97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「常識として知っておきたい「美」の概念60」
有楽町駅前の三省堂で購入して一気に読了。「常識として知っておきたい「美」の概念60」が実に面白かった。

聞いたことはあるけれども、「その意味を100字で述べよ」と言われると回答に困る「概念」というものがある。私の場合、例えば、ジャポニズム、印象主義、象徴主義等については自分なりの概念はあるが、「ゴシックとは?」と聞かれると言葉に詰まる。「ロココとは?」と聞かれても同様で、「あの、ほらほら、フランスの宮殿の、なんかこのゴチャゴチャした、アノ~」というテイタラク。<あかんがな。

この本は、書名にあるとおり、「常識として知っておきたい美の概念」を60個選び、全ての項目を写真満載で解説するもの。最初から順番に読んでいってもよいが、パラパラと興味ある項目を順不同で読んでいっても実に興味深い。高校の美術か世界史で、美の世界への入り口を解説するこんな本を使った授業が、ほんの数時間でもあったらよかったのになあと思うのだった。

網羅している項目は、「西洋編」では古典的「アルカイック」「ヘレニズム」から中世、ルネッサンス、印象派を経て、「バウハウス」、「ダダイスム/シュールリアリスム」、「ポストモダン」など現代まで。「日本編」でも、「花鳥風月」「侘び」「寂び」などの古典から、「カワイイ」、「萌え」などの現代オタク概念まで、よくこんな広く拾ったなと感心するラインアップ。

大英博物館、ルーブル、メトロポリタン、MoMA、ボストン、シカゴ等、海外の美術館もあちこち巡ったから、伝統的な美術解説書を読むと、掲載された写真には知ってる作品もたくさんある。しかし、その美術品や建築等についての歴史的位置がきちんと整理・分類されて頭に入っていないと、目の前で実物を見ていても、その真に興味深いところや本当の価値を見落としてしまう。

もちろん何にでもレッテルを貼って杓子定規に分類することは、時として物の本質を見誤らせる事もあるが、「美」とは何かを俯瞰して、分類棚を整理しておかなければ見えてこないものがやはりある。美の概念について自分なりの整理棚を作るきっかけとなる、実に面白い本。時折座右に置いて読み返そう。

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