97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
役所と官僚の責任も問わなければ
菅前首相の叱責場面も…東電、会議映像公開へ

東電は事故対応を行っていた社内TV会議を含む映像を公開する準備に入ったとのこと。

ただ、これらの記録は、国会事故調査委員会には既に開示されており、先だって発表された調査報告書にも、福一のサイトと本店対策本部との生々しいやりとりの一部が採録されている。

報告書の276ページでは、菅首相が3月15日の5時35分頃、東電本社に来訪し、怒気を込めてこのように演説したとも書かれている。

「被害が甚大だ。このままでは日本が滅亡だ」
「撤退などありえない。命懸けでやれ」
「逃げてみたって逃げ切れないぞ」
「60になる幹部連中は現地に行って死んだっていいんだ。俺も行く」
「社長、会長も覚悟を決めてやれ」


などなど。これらの発言は既に活字メディアでも紹介されており、まあ映像がいまさら公開されても何か新たな意義があるのか分からないが。

この発言の時点では、官邸と首相は明らかに、東電が福島第一のサイトを捨てて総員撤退すると理解していた。しかし、国会調査委の東電への聞き取りでは、総員撤退ではなく事態収拾に必要な最低限の人員は残し、残りの人間を撤退させる計画であった事が判明している。

福島第一の吉田所長は「つきあいの長い10人くらいは、一緒に死んでくれるかなと思っていた」と語っており、最後までサイトに踏み止まる覚悟ができていた。

しかし同時に、官邸との連絡役を務めていた東電清水社長は、官邸の意向を探る御用聞きのような役割に終始し、現場の決意や事態収拾にかける東電の姿勢をハッキリ伝えることに失敗したのも明らか。この東電と官邸にあった大きな齟齬は、事故収拾に大きな混乱を生じさせたが、双方に大きな責任があった。

この国会事故調の報告書本文は、時間を見てちょこちょこ読み進めているのだが、前回書いたSPEEDI活用について同様、ところどころに初めて知る興味深い調査結果あり。

例えば先日、避難に活用できなかったと騒がれた、アメリカDoE(エネルギー省)が事故の初期に観測した航空機モニタリングだが、この報告書によると、外務省を通じて、文科省と保安院にはデータが伝えられたが、官邸には上がっていなかったとの調査結果が記されている。

このデータを避難に活用できなかった事について責められるべきは、官邸ではなく官僚である。事故の責任を取って東電のトップは交代しているが、文科省や経産省、安全保安院のお役人は、まだ誰も責任を取っていないのもおかしな話。

絶対に責任は取らないというのはお役人の本能。官僚は、東電と政治家にだけ責任負わせて、自分たちには火の粉が飛んでこないよう、今までのところは実に素晴らしい立ち回りを見せている。しかし、この国会事故調の報告は、監督官庁の責任も厳しく問うもの。なし崩しで原発を再稼動したら、これで事故処理終りましたとなっては困る。今後のエネルギー政策を見直し、大きな事故を再度起こさないためにも、やはりきちんとお役所と官僚の責任は問われるべきだと思うのだが。



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