FC2ブログ
97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
金正日死去~次のビッグ・ブラザーは誰だ
お昼にネットのニュースで金正日(キム・ジョンイル)死去のニュースが流れてきたのでびっくり。「現地指導に向かう途中の急死」と報道されたので、ネットでは暗殺説を取りざたする人もいたが、今、ジョンイルを殺して得するものがいるだろうか。考えられるとしたら、ジョンウンへの権力委譲を快く思わない軍部のクーデターだが、失敗すれば自分の身が危ない。用意周到に準備して、同時蜂起で報道機関などを全て制圧するのが常道だが、そんな様子もない。

ジョンイルは糖尿病などの持病があり、何年か前に脳卒中で倒れたと噂されている。まあ、二代目の独裁者として、若い頃から酒池肉林の不摂生な生活を続け、飢えている人民をよそに一人だけブクブク肥え太っていたのだから、心筋梗塞になっても別段不思議はないような。

問題は、既に後継者として指名されているキム・ジョンウンが、あの若さで本当に権力を掌握できるのかどうか。ジョンイルが後継者として指名されてから、実際に最高権力の座につくまでには、父親であるキム・イルソンの下で20年以上をかけている。

以前読んだ「LIVE講義 北朝鮮入門」では、後継指名後もジョンイルの権力基盤は決して磐石ではなく、注意深く権力移譲の妨げになりかねない人物を次々と政権中央から遠ざける隠された政権闘争の歴史があったのだと述べられている。

ジョンウンが後継指名されたのはつい昨年。本人はまだ20代後半。後ろ盾になる側近達の合議による集団指導体制が取られるのだろうが、側近政治は誰が神輿を担ぐかを巡って、内部での隠された権力闘争を生んでゆくのではないか。

北に政治的混乱が起これば、韓国も多大な影響を受けざるを得ない。中国やソ連がどのように反応するのかも今後の焦点。半島に混乱が起こったら、日本だって無関係ではいられない。

ジョンウンが権力掌握に失敗したら大混乱が始まるが、権力を世襲したとしても、この20代の若者はいったい国をどの方向に指導するだろうか。父のジョンイルはこの三男を、「オレに似て気が強くリーダーシップがある」と息子の中で一番買っていたのだそうだが、この評価は言葉を変えれば、「わがままな暴君」ということである。どちらにしても混乱は必至だろう。

北朝鮮は、一種の政治的謀略の天才、金日成によって完成を見た、ジョージ・オーウェルの「1984」を現実世界に現出させたかの如き独裁国家。しかし、オーウェルでさえ、独裁国家が世襲で権限を委譲し、それが三代目にまで突入するとはまったく想像もできなかったに違いない。


スポンサーサイト