97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
機内で見た映画あれこれ
機内で見た映画。

新作のラインアップにどうもピンと来るものがない。往路は、既に劇場で見た「ドライヴ」をもう一度再見。後は、クラッシック・ジャンルから、エルビス・プレスリーの「ブルー・ハワイ」を。なにしろ昔の映画だし、名前だけは聞いたことがあるが初めて見た。

「ドライヴ」は二度目でも実に面白い。孤独で寡黙な主人公がたまに発する鋭いセリフがハードボイルドで実によい。音楽もリリカルでスタイリッシュな画面によくマッチして印象的。最後のシーン、チャイニーズ・レストランで黒幕と最後に対峙する主人公は不思議な笑みを浮かべながら、既に駐車場での最後の結末を見ている。時制が交錯するこれまた印象的なシーン。DVD出たら買わなくては。

「ブルーハワイ」は、エルビス・プレスリー主演の軽妙なコメディー。同名の主題歌は、1937年のビング・クロスビーの曲をフューチャーして映画の前に大ヒットした名曲。

美しき南の島、ハワイを舞台に描かれるのは、大戦終了後、経済も更に発展してゆくアメリカの一種の楽天的希望である。プレスリーが生きたのは、成長が続き、明日は必ず今日より良くなると、誰もが単純に信じることができた時代だったのだなあ。日本の高度成長期を代表する加山雄三の「ハワイの若大将」にもこの映画の影響が。光り輝く古き良きアメリカを感じる映画。





帰りの成田行きでは、これまたクラッシック・ジャンルから、「ゴッドファーザー」と、「ゴッドファーザー PartII」をチェック。どちらもDVD持ってるのだが、観るのは久しぶり。フランシス・フォード・コッポラの映画史に残る名作。美しい映像で描かれる、エッジが立った数々のエピソードが素晴らしい。ブルーハワイが、大戦後の明るいアメリカの希望を描いた映画なら、このゴッドファーザーが描くのは、アメリカの光と共に拡大を続けた闇の勢力の歴史。

そういえば、アメリカの社内弁護士と会食していた時、「ゴッドファーザー」の話になり、どのシーンが印象的か語り合ったことがある。私が挙げたのは、「Bloody Horse Head in Bed」。ドン・コルレオーネの依頼を断った映画プロデューサーが自宅で朝目覚めると、ベッドには愛馬の血まみれの生首が。「ファミリー」はやろうと思えばどんなことでもできるというメッセージを伝える衝撃的シーン。

「そう、あれはよかったな」という社内弁護士は、「Take Cannoli」のシーンが一番印象的だという。カノーリはシチリアの焼き菓子。出かける時に奥さんに「カノーリを忘れないでね」と頼まれたマフィアのボスは、その午後、組織を裏切った自分の運転手をガンマンに射殺させる。血だらけの車内を外からチェックしたボスはガンマンに、何事もなかったかのように、「Leave the gun, Take Cannoli(銃は置いておけ、カノーリを忘れるな)」と命じて、カノーリを持って何事もなかったかのように帰宅する。殺人など日常茶飯事であるという淡々とした描写が恐ろしい。

「Part II」では、FBIとの司法取引で、マイケル・コルレオーネを裏切る証言をしようとするボスの公聴会が印象的。まさに証言が始まろうとする時、コルレオーネは、このボスの長兄と一緒に会場に入ってくる。シチリアの田舎から遠路遥々とやってきた昔堅気の怖い兄貴の顔を一目見て、このボスは証言を完全にひっくり返し、「ファミリー」の存在を全否定する。「コーサ・ノストラ」が、シチリア地方で生まれた「血の盟約」というべき、土着の古くかつ厳しいファミリー間の紐帯であることを納得させるシーン。

メソード演技の創始者、リー・ストラスバーグの老残をさらす演技も素晴らしい。そしてラストで描かれる、敵対者と裏切り者を殺し尽くしたマイケル・コルレオーネの凄まじい孤独。やはり名作は名作だ。DVDでもう一度チェックしなければ。



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