97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
福島原発事故後の生活
福島第一原発は、安定したとは言えないが、どの炉にも注水による冷却が継続して行われており、今のところ放射性物質の大気への大きな放出は止まっている。使用済燃料プールにも水が入っている。放射線まみれの危険な現場で日夜奮闘している人々には心からの敬意を表したい。

もっとも、炉心に注入された冷却水が高濃度放射性物質を含んで、原発建屋か構内にダダ漏れになっているのは依然として残る大問題。しかし、高濃度汚染水は一部海洋に漏れたものの、大部分はまだ原発サイト内に留まっている模様。汚染水を冷却に再循環するか、貯めておいてろ過してから処理するか、行程表にも従って考え考えやらねばならないが、まだ対処は可能であると思える。

もちろんこの事故は、環境中に大量の放射性物質が放出された、原発の歴史に残る大事故であって、もはや感覚がマヒしてきたから、だいぶ収束したように思えるだけなのかもしれないが。ともあれ、予断は許さないものの小康は保つところまで来たというところか。

先般、文科省が福島の学校で子供が受ける放射線量上限を年間20ミリシーベルトに引き上げたと話題になったが、確かに福島の子供には酷な数値に思える。放射線と健康を説明したサイトにはどこにも書いてあるように、事故前までは一般公衆に許された放射線限度は年間1ミリシーベルト。いきなり20倍になったと言われても、やはり、「ハイそうですか」とは納得行き難い変更。

しかしこれは、文科省や原子力安全委員会が勝手に決めたのではなく、3月の事故後に行われた国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護レベルの緩和に関する勧告を受けたもの。緊急時の放射線防護の「参考レベル」を20~100mSvとし、また事故終息後の汚染地域からの退去の「参考レベル」を1~20mSvとしてはどうかという内容。

まあ、残念ながら、日本国民の浴びる放射線量を(職業的に放射線を扱う人は別として)、全員1ミリシーベルト未満で余裕をもって収めることができた世界というのは、福島第一原発で放射性物質が大量放出された時に終わってしまったということだ。日本を捨てて外国に行く人は行けばよいが、そうはゆかない我々は、日本国内に住みながら、なんとかやってゆくより他はない。しかし、それは可能だ。

もちろん、被曝線量は少なければ少ないほどよいし、なんとか公衆が受ける放射線量を中長期的に低減する今後の継続的施策が重要。まず福島原発からの放出を止めるのがもちろん先決なのだが。

よい知らせとしては、福島と近隣の一部を除く環境放射線量率は、既に事故前の通常レベルに戻っており、水道水も大丈夫。健康に害のあるレベルではないだろう。日常の生活で、毎日風向きや雨を気にしたり、ごくごく微量のモニタリングポストの数値の動きに狼狽して飛び上がったりする必要はない。一喜一憂するストレスのほうが身体に悪かろう。

チェルノブイリ事故の時点では、食物からの内部被曝に関して注意がはらわれておらず、後に多発した子供の甲状腺がんは、牛乳に含まれたヨウ素による影響が大きいと言われている。

しかし、今回の福島第一原発事故では、事故直後から各機関の食品モニタリングが行われており、結果も逐次農水省のページに公開されており、基準を超過した農畜産物は、早い時期から出荷ストップになっている。全体として、一般公衆が食物として摂取した放射性ヨウ素の影響というのは、チェルノブイリとは比較にならないほど少ないレベルのはず。今後もモニタリングを続けてゆけば、この摂取を継続的に低いレベルで押えることは可能だ。

メディアは常に無責任にも扇情的だが、新たに規制値を超える農作物や水産物が見つかったからといって飛び上がってビックリする必要もない。だって、それを人間が採取することのないように検査しているのだし、検査によって流通する前に見つかったというのは、その安全システムが働いているということなのだから。怖いのは昔のソ連のように、人民に何も知らせない政府だ。

福島第一原発から海への放射性物質の大放出というのは、もちろん今後が焦点で、継続監視してゆかなければならないのだが、水産物については、今のところの食品モニタリングでは、茨城産コウナゴ以外では顕著な放射性物質は検出されていない。

まあ、常磐、三陸の貝類や根付きの魚を別とすれば、千葉南部よりも南か西の魚であれば、黒潮の影響もあり、今後とも大丈夫ではないか。回遊する魚への影響は未知数だが。カツオやマグロなどはどうだろうか。これについては今後ともモニターが必要だが、大丈夫であってほしいと思っている。寿司が食べられなくなったら困るものなあ。



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