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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
北畑次官の誤算
日経新聞衛星版、「YEN漂流」というシリーズに「北畑次官の誤算」という記事。

通産省の北畑次官は、その昔、定年退職後を物価の安いスペインなどで過ごそうという「シルバーコロンビア計画」を立ち上げた張本人。自らも「退官後は天下りせずスペインに移住する」と公言していたが、ユーロ高、物価高で、今ではスペインの住宅購入費も生活費も日本の2倍。これでは生活が立ち行かないと、退官間際になってためらっているのだという。

バブルの頃は円高が進んだ時期でもあって、輸出企業が大変だと、円高が大問題のように言われたが、通貨の強さは国力を現す指標でもある。対ドルでは、近年目だった変化はないとはいえ、日本円は、対ユーロではずいぶん弱くなっている。タイ・バーツも上がっている。

リタイア後の年金をアテにした海外移住には大打撃だろう。「老後を海外で」というのは、ひところずいぶん流行って本も出版され、実際に海外に移り住んだ人も多いらしいが、スペインからはもうずいぶん日本人が帰国しているのだとか。

実はうちの両親も永住ビザ取ってオーストラリア在住なのだが、昨今はオーストラリア・ドルも高くなり、物価も日本と変わらない。住宅価格も高騰しており、向こうで住むメリットは何も無いと言う。

資源はもとから無い。人口は増えない。社会の高齢化・成熟化が進む。若者にはフリーターが増え、格差社会の到来と共に、産業は次々国外へ。日本という国そのものが、国際的に地盤沈下しつつあるのではという印象は否めない。

日の当たる坂道をゆっくりと下るような国家の黄昏なら、国の姿のひとつの可能性として、それなりに受容可能ではある。しかし、極端に沈下が進み過ぎると、そこに生じるのは無秩序と荒廃というハード・ランディング。もちろんそんな国にはなってほしくない。しかしこのままでは、それが不可避ではないかとの危惧を感じるのもまた確かなのだった。
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