FC2ブログ
97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
船場吉兆は、とうとう廃業
船場吉兆は、再建を断念して、とうとう廃業に追い込まれる結末に。

デパートで売ってた惣菜の表示や賞味期限偽装だけが問題なら、「俺達には関係ない」と常連は考えたろうし、だからこそ一時休業して店を再開した時には、会社の金で使う接待客が戻ってきて、「なんだかんだいっても、やっぱり船場吉兆は違いますなあ」などと得意気に言ってたはずなのである。

ところが、当の自分達の宴席に、他の客の食べ残しを出されてた可能性があるということになると、これはまあ大変ですわな。このニュースの後で、船場吉兆をまだ接待に使おうと考える人間がいたら、よほどのアホである。まあ、廃業もやむなしか。

先日評伝を読んだ魯山人は、星岡茶寮でも、料理人の食材無駄使いには実にうるさく、野菜の切れ端もウッカリ捨てると怒鳴りつけたらしい。自ら書いた料理エッセイ、「魯山人の料理王国」でも、食材の無駄をとことん排することの重要性を説き、料理人が、宴席から下げてきた料理を惜しげもなく捨てているのに注文をつけて、有効活用を勧めている。もちろん、誤解のないように付け加えるなら、魯山人は、それをもう一度客に出せと言ってる訳ではない。

普段口に入らない高価な食材については、手をつけられずに下げられたものを口にして料理人が研究に活かす。あるいは鳥の餌にするなり、自分達の惣菜にするなど考えて、極力自然の恵みを無駄にするなということなのである。船場吉兆のように、何万もの勘定貰ってるお客にもう一度出すということになると、もはや「有効活用」とか「もったいない」とは別の次元の話である。

安い居酒屋チェインなどだと、調理はセントラル・キッチン化しており、厨房にいるのもアルバイトであるから、逆に再利用は手間かかるだけでコストダウンにならないだろう。経営者が専門の料理人だけに、ヘンにプロの知恵があり、そのプロの知恵を、実に志の低いほうに使ったのが悪かった。

この食べ残し再利用が公になった経緯の仔細は承知しないが、やはり内部を知るもののリークとしか思えない。賞味期限偽造時の、責任を全てアルバイトに押し付けるような態度からは、経営者一族の驕りと、鼻持ちならない特権意識が伺えた。おそらく、従業員に対する待遇にも、ずいぶん問題があり、それが内部告発につながったと思うのだが。

創業者が一代で築き上げた立派なブランドがあっても、崩壊はいとも簡単にやってくるものである。
スポンサーサイト