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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
鰻丼食べて「ウナギが消える日」を考えた
昨日は、宮川本店松屋銀座店。

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いつも頼んでたのは「菊」の丼3,150円だが、鰻不漁のあおりで値段改定。「中大」という奇妙な名前で4,200円に。考えてみるとかなりの値上げ。ただ、前にも食べたが、鰻が大きすぎ脂がくどい気が。昨日はその下のランク「花」の3,675円を注文。

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見てくれは以前の「菊」とほとんど変わらないし身はふっくら焼きあがってるのだが、若干小骨が触る気がするのだなあ。鰻の種類が変わったからか、個体差か、あるいは仕事のせいなのか。

ウナギは川に住むものの、成魚の産卵は太平洋で行われ、日本の川に遡上して戻ってくる。しかし産卵からの完全養殖ができず、幼魚であるシラスウナギを漁獲しての養殖しかできない。しかしニホンウナギの稚魚は激減。今まではヨーロッパウナギやアメリカウナギのシラスを輸入してたのだが、それらの資源もいまや絶滅寸前に。最近はアフリカウナギの輸入まで行われようとしている。日本の消費が世界のウナギ資源を食い尽くそうとしている。

「ウナギが食べられなくなる日」にもあるが、ひとつの原因は大量養殖による薄利多売。最近では鰻専門店での消費は全体の3割。スーパーのパックウナギやコンビニ弁当などの安売り大量消費がそのほとんどを占める。牛丼屋でも鰻を供するご時勢が。

資源の保護には漁獲に規制をしなければならないと思うが、これもなかなか困難らしい。では、消費者の消費を抑制して解決になるだろうか。例えば、鰻が絶滅危惧種だと喧伝して、消費者の消費を抑制する道は。

鰻という財は現に市場に自由に流通しており需要もある。いくら資源保護を訴えたとしても、自由経済の下では、今消費して将来消費できなくなるシナリオより、今消費を抑制して将来消費できるシナリオのリターンのほうが大きいと消費者が合理的に判断しなければ、普通に考えて消費抑制は起こらない。果たしてそんな根拠を消費者に提示できるかが問題。

絶滅危惧種だから鰻を食べないというモラル的な忌避感が広がっても、消費減が一時的で限定的ならば、鰻の値段が下がり、また消費が喚起されて元の木阿弥。資源保護に有意なレベルにまで消費抑制が起こるためには、鰻専門店がほとんど潰れ、中国や台湾、そして日本の養殖場が次々に潰れるまで鰻の消費が落ちなければならないだろう。

そこまで鰻が売れなければ、「海で取れるものは全部オレの物」とばかり、いくら資源保護を訴えても言うこと聞かない漁師達もさすがにシラスウナギの漁を止めるだろう。そして10年か20年後、シラスウナギは昔の水準で海に戻ってくる。

しかしその時にはもうすでに、シラスウナギを漁獲して売る漁師も、それを養殖する業者も、鰻を食べさせる専門店も日本には残っていない。鰻を食する文化も残っていない。残っているのは、「昔は鰻丼なんていうもんがあってのう」と昔語りをする年寄りだけ。ウナギ資源はかくして守られました。しかし、これは果たしてハッピーエンドなのだろうか。

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