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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
ホノルル寿司日記2 「雅庵」2日目
メモリアル・デイの連休に行ったホノルル寿司日記の続編。前回訪問の金曜の夜になかなか感心したので、日曜夜に2度目の「雅庵(があん)」訪問。

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Sand Villaホテルの入り口を入り、右奥に進み看板の指示通り左折すると、プール脇の入り口に出る。駐車場はホテルの無料バレット使えるとか。

おまかせの料理は月変りとのことなので、本日は、魚中心で行くかと、60ドルの握りコース12貫を前回訪問時に予約してある。しかし、お酒も飲むので、おまかせで刺身を追加。

寿司シェフにハワイの仕入れ事情など伺いながら。ホノルルでも日系の店に入れてる卸の問屋はだいたい同じ。日本から何を引いてもらうものかを指定する等によって差別化するしかないのだとか。この店では、築地と九州の市場からの物を入れてるとのこと。

本日は朝から好天で暖かい。最初にキリンの小瓶を一本。その後は、黒龍の冷酒をグラスで飲みつつ。

前回に書くのも忘れてたが、最初のお通しに茹でた空豆が出て、アメリカで空豆も珍しいなと感心。空豆は日本からと思ったら、ちゃんとハワイで栽培してる農家があるのだとか。アメリカ人に出すと皮を剥かずにそのまま食されることもあるので注意してるとのことであったが、確かに空豆は英語で何と言ったっけ。なにしろ、アメリカで食べたことがないから分からんなあ(笑)

この店は、昨日、本日の日記にもあれこれ書いたが、アメリカの寿司屋としては、実にあれこれ目が行き届いてこだわっている。醤油もそのひとつだが、ごく小さな器に注ぎ分けられ、刺身が出される時だけにその都度出される。

アメリカ人は、日本食レストランのカウンタに座ると、まずカウンタに置いてあるビンから、手塩皿に醤油をなみなみと注ぎ入れる。家族4人来たらキッコーマンの卓上醤油ビンが1本無くなるくらい。あれは実に無駄だし、しかも、カウンタにずっと醤油のビンを出しっぱなしというのも、品質の劣化があるだろう。この店のやりかたは、アメリカの日本食レストランでもっと普及するべきかもしれない。

刺身に添えるワサビも日本から入れたものを鮫皮で卸す。隣にいたアメリカ人客が、「Oh! This is real WASABI!」と感心している。

過去の寿司日記を見てもらっても分かるが、私は本来店内で写真は撮らない。客がカウンタで写真取るのは、なんだかみっともない気がする。しかし、慣れない店ではお酒飲んだらせっかく食べたものを忘れてしまう。一応、シェフに尋ねると、どうぞどうぞとのことだったので、今回は旅先のことでもあり、鳩山元首相の如く、方針をケロっと大転換して備忘のために写真をいくつか(笑)。

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刺身と握りには、まず塗りの黒い板をおいて。小笹系はそんな感じだったなあ。背景が黒だと寿司種がなかなか映える。

刺身はまず、ヒラメ。旨みがあり結構。そして九州から引いたというシマアジ。アメリカで食するカンパチやらハマチなどの白身は、アメリカ人が好むからか、ラードのような脂が舌にベットリ残るくどいのが多いが、このシマアジは上品な脂でプルンとした食感もなかなかよい。

タコについては、「しみづ」と比較するとちょっとなんであるが、日本産だそうで、確かにアメリカの中ではよい出来。だいたい他の店はアフリカ産冷凍タコだからなあ。トリ貝も小さいながら日本からで、トリ貝の味がする。味がするだけで感動してはいかんとは思うのだが、アメリカの他の寿司屋でたまにトリ貝あっても、ゴムみたいな食感のしか当たったことないからねえ(笑)

その他、オクラ味噌漬け、アオリゲソの塩焼きウニソース添えなどが合間に供されたが、これも美味く、お酒がまた進む。Honoluluにいると、ホテルまで歩いて帰れるし、本土と違って運転の心配がないから、酒がいくらでも進むなあ(笑)

この後は握りに。

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最初に供されたのはヒラメの昆布〆。こんな仕事も、アメリカでは珍しい。白身はイカは酢飯の味がよく分かるが、赤酢の酢飯が口中で解れる具合がなかなかよい。赤酢と塩だけで切られた酢飯は、口中で一粒一粒の米の旨味がはっきり分かるように解けてゆく。個人的には塩も酢も、もう少し効いても大丈夫だが、あとは寿司種とのバランスか。次の白身はカンパチ。

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地元で揚がったメバチのヅケ、赤身、中トロと続く。軽い脂だが旨味があって酢飯との相性も悪くない。クロマグロの酸味と重たい旨味には欠けるが、ハワイの爽快な風の下で食するなら、こっちのほうがよいかもしれないなあ。

コハダはしっかりと〆てあり、これまた赤酢の酢飯との相性がよろしい。コハダは、アメリカの寿司屋では、愛想程度に置いてあるところはあるものの、この店のようにきっちり仕事したコハダには、あんまりお目にかかったことがない。

甘エビは、海老味噌を乗せてバーナーで炙る。香ばしさが加わってなかなか結構。その他、ホタテ、生アワビ、ウニ、イクラ、アナゴと出て、自家製の卵焼きは酢飯抜きで。そしてカンピョウ巻。

握りの味は半分以上酢飯で決まると言われるが、アメリカの寿司屋でそれを思い出させてくれるところはまずない。しかし、ここワイキキ「雅庵」で、久々にそれを思い出させてもらった。アメリカ寿司屋の平均水準を遥かに超える、実によい店である。もちろんアメリカで営業してるのだから制約があり、日本の江戸前とまったく同じとは行かないが、よいものを提供しようという志がはっきりと感じられる。開店してまだ1年足らず、まだまだ進化が続くに違いない。

勘定を済ませると、寿司シェフは最後に外に出て来て挨拶。外のスタッフもなかなかきちんとしている。繁盛してもらいたい店だなあ。ホノルルに来たら必ずまた寄ろう。

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店を出ても外はまだ明るい。腹ごなしにヒルトン村までのんびりと歩く。レインボータワーに戻る頃には、夕闇が迫っていた。

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