97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「ウォール・ストリート」を見た
オリバー・ストーンが、23年前に自身で監督した「ウォール街」の続編として監督。マイケル・ダグラス演じる主人公のゴードン・ゲッコーは前作でも出てきた主人公だというのだが、前作見てないのでそのあたりはまったく分からない。

コマ落しで撮影した風景が編集され、目まぐるしく変わる空や海に映えるマンハッタンが実に美しい。一瞬にして大金が生まれ、そして消える。時間が加速されたかのようなマネー・ゲームが行われている街を象徴するショット。金融界の成功者達の煌びやかな生活を描いた部分や、ゴヤの絵のシーケンスなども印象的。

マイケル・ダグラスの主人公は、なかなか印象的に成立している。というより、映画自体がマイケル・ダグラスの俳優としての存在感だけで引っ張られている感あり。ただし全体としてピカレスク・ロマンとして成立してるかというと難しいところ。シャイア・ラブーフも、若手としてはバランスの取れた俳優だと思うが、この映画ではあまり存在感なし。恋人役のキャリー・マリガンは、タヌキ顔がなかなか可愛く、抑え気味の演技が実に達者で、この映画の陰影成立に大きく貢献しているが、脚本上の役柄としては若干印象が薄い気がする。

オリバー・ストーンは、アメリカの光と闇を常に描き続けた映画監督だが、この映画のラストは、一投資銀行家の不正と破滅というものに小さく収斂してゆく感があり、どうもストーンの他の作品に比すると踏み込みが浅いように思えるのだが。

やはり、リーマン・ショックの原因や、金融機関救済に使われた巨額の資金の行方、金融崩壊の下でも巨万の富を築く者達、そして財務省や連邦銀行、政治家や金融界との関係の暗部に、もっと踏み込んでこそストーンの映画という気がするのだが。この映画は、単なる金融マンの個人的な復讐譚と父娘の和解の物語に終始した印象。

ある種の人生哲学みたいなものが、後半、ラブーフのモノローグで延々と語られるのだが、それを映像で表現してこそ映画なのだが。

まあ、ストーン監督自身が投資家としてカメオ出演しており、軽い気分で取った続編ということなのかもしれないなあ。ただ、最後まで飽きずに楽しめる作品ではある。前作の「ウォール街」をDVD買って見る価値あるかどうか、ちょっと思案中なのであった。

関連記事
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック