97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「Clash of the Titans」 タイタンの戦いの新旧
ケーブルTVのオンデマンドで、「Clash of the Titans」を見た。「タイタンの戦い」として今年日本でも公開されたが、1981年に製作された同名映画のリメイク。

ギリシャ神話の時代を舞台に、神々に反乱を起こした人間と、ゼウスと人間の子ペルセウスの活躍を描く。

旧作の「タイタンの戦い」は、特撮監督レイ・ハリーハウゼンの引退作なのだが、昔、深夜TVでは何度も再放送していた記憶あり。DVDを購入しようと思うほどの名作ではないものの、人形を一コマずつ撮影するストップ・アニメーション手法と実在の人物を合成した特撮が、当時の作品としては実によくできており、なかなか見所が多かった。

今回のリメイクでも、巨大サソリやペガサスの登場など、旧作の名ショットのイメージがあちこちに投影されている。ただ、当時と比べてCGが素晴らしく発達した時代にリメイクした割には、1981年の作品と比較して、そんなに新鮮な驚きが無いのが不思議。

巨大サソリはなかなか良く出来ていたが、メデューサとの戦いは、下手をすると昔の作品のほうがスリルあったのでは。最後に海から出てくる怪物クラーケンも、確かに迫力はあるのだが、「あれ、この怪物は今までいろんな映画に出演してなかったっけ」と思わせる仕上がり。どうも観客を驚かせる新たなイマジネーションというものに欠ける気がするなあ。

話をさっさと進めるためか、ドラマとしては内容がペラペラに薄く、人間はまったく描けていない。ペルセウス役の主演サム・ワーシントンはずいぶん平板な演技。「アバター」ではそれなりに役者として成立してた気がしたが、あれは錯覚だったのかねえ、と失礼なことまで考えてしまった(笑)。まあ、確かに役者としての演技力を見せつける種類の映画ではないのだが。

ギリシャ神話にはまったく詳しくないのだが、この映画では、カロンが渡し守をする船で冥界へ渡る時、ペルセウスが父ゼウスに貰ったコインを渡す。そういえば、日本でも葬式の際、三途の川の渡し賃として小銭を棺に入れる習慣があったと思ったが、あれはギリシャ神話の影響だろうか。それとも、洪水伝説がシュメール以外の世界各地にも残るように、世界各地で同時発生した神話なのか。彼岸と此岸とはよく言うが、川が世界を隔てており、向こうの岸は別の世界というのは、案外どこでもある対比なのかもなあ、と映画の本筋とはまったく関係ないことを途中で考えていた。

まあ、荒唐無稽のバカげた話であるが、映画館の大スクリーンで見ると、それなりのカタルシスがあって、たとえ話の筋書きがいい加減で、演出が適当でも、それなりに楽しめる映画としての意味があるのだろう。

YouTubeを探すと、旧作のレイ・ハリーハウゼンによるメデューサとの対決のシーケンスがアップされている。人形を一こまずつ撮影するという特撮は、SFXのテクニックとしてはもはや死に絶えた技法なのだが、スリルとサスペンスを盛り上げる演出は、30年も前のこの旧作のほうに一日の長があると感心。




ハリーハウゼンの名作特撮を集めたTouTubeには他にこんなのもあり、古色蒼然とはしているものの、SFXの古典としてこれまた実に面白い。

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コメント
この記事へのコメント
私の契約しているところのオンデマンドのリストを見てみたらありました。リストの内容が充実していないので珍しいです。また観てみたいと思います。サム・ワーシントンはアバターの時の演技は確かに良かったですね。ですがターミネーター4の時も平坦だったような記憶が…
>Youtube
メデューサは髪の毛も一本一本動かして撮影していたと思いますが、良くできていますね。突然階段のところに現れるのも階段を下りてくるところも気味が悪く、結構迫力あります。
>名作特撮を集めたTouTube
これを作ったのは多分ファンの人だと思いますが、よく集めましたね
2010/08/03(火) 21:30:29 | URL | あのん #VttPGAsU[ 編集]
サム・ワーシントンは無名ながらジェームス・キャメロンに見出され、ずいぶんと贔屓されてたそうですが、他の監督作品に出たのを見ると、やはりもともと大根なのではという疑惑が(笑)。

ハリーハウゼンの名作選を見ると、「スターウォーズ」、「ジュラシック・パーク」、「ハムナプトラ」、「スタシップ・トゥルーパーズ」などなど、後年のSF作品に多大な影響与えたことが分かります。SFXの偉大な先人でした。
2010/08/04(水) 02:37:09 | URL | Y. Horiucci #-[ 編集]
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