97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「小沢一郎 50の謎を解く」
「小沢一郎50の謎を解く (文春新書)」読了。週刊誌の広告で題名見て発注したもの。

著者の後藤謙次は、田中角栄も担当し、小沢番になったこともある共同通信政治部記者。TBSのニュース番組でキャスターを勤めたこともあるとのことだが、そういえば裏表紙の顔写真はどこかで見たことあるような。

「金庫のある部屋」、「数の論理」、「猜疑心」、「豹変」、「憎しみと愛」という小沢一郎を巡る5つのキーワードごとに、それぞれ10の項目を立て、合計50項目で小沢の素顔を描こうという試み。新書であり、気軽にどこからでもパラパラ読めて、なかなか面白い。

小沢一郎批判の書としては、以前、「小沢一郎 虚飾の支配者」を読んだが、内容は今回読んだ本とほぼ一致する。

金と権力への執着、猜疑心が強く人を信頼しない、進言・忠告・諫言を行った側近を次々疎んじる、自分が誰より偉いと思っている、最後の詰めが雑で急にちゃぶ台を引っくり返すような豹変、言い訳もしないが説明も一切なし、記者会見で威張る、後継者を育てない、国会や委員会はよくサボるなどなど、小沢一郎を巡るキーワードは、以前読んだ本や報道などでどれも眼にしたなじみ深いもの。やはりまあ、そんな人物なのだろうなあ。

他人に容易に心を開かない性格なのだろうが、これだけ有名でありながら、小沢一郎にまつわる心温まるエピソードをまず聞いたことがないのも不思議。

これまた前に読んだ「小沢一郎 嫌われる伝説」は、題名とは裏腹に、どちらかというと小沢シンパの記者が書いた小沢擁護本なのだが、長年、小沢一郎を身近で見た著者の小沢の人物評や擁護論にも、大多数の小沢批判を覆すほどの驚きが無かった。

「私の田中角栄日記」などを読むと、田中角栄という人物に好感を抱くが、「嫌われる伝説」を読んでも、小沢一郎のことは好きにならない。その辺りが、角栄と小沢一郎の大きな違いだろう。

自民党党人派出身の政治家は、だいたい人好きがして、人情味のあるエピソード等があるものだが、小沢一郎というのは実に変った政治家でもある。

参議院選挙は与党が過半数は無理な状況との報道が多い。選挙後に再び「衆参ねじれ」現象が起こった場合、政界再編の流れも起こるだろう。民主党内でも内紛が起こるのでは。小沢一郎は、菅を引き下ろして自らの手に再び権力を手にすることだけを考えて、算段をしているはず。しかし一方、小沢一郎は、いつでも気に入らないことがあるとちゃぶ台を引っくり返してきた稀代の「壊し屋」。いったい彼の策は。

この本の著者によると、参院「ねじれ現象」が起こってからが老獪な策士小沢の出番。しかし、いくら策を練っても、結論は出ない。それは、まだ結論不明のジグソーパズルでいうなら「最後の一片」があるからだという。それは二度目の「検察審査会」議決。もしも「強制起訴」となれば、小沢個人に与えるダメージは大きい。

もっとも、プロの検事が何十人もかかって捜査した結果が「不起訴」なのだし、もしも強制起訴という最終議決になっても、果たして公判を維持して有罪にできるほどの証拠があるものなのか疑問に思うのだが。



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コメント
この記事へのコメント
>「金庫のある部屋」、「数の論理」、「猜疑心」、「豹変」、「憎しみと愛」
どれも小沢さんにふさわしい、興味の引かれるタイトルが並びますね。金庫のある部屋には、小沢さん自身の大きな肖像画(もちろん2、3割美化させて、しかもうっすら微笑みを浮かべたりなど。)を飾ってそう。

>小沢一郎にまつわる心温まるエピソード
地元では愛されていたりするのでしょうか。全然メディアでは紹介されませんね。

>強制起訴
されるといいですね。参議院選で与党が負けるとほんの少しは起訴の方向に勢いづくのではないのかな、と思うのですが
2010/07/10(土) 22:28:56 | URL | あのん #VttPGAsU[ 編集]
>あのん様

小沢一郎は、大学出て弁護士に向け勉強している最中に政治家だった父親が死去。

そのまま後を継いで代議士になりましたから、世間でもまれた社会生活の経験が無く、いきなり「センセイ」になって、政治しかやったことない人なんですね。まあ、あんな人になるのも無理ないような。

2010/07/11(日) 01:06:08 | URL | Y. Horiucci #-[ 編集]
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