FC2ブログ
97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
『ブレードランナー』 アルティメット・コレクターズ・エディション
Amazon.co.jpより、「『ブレードランナー』製作25周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション」が先週到着。大層な題名であるが、なんと5枚組。「ブレードランナー」はSF映画の歴史に残るもはや古典的名作。CGが活用される前に撮影された最後の世代の映画だが、今見ても内容は何も古びてはいないのが驚き。

このエディションのメインには、2007年にリドリー・スコット監督がCGを利用して再編集した、本当にこれが最後という「ブレードランナー ファイナル・カット」が収録されているのだが、それ以外に、「1982年劇場公開オリジナル版」を含む3つの異版を収録。 その他、リサーチ試写で使用した「ワークプリント」、メイキング・ドキュメンタリー「デンジャラス・デイズ」や、未公開映像などの特典映像も多数収録されている。

「ファイナル・カット」には、さほど興味はないのだが、わざわざこの5枚組を購入したのは、デッカード(ハリソン・フォード)のボイス・オーバー(ナレーション)が入り、結末がハッピーエンドとなっている「1982年劇場版オリジナル」が収録されているから。1994年に、「ディレクターズ・カット」が公開されてから、劇場版オリジナルは長年入手不可能な状態であった。今回が初のDVD化。

リドリー・スコット監督自身は、「この劇場版は好きではないが、固有のファンがいる」と述べている。私自身も、過去日記で書いたことがあるのだが、劇場版には初めて見た時の思い入れがあり、これはこれで十分成立していると思う。試写が不評で、出資者の要請で付け加えられたという、デッカードのナレーションは時として過剰だが、筋書きがクリアになり、誰もがウィスキーを呷り煙草をふかす、1940年代のフィルム・ノワール的雰囲気の構築に一役かっているのも事実。

「ディレクターズ・カット」でリドリー・スコットが示唆した、レプリカントを狩るデッカードもまたレプリカントであり、レイチェルと手を取って逃げるラストは死への道行きであるという結末は、それはそれで腑に落ち、深いと思うが、劇場で見るにはあまりにも暗い。ファンがDVDで見る版としてだけ存在可能だというのが正直なところ。

久々に劇場版オリジナルを見たが、ハリソン・フォードも、ルトガー・ハウアーも実に若い。そして、ショーン・ヤングの美しいこと。メイキング・ドキュメンタリー「デンジャラス・デイズ」で描かれる製作の内幕にも興味が尽きない。そして「劇場版オリジナル」と「特典映像」も合わせて見て、よく分かるのは、リドリー・スコットは、自らの「デッカード=レプリカント」構想に完全に従って、公開前に様々なシーンを既に撮影していたのだということ。

レプリカントの目が赤く光るのも、フクロウの目と同様、丹念に構想されており、デッカードの目が光る一ヶ所のシーンも計算ずくである。上司ブライアンと同僚ガフのデッカードに向ける冷たい視線もおそらく伏線だ。デッカードの部屋にある古い写真もおそらく。

メイキングでは、ロイが殺したタイレルもレプリカントであり、本物は、タイレル社の最上階の荘厳な棺桶で眠っているというシーンがあったことが明かされる。もしもこのシーンが存在していたら、デッカード=レプリカント説は更に強化されたに違いない。

更には、撮影されて未公開となったシーンの中には、例えばこんな意味深なカットも含まれている。

・デッカードに、「 You did a man's job(男の仕事をやり終えましたな」と声をかけたガフが、「But are you sure you are man?」と語る。
・逃避行の車の中でレイチェルが、「You and I were made for each other(あなたと私は一対なのよ)」と語り、デッカードの顔に動揺が走る。

1994年の「ディレクターズ・カット」編集前に、すでにこのラストについて様々な構想が練られていたことを示唆するものだが、どれも実に興味深い。さて、そろそろメインである「ファイナル・カット」もチェックしなければ。

え~、「ブレードランナー」に興味ない人には何の意味もないウダウダでございました、はい(笑)

スポンサーサイト