97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
The de Young Museumで「オルセー傑作展」
日本の国立新美術館ではオルセー美術館展2010が行われているらしいのだが、San FranciscoのThe de Young Museum(デ・ヤング美術館)でも、「Masterpieces from the Musee d'Orsay: The Birth of Impressionism (印象派の誕生:オルセー傑作展)」が行われている。オルセー美術館は現在大改修を行っているようで、展示を世界各国に貸し出ししている模様。

de Young美術館ではこの展示が終了すると続けて9月25日から、「Van Gogh, Gauguin, Cezanne and Beyond: Post-Impressionist Masterpieces from the Musee d’Orsay(ヴァン・ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ他、:オルセーポスト印象派傑作展)」が行われることになっている。これは東京の展示が引っ越してくるのではないかと思われる。

パリには一度だけだが行ったことがあり、オルセー美術館も一度その前まで行ったのだが、入場待ちの行列が凄くて並ぶのを断念。これは今でも心残りだが、オルセーの展示は結構貸し出しで世界を巡っており、パリでなくても時として目にすることができる。しかしせっかく地元に来てるのだからと車でSFダウンタウンまで。

deYoung.jpg

The de Youngは、公園の中にある小規模な美術館。公園地下が駐車場となっており、そこに車を停めればすぐ上が美術館。なかなか便利。ただ、あまり収容スペースは広くなく、すぐに満車になるらしいが。

venus.jpg

展示は、まずウィリアム・ブーグローのThe Birth of Venusから始まる。絶頂美術館でも紹介されていたが、サロン絵画の典型と呼べる有名な作品。時代を追って、サロン全盛の時代からだんだんと印象派絵画が増えてくる。後半の印象派よりも、前半部分に興味を引かれた絵が多かったかもしれない。

アメリカの美術館は普通写真撮影はどこでもOKであり、オルセーもそのはずだが、オルセーの所蔵品を借りてきたエキシビジョンになると、なぜか写真は撮影禁止になる。不思議だなあ。

いつも何を見たかの記録のためデジタルカメラで写真撮ってるのだが、今回は記憶に残った絵画を、オルセーのサイト等から引っ張ってきてサイトで紹介。

ギュスターブ・モローも2作品来ており、これもよかったが、シンボリズム絵画の解説書によく掲載されているのがこれ。

enigma.gif

ギュスターヴ・ドレのThe Enigma。実物は結構大きく迫力あり。独仏戦争で焼け落ちたパリ。冥界の秘密を知る魔獣スフィンクスが、死屍累々たる戦場を見下ろしている。スフィンクスにその秘密を問うかのように懇願し、その顔を近づけているのは有翼の天使だろうか。それも瀕死の状態に見える。実に深い含意に満ちた絵。

ミレーも何作品かあったのだが、絵の具の退色がずいぶん進んでいるように思える。描かれたオリジナルがあの色のはずはないと思うのだがなあ。

louisbreton.jpg

そして、ミレーの横にあったこの作品を見て思い出したのが、シカゴ美術館にある「The Song of the Lark」。プレートで確認すると果たして同じ作者であった。Louis Breton。あの日没の色がまさしく同じなんだなあ。シカゴの絵は少女であるが、こちらは逞しく生きる大人の女性。ミレーと同じく、バルビゾン派の流れを汲む作品。

印象派の画家たちの展示では、マネの展示が目に付く。

Fifer.gif

本エキシビジョンのアイコンともなっている「笛を吹く少年(The Fifer)」。古典絵画の写実主義を踏襲した丹精な傑作。同じくマネの、オルセーにある不朽の名作「草上の昼食」は門外不出となっており、一度も国外に出たことがないのだそうである。

manetescape.gif

こちらも同じく晩年のマネ、「The Escape of Rochefort」。しかしその作風には変化が見られ、海面の描写には明らかに印象派、モネの筆致が影響を与えているように思える。

ルノアールの印象派風の風景画が何点かあったり、セザンヌやモネもあまり見たことない作品があり、大規模な美術展ではないものの、オルセー収蔵作品の底知れぬ厚みを感じることのできる実に面白いもの。

その後、常設展示のほうを回ったが、こちらは近代のアメリカ画家中心で、これといったものなし。絵画の常設展なら、兄弟美術館で同じチケットで入場できるLegion of Honorのほうがずっとよい。ただ、この2館は距離がずいぶん離れてて、車でないと移動できないのだよなあ。最後に本エキシビジョンの画集を購入。

sfteagarden.jpg

なんだか突然に雰囲気が変わるが(笑)、美術館の横にはJapanese Tea Gardenという日本庭園があり、こんな立派な門まであるのであった。たまたま通りかかったので撮影。これは知らなかったなあ。

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コメント
この記事へのコメント
フランス(というか欧州)行った事ないんですよ。
そうそう、オルセー美術展は日本に住んでた頃、神戸市立美術館で開催されたときに、誘われて観にいきました。友達が尼崎市に住んでいて、両親と大げんかして家を追い出されその子のところに長逗留してた頃ですね(笑) ですが、何を見たのか記憶から抜け落ちて覚えてないのですが、覚えてるのは本当に長蛇の列で、少しづつしか進まないくせにひとつの絵をゆっくり観ることができず、不満の残るものでした。記念に私も画集買いました。タイトルはREVE ET REALITE Collections du Musee d'Orsay。(・・・コレクションとオルセーしか読めない・・・)
日記でupしておられます、ギュスターヴ・ドレのThe Enigmaっていう絵が載ってますね。ざっとみたところでは他の絵はこの画集に見あたらなくて残念です。

>シカゴ美術館にある「The Song of the Lark」。プレートで確認すると果たして同じ作者

おお、作者名を覚えていらっしゃるんですね。
シカゴ美術館で覚えているのはアメリカンゴシックっていう絵で、たしか入ってすぐのところにありそばに寄ってみてみたいのに人が邪魔でよくみれませんでした。

>日本庭園
かなり本格的というか、お寺の門みたいでそのまま日本にあっても少しも違和感ない雰囲気ですねぇ。
2010/06/27(日) 21:14:44 | URL | あのん #VttPGAsU[ 編集]
オルセー美術館展は、以前、東京の国立西洋美術館で行われたこともあって、ゴッホの「星降る夜」を見たのが印象に残ってます。The de Youugでの9月からのポスト印象派展には、この作品も来るみたいです。フランス所蔵の絵に、東京とサンフランシスコで会える。世界も狭くなりました。

シカゴ美術館は、普段は日本の美術館ほど混まないのですが、観光シーズンにはアメリカ国内からも観光客が押し寄せることがあって、タイミング悪い時に行かれたのですかね。

最近は、モダン・ウィングと称する新しい建屋も完成して、また広くなりましたので混雑も緩和されてると思います。アメリカ絵画はいつも人気の印象派とは別のウィングで展示されてると思いますので、機会あればまた再訪してみてください。ホッパーの「ナイトホークス」も、「アメリカンゴシック」と並ぶアメリカ絵画の目玉展示ですね。ま、時々貸し出しで無かったりしますが(笑)

昔、ボストン美術館に行った時は、なぜかずいぶんガラガラで、展示室に私だけしかいいない時も多く、この目の前のゴッホの絵を外して持って帰れるんじゃないかと思った事もありました。

まあ、本当にやったら、絵に手をかけたとたんにアラームが鳴り響き、警備員が駆けつけてくるに決まってますが(笑)
2010/06/28(月) 08:39:50 | URL | Y. Horiucci #-[ 編集]
あ、東京でもご覧になったんですね。
そうそう、ゴッホの星降る夜はこの画集にも載ってて確かに印象的ですね。よく見ると、右下の方に描かれているcoupleっぽい2人も雰囲気に合ってて良いですね。

やっぱりシカゴ美術館は改築(増築)してたんですね。そういえば以前にTaste of Chicagoだったか、Saint Patrick Dayのパレードだったかどちらかに行ったとき何か建ててるなあとは思っていたのですが。詳細をありがとうございます。是非また行ってみたいと思います。
2010/06/28(月) 14:53:45 | URL | あのん #VttPGAsU[ 編集]
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