97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
北朝鮮とオーウェルの「1984」再び
北朝鮮の「聖地」はエスカレーターか

金正日が生前視察したスーパーの店員が、将軍様の死を悼み、正日が生前乗ったエスカレーターの手すりにしがみついたりして泣き叫んでいるというニュース。

脱北者は一種の洗脳から既に解かれているから「あれは嘘ですよ」、「泣かないと収容所送りになるから演技してるんですよ」と簡単に言う。確かに北朝鮮は、お互いがお互いを密告する監視社会であり、そのせいも多分にあるだろう。

しかし嘘も、何度も何度も繰り返せば本当になる。処罰の恐怖から作られた熱狂であっても、群衆はその熱狂を演じてゆくうちに、次第に繰り返すスローガンを信じてゆくのではないか。

偉大なる首領様や、大将軍様をたたえる歓喜の歓声、その死を悼む悲痛な叫びの大合唱に唱和する時、北朝鮮の人民は集団心理にからめとられた一種の恍惚状態にあり、叫んでいる時は本当にそれを信じているようにも思えるのだが。

ジョージ・オーウェルの「1984」は、仮想の全体主義国家が舞台。テクノロジーも駆使して個人を監視し、歴史を改ざんし、民衆の思想まで改造しようとする恐ろしい国家統制と、そこから逃れ出ようとした少数者が出会う過酷で無残な敗北を描いた小説。漏れ聞こえてくる北朝鮮の実情を垣間見るたびに、1948年に執筆された小説世界が21世紀にアジアに現出していることに驚きを禁じえない。

そういえば、オーウェルの「1984」に関しては、いくつか過去日記を書いているし、iPodには「1984」をモチーフにした、デヴィッド・ボウイの「ダイアモンドの犬」も入っている。

年末に、本も読み返して、ボウイのアルバムも聞き返さなくては。

「1984」関連過去日記
「1984」~そう、なんて哀しい再会
「一九八四年]」新訳版~トマス・ピンチョンの解説


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コメント
この記事へのコメント
北朝鮮とオーウェルの「1984」再び
ストックホルム症候群という見方もできますね。いずれにせよ、我々のような自由社会に生まれ育ったものには計り知れない思想や精神の動きがあるのでしょう。
2011/12/28(水) 12:59:45 | URL | lunarmagic #EBUSheBA[ 編集]
>lunamagic様

まあ、実に閉鎖的で異常な国ですから、なかなか外から覗える事が少なく、あくまで推測でしかないのですが、意外にあの体制は軽々しく倒れたりしないのかもしれません。
2011/12/28(水) 21:22:12 | URL |  Y. Horiucci #-[ 編集]
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