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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
まだバブルの残滓が残ってたとは
こんなお粗末な企業統治がを書いた時点では、オリンパスの疑惑取引については、お粗末な経営判断で海外ファンドにカモにされたり、ブラック企業や経営人への資金還流などの疑惑があるのではと思っていたが、会社側の発表では、1990年代に遡る有価証券投資への損失計上を先送りしており、買収に伴う巨額の疑惑取引は、その含み損の解消に使われたものと説明。もっと根が深かった。それにしても、バブルの残滓をまだ抱えていた会社があるとは正直思わなかったなあ。

詳細なスキームはまだ第三者委員会の調査を待たねばならないが、含み損のあった投資有価証券を、海外のファンド等に頼みこんで簿価で買い取ってもらって損を簿外に「飛ばし」、その借りを返すために、金を捻出する必要があったということなのでは。

もちろんファンド側も、人助けが仕事ではなく黙って損だけ食らう訳がない。多分、バブル崩壊の後で、その後値を戻した有価証券もあるだろうから、そのゲインはゲインで黙って懐に入れ、当初に計算した損失相当の「貸し」を金利付きでオリンパスに精算させ、一儲けという構図ではないだろうか。おそらく正直に損を出していたほうがオリンパスのトータルの損害は少なかったと思うのだが。

監査法人は09年3月期まではあずさ、その後は新日本らしい。なぜ発見できなかったかというのは確かに疑問だが、会計監査は検察のような強制捜査権を持って調査している訳ではない。会社側が悪意を持って事実を組織だって隠蔽していたならば、不正の発見というのは難しいだろう。まして過去に不正に加担した元取締役が監査役をやっていた訳で、これは泥棒が警官になったようなお話。内部統制など効くはずがない。まあ、不明朗な飛ばしが行われていた時期のあずさ監査法人の会計士がこれを承知して加担していたとなると、今頃、過去の監査調書をセッセと燃やしているだろうが、だとするとまさしく日本版「エンロン」。まあしかし、まさかそこまではなあ。

ロイターによると、監査法人の交代は、巨額の買収を巡るのれんの会計処理に伴う見解の相違によるというのだが、このあたりの経緯も実に不透明。あずさ監査法人が監査した最後の年度2009年3月期の有価証券報告書では、760億円の「のれん」償却、158億円の投資有価証券評価損、Gyrus社買収手数料確定による前期損益修正155億など不気味な特別損失がズラズラ並び、当期連結純損失が1,148憶円。3,679億円の連結自己資本が1,688憶円と半分以下に吹っ飛ぶ異様な決算。まあ、あずさ監査法人も、これが最後とできるだけ綺麗にして去って行った可能性もあるが、果たして不正経理まで見えていたかどうか。いずれ金融庁も出てきて調査が進むともっと怪我人が出てくるのでは。

今のところ社長は責任者として3名の名前しか挙げてないのだが、本当に取締役クラスだけで1990年代からの代々の隠蔽ができたのかも疑問。もう少し規模が大きい組織的な引き継ぎがなされていたとも思える。

まあ、しかし、まともな会社の監査委員や監査役なら、このオリンパスの報道を見て心配になるだろう。もとより彼らは心配するのが仕事である。担当の監査法人を呼んで、「うちの会社は大丈夫か?」と問い詰めるに違いない。監査法人もしばらくてんやわんやの大忙しだろう。

バブルの負の遺産がまだ残っている上場会社が他にあるはずはないとも思うのだが、同族系のワンマン会社等にはひょっとしてありえるかも。同じく内部統制がまったくチャランポランであることが判明した大王製紙なども、本当に大丈夫かと思えてくるなあ(笑)



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