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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「新ばし 笹田」訪問。

土曜日は「新ばし 笹田」訪問。今週中盤に電話をして空きを問うと、土曜日が空いていた。

霧雨のような天候だが、相撲放送をAbemaTVでチェックしながら新橋に移動。6時前に入店。カウンタにはまだお客さん無し。

まず冷酒「麒麟山」純米大吟醸。実にドライな飲み口。夏には実に爽やか。ただ食事にはもう少しふくらみがあって優しいほうがよいかな。

まずウニと湯葉の冷製ゼリーかけ。ゼリーは鯛骨で出汁を取っている。爽やかな旨味ある一品。

最近言った熊本の話をしたら、奥さんは八代出身とのこと。魚河岸移転の連休には奥さんの実家に帰省してレンタカーで天草に行ったのだが、なんという事のない店の海鮮が美味くて驚いたと笹田氏が。天草は海産物の宝庫だなあ。

笹田氏が本日の鮎を見せてくれる。最近の大雨で九州や西日本各地の川が増水して鮎は大変なんだそうだが、これは奈良県の天川産。つやつやと光る綺麗な魚体。

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1本でも2本でも。なんだったら何本でも焼きますがと言われたのだが、一応2本。旨いものは幾らでも食えるのだが、やはり、過ぎたるは及ばざるが如しということもある。「しみづ」の親方も、旨いマグロも幾らでも出せますが、もう少し欲しいくらいが一番旨い食べ方なんですよと言っていた。しかしここで、鮎を5匹食した人もいた由(笑)

穴子の棒寿司。トロトロの穴子。粒は立っているが、江戸前とはちょっと違う甘めの味付けの酢飯は、これはこれで実に旨い。お土産で売っていたら1本買って帰りたいが、そんな大量生産向きの作り方はしてないのだな、きっと。

お造りとは別に、先付の一品として皮目を焼き霜にした、気仙沼のカツオ。背の部分だが、身肉に脂というよりネットリした旨味あり。今年は良いカツオがなかなか入らなかったが、ようやく出てきたと。

お酒は、二杯目からは「 伯楽星」純米に切り替え。ふっくらした米の甘味を感じる爽やかな飲み口。

イチジクの味噌田楽は、冷たく冷やしたイチジクに田楽味噌の味が不思議にマッチする。そして、いつもの、壬生菜と油揚げの煮物。「笹田」に来たなと安心する一品。

ここでお造り。マグロは噴火湾。珍しくヅケにしてあるが、切るとちょっと水分があるのでヅケにしたと。まあこの時期のマグロはね。明石の鯛は身がしっかりと活かっており、しかし旨味あり。すだち塩でもOK。タコは肉厚の横須賀産。半分生のような食感だが、皮目を柔らかくするため3分だけ茹でるという。刺身の如き歯ざわりと甘味あり。

本日個室のお客はないようだが、次々にカウンタの客が入店して店は忙しくなってきた。しかし、奥で焼き物などやっている「笹田の海老蔵」は、前を通りかかった時に目ざとく冷酒の器を見て、「お替りをお持ちしましょうか」など聞いてくれて、なかなか気が効く。良い料理人になる為には、目配りや注意力というものもおそらく必要で、真面目な笹田氏の下で働いていると、そんな素養も身について来るのだろう。

お造りのあしらいに見慣れないものが入っているので笹田氏に聞くと、「防風」だと。セリ科の植物だが、葉先を口にするとミントほどではないが淡い印象的な爽やかさあり。

お椀は、淡路の鱧に新玉ねぎと九条ネギを添えて。鱧の旨味と野菜の甘味が混然と溶け合った一椀。

焼き物は、勿論、鮎が。30分かけて、強火の遠火で焼き上げたので、骨は触らず、頭からバリバリ食せる。香ばしい皮目に、きちんと鮎らしい爽やかな香りも残して。蓼酢も、この店で食するまでは、まったく旨いものとは思えなかったが、これが鮎に合うのだなあ。

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煮物は、冬瓜と鴨治部煮。「冬の瓜」と書くのだが、夏の野菜。冬瓜の身は出汁の旨味でトロトロ。鴨切り身は濃厚な味付けで。

ここで食事に。番茶が出て、牛肉佃煮、お新香、わさび漬け、ちりめん山椒、赤出しに、炊きたての薫り高いご飯。漬物には、ズッキーニが入れられており、笹田氏によるとこれが旨いので最近凝っているのだとか。
炊飯土釜で炊かれたピカピカ炊きたてのご飯は、何時もと同じしみじみする旨さ。お焦げのお替りを貰って大満足。最後は何時もの、冷製白玉ぜんざいと煎茶。

この店ではどんな一品も出す前に笹田氏が最終チェックするし、お新香も食事を出す直前に笹田氏が自ら切り分ける。人を使っていて、こんな真面目な店は無いと思うなあ。

勘定を済ませて、笹田夫妻の見送りを受けて帰路に。派手なプレゼンテーションやあかさまあケレン味など敢えて廃して、端正で真面目な旨さだけを追求した店。笹田氏の料理人としての真面目さと矜持が現れている。今までの来訪で期待を裏切られた事は一度も無い。満ち足りた気分で帰宅。

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