97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
「失踪日記2 アル中病棟」
「失踪日記2 アル中病棟」読了。

前作の「失踪日記」は、漫画家の吾妻ひでおが、鬱を発症し、家から突然失踪してホームレスになったり、アルコール依存症になって精神病棟に入院したりの顛末を自ら描いたエッセイ漫画。

今回の作品は或る意味その続編であり、前回あまり描き込まれなかったアルコール依存症治療病棟での入院生活を克明に描いたもの。しかし、前作からもう8年も経つのか。

前作は、雑木林の中で原始人のように野宿し、ゴミ捨て場を漁って捨てられていた天ぷら油を飲んで空腹をしのいでいたなど、生活の破天荒ぶりが逆に突き抜けた明るささえ感じさせたが、今回の作品は閉鎖的な入院生活が舞台で、随所に死への言及があるなど、若干暗い印象。吾妻ひでおも既に60歳を過ぎているから、年齢も反映してるのだろうか。

凄まじい症状が描かれるアルコール依存症は、単なる大酒飲みとは明らかに違う領域。朝目が覚めた時からずっと飲み続け、まず食物は受け付けなくなり、酒だけでカロリー摂取するように。吐いては飲みを繰り返し、やがて酒すらも胃が受け付けなくなるのだが、アルコールに対する禁断症状は凄まじいので、吐きながらも飲酒を止めることができない。このような連続飲酒の末に死の寸前まで行って倒れ、病院に担ぎ込まれる。

アルコール依存症は心の病であり、意志による完全な断酒しか治癒の道は無い。ほんの少しでも飲めばまた元の黙阿弥で、必ず連続飲酒に陥るのだという。これを「トリップ」と称し、この本でも退院してはまた連続飲酒に陥って再入院する患者が後を絶たないことが克明に描かれている。

アルコール依存に関しては、吾妻ひでお本人と、これまた依存症であった鴨志田譲の妻であった西原理恵子、そしてアルコール依存を克服した元患者の対談形式で、自身や身内が経験したアルコール依存の実態を語る、「実録! あるこーる白書」の感想を以前に書いた。

それまで問題なく飲酒していたのに、何かの拍子に坂を転げ落ちるようにアルコール依存になる酒飲みもいるという事。そしてアルコールに起因した鬱病状も、いつ誰がなるかは分からないという酒飲みには恐ろしい話が語られていた。

「完全主義者は身を滅ぼす」という表現が本書には出てくるが、物事を突き詰めて考え、自分で自分の退路を断ってしまう人が依存症になりやすいのだという。

依存症になって、お酒を適度に楽しむ人生が打ち止めになってしまうというのは厳しい宣告。依存症にはなりたくないもんだ。

ということで、アルコール依存症チェックを。

「正常な範囲にあります。まずひと安心。」と出た。安心じゃないの(笑) ただ、このチェッカーはちょっと甘い気がするな(笑)「うさ晴らしを酒ばかりに求めず、ストレスは別の方法で発散し、むしろ飲酒は楽しい人づき合いや食事などのために役立てたいものです」 とのコメントも。ま、誠におっしゃるとおり(笑)。

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