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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
男性作家にはハゲが少なく、その娘は作家になりやすい?
いささか古い話なのだが、書き忘れていたので、今更ながら。

週刊文春に、「ドコバラ」という、読者の生物学(?)に関する質問に答える竹内久美子の連載がある。この人は利己的遺伝子のドーキンス遺伝学紹介の著作もある動物生態学者/生物学者。こんな学説があるという紹介部分は、簡潔で読みやすいのだが、自説に結びつける過程に、ずいぶん強引かつ突飛な飛躍が多く、内容は科学というより、「トンデモ」系と言ったほうがよい。

まあ、養老さんとか、最近では、福岡ハカセとか、週刊誌に連載を持つ時点で「学者」ではなく、「文筆家」と分類されるべきであって、あまり目くじら立ててもしかたないのだろうが。この「ドコバラ」も、「動物行動学バラエティー」の略なのだそうで、科学エッセイと受け取るべきではないのかもしれない。

毎週、チラっと見る程度で読み捨てているのだが、3週間前の号だったか、「作家の娘は作家になる」の考察は、説の真偽は別として、ちょっとだけ面白かった。

「江国香織、吉本ばなな、青木玉、阿川佐和子など、男の作家の子供には、女の文筆家が多い。これには生物学的な説明があるか」という質問に対する考察。

まず、竹内は、
「言語は女の得意分野、それは、胎児期に女性ホルモンのエストラゲンが言語脳である左脳を発達させ、右脳の発達を抑えるから」
と、真偽の証明されていない断定から豪快に出発する(笑)。(もっとも、ネットでは、文章が上手いなあ、と感心するのは、全部女性のブログであり、経験則的には頷ける部分もあるのだが)。

ここから始まる快調な竹内節を、私が勝手に要約すると次の通り。

「男性作家の息子には作家が少ない」

「つまり、この作家形質は、父から娘にはよく伝わるが、息子には伝わりにくい遺伝的性質ではないか」

「だとしたら、その遺伝子は性染色体のX上に存在するだろう」

「一方、男性作家にはハゲが少ない」

「ハゲてないのは、幼児期の男性ホルモン・レベルが低く、男にしては左脳が発達してるから」

「男性ホルモン(アンドロゲン)の受容体遺伝子は、ホルモンの感受性を決めるが、この受容体遺伝子は性染色体のX上に存在する」

「ハゲが少ない(男性ホルモン・レベルの低い)男性作家の娘は、男性ホルモンに対する感受性の低さがX染色体により娘に遺伝して、左脳が発達して作家になる」 証明終り!!!


短いエッセイですぐ読めるが、男性作家の息子には本当に作家が少ないか、男性作家には本当にハゲが少ないか、作家になるのに遺伝的性質がどれだけ影響してるのか、女性のX染色体の片側は、母親からも由来しているはずだが、こちらのほうの影響はどうなってるのか、などなど、疑問点が次々とわいてくる。

しかし、そんなエッセイを、あれよあれとと、なんだか分からぬままに読ませてしまう著者の、(科学者ではなく)文筆家としての「力技」、ガマの油売りのような「大道芸」には、ある意味深く感心した。

まあ、しかし確かに、質問にあった、江国香織、吉本ばなな、阿川佐和子などの父親はみんなフサフサなのは事実。(青木玉の父親、幸田露伴は、写真見ると、なんだか若い頃から薄そうなのだが)そういえば、北杜夫もフサフサだが、娘はエッセイスト。

「男性作家にハゲが少ない」というのも著者の断定なのだが、確かにエッセイで挙げられた以外にも、大概の作家がハゲてない気がする。

思いつくままに挙げても、芥川龍之介、夏目漱石、太宰治、丸谷才一、筒井康隆、小松左京、星新一、森村誠一、大江健三郎、吉行淳之介、池波正太郎、開高健、椎名誠、村上龍、村上春樹、赤川次郎、石原慎太郎、村上龍、村上春樹などなど、確かに、作家にはハゲが少ない気がしてくるなあ(笑)。

逆にハゲた作家は、あんまりいないような。いやまて、そうか、山口瞳がいるな。邱永漢もそうだ。あと誰かいたっけなあ。あっ、浅田次郎とか。やはり確かに少ない気が。ハゲた作家思いついた人は、下のコメント欄に書き込みでもどうぞ(笑)。

まあ、ハゲと作家との関係は、本当は、人口に占めるハゲの割合と、作家に占めるハゲの割合の相関を、きっちり統計に取って調べてみないと何とも言えない。しかし、なんとなく当ってる気もする、なかなか面白い観察ではある。
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