97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「オブリビオン」を観た
「オブリビオン」を見た。



トム・クルーズ、モーガン・フリーマンと並んだキャスト見ると、ギャラにはだいぶ使っただろうなと思わせる。そして全編に渡り映像が素晴らしく綺麗で、こちらにも手がかかっている。

エイリアンの侵略を受け壊滅した地球。夜空には崩壊した月が浮かび、廃墟と化したNYはいくつかのモニュメントが砂漠に残るのみ。この背景がなかなかリアル。

「ドローン」と呼ばれる飛翔戦闘ポッドや、トム・クルーズが操縦する小型飛行体、パートナーと住む全面ガラス貼りの基地、コントロール・パネル等のハイテク・デザインも美しい。細かなデザインが優れており、これにも相当予算つぎ込んだのでは。

映画冒頭に呈示される世界観は、ちょっと変わっており興味深いものの、いったいどうやって面白くなるのかが若干疑問に思えるところ。しかし映画は中盤以降に大きな展開を見せ、この転換が映画の見せどころとなる。題名の「Oblivion」とは「忘却」という意味だが、これも重要なキーワードに。

しかし、この大転換までが意外に長く感じる。トム・クルーズ演じる主人公の、「自分はいったい誰なのか」という自我に対する疑念やフラッシュバックする自己の記憶の欠落に対する恐怖が、フィリップ・K・ディック風に演出されていると、後半部分がもっとカタルシスを持って腑に落ちたはず。しかし、後半の展開を知らずに見ると、前半ではトム・クルーズが、単に衝動的に暴れているだけのように思えてしまう面あり。

それでもストーリーは細部まで作り込んであり、最後まで見ると得心がゆく。映像の美しさと相まって実に印象的な仕上がり。空中を飛来する「鬼ダルマ」のような「ドローン」という戦闘ポッドは実に気に入ったが、あれはやはりデザイナーが日本のダルマを見て思いついたんでは(笑)

モーガン・フリーマンは職人だから、台本読んでハイハイと現場に来て、与えられた役をキッチリ演じて、約束のお金を貰って帰ったと、ま、そんな印象か。

映画のラストにこれまた印象的に出てくる、世界壊滅を生き延びた絵が、アメリカ画家、Andrew Wyethが描いた「Christina's World」。アメリカ絵画を代表する一種のアイコンとして使われている。この絵は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に展示されており、以前にオリジナルを見たことがある。 展示室に入って対面した時の、あの、胸を突かれるような感覚は今でも覚えているなあ。

Wikiによると、この絵は、A.C.クラークの小説版「2001: A Space Odyssey 」にも登場するのだとか。デビッド・ボーマンがスターゲイトを通過した後で現れる白い部屋に掛けてあるという記述。キューブリックの映画には出てこなかったと記憶するが、小説版にそんな場面があったとは。


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