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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
修行は一生終わらない 鮨職人 小野二郎
日曜夜は、日本ビデオ屋で借りてきたDVDで、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」、「『修行は一生終わらない』 鮨職人 小野二郎」の回を興味深く見た。

7歳の時に料理屋に奉公に出され、店を追い出されたら川原か寺の軒下で寝るしかない。仕事にしがみついて頑張るしかなかったというのは、何冊か出た「すきやばし次郎」本でも読んだ生い立ち。当時の日本を考えるなら、実際その通りだったのだろう。小僧の頃からやってきた事だから、働くことに何の苦も感じないという発言には真実味あり。80歳過ぎてまで現役で仕事というのも凄い話だが。

同じ日に〆たサバについても、1本はよいが別のにダメ出ししたり、白身の熟成具合を確かめて、使う時間を指示したりする場面も(画のつなぎを見る限りでは、だいぶ編集されてるようだが)不自然さはなく、確かにいつもそうやってるのだろうと頷けるもの。

長男が当日の朝、仕入報告する場面でもそうだが、小野二郎氏が店に君臨する唯一の総帥で、誰もが顔色見ながらピリピリして仕事してる様子は、一度訪問した時の印象と変わらない。ただ、握りについて、客の食べ具合を見計らいながら出すという説明は、やや誉めすぎのような。あれは、二郎親方が心地よいと感じるタイミングで、どんどん出すといったほうが正しいと思うのだが。

まあ、店の営業方針はその店が決めればよいのだから、お好みでのんびり食わないと嫌だという客は、行かなければよいだけの話ではある。もっとも、取材に映りこんだお客がみんな、神妙に畏まって、店を妙に礼賛して寿司を食べる雰囲気には若干の違和感を感じる。客だからといって、店に何を言ってもよい訳ではない。しかし、寿司食べるのに、拝むようにありがたがるのも妙な話だと思う訳で。

もっとも、82歳現役の職人を前にしたら、客のほうが圧倒されるのもある程度はしかたがないのだろう。山本マスヒロ氏らしき人物がところどころチラリと映りこんでいるのだが、さすがにNHKは場面を短くカットして、極力分からないようにしてるのも面白い。

店での取材部分はなかなか興味深いものだが、ご本人をスタジオに呼んだトークは印象希薄。以前、「茂木健一郎の「クオリア」」でも感想書いたが、茂木は、相変わらずホスト役としては、茫洋とした「クオリア」のないトーク。アシスタントの女性もカラ回り気味。いったい何を引き出したいのか、ちっとも分からない曖昧模糊たる座談。機嫌よくおだてて本音を語ってもらうのが仕事だと割り切れば、もっと他に質問の仕方があると思うのだが。

もっとも、茂木は、いつでもそうとは限らないようだ。今月号の文藝春秋「不老革命」という巻頭座談会にも登場しているのだが、この座談会での茂木健一郎は、鋭い質問を連発して、専門家から興味深い知見をあれこれ引き出している。

してみると、「仕事の流儀」のインタビューがまったく面白くないのは、やはりNHKの台本の問題なのかもしれない。
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