97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集」
昨日の散歩中、東銀座の本屋で購入した、「吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集」読了。

プロ・インタビュアーにしてタレント本批評家、吉田豪は、事前の周到な予備知識の集積を使い、相手の懐に入って思わぬ掘り出し話を聞き出すのが得意。乗せられて調子に乗ってしゃべってから、後で我に返って掲載拒否する相手もいるらしい。

これは雑誌でのプロレスラー対談を一冊の本にしたもの。プロレスは最近すっかり衰退してしまったが、昭和は全日や新日が全盛期だったし、その後、UWF、Uインターやパンクラスから、PRIDEなどの総合格闘技に至るまで、プロレスラーがTVで活躍した時代が確かにあったのだ。

相撲からプロレスに転じて、豪快に生きた天龍の生き様。天衣無縫な武藤敬二の天然な会話。蝶野正洋の自らのキャラを見切った冷静な計算。藤波辰爾の素朴な善人ぶり。どこか変わった性格の船木誠勝。Uインターの頭脳と呼ばれた宮戸優光。一本木だが偏屈なところ満載の鈴木みのる。

吉田豪の巧みな転がしによって、インタビューでそれぞれの人となりが鮮やかに浮かび上がるのが面白い。プロレスラーという人生の虚実と、プロレスという興行の虚実が交錯する実に興味深い対談集。そして、インタビューには直接に登場しないものの、馬場と猪木、日本のプロレスに記念碑的足跡を残した二大巨頭の横顔もまた、印象的なエピソードをもって随所で鮮明に語られる。

猪木を巡る優れたルポルタージュとしては「1976年のアントニオ猪木」が記憶に残る本。猪木が1976年に3試合だけリアル・ファイトを行った異種格闘技に焦点をあて、猪木という異形の怪物の素顔に迫ったもの。プロレスは結果の決まったショーだという通説があるが、時として番狂わせが起こり、あるいはまったくの偶然により、ショーだったはずの試合がリアル・ファイトへと転じて行くことがある。

このインタビュー集でも、随所に興味深い戦いの裏側が語られる。

高田がハイキック一閃で元横綱北尾をマットに沈めた試合、ヒクソン・グレーシーが船木を締め落とした試合、ヒクソン道場に道場破りに行ってボコボコにされた安生の裏話等々。どれも印象深い。久々にプロレスが見たい気分になる本なのだった。

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