97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「パナソニック・ショック」 パナの凋落はパナだけの問題だろうか
「パナソニック・ショック」読了。

著者、立石泰則が以前書いた、「さよなら! 僕らのソニー」も実に面白かったが、立石は以前からパナソニックについても多数のルポルタージュを発表している。今回の本は、松下電器産業の歴史を振り返りながら、今回のパナソニック経営危機について、その原因がどこにあったのかを探ったもの。

松下幸之助が陣頭指揮を執って企業が繁栄した時代は問題なかった。しかし、幸之助が第一線を退いてからの松下電器の歴史は、松下家の影響力から脱しようとする会社経営側と松下家との暗闘の歴史。

山下社長、谷井社長の後を継いだ森下社長は、ビジョン無きリストラを敢行して松下の体力を削いだが、中村社長を後任指名する際、幸之助の孫、松下正幸副社長を副会長に棚上げにして、世襲問題にけりをつけたのが唯一とも言える功績。

しかし後を継いだ中村社長は、「中村改革」の名の下に、恐怖政治による独裁を行い、創造なき破壊を繰り返して、販売網も製品開発力も疲弊させ、プラズマTV撤退の経営判断にも遅れを取り、現在の壊滅的な凋落を招いたのだと本書は語る。

まあ、確かに経営の結果は数字に表れるので、7000億以上の赤字を出して経営者として言い訳はできない。ただ、プラズマTVは巨額の赤字を計上したが、シャープは液晶TVで巨額の赤字。ソニーの凋落も薄型TVが原因。

他社の失敗も考えにいれると、経営者が液晶/プラズマへの経営資源の配分を誤っただとか、撤退の判断を誤ったというよりも、TVを作ってももはや日本企業では利益が出ないという構造的な問題があるようにも思える。半導体生産も資本を超えて集約化が進んだ。というよりも集約化しなければ最早生き残りは不可能だった。そうすると、将来的に家電で生き残れるのも、日本で一社くらいになるのでは。


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