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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
ミッキー・ロークの「Wrestler」
Wal-Martで買い物していると、昨年公開された、ミッキー・ローク主演、「Wrestler」のDVDが発売されていたので早速購入。新作でも20ドルしないのだから、ずいぶん安い気がする。どれでも5ドルという大安売りコーナーもあったのだが、こちらはさすがに、聞いたことも無いような映画の旧作ばかり。

昔は人気レスラーだったが、今はすっかり落ちぶれ果て、家庭は崩壊し、場末の小屋でのプロレス興行に出るだけが仕事のレスラー、ランディ「ザ・ラム」を、ミッキー・ロークが演じる。

栄光の80年代を回顧しながら場末の試合をこなす「ザ・ラム」は、長年のステロイド使用による心臓発作に襲われる。激しい運動をしたら死ぬと医者に通告されても、彼にはリング以外に戻ってゆく場所は無い。不器用にしか生きられない彼の指の間から、いつも零れ落ちてゆく幸せ。彼の身を案じる女にあえて背を向けて、汗臭い控え室から、リングへと向う。そこは、かつて唯一、彼自身が輝いた場所。破滅へと繋がる男の美学をストレートなストーリーで描いて実に印象的。

ローク自身、1980年代には、「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」、「ナインハーフ」、「エンゼル・ハート」等の話題作で主演を務めたセクシーな2枚目であったが、全盛期に映画を放り出してボクシングに没頭。その後、ボクシングによる怪我や後遺症にも悩まされ、映画界に戻ろうとした時、そこにはすでに彼の座る席は無かった。すっかり往年の人気を失ってしまった落ちぶれた俳優。彼自身の経歴が、このレスラーの人生に投影されて、映画全体に実に印象的な陰影を与えている。

昔、ボクシングの試合で来日した時は、ミドル級くらいの体格と思っていたが、かなり増量しており、レスラーとしては確かに年老いた感じがするものの、シロウトとは思えない驚異的な筋肉。実際ステロイド打ってるのかもしれない。「シン・シティ」に出演した時は、あれが本人かどうか疑問に思ってたが、今回の主演で、確かに本人であったと再確認。

ランディーが心を寄せるストリッパー役のMarisa Tomeiは、汚れ役をプロ根性で演じて素晴らしい熱演。アカデミー助演賞ノミネートも頷ける。場末のレスラー達の連帯と奇妙な友情や、対戦相手のプロレスラーの横顔も実にリアル。この主役は、確かにミッキー・ロークでなければできなかったと頷ける、実に印象的な映画。日本ではこの初夏に公開だろうか。

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