97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「ドライヴ」を見た。
この土曜日から公開された映画、「ドライヴ」を見た。



自動車修理工場で働きながら天才的な運転の技術を生かして、時として映画のカー・スタント、時には犯罪者を逃がす運転役稼業をしている主人公が、アパートメントの隣人の若い人妻に惹かれ、刑務所から出所した彼女の夫の犯罪にも巻き込まれてゆくというハードボイルド・アクション。無頼な男が女性に心惹かれたら、トラブルに巻き込まれてエライ事になるというのは、まあ一種古典的なハリウッド映画のプロット。「レオン」だってある意味そうだ。

夜のLAを切り裂くようなドライビングで、二人組の強盗を運び、警察の緊急配備をかい潜り、スポーツゲームの終了と同時にスタジアム近辺の車場に飛び込み、夜の人並み紛れて消えて行くという最初の鮮やかなシークェンスから、この映画に引き込まれる。

孤独で虚無的な雰囲気を漂わせた主人公のドライバーを演じるライアン・ゴズリングは、寡黙な中にも人を刺す毒を感じさせ、実に印象的な役柄。

暴力シーンも随所にあるのだが、血まみれのスプラッタ風と、抑制の効いたリリカルなシーンが交錯して、実に奇妙かつ映画的テンションに満ち溢れたもの。画面にみなぎる緊張感は、なんだか「マルホランド・ドライブ」のデヴィッド・リンチを思い出した。

音楽の使い方も秀逸だし、脇役もそれぞれ印象的。ロン・パールマンは、「薔薇の名前」のサルバトーレ役だが、人間は猿から進化したんだなあ、ということを深く納得させてくれる怪異な容貌の名優。

主人公が惹かれる人妻役のキャリー・マリガンは、タヌキ顔の美人で演技も達者であり、役としても印象的に成立しているのだが、若干幸せ過ぎる印象あり。もともとの設定ではこの役はヒスパニック系だったというが、薄幸そうな痩せたメキシコ系の女優を持ってきたら、孤独なドライバーの悲恋がもっと切実に感じられたとも思うのだが。まあ切実すぎて華が無くなったかな(笑)

作中の音楽も、短いフレーズを次々に叩きつけるような台詞もスタイリッシュで実によい。カット割も独特でどの場面も映画ならではの面白さに満ち溢れ、あっという間に感じた素晴らしい100分。監督、ニコラス・ウィンディング・レフンはデンマーク出身で、ハリウッドでの実績はあまり無いが、本作は彼のキャリアでも特別に記憶されるべき作品になるだろう。DVD出たら買わないと。



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