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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
汚染米を輸入する「義務」などない。
日本を騒がす汚染米騒動で、太田誠一農相が辞任。農相ポストは、まことに呪われたポストですな。

もっとも、前々回選挙で落選に追い込まれる原因となった「レイプする人は元気があってよろしい」発言など、この人にはもともと粗忽でアホな言動が多い。一度失言すると、メディアが鵜の目鷹の目でアラ探ししてまた叩くという、昨今のメディア・バッシングの犠牲者かもしれないが、このオッサンの場合、まったく同情する気になれないのだなあ。

汚染米の生じた原因のひとつに、ミニマム・アクセス米が揚げられている。1993年のウルグアイ・ラウンド農業合意において、「例外なき関税化」を国内米保護のために日本が拒否。その替わり外国から1年間に輸入しなければならない米の最低限度が決められたのだとか。実は義務ではないのに、農水省は義務だと主張して輸入を続けている、などとの批判もあり、なかなか複雑な問題でもあるようだ。

今のところ、三笠フーズの転売問題ばかりがクローズアップされているが、責めるべき順序が違う。たとえミニマム・アクセス米の輸入が「義務」であったとしても、そもそも、メタミドホスやアフラトキシンに「汚染された米」を輸入する「義務」など、どこにもない。輸入者として、農水省が何をやってたのかが厳しく問われなければならないのでは。

貿易に携わる人間なら自明のことだが、輸入には多くのリスクが存在する。途上国から物を輸入する場合は特にそうだ。商品の変わりに石が詰められていた、契約と違う粗悪な品質のものが入っていたなど、騙された話は昔からいくらもある。民間業者が、こんな損害を、漫然と毎回食らっていたら、たちまち倒産だ。

このリスクをどう排除するかが、輸入貿易手続きのノウハウであって、当然ながら、昔からあれこれ工夫されている。公的機関の品質証明をつける、船積み前に立会い検査を行う、輸入通関後に品質検査をしてから代金を決済する、商品の瑕疵については契約のキャンセルと損害賠償権を契約上で明記するなどなど。

農水省は、ミニマムアクセス米の輸入において、リスクを回避するための手続きを果たして取っていたのか。汚染された米は商品の瑕疵。本来、代金を支払う必要すらない。代金返還の請求、損害賠償の請求、該当国、業者からの輸入停止をまず行うべきであり、引き取って国内で工業用に転売しようというのが、そもそもおかしい。自分達の失敗を隠し、問題を先送りにする、お役人特有の悪しき体質が生んだお粗末なケースなのではないだろうか。

こんなことをやってたら、汚染米は輸出したもの勝ち。「農水省は、どんな米でも買ってくれる間抜けなお役所」と輸出国の業者からはバカにされてたのではないか。それが更に、粗悪な品質の米が船積される悪循環を呼んだのではと、邪推したくもなる。

事故米は輸入米だけではなく、保管中にカビなど生えた国産米も対象であるらしい。しかし、「倉庫に保管しておいたらカビが生えて事故米になりました」、「だから捨て値で国内で工業用に販売します」という思考回路もまたおかしな話。民間企業で、商品に関してこんなズサンな在庫管理やってたら、担当者はすぐさまクビだろう。何度も同じ失敗を繰り返せば、これまたすぐに倒産である。

まあ、税金を使うだけのお役所は倒産しない。だから、何も考えずにのんきにやってられたのだろう。三笠フーズは、自分達の怠慢や失敗の尻拭いをしてくれる「便利な会社」。彼らの不正が見つかったら、困るのは農水省のほうだ。検査に身が入ってたはずもない。

まず、ミニマム・アクセス米の輸入を全面ストップしたらどうだろうか。どうせロクでもない米しか輸入されてないはず。汚染米の元を断たねば、同じ問題は何度でも起こるだろう。

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