97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「JAL崩壊」
「JAL崩壊」を読んだ。JAL内部で働く客室乗務員(CA)達が、JALという会社の内幕を暴露して批判するというもの。

お局OLが、会社の悪いところをよく知ってるのと同じように、内部で働くCAの会社批判、パイロット批判、組合批判には、ある意味一聴の価値あり。ただし、お局OLの給湯室での寸鉄が、常に正しいと限らないのと同様に、これはCAの目から見た一面の真実であることには留意して読まねばならない。

また、若干抑制されてはいるが、例えば客室乗務員を束ねるマネジャーへの不平不満など、私怨に近いような記述が散見されるのも事実。筆致も少々下世話で、他者に対する批判に全般的に品が無い。複数の乗務員からの聞き書きをまとめたものと思えるのだが、これにはおそらく編集したライターの品性がかなり投影されてるように思える。

自分の事を棚に上げて他者ばかり批判してる傾向もあるのだが、JALのパイロットの行状や、組合のとんでもない実態というのは、週刊誌で今まで断片的報道された内容ともほぼ平仄が合い、大筋では真実であろうと思えるもの。

3000万円以上というJAL機長の年収は、海外のキャリアに比べて飛び抜けており、これが会社の高コスト体質の一因であることはその通りだろう。もっともCAにしても、スーパバイザー(チーフパーサー)格で年収が1300万円、マネジャー格になると1600万円というのだから、これも海外のキャリアに比較するととんでもなく高い。この本には、客室乗務員の立場からの会社への不平不満があれこれ書かれているのだが、貰ってる給料を考えれば文句言い過ぎではと思える面もあり、やはりこれもJALという会社が内包する大きな問題か。

日本が高度成長を続けていた頃は、経済全体がどんどん大きくなり、海外旅客もウナギ登りに年々増加。植木等の歌のようにスチャラカやってても、企業は好業績を続けていた。JALは、時代が変わっても、そんな放漫な経営をずっと引きずっていたのだなあというのが率直な印象。まあ、潰れて当然であるが、国の援助で再建すると決まってからも、具体的な再建案があまり報道されてないのが気がかり。実際に蓋を開けてみたら、中身はもっと腐りきっており、手のつけようがないということでなければよいのだが。

ただ、CAも大変だなあと思うのは、飛行機に乗り込んでくる「とんでもない迷惑客」を描いた一章を読む時。JALでは昔、要注意顧客に「UUU」というコードを付与していた。「うるさいうるさいうるさい」客ということなのだそうである。客商売だけにタチの悪いクレーマーや態度悪い客にもサービスせざるを得ず、実際に矢面に立つCAの苦労には同情する。

米系のキャリアに乗ってると、アメリカ人乗客は、だいたいCAにもジョークを飛ばして和気藹々と社交的にやってるのが大半で、悪質なクレーマーのような客を見かけたことはない。しかしJALに乗る日本人乗客には「トンデモ」が多いな(笑)。

日本社会というのは欧米に比べて、個人としての自我に会社や地域での序列などの肥大した属性までが持ち込まれる傾向があり、「個人」vs「社会」ではなく、「偉いオレ」vs「社会」という構図が対人関係の基本になってるオヤジがいるからではないか。そんな勘違いをしたオヤジは「ワシを誰だと思っとるか!」と怒る訳である。山口瞳はこんな種類の勘違い男を出身地に関係なく「田舎者」と呼んだ。こんな客を相手にしなければならないCAも実にお気の毒。

もっとも、日系キャリアのCAは、客側のどんな理不尽な主張にも反論せず、ごもっともと平伏して対応するよう教育されてるから、日本人のクレーマー客が図に乗る面もある。米系キャリア機内で威張った日本人が怒鳴り散らせば、アメリカ人FAは、狂人を見るような蔑んだ眼になって立ち去り、あとは徹底的に無視されるだけのような気がするなあ。

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コメント
この記事へのコメント
CAは大変ですね。いくら何でもそれは…と言いたくなるような無理難題を言われても言い返せないでしょうし、またそういう訓練も受けているとは思うのですが。後、精神面もですが本当に重労働ですね。以前ラバトリーの前の少し広いスペースに、小さな円盤状のものが置いてあって、CAに聞いたら「あ、それ足の裏をマッサージするものなんですよ~ほらこんな風に」といいながら靴を脱いで実際にして見せてくれました。
 
>国の援助で再建すると決まってからも、具体的な再建案があまり報道されてない
JALはナショナルフラッグを背負ってるというか、親方日の丸なのに一体何してるんでしょうね。

>アメリカ人乗客は、だいたいCAにもジョーク
そういえば前にアメリカのCAは放っておいてくれるところがのんびりしてて良いと書かれていらっしゃいましたね。
 機内食がおわり機内が暗くなって寝始める人が多くなるとA○AのCAはお客さんの病気等をすばやく察知するためだと思うのですが、通路を歩きながらお客さんをキョロキョロと見て回ったりしてますけど、アメリカのキャリアのCAはあんまりそういう風にお客さんを見るということはしていない気がするのですが、そういうところが何か気が楽かなとか思ったりします。
 
>アメリカ人FAは、狂人を見るような蔑んだ眼になって
アメリカの人は、自分にどう考えても落ち度がなければ謝ったりしないし それはCAも同じできっと無理難題言われても聞かないでしょうねぇ。 
2010/06/29(火) 21:28:09 | URL | あのん #VttPGAsU[ 編集]
まあ、客室乗務員は大変な仕事ではありますね。

JALでも、最近は日帰りの乗務も増えて、空港との行き来にタクシー使ってはいけないなど、ずいぶん労働条件が改悪されたとも、この本には記載ありました。

ただまあ、JALの場合、貰ってる給料から考えると、ちょっとくらいの苦労も当たり前という気にもなるのですが。

2010/06/30(水) 09:32:52 | URL | Y. Horiucci #-[ 編集]
甘い!!!!!!!!!!!!!!!
>米系キャリア機内で威張った日本人が怒鳴り散らせば、アメリカ人FAは、狂人を見るような蔑んだ眼になって立ち去り、あとは徹底的に無視されるだけのような気がするなあ。


違うダロ!!!!!!!!!!!!!

もし、ソンナ事やったら、機内に数人は乗り合わせているでアロウ、Security Guard に取り囲まれて、隔離され次の寄着地で現地の警察に引き渡され、最悪の場合は、日本へ強制送還ダロ!!!!!!!!!!!!


2010/07/08(木) 18:41:18 | URL | gristan #-[ 編集]
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