97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「悪党―小沢一郎に仕えて」
「悪党―小沢一郎に仕えて」読了。

政治資金規正法違反容疑で逮捕・起訴された、小沢一郎の元秘書であり国会議員でもある石川知裕が、破門覚悟で政治家小沢一郎の実像を明かすという本。

側近だっただけに、目新しい面白い内容があるのではと購入したが、内容はちょっと期待外れか。

ひとつにはアエラでの本人インタビューを本にまとめた経緯からだろうが、話が脈絡なくあちこちに飛び、あまりにも断片的で、どうでもよい余談も多すぎる。本人が筆を取ったのなら素人であるからしかたないが、これはおそらく本にまとめた編集の力があまりにもお粗末だからではないだろうか。

小沢一郎の実像についても、新たな発見はあまりなし。自らは携帯を持たず、人への連絡はすべて秘書をあごで使ってかけさせる。夜に酒が入ると判断がにぶると絶対に政治家からの電話には出ないなど、小沢の尊大さが伺える細かいディテールについて若干面白い知見はあるものの、小沢一郎の政治資金や、自らが関わった訴追については、まったく何も話していないに等しい。

96年から2005年まで小沢の秘書ではあったが、政策秘書ではなく、住み込みの書生上がりの私設秘書。小沢の前では常に直立不動で受け答えをする下っ端の運転手役。どこそこに電話しろと小沢に命令された話だけはやたらに出てくるが、あまり重要な場面に立ち会ったり、大事な仕事をまかされたりするような立場ではなかったように思える。

巻末に小沢一郎本人との座談会が収録されているのだが、この場でも、小沢は石川のことを歯牙にもかけていないことがよく分かる。

これを考えると、この石川秘書を突破口に小沢一郎の政治資金に迫ろうとした検察は、最初から切り口を間違えていたように思える。そんな大事なことを知ってるように思えないのである。まあ、今後の展開がどうなるか。

それにしても、せっかく得がたい対象の傍にいた体験がありながら、本書の内容がちょっと平板なのは、著者本人が自分で、「生まれてからほどんど泣いた記憶がない」と語る通り、体温が低く何事にもあまり熱烈な関心が無い人間であるからかもしれない。

小沢に長年仕えても、小沢の事は、別に好きでも嫌いでもないような印象。政治家になった経緯を書いた部分でも、何かもうひとつ理想や情熱といったものが感じられない。1973年生まれの新人類世代政治家ということなのかもしれないが。


関連記事
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック