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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
パンダの死体はよみがえる
上野動物園の死んだパンダ、リンリンは、国立科学博物館に寄贈されており、今後はく製標本と全身骨格標本として展示されるのだそうである。

この記事で思い出したのが、「解剖男」。解剖した動物遺体を博物標本として後世に伝えるという「遺体科学」を提唱する遠藤秀紀が、彼の学者としての活動やその理念を素人に分かりやすく述べた本。

この著者は、以前、国立科学博物館の研究員であり、フェイフェイ、ホアンホアンの遺体を解剖し、パンダの手が笹を掴む仕組みには、従来の説とは違い、第7の指とも言える関節の突起と筋肉の動きが連動していることを発見したのである。この経緯は、「パンダの死体はよみがえる」にも分かりやすく書かれていた。

現在は、京都大学霊長類研究所教授なのだが、根っからの「解剖オタク」であるから、このリンリンも解剖したかったろう。残念がってるのではないか。

パンダは世界的に見ても珍しい動物だが、繁殖力が弱く絶滅の危機にある。繁殖力の弱さは、笹を主食にしたせいで、栄養が足りないからだという説があるらしい。クマは本来、木の実も食うが動物も食う雑食性。しかし、いったいなぜ、パンダは笹だけを食べるように進化したのか。

クマの親戚は、みんな親指が掌に正対しない手を持ち、本来モノを掴むことは不得手。パンダだけが、手に笹を持てるよう、第7の指といわれる突起を発達させたのも、実に不思議な話。

進化論では、獲得形質は遺伝しないというのが定説だから、使ってるうちに突起が大きくなってきたという訳でもなかろう。たまたま突起のある個体だけが、自然淘汰を生き延びて子孫を残したのか。笹を食べだしたのが先か、突起を持つ個体だけが笹を摂取できたから生き延びたのかも疑問である。

あの愛嬌ある白黒の体色で、クマの親戚のくせに、座り込んで笹だけを手に持って食べる。考えてみると、まことに珍奇な生き物だよなあ。生物の進化は、実に大きな不思議に満ちている。

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