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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「アバター」を見た
日本帰国時に「アバター」を見た。TVの予告編しか事前知識無かったので窓口で知ったが、3D映画なのだそうで、300円の別料金がかかる。劇場で眼鏡を貸し出し、上映終了後に回収する仕組み。3D眼鏡は、セロファン貼った安物ではなく、複数回の使用に耐えるしっかりした造り。ただ、かけると若干画面が暗く感じるなあ。設備のよい新しい劇場で見たほうがよい。

監督のジェームズ・キャメロンは、「ターミネーター」、「エイリアン2」、「タイタニック」などの大作で有名。今回の映画は、遠い未来、鉱物資源を求めて惑星パンドラに進出した人類と、現地で自然と共生する人間型生物ナヴィとの争いを描くSF物。

3Dの映像は、何かが飛び出して見えるというよりも、空間の奥行きを表現するのに優れており、異世界惑星パンドラにまさしく自分が迷い込んだかのような不思議な雰囲気を体験できる。

異星人と人類の衝突というストーリーには、帝国主義と植民地搾取の歴史が投影されているのは明らか。征服者と先住民の娘の恋というのも、映画や小説でよくあるテーマ。ただ、それをSFに持ち込み、人類と異星人との接点役として、精神感応によって自由に操れるアバターという存在を導入したところが、ジェームス・キャメロンの優れたアイデア。

男性の主人公が下半身不随であり、アバターと同期しナヴィ族の一員として惑星パンドラの表面で活動している時だけ、本来の自分に戻れるという設定も、映画の後半部になって効果的に生きてくる。

単純なストーリーに勧善懲悪的カタルシスを持ち込んだ大作が得意な監督であるが、その巧みな演出の技は、パフォーマンス・キャプチャーを多用した本作品でも遺憾なく発揮される。

最初に出てきた時にはジャガーのごとき獣面で、異形としか見えないナヴィ族の女戦士ネイティリは、物語の後半になると、実に可憐な「女性」に見えてくるし、観客は次第に、人類ではなく、惑星パンドラの大自然とそれを守ろうと立ち上がるナヴィ族のほうに感情移入してゆくことになる。

ナヴィ族の側に立って戦うことに決めた主人公についても、人間の肉体とアバターとのギャップは厳然として存在する訳で、いったいどうなるのか、若干途中で心配になったが、惑星パンドラの生命の根源をつかさどる一種の「神」を持ち出して、ハッピーエンドで奇麗に解決がついている。

どこから実写でどこからCGだったか、ほとんど気にならず、3時間近い上映時間が長く感じないのも、キャメロン監督の演出の力。世界の興行収入でも大ヒットとなっているようだが、久々に感心した映画。DVDよりも、やはり劇場の大画面で3D映像を体験するべきだろう。


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