97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「首都圏直下地震、4年以内に70%」はアテにならない!
2012年1月23日読売新聞朝刊で、「M7クラスの首都圏直下型地震の発生確率は4年以内に70%」と報道され、全国を震撼させる大きな話題に。TVや週刊誌は首都圏直下型地震をどう生き延びるかの報道ばかり。ホームセンターやスーパーでも防災用品の売れ行きが昨年の大地震以来再びピークに。「4年以内の確率70%」というのは、人々の脳裏に深く焼きついてしまった。

しかし、あまりにも殺到する問い合わせに手を焼いたのか、東京大学地震研究所は、この報道について、「2011年東北地方太平洋沖地震による首都圏の地震活動の変化について」という解説ページをWebに掲載。

この説明によると、そもそもこの試算は昨年9月の研究所談話会で発表されたもので、その後専門家の検証を経ている訳ではない。

「地震調査委員会の『余震の確率評価手法』を東北地震による首都圏の誘発地震活動に適用し、今後誘発されて起こりうるM7の発生確率を計算したが、試算の対象である東北地震の誘発地震活動と、いわゆる首都直下地震を含む定常的な地震活動との関連性はよくわかっていない。

試算結果の数値に大きな誤差やばらつきが含まれている。

などの説明と訂正がなされている。研究所の公式見解でもなく、あまりアテになる数字ではないということだ。

この話をあちこちのTV取材に登場して吹聴したのは、同研究所、地震予知研究センター長の平田教授なのだが、この教授について、今週号の週刊文春が「東大地震研 平田教授の正体」という記事で取り上げている。

読売の記事があまりにも扇情的だったためか取材が殺到し、この教授は夕刊紙に「最近のデータを加味すると、4年ではなく5から7年」となぜか修正したのだが、これにも当然ながらまた取材が殺到。

文春の更なる取材にも逆ギレしたのか、平田教授は記者の電話取材に不機嫌そうに、「だからね、「その数字に意味は無い」って何度も言ってるでしょ。5年から7年というのも僕のヤマ勘ですよ!ヤマ勘!」、「でも、ヤマ勘って書くなよ!」、「どうせ書くんだろう、じゃあ、これで」と電話を切ったのだとか。

実際のところ「4年以内70%」というのは、この平田教授が計算した訳ではなく、別の教授の計算でしかも本筋ではない傍論の部分。もともと±30%の誤差を含んでいる。 要するにこの平田教授は、他人の仕事を調子に乗ってメディアで喧伝して舞い上がっていたのである。まあ、学者としてはあんまり大した人ではないのかもなあ。

そもそも地震学による地震予知そのものが、阪神大震災にしろ今回の東日本大震災にしろ、ひとつも当たっていない。三宅島噴火の時には、火山噴火予知連絡会の言うことがことごとく外れるので、「噴火無知連」と揶揄されたが、そもそも、地震にしろ火山にしろ、地球の内部の研究というのは、観測はできても、短期的に活動を予知できるほどには進んでないというのが現実なのでは。

学者は学問が仕事で、メディアに得意そうに登場して表舞台で踊るのは、やっぱり本物の学者ではない。文春の記事によると、東大地震研究所は日本の地震予知関連予算を牛耳っているのだが、目立った成果はほとんど上げてないとのこと。

まあとりあえず、この平田教授が吹聴した「関東直下M7地震、4年で70%」説は、眉唾としてまず一度、綺麗サッパリ忘れるのが正解では。

もちろん地震国日本に大地震はいつかは来る。日頃から防災の準備をしておかなければならないのはその通りだ。しかし人間ができる対策を行ったら、あとは運を天にまかせるのみ。功を焦ったヘンな教授の、あまり根拠の無い説に毎日毎日怯えて暮らすのも、なんだかつまらない話だよねえ。


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