FC2ブログ
97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
歌舞伎座「四月大歌舞伎」、夜の部
先週土曜日は、歌舞伎座「三月大歌舞伎」夜の部。

ajIMG_0493.jpg ajIMG_0494.jpg
ajIMG_0495.jpg

駅からブラブラ歩いてセブンイレブンに寄ったら、横の公園で桜が満開。まだまだ咲いているが、この週末までかな。

ajIMG_0496.jpg

最初の演目は、仁左衛門の、「源平布引滝 実盛物語(さねもりものがたり)」

仁左衛門はこのところ歌舞伎座出演が続くが、毎月良い。人死にのある、ある意味暗い話でもあるのだが、この「実盛」では、最初から最後まで、仁左衛門は、颯爽と明るく背筋の伸びた主人公の実盛を演じる。

寺嶋眞秀が子役、太郎吉役で大活躍。三味線に乗る台詞も立派にこなす。歌舞伎は一種の男系相続だが、音羽屋の血筋といえば血筋であり、人気が出たらどうなるんだろう。「サワコの朝」で母親の寺島しのぶは、「父親が歌舞伎役者ではなく、御曹司ではないので」と語っていたが、歌舞伎が大好きらしい。

歌六の瀬尾は初役なのだそうだが、赤っ面の憎らしい押し出しと、「戻り」の孫を思う祖父との慈愛が両方くっきりとした輪郭で描かれ、実に堂々たるもの。上手い役者は何をやっても達者だ。松之助と斎入も、しっかりと脇を固める。

源氏の白旗を絶対に守り抜くと握りしめた小万の手に、切り落とされた際に霊魂が宿り、死体に繋ぐと小万が反魂する。実盛は、自分がいずれ討たれる遠い未来を幻視して、その時には老人になっているが、間違わないように髪を染めて戦場に出ようと語る。子供ではなく手が生まれたというエピソードも含めて、全体に流れる不思議なオカルトじみた雰囲気が独特。

最後は仁左衛門が、これまた颯爽と馬で去ってゆくのも後味よろしいですな。

一階席前方に居たのだが、やたらにイキった声で、役者の出と入り、見得のたびに声を掛ける男がすぐ後ろに居たので、大変にウザかった。大向うは幕見か3階でやってもらいたい。一階席で後ろから声が掛かるとは予想していないので、結構気に障る。しかも、時々屋号間違えていたと思うけど。なんなんだ(笑) 仁左衛門の時は他にも一階席で声掛ける客多し。不思議なり。

ajIMG_0498.jpg ajIMG_0499.jpg
ajIMG_0500.jpg

幕間は三階の「花篭」で芝居御膳。ホタルイカ、タケノコ、タラの芽、鰆、桜豆腐など、春の彩り満載。しかし、この日は「花篭」ガラガラ。客席はまあまあ埋まっていたと思ったが。団体の客がいないのか。

ajIMG_0491.jpg

そういえば、この前、こんなA4のハガキが松竹から届いていた。4月はチケット売上が芳しくないのか。昼も夜も大看板が出ているのだけどねえ。

二番目の演目は、「猿翁十種の内 黒塚(くろづか)」

猿之助の「黒塚」は以前にも歌舞伎座で見た。猿之助は、粋な江戸の鉄火な女も似合うが、この婆さんの役も、なんだかよく似合う。基本的に女形の人なのかも。鬼婆は、隈取をした一種のケレン味のある変身であるが、これまた印象的。

ロシア舞踊を先代の猿之助が取り入れたという幻想的な舞踊が美しい。

しかし人をさんざん殺した鬼婆も、仏のお慈悲で助かると言われて喜んだ後で、ケロっと裏切られては、それはまあ激怒するだろうなあと同情もする物語。阿闍梨役の錦之助がまた、ケロっとしている(笑) まあ、この人の持ち味であるが。念仏で調伏されてさすがの鬼婆も、最後に大見得を切って、しかし一巻の終わり。

最後の演目が、「二人夕霧(ににんゆうぎり)」

「廓文章」、いわゆる「吉田屋」の後日談。初代の夕霧が亡くなり、二代目の夕霧を身請けして、伊左衛門が昔取った杵柄で、「傾城買指南所」を開きながら食い詰めた生活をしているところに、なんと亡くなったはずの初代が現れる。

上方和事、伊左衛門を鴈治郎が演じる。気楽に見れる「吉田屋」のパロディだが、魁春が、若き傾城にちゃんと見えるのに感心。お酒が回っていたからかな。しかし、孝太郎は若き傾城にはあまり見えなかった(笑) やはり芸の底力か。 魁春も既に70歳と思うが、雀右衛門ほど肥えておらず、首のや手の動きと、顎から首にかけての線が綺麗なのが効いていると思う。

そして、めでたしめでたしの大団円。この「二人夕霧」のラストで、今回の公演で両花道が設置されていた事に気づく。いや~、気づかなかった。夜の部では、仮花道は「二人夕霧」で、最後のらちもない場面で一瞬使われるだけだから、メインはきっと昼の部なんだな。


打ち出しは9時近くと、結構遅い。いささか疲れたので、帰宅は歌舞伎座横で捕まえたタクシーで。

タクシーに乗ると、運転手が「今、中目黒まで行って来たんですが、人が多くて大変でした」と。目黒川の花見客が大混雑だったらしい。今年は「花に嵐」が無く、開花した後で寒くなったので開花が長く続いた。しかし目黒近辺に住んでる人は花の季節は群衆で大迷惑だろう。

このタクシー運転手の説によると、花見の人出で外国人観光客が多いのは、目黒と上野だが、千鳥ヶ淵は外国人が少ないのだとか。まだ外国人にはあまり有名ではないのかな。そういえば、前の週に桜を見に行った浅草の隅田川公園も、 宴会をやってるのは日本人だが、歩いているのは外国人だらけ。着物を来た中国人観光客も大勢いた。インバウンド向けの貸衣装屋があるんだな。

スポンサーサイト