ1か月ぶりか。

最盛期は「しみづ」だけでも年に50回は訪問していたが、最近はすっかりペースが落ちてしまった。他の寿司屋訪問回数も同様。清水親方に、最多来店記録F氏の近況を聞くに、最近は月に何度かの訪問とのこと。1年で200回以上訪問して「ミスター・エブリディ」と呼ばれた頃の面影は何処に。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢の如し。たけき者も遂には滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ、か(笑)

もっとも店は忙しく、そんな感慨に長くひたる暇などないのだった(笑)

お酒は常温で。お通しはなめこおろし。何も言わずともいつも通りつまみから始まる。

最初はヒラメ。上品な旨みあり。タコは実に立派。歯応えがあり、噛みしめると旨みと甲殻類を思わせる香りが身肉の奥に潜んでいる。

マグロの剥き身に海苔を振った一品。煮切りで味がついている。マグロのコクは海苔とよく合う。今はもう無い築地「つかさ」でもマグロに海苔をかけたつまみが時折供されたよなあ。最後の中トロ鉄火細巻も素晴らしかったっけ。

赤貝は爽やかな香り。青柳。ブリはヅケにした切り身を炙り、辛子を添えて。脂は乗っているが旨みが勝りくどくはない。サバは強めに〆てあるが脂があり甘味がネットリと乗る。サヨリは細切り。爽やかな香り。

漬け込みのハマグリ。スミイカは実に肉厚だが細切りにして。赤ウニもつまみで。お酒は二本目をフィニッシュ。このあたりでお茶を貰って握りに。

まずマグロは赤身、そして中トロ。シットリ柔らかく溶け崩れるような質感。特徴的な赤酢強めの酢飯に、マグロのコクが溶け崩れる。強く〆た肉厚のコハダも酢飯との相性が素晴らしい。シマアジも一貫。この季節には珍しいが、今年はシマアジが九州から四国にかけてたくさん上がり続けているのだとか。海水温の上昇の関係か、海の中の様子が普段と違うのか。南海トラフと関係あると怖いが、底魚じゃないものなあ。

アナゴは塩とツメで1貫ずつ。フックラした身肉が口中で溶け崩れる。最後はカンピョウ巻半分。これまた酢飯の味が良く分かって〆に最高。満ち足りた気分で店を出て、P.M.9には寄らずにタクシー帰宅。

「新ばし しみづ」訪問。
金曜日の夜は「新ばし しみづ」で寿司。昼前に電話して席を確保したが、本日は満席な様子。潜り込めてラッキーだったな。

白鷹の常温を貰って始めてもらう。本来ならば築地市場が移転している最中だった訳で、寿司屋に来るのは不思議な気分。清水親方も、そういえば移転の週でしたねえと。小池百合子は落とし所を考えずに大問題にしたが、吊るすべき責任者を確定したから、案外解決を早急に図るかもしれない。

何時も通りおまかせでつまみから出て来る。ヒラメは上品な脂。タコはしっかりした歯応えで旨味あり。スミイカはもう随分と肉厚。細切りにして。塩で食すと甘みが引きたつ。

戻りカツオは辛子醤油で。ネットリした旨味。サバもだんだんと寒に入って旨味が増してきた。漬け込みのシャコはふっくらと柔らかい。赤貝、青柳と貝類も。ブリはヅケにしてあり、煮切りを塗って軽く炙り、辛子を添える。これまた寒の旨味。

お銚子が小さめなので3本目に突入(笑)。最近飲み過ぎだなあ。シマアジ、漬け込みのハマグリ、ウニとイクラ盛り合わせと酒の肴に。このあたりでいつも通りお茶を貰って握りに。

マグロは脂の具合を変えて2貫。シットリした身肉に旨味が乗る。酢飯にも良く合うが、確かに若干以前より軽くなったかも。コハダは何時もながら強めの〆。キスを一貫。酢飯の具合がよく分かって旨い。アナゴは塩とツメで1貫ずつ。これまた鶴八伝来のトロトロ具合。コハダと穴子は寿司の根幹ですな。最後はカンピョウ巻を半分貰って終了。滞在は、1時間10分程度か。この程度のペースが一番快適だ。

女将さんの見送りを受けてそのまま久しぶりの「P.M.9」に。カウンタはまだ誰もいない。バーテンダーM氏と久闊を叙してあれこれ雑談しながらまず、何時ものドライ・マティーニを。最多来店記録F氏は、この所長く顔を見せていないとの事。常連が急に来なくなるような事が、最近結構気になるようになってきた。店も客も結局のところ無常ですからなあ。

その後、シングル・モルトを一杯貰ったが、一見の口うるさそうなオッサンが来て、あの瓶を見せろあっちは何だとあれこれウンチクが喧しそうなので勘定してもらって退散。カウンタで酒やグルメのウンチクを喧しく語る客は大嫌いだ。

「P.M.9」を出ると、また「しみづ」の女将さんに遭遇。再度の見送り受けて烏森神社界隈を去り、新橋駅からタクシー帰宅。

 
「新橋鶴八分店」訪問。
火曜日は会社を出てから「新ばし しみづ」に電話するも満席。「新橋鶴八分店」に電話すると空いているとの事で早速入店。しかしカウンタ一番奥の席には座布団が敷いてある。アッ! 大常連O氏の来訪日だったのか。それにしてもこの店に来ると会いすぎる気がする。

加賀鳶冷酒を貰って始めてもらう。マグロのなめろうがお通しで。赤身にちょっとだけトロを混ぜ、味噌と一緒に叩いたのだとか。マグロ独特ののコクあり。

ヒラメは分厚く切りつけて旨味あり。そのうちに大常連O氏が登場。「久しぶりに珍客じゃないか」などと宣うので、あれこれ雑談の相手をする羽目に。

次に頼んだブリも爽やかな旨味。サバも頼んだっけ。

しかしO氏が来た後は、五十嵐親方はこっちの注文を聞かず、何時でも長居する大常連O氏のペースに合わせてダラダラと出すので、待っているうちに酒が進み、何が出てきたか綺麗さっぱり忘れた。握りも果たして何か食したっけ。店を出たのはもう9時近かったように記憶するが。

せっかく金払ってるのに何を食したか忘れてしまうとは、なんとも無駄な話だなあ(笑)やはり寿司屋は1時間ちょっとくらいでサッと出るのが一番良い気がする。