97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「新ばし 笹田」訪問
火曜の夜は「新ばし 笹田」。年末の一時帰国の時は予約するのが遅くて席が空いていなかったのだが、今回は前の週の予約で座席をゲット。当夜のカウンタは3組8名の一回転。6名程度から貸し切りにも対応してるとのこと。笹田氏も奥さんも元気そうでなにより。

「しみづ」でも事前に聞いてたのだが、カウンタ内には若いお弟子さんが入っている。5年ほど飲食店での経験があり1月から働き出したのだとか。これでお客さんを待たせることが少なくなればと笹田氏は言うのだが、今のところは全て細かい指示を笹田氏が出してるので、効果はまだまだこれからというところか。

いつもの通り、まず生ビールを一杯。年末に「しみづ」の紹介で行った「小いわ」のことなど雑談。仕入先も紹介したりの付き合いがあるとのこと。

まず最初に供されるのが白味噌のお雑煮。野菜は別に炊いてあり、茹でた餅、濃厚な白味噌とは後でさっと合わせる。寒い冬場には実に腑に落ちる結構なスタート。

お酒は羽前白梅の冷酒を。いつも通り先付けが何品か供される。真っ赤なマグロのサク状のようなのを切りつけてたので、何かと思ったらナガス鯨の尾の身。ナガス鯨は捕獲禁止だが、アイスランド辺りの調査捕鯨で揚がった身が、昨年実に30年ぶりに市場に出たのだとか。

調査捕鯨の身がどのように流通してるのかは知らないが、市場には断続的に出ており、笹田でも味見してよかったので、昨年来3回ばかり入れたと笹田氏。しかし捕獲やそのあとの手当、あるいは個体差によるのかもしれないが、2回目に入れたのは獣臭かった。しかし、今回のものは素晴らしいのだと。

特殊な冷蔵あるいは冷凍で保管されてるらしいが、マグロ大トロのような霜降りの脂が乗り旨みが濃く、しかし獣臭くないという絶妙のもの。美味いものというのは、探せばまだまだいくらでもあるのだなあ。

香箱蟹はそろそろ漁期も終わりではと思うが、淡白な身肉の滋味と濃厚な内子の旨み、外子の食感が絶妙な甘酢と共に口中に広がる。壬生菜と油揚げの煮物は京都のお惣菜の定番だが、この店でも定番のほっとする温かい味。自家製イカ塩辛はまだ漬け込みが浅いとのことだがサッパリとした旨み。

お造りは、明石のタイ、アオリイカ、北海道の縞海老。タイは小ぶりながら上品な旨みが深い。アオリイカは夏場が有名だが、ネットリとした上品な甘さがある。縞海老も新鮮で上質なもの。

お椀はアンキモ豆腐。濃厚だけれど癖のない旨みだけが上品な出汁に溶ける。焼き物は鰆の付け焼き。キシキシと稠密に締まった身に旨みが充満して、しっかりしたタレとよく合う。そして、煮物はこれまたここの定番の自家製おでん。味が染みた聖護院大根、海老芋、鳥皮、色鮮やかな京人参、そして自家製さつま揚げと、どれも冬の夜の至福。

最後は軽く炙った口子をツマミにお酒を半分もらってフィニッシュ。

〆の食事は、いつも通り炊飯土鍋で炊いたツヤツヤとした炊きたてのご飯。山椒の利いたジャコ、お新香とワサビ漬け、赤出汁と共に。おかわりはお焦げを貰って。これまたいつもながら旨い。

そして、爽やかな煎茶を一服しながら、これまた定番の冷製の白玉ぜんざい。寿司もよいが和食も実によい。

見送りを受けて店を後に。この店に初めて来たのは開店からまだ半年経たない頃。当時は当日でも十分予約が入ったし、お客がほとんどいないという日もあったのだが、いまや押しも押されもしないミシュラン二つ星の名店。開店から6年目だが、笹田夫妻の初々しい頑張りと居心地のよさは、昔とちっとも変わらないのだった。




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