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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「新ばし 笹田」で名残の松茸と走りの蟹
金曜夜は、「新ばし 笹田」訪問。先週電話したがこの日しか空いていなかった。夕方から会議があったので何時もより遅めの入店。

笹田氏に香箱蟹の事を尋ねると6日解禁で7日から豊洲にでましたと。「今日は、まだ松茸もあるんですよ」と。広島産だが何時もより遅く出回って来たのだという。前回訪問時に、業者が今年はもう終わりと言っていた由だったのだが、分からんもんですな。蟹と松茸が同時にあるというのも、珍しい幸せ。

まず伯楽星純米吟醸の冷酒。最初は、すっぽん出汁の茶碗蒸し。すっぽんというのは面白い。白身魚にも鶏にも似るが、どちらでもない、まったく嫌な癖が無く純粋な旨味だけが感じられる出汁。見てくれは悪いし身肉を食したいとは思わないけれども、この旨味は実に不思議だ。

香箱ガニの仕込みは大変らしい。外された足の肉、カニ味噌に、内子と外子が小さな貝殻に盛り付けられた宝石箱の如し。香住で揚がった蟹だとか。12月一杯で禁漁で短い間の美味。ここは、蟹酢が実に旨いと思う。

コハダのなめろうも一緒に。コハダの身よりもミョウガのほうが多いか。味噌のまったりした旨味。笹田氏によるとアジよりもコハダが旨いと。酒のアテにもご飯のおかずにも最高。瓶詰めにしてデパ地下で販売したら売れると思うが(笑)

ニタリ鯨の尾の身。アイスランドで上がったもの。個体差も大きいようだが、ナガスよりも旨味が更に濃いのだが、癖や嫌な風味が無い。ゴマ油塩で食すると焼肉屋に居るような感覚。しかし牛よりも上品な味がする。生姜醤油でも旨い。

壬生菜と油揚げの煮物はこの店の定番。しみじみ旨い。簡単なお惣菜のようで素人には作れないのだ。

お酒は「醸し人九平次」純米大吟醸に切り替え。笹田氏によると、今年はカラスミの入荷が少なかったのだとか。例年通り年末に持って帰るので取り置きを依頼。

お造りは、淡路の鯛、大間のマグロ、横須賀のタコ。ここが入れる淡路の鯛は何時も上品な脂が乗り旨味が深い。マグロも寿司屋に負けないもの。立派なタコは塩で頂く。

お椀は松茸と鱧の土瓶蒸し。笹田の出汁は何時も香り高く、最初は淡いように感じるが深い滋味がある。そこに鱧の旨味が溶ける。鱧は脂が乗ってまだ実に良いと笹田氏。そして広島産の松茸は実に香りが良い。腹の中が松茸の香りで充満したかのよう。

焼き物は鰆塩焼き。全部が全部「これでもか」という濃厚な旨さでも客としては疲れるが、これは上品な癖の無い脂で、淡白な旨味がふっくらと口中に広がる、なんだかホッとする焼物。最後の煮物は、蕪の吹き寄せ。出汁で炊かれて、こっくりと甘みが出た蕪に、銀杏、海老、松茸の餡をかけて。寒くなるとこんな一品が嬉しい。

この後は食事。ちりめん山椒、牛肉の佃煮、お新香、ワサビ漬け。炊飯土釜で客ごとに炊きたてのご飯に赤出汁を添えて。お代わりはお焦げを添えてもらう。煎茶を貰って最後の甘味は、いつもの冷製白玉ぜんざい。何時もながら、何ひとつ手を抜かない笹田氏の誠実な仕事を堪能した。


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