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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
クリスマス前の解雇
11月の全米失業率は6.7%と前月より更に増加。93年以来の高水準なのだそうだが、今後とも更に上昇するだろう。すっかりホリデー・シーズン入りしたアメリカ。街に流れるクリスマス・ソングには、この時期を「一年で一番素晴らしい時」と歌うものが多いのだが、クリスマスを前にして失業した人にとっては、「素晴らしい時」どころではないだろうと同情する。

しかし、首を切られるのも大変だが、首を切る役だって嫌なものだろう。私自身は幸いにも、日本人の部下を退職させる立場になったことはないのだが、例外的に一度だけ、もう10何年前の前回アメリカ駐在時、メキシコ人の倉庫番を解雇したことがある。

彼は実におとなしいメキシコ人で、窓ガラスの割れた恐ろしく古いワーゲンで会社に通って来ていた。なかなか真面目に思えたが、直属の監督役である私の部下のアシスタント・マネジャーによると、どうも働きがよろしくないという。

人事や法務も入れて相談した後、じゃあ解雇しようとなったのが12月中旬。しかし、解雇日を決定する段になって、当のアシスタント・マネジャーがちょっと浮かぬ顔になり、「やはり、もうちょっと待てないか」と言い出した。自分が解雇しようと言い出したんじゃないかと、更に理由を聞くと、「もうすぐクリスマスだし、クリスマス直前に解雇というのも、気の毒な気がする」とのこと。

まあ、確かに、クリスマス直前に解雇するというのもひどい話だよなあ。あと一ヶ月くらい延ばしても特段問題あるまい、と同意。結局1月の中旬に解雇することになった。

法務のほうからの推奨で、「今後、会社を訴えない」というレターにサインして送り返したら、2週間分の給与を追加で支払うというオファーをした。訴える気ならしかたないが、そうでないならサインしてお金を余分に貰ったほうが得なのだ。弁護士雇って訴訟したとて、弁護士費用がかさむばかり。

しかし、解雇後、しばらく待ったのだが、結局レターは送り返されてこなかったし、訴訟の提起もなし。おそらく、メキシコ人の彼は、書かれてることの意味がよく分からず、小難しい書類にはサインしないほうが無難だと思ったのではないだろうか。

なんだか、それも気の毒で、「サインしても損しないから、必ずサインして送り返せよ」と忠告してやったほうがよかったのではないかと、今でも思っている出来事。どこかの空の下で、元気にやっていればよいのだが。
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