FC2ブログ
97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「原子力村」に生きる住民の習性
福島第一原発の事故では、メディア等に出る説明図に次々追加がなされてゆく。

最初は、4から6号基は定期点検のために冷温停止中ということで、報道で出てくるのは1から3号基のみ。しかし、いつのまにやら4号基の建屋にある使用済み燃料棒プールの冷却機能が失われて煙が出たとのことで、一気に4号基も焦点に。

そして、突然、実は他の建屋の中にも使用済み燃料棒プールがあったんですという話になり、どれも冷却水が喪失されて危機的状況ですと、建屋内の説明図にそれが加わる。上島竜平なら、「聞いてないよ」というところである。

格納容器の下部にある圧力制御室についても、当初の原子炉説明図にはあまり記載が無かった。2号基下部で爆発らしきものがあったとたんに、実は格納容器下部にはドーナツのような形をした圧力制御室というものがありまして、という説明が出てくる。

今回、高濃度放射性物質の含まれた水が床にあったタービン建屋についても、この問題が報道されてから図に出てくる。建屋外のトレンチ穴に溜まった水の話になると、実は外のこのあたりにトンネルありまして、とその図も追加して、TV解説者もしたり顔で解説。

全てのリスクを網羅的に俯瞰して、検証、解説するなら、最初から原子炉の周りに何があるのか、全て網羅的に説明図に入れとけばよいと思うのだがなあ。

思うにこれは、「原子力屋」の悪しき習性から来ているのでは。

まず安全であることを真っ先に強調。できるだけ情報は小出しに。余計な情報は与えない。TVの解説に出てくる学者も、東電の人間も、原子力安全・保安院の役人も、みんな同じ。原子力で飯を食う、「原子力屋」の身についた習性を持っている。

原子力については、最初から社会全体に根強い安全に対する警戒感がある。しかし、危ないから止めようということになると、彼ら「原子力屋」は全員飯の食い上げに。原子力にまつわる不確実性や危険性については、どうせ細かいことは素人には分からない。俺達プロの間だけの議論にして、素人には余計なことはしゃべらないことにしよう。まあ、それが「原子力村」に生きる人々の共通認識、かつ不文律なのでは。

世の中にはもちろん、日本の原子力政策について批判してきた論者もいるのだが、そもそも原子炉工学と関係ない学者か、あるいは専門家であっても、何かの原因で「原子力村」から追われて村八分になったような者ばかり。原子力に群がって飯を食う、この村の住民の影の団結力は実に強い。TVで安全を強調する原子力専門家という学者の解説を聞くたびに、そんな印象が強くなるのだった。

専門家が、安全だ、ただちに健康への影響は無い、と繰り返すたびに人々は不安になる。最悪も含めて、何が起こりうるかの幾つかのシナリオを、可能性と共に科学的根拠に基づいて、きちんと呈示したほうが逆に人々にパニックを引き起こさないと思うのだが。もはや、どうなるか誰にも分からないというのでは、それこそ恐怖だが。

スポンサーサイト