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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
安倍普三 「わが告白 総理辞任の真相」
今月号の文藝春秋、安倍元首相本人が退任の真相を語るという手記。

最悪のタイミングで総理の座を無責任に放り出した退任。そんな評価は世間にも定着していると思うが、この退任に関してご本人はまず、「実際の私の胸中は「投げ出した」とは対極にあります。」と語る。これには正直驚いた。もしも「投げ出してない」と思ってるとしたら、いったい何だと思ってるのか?

しかし、読み進めたのだが、退任の背景についても、すでに報道や自らの会見で明らかにした以外の大した事が書かれているようには思えないし、「投げ出したとは対極」と称するその根拠がサッパリ分からない。中学生の作文としても、これでは意味不明である。

安倍元首相が17歳の時に「潰瘍性大腸炎」に罹患したこと。これは厚生省が特定疾患に指定している難病であること。自己免疫の異常で腸壁がボロボロになり、下血して一日に30回もトイレに行かなければならないほどの実に大変な病気であることなど、本人の持病について明らかにしたのは、おそらく初めてかもしれない。これについては、大変にお気の毒に思う。

しかし、退任を決意した時点で、この潰瘍性大腸炎を疑う検査数値は出ていたが、診断は「機能性胃腸障害」で、まだ本格的に潰瘍性大腸炎の病状が出ていた訳ではない。

疲労がピークに達したが、病院に逃げこむことは「敵前逃亡」でやりたくなかった。しかし、参院での所信表明演説で3行読み飛ばしてショックを受けた。これではこの後の代表質問や予算委員会には到底耐えられないのではないかと考えた。と本人の述懐は続くのだが、やはりいくら読んでも「投げ出したとは対極にあります」の理屈にはならない。

まあ、好意的に読むならば、
「潰瘍性大腸炎が発症すると総理の重責を果たすことは不可能であり、国民の皆様に多大なるご迷惑をお掛けする。予算委員会が始まる前にやめたほうが大難を小難にとどめることができると考えた」

と述べた部分が、「投げ出したとは対極にある」心境ということだろうか。しかし、実際の行動として、総理の座を投げ出したことに変わりない。自分の退任によってかかる回りへの迷惑について、「大難を小難に」と表現する言語センスもちょっと真意を疑う。

この人の言葉は、「美しい国」も「戦後レジームからの脱却」もそうだったが、実に空虚である。おそらく、語るべき実質というものを持ってないからではないか。

まあ、いずれにせよ、静かにご静養いただき、再登板はないことを願いたい。

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