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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
西大島「與兵衛」訪問。
昨夜は西大島の「與兵衛」。

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金曜に電話して週末の空きを確認すると、土曜のほうが空いているよと親方。確かに私以外はあと1組だけ。大勢で来て賑やかなお客も同席すると場が盛り上がって面白い場合もあるけれども、煩い場合もある。カウンタ商売は難しい。6名位の予約だと貸し切りにしてしまうとのこと。来週は結構貸し切りの日があるとの事で商売繁盛ですな。

まず最初のお酒は大吟醸、静岡「醴泉」。軽く爽やかな飲み口。親方と雑談していると、女将さんが裏から一眼レフを持ってきて「ちょっと写真撮らせて」と。なんでも亡くなった父親の遺品で幾つも古いカメラがあったのだが、使えるかどうか、試しに常連客の写真を撮ってみるのだとか。

デジタルではなく、ニコンの銀塩フィルムカメラ。シャッター音がなんだか今のデジカメよりも、実に精巧な機械感があって趣きがある。しかし最近は、写真の現像を頼むような町の写真屋がすっかり少なくなったよなあ。フィルムの現像を頼むような場所は、言われても思いつかない。

まずお通しの一皿。海老頭づけ、立派な房総の塩蒸しアワビは切り付けて煮切りを。北寄貝ひものづけ、白イカゲソ、マグロ赤身づけなど。どれも酒の肴に好適。お替りしたお酒は醸し人九平次。軽い酸味が立った旨味。

親方も女将さんも話好きなので、親方がデュッセルドルフ時代の話や、季節の寿司種の話で、もう一組のお客さんも含めて、あれこれ場が盛り上がる。寿司種の仕入れも、それに施す仕事も、なんでも気さくに教えてくれるのは、自分の仕事に対する確固たる自信の故と何時も感心する。

この辺りで握りに。まずマグロづけ。相変わらずの旨さ。本マグロの最高級を握る寿司も確かに旨いと思うけれども、づけにして旨味を引き出した赤身が、この店の硬めに炊かれた酢飯と口中で崩れて行く時、寿司のマグロの旨さというのは、此れ位で程よいのだと言う気が確かにするのだった。

マコカレイは、最初に甘酢づけ。一味とアサツキを噛ませる。爽やかな白身の脂に薬味が効いてこれまた安定の旨さ。胡麻醤油づけも同じ身がネットリした旨味に変わって変化を楽しめる。イカの軽いづけは白イカ。握りにはスミイカが一番で、アオリは酢飯との相性が悪いのでこの店では使わないとのこと。

皮目を炙ったシマアジもこの店のスペシャリテ。巻海老にはおぼろを噛ませて。途中でお酒は十四代本丸にお替り。その後はお茶で。北寄貝は甘酢につけて、この店でしかない独特の甘味を引き出している。握りはここまでが何時もと変わらない序盤の定番種。どれもいつもながら上出来。

ここから季節を反映した光り物の連続になる。皮目を軽く焼き霜にしたキスは軽い夏の脂。アジは軽く〆てあるが脂が爽やかで甘味あり。そしてイワシは〆て皮目を焼き霜に。3枚に薄切りしてつけるのだが、濃厚で実にネットリした脂が蜜蝋のように固まっている旨味。酢飯と一緒に口中で崩れ消えて行く。そしてこの時期だけ供される鮎は、香りが良い。

ハマグリは古式を残すツメとの相性が素晴らしい。フンワリと白く爽煮のように煮上がったアナゴもトロトロの脂の旨味濃厚。最後に玉子をつまみに。

最後に、古酒を盃に一杯振る舞われて味見。実に芳醇な香りと旨味を堪能していると、親方が、「うちで使っている味醂も旨いですよ」と盃に注いでくれる。アルコールの無いシェリーの古酒みたいな感じがする。調味料にも拘りあり。

何時もながらの満足感で店を出て、タクシー帰宅。西大島は、新宿線沿線の人以外は、ちょっと交通が不便なんだよねえ。まあ江東区はどこでも南北の移動が不便だが。

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