97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「原節子のすべて」
「新潮45特別編集 原節子のすべて (新潮ムック)」を読んだ。

時代が違うので、原節子には特段の思い入れは無いが、以前、小津安二郎映画を勉強する気になって、DVDボックスを購入。原節子が出演した、「東京物語」「晩春」などを見て過去日記に感想を書いた。小津映画は、実によく計算された端正な映画で、原節子も美しくスクリーンに輝いていたなあ。

女優現役時代は小津監督とのロマンスも囁かれたが、突然に映画界から引退。生涯独身を通し、世間との付き合いも絶って鎌倉でひっそりと暮らしている。この本は、一部ではまるで聖女の如く神格化され、往年のファンからは「永遠の処女」とも呼ばれた女優、原節子の実像を様々な人が語るドキュメント。

まあ、まわりが勝手に「永遠の処女」と名付けたとて、彼女も生身の女性であるから、実生活では色々あったに決まっている。仲代達也が新人俳優の頃、原節子とキスシーンがあったのだが、周りが「永遠の処女」と本当にキスしてはいかんとしきりに止める。しかし原節子本人に直接聞いてみると、「あら、私は別にいいわよ」とOKが出て、実際にキスしたのだそうであるが、まあ周りが過剰反応しすぎだったんだなあ。

ただ、この本の帯にある、「初めて明かされる悲しき真実 「美女」のそばには「怪物」がいた。それは小津監督ではない。彼女は、別の"ある男"に呪縛されていたのだ。知りたくはなかった「永遠の処女」の真実。」という煽情的な宣伝文句はちょっとどうかと思う。

巻頭の評伝には、確かにそれに類したことが書いてはあるのだが、まあ本人が世間から隠遁して沈黙していることをいいことに、確たる証明もなく、単なる下世話な憶測を書いただけにも思える。世間から愛された女優の過去をいまさらあれこれ暴露しても詮無い事。スクリーンに焼きついた美しい姿だけが、人々の記憶に結晶化すればそれで良い話だと思うのだけどねえ。

ひとつ驚きなのが、Wikiによっても、原節子がまだ存命であること。世間から没交渉であるから、ひょっとしてもう亡くなってるという可能性も無いではないが、92歳であるから、女性なら別に生きていて不思議な話ではない。鎌倉、浄妙寺の参道横の家にずっと住んでいるらしいのだが、その辺りは、Google Street Viewで見ると緑あふれた静謐な住宅街。映画の黄金時代であったから、この本にもあちこちで書いてある通り、親戚一同を食わせ、そして本人も一生食うに困らない蓄えを残すことができた。実に、古き良き時代。

そうだ、久々に小津監督の「晩春」をDVDで見直そう。




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