97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
福島事故は本当に「収束」したか
首相「ステップ2完了、事故そのものは収束」

どじょう総理はアッケラカンと福島原発事故の収束を宣言したが、本当に原子炉は冷温停止して事故は収束したか。

東電発表の、1~3号機の炉心損傷状況の推定について。この炉心のシミュレーションによると、1号機は燃料が全て溶融して下部に移動。圧力容器も抜けて格納容器に相当程度が落ちている。2号機、3号機も燃料損傷、溶融が起こり、全ては圧力容器下部には落ちていないと思われるものの、格納容器へ一部溶け出ている可能性あり。

まあ、何年も経ってから実際に炉を開けてみるまでは、何が起こったかは誰にも断定できないが、はっきり言えるのは原子炉はズタボロになっており、オリジナルの配管もズタズタで計測機器もまともに残っておらず、現在は仮設の冷却水循環システムで冷やしているだけということ。収束というよりも、なんとかだましだましで落ち着いているというのが本当のところでは。

逆にネットでは、「原子炉の状況はちっともよくなっておらず収束の目途も立ってない」と目を三角にして金切り声を挙げてる人もいる。しかしそれもまた間違いであると思う。

福一の現場では、事故対策に大勢が連日の対策に奮闘しており、事故当初からすれば少しづつではあるが、原子炉の状況は落ち着いてきているのもまた事実。

高崎CTBTでの大気中の放射性核種探知状況を見ても、既に空気中のセシウムは最大値を記録した3月15日よりも4桁小さく、100マイクロベクレル/立方メートルと、ほぼ無視できるレベル。

文科省の発表する各都道府県の「定時降下物」も、福島県以外ではずっと前から検出限界未満が続いている。

原子炉建屋からの放射性物質放出量によると、原子炉建屋からは、多く見積もるとまだ0.6億ベクレル/毎時が放出されていると推定されているのだが、数字は多く聞こえるものの、この追加的放出による被曝は、敷地境界において0.1mSv/年と推定されている。

原子炉建屋上空で測定した放射性核種濃度は、炉規則告示濃度限度で定めた「放射線業務従事者の呼吸する空気中の濃度限度」内に収まっている。(まあ、だから福一構内で作業が可能なのだが)

使用済燃料プール温度は、事故直後には沸騰寸前だったこともあるが、今ではもうすっかり冷え切っており、圧力容器周辺温度も100度を大きく割り込んで低下している。

1号機建屋には全体を覆うカバーがかけられ、これも原子炉からの放射性物質を閉じ込める役目を果たしている。

情報が遮蔽されているなどとネットで騒ぐ層も多いが、東電の発表、文科省の放射能モニタリングなど、連日チェックしきれないほどデータが発表され続けており、全体として事態は沈静化しつつあるという印象と、どのデータも整合が取れていると思える。

「収束した」と安心するのはいまだ早いとは思うが、また福島に地震が来たとか、仮設の冷却水循環システムが全部一気に壊れただとか、そんな異常事態が起こらなければ、福島原発の細かい状況を一喜一憂する段階は過ぎ去ったようにも思う。もちろん、福一の現場ではまだまだ対策することは山積であり、解決までは迂遠な道。これからが大変なのは間違いないのだが。

福一のサイトを別にすれば、今後の焦点は、環境に放出された放射性物質の移動と濃縮による外部被曝、そして食品からの内部被曝になる。

現在の食品暫定基準値500ベクレルは確かに高いと思うが、来年には1/5程度に改定される予定なのがよいニュース。しかも、厚労省の食品モニタリングをチェックしても、セシウムが高度に出ている食品はかなり限定的。

淡水魚、キノコ、野生動物、和牛、福島・茨城の海産物等に気をつけて、あとはそれ以外でスポットで出る100Bq/Kg以上の食品が新基準下で出荷停止になれば、食品からの放射性物質も、かなり低く抑えることができると予想しているのだが。

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