97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
007「スカイフォール」を見た
本日最初の上映で、「007/スカイフォール」を見た。



ロジャー・ムーアの頃の007は、左手に美女、右手に拳銃のボンドが、バッタバッタと相手をなぎ倒して行くという能天気な物語。風光明媚な場所でよい車に乗り、美味い酒飲んで美味い物食べて、カジノで勝って美女を抱く。男の童話ともいえる物語。

しかし、ダニエル・クレイグを主演にすえた今回のシリーズは、例えば第一作の「カジノロワイヤル」が、若きボンドの心を石に変えた手ひどい裏切りを描き、ボンドがボンドになるまでを描いたシリアスな作品だったように、本作でも更に、映画は悩むボンドの過去に分け入ってゆく。全編を通じて、暗い雰囲気のシリアスなエスピオナージ物。「ボンド・アイデンティティー」とか「ボンド・スプレマシー」という題名のほうがふさわしいかも(笑)。

007物のタイトルバックはいつも美しいが、今回も実によい出来。しかし幻想的な映像にまとわりついた沈潜する死のイメージは、そのまま映画本編にも流れ出してゆく。

長尺にもかからわず、ダニエル・クレイグの身体能力を活かしたハードなアクションとサスペンスあふれるシーンは最後まで飽きさせない。悪役も世界征服を企むといった荒唐無稽なスケールではないものの、スパイのトラウマを抱いたサイコとして印象的に成立している。

長崎の軍艦島がいきなり出てきたのにはびっくり。カジノで出会うマカオの美女や、アストン・マーチンなど、ボンド・シリーズお約束のアイコンも随所にちりばめられている。スパイに忍び寄る肉体と精神の衰え、過酷な任務からの引退の示唆は、やはり本シリーズ独特のシリアスでダークな雰囲気。そして映画の最後には、マニーペニーが出てきたり、お約束のシーンが流れたり、ボンド製作50周年記念作として、ボンド物のスタートに再び回帰したような気の効いたひねりがある。映画としてはなかなかよい出来だった。

まあ、しかしやはり気楽なエンターテインメントというには、内容が若干重たいかね。これから、ロジャー・ムーア007のお気楽な最高傑作、「ユア・アイズ・オンリー」をDVDで見直そうか。


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