97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「クリード チャンプを継ぐ男」を観た。
Amazonに発注したブルーレイで、「クリード チャンプを継ぐ男」を観た。



世紀の傑作とまでは思わないが、実によく出来ている。シリーズの第一作「ロッキー」は、underdog(負け犬)が血の滲む努力をして強者に泡を吹かせると言う、古今東西を問わず人の心を熱くするストーリーの歴史的金字塔。脚本・主演のスタローンはこれ一作で世界的大スターになった。

本作品は、もう一発当てようという商売気ではなく、スピンアウトとして持ち込まれた企画が実現したそうだが、「ロッキー」シリーズのバックグラウンドを巧みに織り込みながら、第一作の「ロッキー」に似たカタルシスを観客に与える事に成功している。最後のチャンプとの対戦で「ロッキー」のテーマが流れるのは若干反則のような気がするが(笑)、まあスタローンは「俺の映画で俺のテーマソング使って何が悪い」と言うだろう。

「ロッキー」は元々「3」で終わるはずだったらしいが、「4」「5」「ザ・ファイナル」と制作。本作は、「4」で扱われたアポロ・クリードの死と「ザ・ファイナル」で描かれたロッキーの老残の延長線にあるもの。「5」は出来がイマイチだったので、「ザ・ファイナル」は観なかったなあ。

「5」は、実際に白人のヘビー級チャンプとなり「ホワイト・ホープ」と呼ばれたトミー・モリソンが出演して話題となったが、その後モリソンは、HIV感染が明らかになりボクサー人生に終止符を打つことに。マイク・タイソンと対戦する大型契約もあったらしいが、全てが消滅。余計な現実の蹉跌が記憶に残っている。

アドニスとメアリー・アンとの最初の出会い。「He is my husdand」、「You are his son」と微妙な距離感を持って語られる会話は、アドニスの出自が後に語られて納得。アパートメントで大音響で音楽を流すビアンカの背景、教育も受けタブレットやPCを使いこなしながらも血に飢えたボクサーへ傾倒してゆくアドニスの父親に対する屈折した想い。脚本も細かい所がよく出来ている。

誰もが弱みや深刻な問題を抱えているが、それと戦い超克する事が尊いのだというメッセージは、第一作「ロッキー」から継続するテーマ。今の御時世ではシンプルでストレート過ぎるかもしれないが、しかし多くの人の心を打つ。