97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
放射能航空機モニタリング結果更新
更新が遅れたが備忘のために。

10月12日に新潟及び秋田県が発表されてから、ずっと音沙汰がなく、いったい何をやってるのかといぶかしく思っていた文科省による放射線航空機モニタリングだが、金曜日の夜にようやく、岩手、静岡、長野、山梨、岐阜及び富山県の結果が公開された。

それにしても、文科省もなんでいつも夜にデータをアップするのだろうか。お役人の考えることは分からんなあ。

今回の目新しい点は、前回発表時に新潟県が異議を唱えた影響ではないかと思われるのだが、「自然に存在する天然核種の影響をより考慮した修正」が今までの測定結果についても行われていること。

地表によって既に自然に存在する、カリウム、ウラン、トリムの放射線の影響には差があり(例えば花崗岩などは自然由来の放射性物質を含んでいる)これを測定器が拾ってしまうため、補正したのだという。

過去に発表したセシウムの汚染度についても今回この補正を行ったとのこと。要するに自然放射能の影響をセシウムの汚染とカウントしていた部分が下方修正されたようだ。

上記文章の最後に解説が書かれているのだが、なんというか、頭のよい人が自分だけ勝手に理解して書いている(ということは本当の意味では頭が良くないということだが)ような意味不明の日本語で、とても一般に公開するべき水準にあるとは思わないが、まあより正しい結果が出るように補正したと理解しておこう。

マイクロシーベルトの空間線量率で表された汚染マップは、この自然放射線の補正がかかっておらず、汚染を語る意味でも、もう今後参照する必要はない。

トータルの汚染を見るのに重要なのは、セシウム134と137合計の汚染マップ。


(クリックすると大きくなります)

福島、栃木、群馬は汚染されているが、長野、山梨、静岡以西には汚染は及んでいない。北側では、宮城の福島県境際と岩手との県境に若干の飛び地汚染あり。しかしそれ以外の新潟、山形、秋田、青森には顕著な汚染は及んでいない。

関東圏では、霞ヶ浦南と、柏、松戸、流山あたりには汚染があるが、栃木、群馬に比較すれば影響は軽微と言える。他府県も調査結果が今後公表予定ではあるが、おそらくこれ以上の汚染は発見されないだろう。これは実によいニュース。

しかし食品の汚染に関しては、セシウムの汚染が顕著ではない静岡や神奈川の茶葉やシイタケで汚染が発見されており、食品への濃縮については今後も継続的なモニタリングと濃縮過程の研究が必要。

参考までに、チェルノブイリと比較するのなら、上のマップではなく、セシウム137だけの汚染マップを使わなければならない。(チェルノブイリの汚染地図発表は事故から5年後で半減期2年のセシウム134はかなり消えており、強制移住エリアの指定には使われていない。「放射能防御プロジェクト」や「きっこ」など危険デマ拡散が目的のブログは、知っているはずなのに、福島のセシウム134+137合計をチェルノブイリと比較して騒いでいるので、騙されないように注意が必要だ)

セシウム137による汚染マップはこちら。

F1CS137_1_1.jpg

チェルノの強制移住エリアは555,000ベクレル/平方メートル以上。単位が厳密には同じではないが、福島マップでは600,000Bq/㎡で見ればほぼ同じ。赤、黄、緑で色分けされた部分にあたるが、そのレベルの汚染は福島の飯館村を含む避難エリアに限定されており、それを超えた飛び地汚染はどこにもない。ソ連では5年後に行われた強制移住は、日本では既に完了している。ここがチェルノブイリと違うところ。

これを下記のチェルノ汚染地図と比較すると、「福島事故がチェルノブイリを、もうとっく超えている」などという、ネットの一部で語られている説が明らかに悪質なデマであることがはっきり分かるだろう。(参考までに換算を再掲しておくと、5キュリー15キュリー/平方キロが555,000Bq/㎡である) 紫の強制移住エリアはチェルノブイリから200キロを超え、300キロ離れた場所にまで広がっている。実に凄まじい事故。

600kmMAP-M2.gif

もっとも、今回の福島も、人類史上2位の原発大事故であることには変わりはない。原子炉が曲がりなりにも安定状態にあるとはいえ、すでに環境に放出されてしまったセシウムによる食品汚染は依然として大きな問題。野菜などは福島や群馬産であっても検出限界未満が多く、セシウムは土壌の粘土質とかなり強固に結合して容易には作物に移行しないような知見も積みあがってきた。全てをいたずらに恐れる必要はないと思うが、それでも特異的に高濃度で出るものからは出ている。

現在の牛肉偏重の検査を止め、海産物含め、もっと測定対象を広げた有益なデータを数多く公開して、今後に役立つデータベースを拡充していってもらいたい。放射性セシウムの汚染は確かに問題だが、原発近隣の高濃度避難エリアを諦めれば、福島でもその他の地域は共存できるのでは。しかし、これからが長丁場になるのは事実なのだが。

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