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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
地球温暖化について更にあれこれ
昨夜は、IPCC第四次報告書の「Q&A」英文版を読んだり、地球温暖化に関する議論をネットであれこれ検索したり。調べだすと、様々な立場で色んな言論が展開されており、実に面白い。

「地球温暖化問題懐疑論へのコメントVer.2.31」というペーパーには、地球温暖化論に懐疑的な見解の主な論点が上げられ、それにたいして逐一具体的反論が行われており面白い。次のような列挙された項目は、一般向けの本で説かれる「地球温暖化懐疑論」の主張をほぼ網羅しているように思える。

「地球温暖化には否定的な科学者も大勢いる」
「都市部の温暖化はヒート・アイランド現象のせいだ」
「温暖化は太陽活動の影響だ」
「南極の気温は下がっている」
「衛星による観測では温度上昇はみられない」
「有名なホッケー・スティック曲線は、マン自身が後に訂正している」
「過去、二酸化炭素濃度が高くても低温化が起こった時期がある」
「海面上昇の原因は海水の熱膨張」
「二酸化炭素は温暖化の原因ではなく、結果である」

上記に対する著者達の反論を読んでゆくと、やはり地球温暖化は事実ではという気がしてくる。もちろん、この論文でいわゆる「懐疑論者」と決めつけられた人が書く「地球温暖化脅威説を考える」というサイトでは、この「コメント」に対し、再反論が行われているのだが。

一概にどちらが正しいか、判断はつきがたい。ただ、後者「脅威説を考える」著者のほうは、「気象シミュレーションは一切認めない」、「たとえひとつでも反証があれば地球温暖化説は瓦解し、虚妄であることが明らかとなる」など、勝ち負けのルールを自分で先に決定する、極めて頑迷な態度が見うけられるのが、どうもちょっと好きになれないところ。地球温暖化は、実験室で定常的観測できるような事象ではないだけに、これでは両者の議論がかみ合うのは難しいだろう。

いろんなバリエーションがあるのは承知しているが、私が勝手ながら大づかみに、地球温暖化に対する典型的な論理の流れを、温暖化「脅威」説派と「懐疑」説派それぞれで分けてみた。

(温暖化「脅威」説の論理)
①地球は温暖化している
②そしてそれは人為的な影響である
③この傾向は加速しており、将来地球環境に大きな影響を及ぼす
④我々はこれに対してすぐに何らかの方策を取らねばならない


(温暖化「懐疑」説の論理)
①地球は温暖化していない
②たとえ温暖化していたとしても、それは人為的影響ではない
③温暖化が進んだとしても、地球環境に大きな影響はない
④温暖化対策は無駄であり、我々にはもっと早急にやるべきことがある


どちらが正しいとジャッジするつもりも、その資格もないが、①と②についての結論は、気象学の世界だけでおそらく出るはず。そして、IPCCの第四次報告はこの2つに関して、「脅威」説が真実であるとほぼ断定している。もしもIPCCを信ずるならば、すでに結論は出ていることになるのだが。「懐疑」説信奉者にとっても、このフィールドで戦うのはだいぶ苦しくなってるのではないか。

③については、気象に留まらず、生態学、生物学、植物学、医学、農学、経済学、地政学などあらゆる学問分野の将来予測を含み、とても気象学だけで扱える問題ではない。④に至っては、科学全般も遠く離れ、政治問題にまで踏み込むことになる。土俵の違うあらゆる分野を一緒に議論すると、なかなかまとまらないだろう。

たとえ①②が事実としても、③④の如何で我々がなすべき対応はずいぶんと違ってくる。一般向けの温暖化説批判本では、①から④まで広く扱ってる場合が多い気がするが、そろそろ③と④の分野だけで議論に集中したほうがよいのではという気もするのだが。いや、もちろん、これにしても実に困難であることにかわりないが。


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