97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「ロス疑惑」三浦和義のあっけない最期
今朝、Yahoo!のニュースで、「三浦元社長自殺」とのトピックを最初に見た時は、誰のことか分からなかった。

食品偽造関係の社長かなんかで、そんなのがいたっけ、などと不審に思いながらクリックすると、中身は、「ロス疑惑」三浦和義容疑者が移送先のロス市警の拘置所で首つり自殺したという衝撃のニュース。

しかしメディアも、25年前の逮捕時は、市中引き回しのライブ中継みたいなことまでして大騒ぎしたのに、今更「三浦元社長」とは、いかにも腰が引けた書き方ではないか。

サイパンで逮捕されてから、このブログ上にも、「疑惑の銃弾」というカテゴリーまで作成したのに、アメリカではその後ほとんど続報が無く、日本発のニュースで追いかけるしかないため、すっかり放置していた。

最近、ロス地裁が、殺人容疑の逮捕状は無効としながら、殺人共謀罪での訴追続行を認め、三浦容疑者側もロス移送に同意。一昨日にロスに到着したことを日本のニュースで知り、何か感想でも書こうかと思ってたところに、突然の信じられない結末。

前日には、日本総領事館員を電話で呼びつけ、拘置場所でなぜ読書ができないか警察に聞いてくれと要求したり、食事に対する不満を述べたりしていたという。相変わらずの厚かましさで、どう考えても自殺を目前にした人間とは思えない。そもそも一連の事件をずっと見てきた限りでは、到底自殺する人間には思えなかったのだが。

当時の事情を知らない若い世代には、三浦を「冤罪の犠牲者」と見たり英雄視する層もいるらしい。死者を鞭打つつもりはないのだが、しかし、彼はそんな単純で無垢な人間ではない。

少年時代の放火での逮捕歴。ポルノ女優に依頼して一美さんを襲撃させた「一美さん殴打事件」では、最高裁まで争ったが殺人未遂で実刑が確定。懲役に服している。娑婆に戻ったら、すぐに万引きする、根っからのモラル無き人間。

そして、訴追こそされなかったものの、彼の真の闇が隠されているのは、この「ロス疑惑」に先行した事件。ロスで発見され「ジェーン・ドゥ88」と呼ばれた白骨死体が、当時の三浦和義と同棲中の白石千鶴子さんであることが発見された事件ではないか。

個人的には、O.J.シンプソン同様、彼は必ずやってたと今でも思っている。真相は、彼自身が墓の中に持っていってしまったのだが。

しかし、沢木耕太郎「時の廃墟」に書かれていた、。「捕まるのね、あの人。そしてもう戻ってこない」。という予言は、なんと25年を経て成就したことになる。ロスで起こった数奇な事件が、疑惑の中心であった男のロスでの自殺で幕引きを迎える。ひょっとして、ロスの砂漠で密かに白骨死体となっていた、ジェーン・ドゥ88が冥府から呼んだのか。

常に疑惑の中心にいた稀代のトリックスターは、最後にまた世間を嘲笑するかのように、ロスで始まった運命の輪を同じロスの地で自らの手で閉じ、突然に三途の川を渡ってあの世へと去って行ったのであった。もう「ロス疑惑」の真相が明らかになることはないだろう。

「疑惑の銃弾」最終章は、実に奇妙な、しかもあっけない永遠の幕切れであった。

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「ロス疑惑」と敏腕弁護士
サイパンで拘束中の三浦和義が、ロスでの弁護に、以前、マイケル・ジャクソンの児童虐待事件で弁護人にもなった敏腕、ゲラゴス弁護士を選任したとのニュース。名前に何か覚えがあると思って検索したら、「この告発の真実の目的は金だ!」という過去日記で一度、この弁護士のことを書いていた。

マイケル・ジャクソン事件の弁護からは、その後で降りていたように記憶するが、結局、完全無罪となったから、ゲラゴスの貢献も結構あったのかもしれない。

もっとも、性的虐待を受けたと訴えた子供とその家族は、元々ちょっと怪しい連中だった。この子供は、J.C.ペニー(百貨店)で服を万引したことがあり、この際、駐車場で警備員に殴られたと母親が逆に店を提訴。結局、J.C.ペニーから和解金137,500ドルをせしめていたのである。マイケル・ジャクソンを訴えたのも、当然金目当てだったろう。

まあ、日本古来の道徳観でいうと、「手癖の悪いうちの子供を、殴って諌めてくれてありがとうございました」と母親がお礼を言ってしかるべきケースだと思うが、逆に相手を訴えるのが、弁護士社会アメリカの一面。学校に泥棒に入ろうと屋根に上ったら、天窓が壊れて下に落下。大怪我した泥棒が学校を訴え、勝ったという有名なケースもあるらしい。

まあ、そのうち日本も、アンビュランス・チェイサーが大勢出てきて、この手の訴訟が頻発するようになるのかもしれないが。

さて、このゲラゴス氏の弁護料は、時間1,000ドルとか。果たして支払えるのだろうか。

もっとも日本で話題の事件であり、ここで顔を売ると、日本人からみの事件での将来ビジネスも期待できる。ゲラゴスからの特別割引があるのかもしれない。

「ロス疑惑」に熱狂した時代
今週の週刊文春、林真理子のエッセイ「夜ふけのなわとび」が面白かった。

「三浦アーカイブス」と題して、三浦和義「ロス疑惑」事件に沸いた当時が回顧されているのだが、そう、そんなこともあんなこともあったな、と実に懐かしい。この人は芸能、ワイドショー・ネタには実に強い。

ロス、赤坂、青山を舞台とした登場人物は、往年の大スター、殺された美人妻、ロスで白骨死体で見つかった元愛人、殺人を依頼されたAV女優など実に多彩な顔ぶれ。個人情報にうるさい現在なら、人権侵害とも思われるような、三浦和義の少年時代の犯罪歴やら、スワッピング・パーティーへの出席など、週刊誌やTVでも、芸能ネタのごとく報道されていた。

このエッセイで思い出したのは、亡くなった一美さんに瓜二つの、双生児の妹が裁判に証人出廷したエピソード。まるでドラマのワンシーンのようだが、確かにそんなこともあった。事実は小説より奇なり。ミステリーや映画が霞んで見えたような劇場型事件。

そして、三浦和義本人に取り入って、表舞台に登場させるメディアも多々現われた。三浦和義は、一大トリックスターとして、雑誌の企画物グラビアや人生相談、TVにまで登場する人気者に。バブル直前、浮ついた時代の空気を反映した一大イベントとも総括できるだろう。当時を思い起こせば、現在の腰が引けた報道が、実に不思議に思えるくらい。

このエッセイでも触れられている、沢木耕太郎が三浦和義本人に逮捕直前まで密着したルポルタージュについては以前、過去日記で書いたことがある。

霊感があるという撮影相手のモデルが、三浦和義の背中を見てつぶやいた「彼には死臭がするの」という一言。アメリカでの再裁判の可能性が出てきた現在では、再び現実に符合してきたような。

あるいは、この女性のサイコメトリーの感覚が、三浦和義の身体に色濃くまとわりついた奇妙な犯罪の香りを、そのように捉えたのかもしれないのだが。

「疑惑の銃弾<最終章>」
「ロス疑惑」三浦和義の再逮捕に関しては、アメリカでの報道はさほど盛んではない。詳細は、日本側での情報で知るほうが早いくらい。

サイパンでの逮捕は、やはり、1988年に発行された古い逮捕状の執行。容疑は、一美さん「殺人罪」と、「元女優」と共謀して一美さんを襲わせた「共謀罪」。アメリカの「共謀罪」は、共犯者の特定がなくとも成立するとの解説もあり、その点は日本と違うようにも思えるが、逮捕理由は、日本の裁判で争われた容疑とほぼ同じ。

そもそも日米捜査当局は、この事件に関して協力関係にあり、当初から証拠はほぼ共有していたと伝えられる。だとすると、アメリカの司法で裁いても、元女優を使って妻を襲わせた「襲撃事件」については有罪だが、「殺人」までは立証できる証拠は揃ってないと見るのが妥当な気がするが。新証拠があるのかどうかについても、ロス市警は沈黙しているが、どうも疑わしいなあ。

日経朝刊の広告では、週刊文春はさっそく「疑惑の銃弾<最終章>」と懐かしい特集記事の名前を復活させて、大々的な特集ページを組んでいる。

しかし、三浦和義の犯罪人生を俯瞰するに、彼の真の闇が隠されているのは、この「ロス疑惑」に先行した事件、ロスで発見され「ジェーン・ドゥ88」と呼ばれた白骨死体が、当時の三浦和義の愛人であった白石千鶴子さんであることが発見された事件のほうではないかと思うのだが。

ただ、この「白石千鶴子事件」については、今回のアメリカの容疑に入っていない模様。古い事件であり、日本でも訴追されなかった。おそらく真相を明かす証拠は、もうどこにも存在しないのだろう。

「射撃事件」も「襲撃事件」も、アメリカ国内で起こった犯罪であるから、当然、アメリカに捜査権がある。日本人の犯した犯罪であるから、日本当局にも捜査権があったのだが、日本最高裁の無罪判決は、外国の行政・司法を当然には拘束しない。その点では、今回の逮捕も、無茶な話ではないのだが、「自国民保護」の「建前」からいうと、外務省も、もう少しばかり親身になってもよい気はする。

サイパン領事が面会したそうであるが、対応がどうも冷淡で、なるべく係り合いになりたくなさそうに見えるのは、ひとつには外務省の、面倒を嫌う「ことなかれ主義」。もうひとつの理由はやはり、「本当は三浦がやったんじゃないか」という観念が、当時の報道を知る人の頭にはずっと残ってるからだろう。

アメリカのメディアでは、「日本のO.J.シンプソン事件」と紹介したところもあった。O.J.シンプソンは陪審裁判で無罪となったが、「O.J.がやったに違いない」と疑っている人は、アメリカにはいくらでもいる。確かにこの2つの事件は、奇妙に似たところがある。
ロス市警の捜査で大丈夫か
昨日のアクセスログでは、「ロス疑惑」「三浦和義」「白石千鶴子」などのキーワードでこのページに来た人多数。若者には何の事件かサッパリ分からないだろうが、昔を知る人(?)には、「ロス疑惑」の「三浦和義」というのは懐かしいキイワード。

週刊文春の疑惑追及取材は本にもなったし、本人が最初に逮捕された時は、検察庁前でTVや新聞の報道陣が大勢集まる中、連行されるのをTVが臨時に生中継したほどの大騒ぎだった。

一美さん殺害事件は証拠不十分で無罪確定したが、昨日書いたように、殴打事件では三浦は有罪確定して服役済み。決してイノセントな人物ではない。そして、もうひとつの大きな疑惑、白石千鶴子殺害事件は迷宮入りのまま、訴追もされていない。

「ジェーン・ドゥ・88」と警察のシリアルナンバーが打たれたロス近郊の砂漠で見つかった遺体。これが、後に日本の警察から提供された歯型の記録から、三浦和義の会社取締役で、愛人とも推測されていた白石千鶴子であることが判明した。行方不明になった当時、三浦もロスに滞在しており、その後、彼女の銀行口座から大金を引き落とした事実は確認されている。このへんの顛末は、いかにも怪しかったのだが。

ただ、1日過ぎても、アメリカでは大した追加情報は報道されていない。昨日は、「天網恢恢疎にして漏らさず」などと書いたが、よくよく考えてみると、ロス市警(LAPD)犯罪捜査のオソマツさは、O.J.シンプソン事件で証明済み。

ましてもう27年前の事件。逮捕状そのものも、1988年に発行されたものだったとの報道あり。ロスに移送して起訴できたとして、果たして有罪とするに足る証拠が揃ってるのだろうか。ジョン・ベネ事件も結局解決できていないし、アメリカ警察の捜査能力が発揮されるのは、映画の中だけの話だからなあ。

意外に大した証拠は出てこず、無罪となって終りという尻切れトンボの結末もありうるかもしれない。三浦和義が、アメリカで訴訟を起こし、巨額の賠償金勝ち取ることになったら、「天網恢恢」どころの話じゃなくなってしまうのだが。

「ロス疑惑」、三浦和義がまた逮捕された
「ロス疑惑」で妻を殺害したとして逮捕され、最高裁まで争って無罪となった三浦和義が、サイパン島で米当局に殺人容疑で逮捕されたとのニュース。ロス疑惑は、1981年の事件で、ロス市警もよくもまあ、まだそんな事件を追いかけてたなと、ちょっとビックリ。アメリカ国外にいたから、時効が成立してないのか(←追記:アメリカでは殺人罪には時効がないとのことである)。

アメリカで起訴されたり、不出廷で有罪になったりした後でうっかり入国すると、空港で逮捕されたなどという事例は確かに聞いたことがある。昨今のアメリカは、テロ対策もあって指紋認証やら顔写真撮影など、セキュリティ・チェックが厳しくなってるしなあ。

本人は、「サイパンは米国領土ではないから大丈夫」と語ってたとの報道もあるが、それなりにアメリカ捜査当局の、身柄拘束リスクを察知して注意を払ってたのだろう。アメリカのニュースでは、特段大きな扱いではなく、ネットでヒットしたLAタイムズの記事も、「日本人が20年以上前の妻殺害事件容疑で逮捕された」と伝えるだけの簡単なもの。LAPDの「Cold Case Detective」がサイパン当局と協力して身柄確保したとあるのだが、「未解決事件調査班」のようなもんだろうか。

ロス疑惑の本体、一美さん殺害容疑では、三浦和義は最高裁まで争って無罪になり、急に免罪と戦った正義のヒーローのような扱いに。ただ、これは、「疑わしきは被告人の利益に」の立場に立った判決。犯人でないことが証明された訳ではない。

殺害の前に起こった「一美さん殴打事件」では、三浦和義が殺害をもくろんで、当時交際していた女性にハンマーで一美さんを襲わせた事実が認定され、三浦和義は6年の実刑判決を受け服役。三浦が経営していた会社の取締役、白石千鶴子がロス郊外で白骨死体となって見つかった事件でも、この女性の渡米当時、なぜか三浦がロスに滞在しており、その後、日本でこの女性の銀行口座から何百万も引き出すなど、実に不可解な行動を取っている。

少年の時の放火事件、最高裁での無罪判決後も、万引きが次々摘発されて話題となるなど、三浦和義は、そもそもモラルのカケラもない犯罪者体質がしみこんだ人間。やってないはずはないと思うのだが、これもまたバイアスかかった物の見方だろうか。

もっとも、アメリカで起こった事件とはいえ、殺人の実行犯をきちんと特定できなかったのは、日本の捜査当局のオソマツ。状況証拠だけで三浦を有罪に持ち込むのは、やはり難しかった。今回の逮捕で、LA市警側に、なにか新たな証拠でもあるのかどうかが実に興味深いところ。

「天網恢恢疎にして漏らさず」という。今度こそ、本当に年貢の納め時なのではと思うが。