97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット」
この週末は体調がイマイチで、台風も来て雨降り。時間をもてあましたので、「風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット」を本棚から引っ張り出してきた。

特段、宮崎駿ファンでもジブリ・ファンでもないのだが、この本は、アメリカに住んでた頃にふと読んでみたくなり、Amazon.co.jpに発注し日本から取り寄せたもの。アニメのほうはずっと前に観たが、このコミック版は2巻まで読んだものの、その後を読みそびれてしまった。そのまま帰国時に日本に持って帰ってきて本棚にあったが、今回続きを初めて読んだもの。いったい何やってるのやら(笑)

しかし、一度読み始めると引き込まれて7巻まで一気に読了。アニメ版よりも話は更に進み、ナウシカはなぜこの世界がこのような世界となったかの更なる大きな秘密に向い、直面することになる。

火の7日間と呼ばれる世界大戦で技術文明が崩壊し、地球は汚染にまみれ、文明のたそがれを生きる人類。王家の家督を巡る血なまぐさい確執、不死を願う権力者の飽くなき欲望、狂った王女、敬愛する姫のために命をかける家臣達など、描かれるモチーフはある意味類型的ではあるのだが、宮崎駿は様々な題材を自らのストーリーに取り入れるのが実に巧みで、息を飲む物語に仕上げている。

火の7日間の直前、地球と人類復活を図って立てられた壮大かつ禍々しい地球再生計画。その予定調和には背を向け、あるがままの環境と共存して生きる道を選び、「命は闇の中のまたたく光だ」と叫ぶナウシカは、慈悲と破壊の二つの顔を持ったアンビバレンツな女神。

彼女は暗黒面に沈んだ者を希望に再生させ、しかし、何者かが古代より残した復活の計画には「否」と断を下す。善も悪も、正も邪も、清浄も不浄も関係無しに受諾し、「この世は生きるに値する」と伝える使徒。コミック最後のコマは、焦土を背景に「生きねば」との一言で終わる。20年前に描かれたこのコマが「風立ちぬ」に繋がっていたとは。

コミック版は、映画版よりも更にダークで奇怪なイマジネーションに満ち溢れているが、ただアニメ版はアニメ版として完結している。続編の噂もあったが、既に宮崎駿は引退。おそらくアニメでの続編は製作されることなく、アニメ版はアニメ版として、コミック版はコミック版として残り続けるのだろう。そして、それはそれでよいことのように思えるのだった。


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