97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「魚道(さかなどう)~海の四季」
昨日、銀座に出た際に教文館で購入した、「魚道(さかなどう)~海の四季」読了。

「自称、日本一鮨を愛する「夜回り先生」と、日本一魚を愛する寿司屋の親父の真剣勝負!」と帯に。「獲れたての鮪はまずいのか」「タネの切り方で、板前の愛を知る」「ネタケースで寿司屋の質がわかる」「寿司屋のむらさき」「寿司屋に行ってはいけない日」などなどのお題について、寿司の愛好者と寿司屋の親父が交代に哲学を語るという形式の本。

桜鯛を例に挙げて、大量に取れる漁の盛りと味の旬は違うという話や、養殖魚の味は本当の味ではないなど、頷ける話もあるが、特段目新しい話題は無し。

逆に、魚の熟成を認めず、新鮮でありさえすればよいという話や、海が荒れた日でも生簀がある店なら大丈夫という話やら、醤油を「むらさき」と連呼するところなど、だいぶ時代と流儀が違うなと思うところも随所に。

水谷修という人は高校教師として幾多の教育関係の著作があるらしいが、江戸前寿司の全てを四谷の「纏寿司」で教わり、現在、常連として行ってるのが、この本の共著者、神奈川葉山にある「稲穂」の鈴木一人親方なのだという。

ただ、最近流行っているまともな江戸前の寿司屋は、生簀もガラスケースもない。熟成によって旨みを引き出す手法は盛んだし、目の前の海に拘らず全国から素晴らしい種を引くのも普通。酢飯や種の温度にも細かな気を使っている店が多い。最近の人気店を比較に考えるなら、この本の記述は、ずいぶん古典的な寿司屋の基準を語ってるような気がするのだが。

この「稲穂」の主人は18歳で寿司屋に入り22歳で独立したというが、修行店は不明。もう還暦は越えている。葉山の店では、相模湾で揚がった新鮮な魚にこだわり、寿司の他に、天ぷら、煮魚、焼き魚なども供しているのだそうである。これが江戸前と言われると、ちょっと疑問に感じるところではあるかなあ(笑)

もっとも、回転寿司しか知らない層には興味深い話が多々あるはず。ただ、本当に寿司種の魚について深く知りたければ、例えば、第三春美鮨の長山親方が書いた「続 江戸前鮨仕入覚え書き」などを読むほうがずっとためになるかな。あまりにも深い知識満載で、ついてゆけない部分さえあるのだけれど。


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