97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
立原正秋「美食の道」
この前の日曜、銀座の教文館に寄ると、一角で飲食関係のエッセイ本のフェアをやっており、読んだことのある本も無い本もあれこれ並んでいる。角川春樹事務所が「グルメ文庫」なるものを発刊して、昔の有名エッセイをあれこれ再編集したりして再発行してるのは知らなかった。

内容はすでに読んだことがあるものの再編集だが、吉田健一「旨いものはうまい」やら、山口瞳「酒食生活」など購入。

そしてもう一冊買ったのが、こちらは未読の、立原正秋「美食の道 」。立原正秋は美食家の作家であったことは、どこかで読んだことがあるのだが、食についてのエッセイをあれこれ書いており、これがなかなか面白い。

食べ歩きというよりも、自ら包丁を握る派。大正生まれの、今となってはずいぶん昔の人であり、食に関する意見も、今となっては内容的に古く感じる部分もあるものの、頑固で一本筋の通った食への傾倒が印象的。

若き日の伊丹十三に会い、なかなか好青年であると印象を書いてある部分があるのだが、この時天啓のごとく閃いたのは、この立原正秋が、伊丹のエッセイ、「日本世間噺大系」の一編「芸術家」で、文学志望の青年に本場のキムチやナッチーボックンを無理やり食わせて悶絶させ、芸術の深遠を語る小説家の「先生」のモデルであったのではということ。この「先生」の孤高かつ理想主義的なところが、エッセイで食を語る立原を彷彿とさせるのだなあ。

もっとも、立原自身は、この自己のエッセイでは日本料理についてしか語ってないので、その点が若干ぴたりと来ないのではあるが。



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